定例記者会見(平成16年12月3日)

知事定例記者会見

・日時/平成16年12月3日(金) 18:03~18:24
・場所/記者会見室
・記者数/25名(その他テレビカメラ等4台)

会見項目

 

知事からの話題

1 特別監査の結果報告について

知事からの話題

 

特別監査の結果報告について

   私からは、本日、監査委員からご報告いただきました特別監査の結果報告についてコメントをさせていただきます。資料は、お手元にお配りしていると思いますが、道警察に関する一連の問題について、第三者的な立場から事実関係を明らかにするということが必要だと思い至りまして、道警察全部署における平成10年から6年間、捜査用報償費を含めて4科目の予算執行について、私から監査委員に対して特別監査をお願いしたところでございます。そして、その結果を本日いただいたということです。午後いただいたわけですが、これまでの監査委員、それから、事務局のご苦労に対して心から感謝を申し上げたいと思います。そして監査結果におきましては、時期の特定はできないということでございましたが、相当以前から平成12年までの長い間、慣行として、組織的に不正な予算執行が行われ、平成13年度以降も一部の部局で続けられており、この表現的には「執行の事実がないもの」「執行の事実が確認できなかったもの」などが4科目合計で約5億円存在していたと、これは、今日いただいたご報告に以前にちょうだいした旭川中央署と弟子屈署の部分を含めて、約5億1千万円ということでございますが、こういったことが明らかになったわけでありまして、私としては、改めて遺憾に思う次第です。
  監査結果の詳細については、これから分析することとなるわけですが、特別調査結果との相違などがあるわけでありまして、既にこれも要請させていただいております確認的監査でしっかりと確認していただくよう、本日の午後に、改めて監査委員にお願いをいたしたところでございます。道警察においては、監査委員の求めに対し最大限の協力を行っていただくなど、引き続き道民の皆様方に対する説明責任をしっかりと果たしていただきたいと、このように思っているところです。私からは以上です。

記者からの質問

(共同通信)
    全ての費目においての不適正な支出があったというわですが、今後、捜査用報償費の予算はだんだん減ってきていますが、今後の道警に対する予算について、やはり不正があった分などについては、減額をしていくおつもりはあるのかとか、そういうところを教えてください。

(知事)
  17年度以降の予算ですね。まず、総務部からは、16年度の執行状況が結構低いということも聞いておりますので、そういう実績などももちろん勘案するんですが、15年度までの結果を踏まえて、総合的に考えていかなければならないと考えております。

(共同通信)
  総合的に判断というのは。 

(知事)
  減額もあり得るということですね。

(共同通信)
  執行率が低いということは、実際に使った分しか予算をつけませんよということですか。

(知事)
  いいえ、そうとは言っていませんが、そういうことも勘案しながら、減額も含めて検討していきたいということです。
  
(NHK)
  今回の意見の中でも道警の協力が不十分であったという監査委員の意見が付与されていますが、知事として、道警に監査委員と道警の間で協力をしろ、しないという話をしている段階は終わったような気がするんですが、知事としての命令なのか、指示なのか、道警に対するその辺のリーダーシップをどのようにお考えなのか。  

(知事)
  先程のコメントの中でも申しましたが、確かに、おっしゃるとおり、特別監査の委員の皆さん方の意見ということで、十分に協力が得られなかったと、捜査協力者の件も含めて、という記述がありました。また、私もそのようにお伺いをいたしております。今後、これから最終盤に入っていくわけです。まず、特別監査の、先程申しました執行の事実なし、あるいは、執行の事実を確認できず、それぞれについて、また、これもブレークダウンした概念がありましたが一つ一つチェックしていくということが必要になってくるので、まず、一義的には、道警において特別調査をされたわけですから、たぶん手法が違うから金額が違っているんでしょうが、特別調査を踏まえて、監査委員に協力してもらって、特別監査の中のそれぞれの項目ごとに、部署ごとに、年度ごとに、一つ一つの突合をやっていく意味でご協力していただかなければならないわけです。そこで、明らかにならない場合には、必要に応じ、補足調査というんでしょうか、これも行っていただくことになるでしょうし、その結果が出て、額がある程度固まったところで、今度は確認監査になるわけです。その節目節目で、道警において協力をしていただかないと、これからの最終盤の詰めの部分ができないわけですから、改めて、私の方からも道警に対して協力を要請していくということを言ってまいりたいと考えております。  

(NHK) 
  要請以上のものというのは、知事としてはしにくいですか。

(知事)
  そうですね。

(NHK)
  これまでもずっと知事としてずっと要請されてきて。

(知事)
  法的権限がないので要請ということをやっていく以外にないと思っています。

(朝日新聞)
  代表監査委員の方が、先程の記者会見で、知事部局と道警の事務職員との人事の交流がもっとあれば、道警の事務職員も様々な会計の仕方を勉強できて、おかしな会計を上司から命じられても、これは違いますよと言えたんじゃないですかと、徳永代表監査委員がそういったことをおっしゃっていたんですが、今後、道警と知事部局の人事交流を活発化するご意向があるかどうかということをお聞きしたいのですが。

(知事)
  そういうご発言を徳永代表監査委員がされたということは、私も承知をいたしております。これまでも、若干の人事交流はあるんですが、いろんな形で必要があればこういったことも私も進めてまいりたいと思います。

(北海道新聞)
  先程の監査委員の会見の中で、代表監査委員のほうから「公金として正規の形で支出されていないものは、全て私的流用という捉え方をしている」と、あるいは「各幹部はその不正経理について、同じ道をたどって来た立場から、十分認識していたことだ」と、いうことで上層部の関与も認めています。これは道警の内部調査の報告を真っ向から否定するような形になっていますが、このことについて、所見を伺いたい。
  また、先程の補足調査についてですが、内部調査を道警に再びやらせることにどれくらい意味があるのかと、疑問がありまして、要するに返還額をできれば減らしたいという、必要に迫られて道警がやる調査ではないかという指摘もあります。道警の内部調査の最終報告をご覧になって、極めて不十分だと感想を持たれた知事として、この補足調査をどのように考えているのか、お願いします。

(知事)
  まず、私的流用についての、徳永代表監査委員の発言についてですが、私が聞いておりますのは「公金として正規の形で支出される以外のものは、全て私的流用」ということをおっしゃったと聞いてます。私的流用について、それは徳永代表監査委員のお考えをお示しになったんだと思いますし、私も一つの考え方であると思います。確かに、この私的流用の定義の問題がありますよねということは、私も一度、記者会見の場で、あまり頭の中が整理されていない段階だったんですが、そのような問題提起もしたと思いますが、徳永代表監査委員のおっしゃられたことは一つの考え方だと思います。いずれにいたしましても、今後、先程申しましたいろいろなプロセスの最後に、確認的監査ということの中で、実際の使途及びその金額の検証と返還額の妥当性ということについて確認していただけると、これは道議会答弁でも代表監査委員もいつも言っておられることです。そこで、改めて明らかになってくる部分があるのではないかと考えます。
それから上層部の関与。このご発言は「全部署で不正があったのは事実だ」というようなご発言だったのかな。

(北海道新聞)
  「上司の指示命令に服従しなければならない階級組織という環境の中で、やむなく行ってきた」とその後に出てきます。

(知事)
  はい。それも承知してます。そのこともそういうご発言があったということも伺っています。また、特別監査の報告の中にも「道警本部が、方面本部や警察署等への是正指示という責務を果たさないでいたこと等、幹部職員の意識の欠如が一連の問題の原因である」ということが言われているんですよね。監査報告の中で。ですから、その意味では、やはり上層部の責任は重いということを、監査結果報告の中で言われたという点は、道警察において重く受け止めていただく必要があると思っております。
  それから、補足調査を道警察にやらせることに意味があるのかという質問ですね。そうですね。そういうふうなご意見があるということは承知してますけれども、ただ、最終的には確認的監査に行きますので、やはり一義的に道警においてこれまでいろんな形で、調査をやってこられたので、道警において補足的な調査が必要であるということであれば、これはやはりやっていただくことではないかなと思います。その上で、最終的には確認的監査で担保されてくると言いますか、確認されてくるということではないかと私は思います。

(北海道新聞)
  先程の監査委員の話なんですが、それはコメントの中で、報告以外の部分で言ったところなんですよね。

(知事)
  どの部分ですか。

(北海道新聞)
  「同じ道をたどってきた立場からして、十分認識していた」、要するに不正経理があったことを各幹部が十分認識していたという発言なんですね。つまり報告よりかなり踏み込んだご発言をされていたわけなんです。それは完全に、道警が言っている「関与がなかった」ということと真っ向から反対する意見だと思うんですけれども、そのことについてのお考えを聞きたかったんです。
  それから補足調査について言うと、自分たちで十分に調査できない組織に、また、さらにやらせるということが本当にあるのかと、それなら監査委員に直接やらせたほうがいいのではないかということなんですが。

(知事)
  それはいろんな考え方があると思うんですが、この監査委員の最終報告の意見の中でも「道警察に対し、十分な調査を求めたい」というふうに最後の意見に書いてありますし、その意味でも、まずは一義的に道警察において補足的な調査が必要であれば、やっていただくと、その上で確認的監査をしていただくと、いうことが今後の方向性ではないかと思います。
  それからもう一つは上層部の関与。さっきおっしゃった代表監査委員のコメントは、実は私は聞いてなかったんですが、そういうことがあったんですか。もう一度言っていただけますか。

(北海道新聞)
  要するに「捜査員等においては、上司の指示、命令に服従しなければならない、階級組織という環境の中で、やむなく行ってきたものと推測される。これらから判断するに、各幹部は同じ道をたどってきた立場からして、十分認識していたことであり、今日に至るまで、是正改善のための責務を果たしてこなかったことに対し、その責任を重く受け止めるべきである」と。

(知事)
  分かりました。このように言っておられるわけで、そのことはそのとおりじゃないでしょうか。私は何を申し上げればよろしんでしょうか。

(北海道新聞)
  要するに道警はそういうことは全くないと言っているわけです。それに対してどう思うかと。

(知事)
  これは特別監査の中でこのように監査委員がおっしゃっておられるということは、道警察において重く受け止める必要があるということは、私の思いも一緒です。

(読売新聞)
  道警察は、年内にも道分を返還して、関係者の処分をしたいと言っていたのですが、今回、特別監査の結果が出て、かなりの相違が出ました。仮に道警が年内に処分とか、道に対して、とりあえずになるかどうか分かりませんが、2億何千万を返還すると申し出たときは、道としてどのように取り扱いますか。

(知事)
  これは前から道議会でも議論になっているところですが、そこは一義的に、まず返還額については、手付けと言うのが良いかどうか分かりませんが、処理していただくことにならざるを得ないと思います。しかしながら、それは幕引きになるわけではないので、最終的な手続きについては、先程来申し上げております、一連の調査、あるいは突合などを経て、確認的監査で最終的にこれだけの金額だとということになって、それを踏まえて、私が最終的に判断して、返還をしていただくということで、はじめて終わるわけでありますので、その中途過程というものになると思います。
  処分については、これは任命権者たる国家公務員は国家公安委員会、地方公務員は道警本部長に権限がありますので、そちらの方で処分されることになるわけでありますけれども、もちろん、確認的監査を経て、12月の段階から内容がより厳しくなった場合には、それに伴って、最終的な処分の考え方を変えるということは出てくる可能性もあると、私は思います。今、予断はできないと思っております。金額のところは、しっかりこちらで確認させていただきます。

(朝日新聞)
  確認的監査はいつごろまでに報告を受けたいというお気持ちはありますか。

(知事)
  以前、ぶらさがり会見のときは、3月一杯くらいまでということを申し上げましたが、今回の特別監査の別紙を見ますとすごい量ですよね。6年間にわたって各部署、それも4科目と、これだけのことを一つ一つやっていただく必要があるということを考えますと、あまりこちらの方から、軽々に期限をここまでということは、私的にはちょっと申し訳ないかなという気持ちにもなってまいりましたので、できるだけ早く出していただきたいとは申し上げますが、こちらから期限を付するということは避けたいと思います。できる限り早く出していただきたいということです。

 


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなど整理し、作成しています。

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