定例記者会見(平成17年5月18日)

知事定例記者会見

・日時/平成17年5月18日(水) 14:03~14:28
・場所/ 記者会見室
・記者数/24名(その他テレビカメラ等4台)

会見項目

 

知事からの話題

1 まちかど対話の実施について
2 春耕期における農作業等の進捗状況について
3 (株)丸井今井の再建案について

記者からの質問

1   北海道新幹線について(1)
2 北海道新幹線について(2)
3 市町村合併について
4 不適正経理額の返還について

知事からの話題

 

まちかど対話の実施について

  私からは三つお話をしたいと思っております。
  一つ目は、明日、明後日でまちかど対話で網走支庁管内の津別町に参ります。今年度は3回目になります。今回のテーマは「木育」ということで、あちらの方は、ご案内のとおり、木あるいは森林を使って、いろいろなまちおこしが行われているところです。木育という言葉は、最近よく道庁でも使われるようになったのですが、思い起こしますと、一昨年のいつでしたか、教育委員の方々と私は懇談させていただきまして、その際に当時の教育委員のおひとかたがとても熱心に、木とともに子どもを育てるということがとても重要ではないかということを言っておられて、そういったことにヒントを得て、教育長と議論をして始めた私どもの動きでございますが、「木とふれあい、木に学び、木と生きる」という北海道らしい考え方でございます。
  具体的には、明日、地元の木材を多く使っておられる「津別中学校」の校舎を見学して、子どもたちと一緒に給食をとりながら対話をいたします。それから「道立津別21世紀の森」では記念植樹、「木育」活動をやっておられる地域の方々との懇談、最後に津別の製材工場、合板加工を視察させていただく予定です。また、明後日、金曜日は、北見市で開催されます「第20回オホーツク「木」のフェスティバル」のオープニングセレモニーに出席しようという日程で考えております。明後日からは、また函館に入るわけですが、ちょっと駆け足ではありますが、そういったオホーツクのまちかど対話を考えております。

春耕期における農作業等の進捗状況について

   二つ目でございますが、今日もなんだかどんよりした雲で、雨も時々降ったり寒い一日でございますが、やはり農業立国の北海道の知事として、常に天気というのは農作業、農作物との関係で気になるわけです。皆さま方もご心配しておられる思いますが、ご想像のとおり、今年は雪解けも遅れました。そして、その後、4月の一時期は暖かかったし、日照も多くなったと思うのですが、ちょっと寒くなって、日照もその後不順になりまして、農作業は全道的に見ますと、平年と比べて、5月1日現在で、3日から7日程度の遅れと。これは農作業ですね。そういったことになってまして、私、ちょうど一昨年が、やはり低温、日照不足だったので、そのようにならなければ良いなと思っているところです。
  その後、状況を我々、もちろんきちんとフォローしているわけですが、これまでのこういった天候不順のときの私ども農政分野の職員のノウハウの蓄積などもありますので、いろいろな天気予報等の情報を入手しながら、稲の苗の温度管理の徹底など、いろいろな技術情報を出して、各農家さんに対して指導をしているところです。まだ、今、農作業の段階で、たとえば、水稲で言いますと、苗はハウスにあるわけですよね。これからその作物が、どのように育っていくかという作況調査は、5月15日が最初でございまして、これから月2回のペースで行い、発表していくということになります。明日に1回目の作況調査の発表になりますが、今段階では、生育、農作業の遅れは、それほど拡大しないのではないかと、私どもは見込んでおります。ただ、お天気相手のことですので、これからの天候の回復というものを心から期待をし、様々な技術指導に万全を期してまいりたいと考えているところです。
  現状で、ある限りの情報で、農作業等の進捗状況を申し上げますと、たとえば、水稲では、この天候不順で心配をされておりました出芽障害は、平年並み程度と。今段階では、それほどひどい状況にはないということです。ただ、農作業、耕起作業の方は、2日程度遅れが出ている状況です。それから、秋まき小麦につきましては、雪腐れ病というものがとても心配されたのですが、現時点では、被害は平年並みという報告を受けているところです。それから、甜菜ですが、現在、ハウスから畑への苗の移植作業が順調に進んでいるところです。ただこちらも、畑を起こす耕起作業の方は、遅れております。そのようなことで、総じて農作業は少し遅れているけれども、それが今のところ作物にまだ影響は出ていないと。作況はこれからだと申し上げたとおりでございますので、これから状況を把握しつつ、日々、適宜適切な技術情報の提供、あるいは技術指導等を農業改良普及センターを通じて、やってまいりたいと考えているところです。

(株)丸井今井の再建案について

  三つ目は、丸井今井の再建案の関連です。報道等でも出ております。閉店等も取りざたされているという小樽、苫小牧、釧路、室蘭、それぞれの地域で、市長さんをはじめ皆さん方の活発な動きが出ているところです。私も、この記者会見の場で、前回あるいは前々回でしたか、ご質問にお答えする形で申し上げたとおりでございますが、まず、丸井今井さんから様々なお話をお伺いいたしております。もちろん、これは企業の再建ですので、金融機関をはじめとして関係機関との調整等の途上ということで、開示できるものとできないものと当然あるわけですが、私どもは、とにかくお話をお伺いしています。そして、その上で、今申しました、特に影響が懸念されている4地域の皆様方とは、支庁を通じて、あるいは本庁からも局長を派遣いたしておりますが、市役所、商工会議所等と議論をし、それぞれの地域で、地域の住民の方々の意向を盛り上げるという意味で署名活動はやっておられるようですが、署名活動が何十万集まっても、売り上げが増えなければ、丸井今井にとってはいろいろな再建策にならないわけでございますので、それぞれの地域ごとで、どのような集客アップに向けての取り組みがあり得るのか、また、そういったことについて、地元だけでお金をお出しになるのはなかなか難しいと思いますので、私ども道の制度、あるいは経済産業省をはじめとした国の制度の活用、ですから、これは経産局さんにもご協力をお願いしながらと考えておりますが、なんとかそれぞれの地域の思いも踏まえて、私どもとして調整できることをやっていきたいと思っているところです。前の記者会見のときも申しましたとおり、道民の皆様方にとって、丸井今井というのは丸井さんと愛称で呼ばれているだけあって、特別の深い思いを持っているデパートであると私ども認識をいたしておりますので、その丸井さんの再建と地域経済の活性化ということの調整について、私ども道としても知恵も出し、汗もかいてまいりたいと考えているところです。
  私からは以上です。

記者からの質問

(朝日新聞)
  22日に北海道新幹線の起工式が大野町でございます。それに関して、一つだけ質問がございます。今、北海道は厳しい財政状況で赤字再建団体転落間際ということで、財政再建に取り組んでいらっしゃるところです。新幹線に伴っては、建設工事費の3分の1が地方自治体の負担ということで、厳しい財政の中で年間数億から数十億の負担が、今後求められるだろうと見られています。厳しい道財政に与える新幹線の工事の影響といいますか、その辺についてお尋ねしたいと思います。

(知事)
  問題の所在について、深い認識を私自身も持っているところです。17年度、今年度分については、北海道新幹線に工事費が30億円計上されておりますので、そうするとトータルの中で3分の1が地元負担というのは、法律で決まっておりますので、青森県さんと北海道で10億円ということになるわけです。実際は、今年度どういう工事が行われるかによって、青森県さんと私どもの負担は出てくると思うんですが、事実上、いろんな測量作業等々、北海道側からいろいろ進んでおりますので、一応私どもとしては、1定に当初予算として10億円を道費として計上を既にさせていただいているところです。今後、また、駅舎の整備等々の段階になる年には、道、県に加えて、地元の町、基礎自治体の負担も出てくるようなことも、当然これから工事の進捗状況にそって出てきます。今、ご指摘のとおり、それぞれ青森県も、私どもも、市町村もみんな財政が厳しい状況にある中で、どうやってこの新幹線の地元負担分を捻出するか、これは大きな問題なわけです。そういった中で、例えば、今年度の道としての公共予算、開発局さんとともにやっているわけですが、補助事業、直轄事業あわせての道の負担分というのは、だいたい4,750億円くらいでしょうか。これはいつでしたか会見で財政再建の関係で申し上げたことがあります。直轄分が1,413億円で補助分が3,443億円という数字です。また、それに加えて、投資単独で1千億円強の予算を17年度に計上させていただいているところです。もちろん、この金額につきましても、今、財政再建のプラン見直しの中で、もちろんさらなる切り込みを残念ながらせざるを得ないと思っていますが、こういったトータルの、今、持っている道の公共事業関連予算の中におけるこの北海道の新幹線への予算の配分をどうするかということになってきます。数字としては、新幹線分ももちろん小さくはありません。ただ、全体のプライオリティーをきっちりと付けることによって、全く飲み込むことが不可能な金額ではないと私は基本的に認識をしているところです。その意味からも、昨年でしたか、社会資本整備の重点化プランというインフラ整備のプライオリティー付けも、高橋知事になってから初めてやらせていただいた経緯もありますし、これからも、道民の方々と様々な議論を深めながら、新幹線予算を道民のご理解を得ながら確保していきたいと、そういう心構えのもとに、当然、札幌までの延伸という運動も続けていかなければならないと思っているところです。

(北海道新聞)
  先ごろ、総務省の方で、合併推進のための基本指針案というのをまとめられて、その中で、合併対象となる市町村の規模、人口1万人未満という文言を盛り込んだという話がありまして、これを受けて、北海道としても合併構想をまとめるということになると思うんですが、知事として、その合併構想の中で、人口を基準に考えるお考えがあるかということと、構想の中での基礎自治体の規模のイメージを今の段階でどのようにとらえられていらっしゃるかとその2点をお聞きしたいんですけど。 

(知事)
  合併指針、国はちょっと遅れていましたね。当初はもう少し早く今年度当初にもという話だったんですが、1カ月くらい、もう少しでしょうか、遅れてきたということです。1万人という数字が入ったかどうかは、直近の情報としては聞いていないんですが、この1万人という数字はそもそも、一昨年、合併について様々な新しい動きがある中で、この1万という数字をどの段階でどのように入れ込むかということを国の方でいろんな議論があって、我々の方からは、町村会等々と連携をしながら、入れないでほしいという議論を東京に行って様々な形でしておりました。その時に、法律上入れないにしても、何か指針のような形で入れることは十分あり得るというのは、当時から総務省関係の方々、あるいは審議会のいわゆる有識者委員の方々も言っておられたので、それが入ったかどうかは、ちょっと私自身は確認しておりませんが、それはそれで一つの考え方を国が提示されたのかなと思います。
  この国の合併指針を踏まえて、私ども道としての合併構想をこれから審議会を作り、その審議会の根拠となる条例を2定に提出するわけですが、それを踏まえて夏ぐらいから審議を始めて、今のスケジュールでは来年度早々くらいに、道としての合併構想を出そうということを考えています。このご審議の過程の中で、今、ご質問の人口基準等について、どう考えるかということについて出てくるということだと思いますので、今段階で、私として何か前提となる認識を持っているということではありません。しかしながら、自治のかたち円卓会議での議論でも、記憶にあるのは、これからの基礎自治体としての仕事をやっていく上で、一定規模の、一定規模というのは人口なのか、あるいは財政力なのか、面積なのか、いろんなことがあるんでしょうが、そういったことを道と市町村で共通認識として何か出した方がいいのではないかという議論が自治のかたち円卓会議のメンバーの首長さん方から出ていたという事実はありますので、今後の審議会、あるいは、もちろん地元の皆様方のご意見をお伺いするというプロセスもありますので、そういった過程でこの定量的な基準について議論が出てくるということは、私は十分あり得るかと思っています。

(北海道新聞)
  今週で道庁の不正経理の道庁幹部職員による返済が完了するというふうに聞いております。それで、9年余りかかってということなんですが、時間が経ってきたということもあって、お金の問題なんかについて意識も非常に薄れてきたというような指摘をされている方もいらっしゃいます。昨年なんかは、道職員逮捕という問題もありましたし、お隣では道警の裏金問題みたいなものもあります。そういうことも踏まえて、今回、こうやって終わるということに対しての知事のご感想があればお聞かせ願いたいです。
  
(知事)
  通常給料日は21日ですが、今月は21日が土曜日だから20日です。ですから、20日の給料日で終わりになるわけですが、9年2カ月かけて、道庁の管理職員のリレー方式で返してきたということです。道庁の幹部職員の皆様方の気持ちからすれば、今まで本当に苦労して苦労して返してきたということもありますので、精神的、経済的な負担がずっとあったので、早く忘れたいという心情的な面もあったかもしれません。そういった中で、今、記者さんがおっしゃったような意識が薄れてきたのかな、どのような人が言っているんでしょうか、そういう声も出てきているかもしれませんが、やはりこれは原点に帰って道民の方々からお預かりした公金を、不正に使用したという事実の上に立ってのリレー式の返還だったわけですので、二度とこういうことを起こしてはならないという意味で、幹部職員にとっては痛みだったわけですが、こういう痛みを二度と起こすような状況になってはいけないということを、もう一度、我々はかみしめなければならないということだと思います。
  こういった意識の上に立って、これから引き続き、不断の道庁改革というものに取り組んでいかなければならないと思っています。

(読売新聞)
  新幹線の関係で二つなんですが、22日にいよいよ着工ということなんですが、それで次は札幌ということになるんだと思うんですが、そこで改めて、どういう運動方針というか、基本方針で誘致運動に臨むのかということと、その関連で、札幌市長が期成会の副会長に就任しましたが、その点に関して、自民党の関係者から札幌市長が民主党系ということで、今後、運動に足並みの乱れみたいなのがどうしようというような声も出ているふうに聞くんですが、その辺、知事答えられる範囲でどのようなご感想でしょうか。
  
(知事)
  起工式が終わりますと、当然延伸に向けてのさらなる運動開始ということになるわけですが、3年後ぐらいの見直しということが言われておりますし、このことは小里先生も私が参りますたびにそのようなことも言っておられます。そこに照準を合わせて、私どもとしてさらなる運動を展開するということになるわけですので、そのためには道内外一丸となってこの問題に取り組んでいくという、これまでもやっておりましたことを改めて結束を強めてやっていかなければならないと思っています。そういった観点から、先般、行われてました期成会の総会で、私から無理にお願いをして経済界の重鎮でいらっしゃる武井会長に会長代行をお願いをいたしたということ、それから今お話のありました当面の終着点である札幌市の上田市長に副会長として、今までの前札幌市長さんまでは市長会の会長さんとして入っておられたんですが、やはり終着駅の市町村に入ってもらう必要があるだろうということで、副会長にお願いをしたところです。また、上田市長自身、とても熱心にこの問題をとらえておられて、この前の総会で決意表明もございましたが、先般、一対一でお会いしたときも、是非、僕も東京に要請活動に知事と一緒に行きたいというようなことも言っておられましたし、22日の起工式にもご出席ということをお伺いをしております。やはり道内一丸となって、この札幌延伸に向けて運動を起こしていくということが基本方針であり、二つ目のご質問の答えにもなるかと思うんですね。道議会でも全会派一致で、新幹線は北海道へということも今までもやってまいりましたので、今、北海道で政治的なバックで選り好みするゆとりはないのではないでしょうか。この危機の時代に、みんな一緒になって、この北海道の活性化、危機からの脱却をどうするかということに知恵を出していく、私はそういう状況だと思いますので、札幌市長さんがご熱心にこの問題に取り組みたいと言っていただいたことはとても心強く思っているところです。

 


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