定例記者会見(平成16年12月17日)

知事定例記者会見

・日時/平成16年12月17日(金)15:02~15:23
・場所/記者会見室
・記者数/26名(その他テレビカメラ等2台)

会見項目

 

知事からの話題

1 石原東京都知事との会談について

記者からの質問

1 道州制特区に関する懇談会(第2回)への出席について
2 道警不正経理問題について(1)
3 道警不正経理問題について(2)
4 石原東京都知事との会談内容について
5 前札幌医科大学事務局長の起訴について
6 平成17年度国費予算について

知事からの話題

 

石原東京都知事との会談について

   今週、月・火・水と東京に行って参りました。月曜日は産学官連携サミットということで、内閣府等の政府及び学術会議、それから経団連も入っておりました。産学官のトップのところが主催で、北海道の地方のケースということで、「北大リサーチ&ビジネスパーク構想」などについて、プレゼンテーションをしました。企業誘致の大きなプロモーションの場だと思いまして、目一杯、北海道のピーアールをしてまいりました。そして、火曜日は知事会議があって、それから谷垣大臣に新幹線の要請等をやりました。水曜日は東京都の石原都知事と会いまして、その時のことをちょっとだけ、ご報告を申し上げます。
 私は石原都知事とは、知事会等の場ではお会いしたことはあったんですが、2人でお会いするのは初めてでございまして、以前に、石原都知事を含めて、複数で会食をする機会があった時に、地方の状況も知りたい、僕も小さい時は、北海道にいたんだというお話がありましたので、今回、私の方も時間が取れましたので、都庁に行って参った経緯でございます。いろんなことを言ったんですが、北海道というところは、公共事業依存体質で、国に甘えてここまで来たという思いがおありになるでしょうが、実は違いますということで北海道も今、自主自立のハイテク産業の振興とか、企業誘致とか、いろいろ努力をしているというポイントと、もう一つは、そうは言っても、やはり都会とは違う、行政コストが割高にならざるを得ない、構造的な要因があるということをご説明してまいりました。
  例えば、足寄と上士幌、これはなんで足寄と上士幌かというと、古い話ですが、中川一郎先生の時代に、石原都知事も同じグループでいらっしゃったので、馴染みがあるかなと思ってここを取り上げたんですが、足寄と上士幌2町でだいたい東京都と同じ広さなんですね。ここに北海道は1万4千人います。それに対して、東京都は1千200万人以上おられる。その広い所に住民が点在して住んでおられる方々に対して、行政サービスを提供するということは、当然、非効率な部分があるというご説明をしたり、やっぱり農村地域あるいは漁村地域というのは、農家の耕地と農場と一体となって住んでおられるわけですから、当然、都市部のように人口が集積立地しているわけではない。そこに対しての医療福祉、その他、様々な行政サービスの提供というのは、やはり構造的にコストがかかるというようなことを申し上げました。それが一つの、北海道の構造的なコスト高の理由ですね。
  それから、もう一つは、「環境」、「食」という、これは日本国全体に究極的には貢献する分野ですが、それを守るためのコストを、国からもいろいろ支援をいただいていますが、道としても資質があるというようなことを二つ示して、やはり北海道を代表する地方というのは、都市とは違う構造の中で、行政は割高にならざるを得ないというようなことを説明し、そういった中で税収も限られているので、地方交付税のような財源調整制度というのは必要であるということを、不交付団体の石原都知事にご説明をしました。
  石原都知事は、先程も申しましたが、小さい時に(北海道に)住んでいたということ、それから、知床も大好きだそうで、高橋知事の言うことは理解する、というようなことは言っておられました。
  それ以上は、例の税源の調整の話等をやると議論が沸騰すると思って、そこまではいかなかったんですが、基本的な考え方のところについては、石原都知事も理解を示されたわけです。あとは2人で雑談をしながら、三位一体改革については、今回のは不十分だったというところは、2人の合意がありました。
  それから、国は、特に財務省中心に地方の歳出削減努力は不十分だということを言っているけれども、東京だって地方ですとおっしゃいましたが、いろいろ人件費抑制など努力をしているというところでも、一致を見たところです。以上です。

記者からの質問

(朝日新聞)
  20日月曜日に道州制特区懇談会の2回目が開かれると思うんですが、前回、時間がないということで、議題二つ目のあたりで止まっていると。今度は1時間以上あるようなんですが、話の見通し、推進組織についても、議題の最後に上がっていると思うんですが、どこら辺までいきそうかとか、その見通しをちょっと教えていただけますか。

(知事)
  この前は、構造改革特区地域再生と道州制特区は何が違うのかという、いまさらのような、要綱がないから、こういう議論になるわけですが、私どもは私どもの主張があって、それを申し上げ、国サイドは国サイドでいろいろおっしゃって、また、有識者の本間先生、あるいは宮脇先生はそれぞれのお立場でいろいろおっしゃったということで、時間切れになりました。次は、私、正確には聞いておりませんが、議論の続き、この構造改革特区等との違いのところから始めるとすると、それで、また、あっという間の時間になってしまう可能性があります。そこは議事進行は内閣府サイドがやっておられますので、ちょっと読めない部分もありますが、例えば、そこは両論併記というところで、次の議題にいくとすれば、機能等統合のところにいって、議題の一つとしては推進組織のところもありましたので、そこまで、是非、いってほしいなとは思っています。ただ、一つ一つの項目で、私どもも内閣府のご主張が私どもの思いと一緒であれば、議論がそれで過ぎていくわけですが、そうではない場合は、こちらもやはり真っ正面で議論しなければならないので、その意味では読めない部分はあります。ただ、今回が、また、時間切れになっても、ここまできたら、きちっと真っ正面に議論を深めていくことが重要だと思っていますので、いつかはその推進体制の議論にもたどり着くだろうと思っています。そこはねばり強く議論を見守り、その場その場で私の言うことは決まっております。ご想像つきますよね。それを主張していくということに尽きると思っています。本当はやはり、2時間くらい時間ほしいですね。そこだけは申し上げているんですが、向こうも忙しいんですかね、そんなことです。

(北海道新聞)
 道警の裏金問題ですが、夕方に道警が、処分を発表するという話ですが、この中身については、知事お聞きになっているかどうかあれですが、その中身うんぬんよりも、不正がないと本部長が言って1年余り。ついに、こういう処分という事態に至ったわけですが、この間の議会でも否決とはなりましたが、本部長の辞任勧告決議というものも出てきて、こういうものが出されること自体、前代未聞ですし、不名誉かとは思いますが、そういう道民の不信も極まるような事態に至ったということについて、処分というのが一つの節目の時ですから、処分の内容ではなくて、こういう事態に至ったということで、改めて、本部長、道警の上層部の責任というものをどのように、お考えになっているのかということをお聞きしたいなと思います。 

(知事)
  事実として、今日、処分されそうということは報道等では聞いておりますが、中身については、一切、少なくとも私は承知をしておりません。今日の夕方、今、並行でやっているとか、そのくらいになるんでしょうか。
  その中身を見ないと分からないわけですが、私は残念ながら、処分権者ではありません。
 警視正以上については、国、国家公安委員会でありますし、その下の方については、都道府県の公安委員会の意見を聞いて、道警本部長が処分をするということになっております。そこに対して、知事として、何かを言うことはできないわけですが、いずれにいたしましても、前から申し上げているとおり、今段階で幕引きということはあり得ません。年内に返還されると、まだ、返還しておられませんが、これから年内、あと1週間ちょっとありますが、そういうことを考えておられるんでしょうが、いずれにいたしましても、特別監査と特別調査の間の差、違いの部分について、これから道警において、もう始まっていると思いますが、いろんな説明、突合作業、必要であれば補足調査ということも言っておられますので、そういった協力要請の文書は出しております。そういったことを踏まえて、道警におかれては、監査委員への協力を十分にしていただいて、道民に対する説明責任をしっかり果たしていただく必要があるという意味で、繰り返しになりますが、今回の処分というのは、最終的にそれで終わりということには、ならないのではないかと私は考えております。引き続き道警において、確認的監査への協力を、是非、お願いをしていきたいと思います。それが明らかになって、それを踏まえて、私自身が判断をした時に、初めて、返還額というものが確定をするわけでありまして、その段階で、また、処分権者である方々がどのようにご判断されるかということではないかと考えております。

(北海道新聞)
  その幕引きではないというのは分かったんですが、責任の重さという部分はどうですか、改めてお考えは。

(知事)
  これも新聞ですが、福岡県警でも同じようなことが、今年に入ってからいろいろ動きがあって、こちらの方の処分はすでに発表になったというような、詳細は知りませんが、そういうことを言われております。特別監査の中でも、本部等の上の人たちの、正式なものは忘れましたが、やはり階級社会の中で、ほとんど全ての部局でこういったことが行われていて、所属長をはじめとして幹部の方々が人事異動で移っていったわけですから、そういった中で、それぞれの思いは濃淡あるんでしょうが、総務部長さん、総務課長さん、そういうことの認識はあったというご発言もあった。それから特別監査の中でも、そういう意見が監査委員の方から付されているわけですから、やはり、改めて道警においては、その上層部の幹部の皆様方は、こういった状況を重く受け止めていただく必要はあると、その上に立って、やはりこれからの確認監査に向けて、しっかりとそれへの協力を含めて、説明責任を果たしていただきたいという思いを新たにいたしております。

(HTB)
  先程の話の中に「今段階での幕引きはあり得ない」というご発言がありましたが、知事としては、このタイミングで道警が処分を出してくるというのは、やはり幕引きを急いでいるという、ご判断ということでよろしんでしょうか。

(知事)

  それはちょっと分かりません。東京のほうのご判断もあるでしょうから、国家公務員とのバランスなどいろんなこともあるでしょうから、私は、そういった事情を承知しているわけではないので、あまり軽々にコメントしないほうが良いと思っています。

(産経新聞)
  東京都の石原都知事と会談されたそうですが、石原知事は今年の夏ぐらい、北方領土に関して、ユダヤとパレスチナがものすごい争いをしていると、国際平和のために北方領土をパレスチナに与えてはどうかと、暴論ではあるが、そういうことも必要じゃないかという発言をしているんですが、北方領土の話は出なかったでしょうか。

(知事)
  北方領土の話は出なかったですね。知床の話は大好きだというお話はされていたんですが、そうですか、では、次回また機会がありましたら、そんなこともお話したいと思います。

(TVh)
  先月、前の石狩支庁長の山本容疑者が逮捕されて、今日午後、起訴されたと聞いているんですが。

(知事) 
  まだ、起訴されていないと聞いているんですが。

(TVh)
  起訴されていると聞いていますが、まだ、聞かれていないということですが、議会では捜査の推移を見守ってということだったんですが、起訴された場合、知事の責任について、検討されると思うんですが、その辺はどのようにお考えでしょうか。

(知事)
  まだ、起訴されたということは聞いてませんので、(起訴された)その後にお答えしたいと思います。

(NHK)
  国の予算編成が大詰めを向かえてますが、知事として、特に関心なり注目されていることをお願いします。
  もう一つですが、繰り返しになりますが、道警が確認的監査が出ていない、知事としての判断が出ていない、この段階で処分を出すということについて、知事のお考えをお聞かせ下さい。

(知事)
  国の予算編成については、いままで何度も申し上げた新幹線の関係予算では、政府・与党では数字が入ったわけですが、706億円ということで、それがどういう形で実際に政府案になるかということについては、我々、来週も東京に参りますが、見守ってまいりたいと思います。
それからやはり、これは想像されているお答えだと思いますが、開発予算がどのような形になるか、もともと補助部分については、私ども、道、市町村分を平準化してマイナス10%で要請してます。地方負担分の対応が厳しい状況ですので、そういうことになってますが、そういう中で(国)直轄部分がどうなるかというのは一つの関心事です。
  それからやはりソフト部分で、雇用対策ですとか、経済対策についても、いろいろ要請活動をしてきていますし、そういうところが我々の関心事になってくるかと思います。
  この前、北側国土交通大臣が来られたときに、新幹線と、高速道路と、それから新千歳空港の国際線ターミナルも要請させていただきましたので、それがどうなるのか、来年度、すぐというのは無理なのかもしれませんが、その辺も注目してまいりたいと思います。
  ソフト予算といいますか、公共事業予算以外の予算は、経済産業省予算などは特にそうですが、全体でできていて、その中で各地が競争して、いかに取ってくるのかということになりますので、今段階で予算がどうかという注目よりは、むしろできあがった予算の姿を見て、私どもが域内でやろうとする政策との関係において、何をどう活用できるのかという発想になろうかと思っています。
もう一言、言うとすれば、建設業関係で我々もソフトランディング対策を行っている。これは来年度の重点施策でも、予算額は、まだ、ペンディングと申し上げましたが、相当力を入れてやりたいと思っていまして、こういったことに使える予算を是非、雇用関係で厚生労働省なり、また、国土交通省なりのいろんな予算があれば見ていきたいと思いますが、それは仕上がった後の話だと思っています。
  道警の処分の関係ですが、先程、ご質問のあった部分と同じ趣旨だと思います。早すぎるのではないか。残念ながら私、処分権限を持っておりませんので、コメントする立場にないのですが、ただ、いずれにしろ返還額については、私から、確認的監査を監査委員にお願いしておりまして、これは越年は確実です。あれだけ膨大な作業ですので。それが確定した段階で、それで本当に終わりかどうかということもありますが、それでやっと一区切りだと思っています。そこまで道警におかれては、確認的監査への協力も含めて、説明責任をしっかりと果たしていただきたいと思います。

 


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