定例記者会見(平成16年8月6日)

知事定例記者会見

・日時/平成16年8月6日(金) 16:00~16:24
・場所/ ホテル ベルクラシック北見 4階「オーロラ・ロイヤル」
・記者数/8名(その他テレビカメラ等2台)

会見項目

  

知事からの話題

1 「まちかど対話」(北見地域)について

記者からの質問

1   道州制(1)及び新千歳ー上海線定期便増便について
2 ふるさと銀河線について
3 道州制について(2)
4 道州制について(3)
5 「まちかど対話」の感想について

知事からの話題

 

「まちかど対話」(北見地域)について

  今日も暑い一日でしたが、北見地域の「まちかど対話」ということで、駆け足ではありましたがいろいろ回らせていただきました。午前中に川東学園に行かせていただきました。それから、グリーンズ北見も行かせていただきました。川東学園は知的障害者の方の施設ですが、施設のご説明を受けた後、共同作業所の「フレンズ」というところでハムをちょうだいいたしました。皆さん方の手作りのハムで、作業しておられる皆様方には声が届かなかったらしいんですが「ハムおいしかったよ」と、声をかけました。
  それから、通所更生施設の「友楽里(ゆうらり)」ではパンをごちそうになりました。道産小麦を使ったとてもおいしいパンで、作った方々の気持ちが伝わってくるようでおいしくいただきました。「友楽里」で「手をつなぐ親の会」の障害を抱えたお子さん方を持っておられるお母さま方の会の代表の方々がおられて、お一人のお母様はお子さん自身を連れておられていろいろとお話をさせていただきました。そういった中で、今度、道が決定をしました医療費の見直しについて、道財政が厳しいのはよく分かるが、親の負担というものも考えて、是非、道財政が良くなった場合には考慮してほしいというお話をいただきました。私からは、私自身も子どもを持つ親として、皆様方のご苦労は痛いほど分かる。そういった中で厳しい財政の状況を踏まえて、私としても苦しい決断をさせていただいたというお話を申し上げました。
  もう一つお母様方からご要望があったのは、ちょうど川東学園の隣にある道立紋別養護学校きたみ学園分校のプールを土日開放してほしいという話がありました。これは、私はできる限りやりますということを申し上げて、学校ですから教育委員会の話ですので、支庁長が同席しておりましたので、早速、教育委員会と調整をして、是非、お母様方のご要望を受けるようにと指示したところです。
  それから、グリーンズ北見、これはタマネギの加工会社ですが、市場ではねられるような、今までは値が全くつかず捨てていたような規格外品を、十数年前から会社を立ち上げて、カレーをやっている外食産業に供給しておられるとおっしゃっていました。そういった形で今までは価値がゼロだった規格外品を付加価値を付けて道内外の需要家に売っていくという試みをしておられるということでした。売り上げも右肩上がりであるということをお伺いして、私もうれしく感じた次第です。そういった中で、専務さんは大変生き生きと話をしておられましたが、安定販売、安定価格の確保、これがやはり一方で原料供給は農作物という自然を対象にしたもので、それを使って需要者は中間的なソースを作ったり、カレーを作ったりする人達ですから、その末端価格を、タマネギの数量が良かった悪かったで、価格を上げたり下げたりできないものですので、間に入って会社がいかに安定供給、安定価格を維持するかというご苦労の話も伺いました。それをしっかりやっておられるご説明があって、私も心強く思ったところです。また、最近は、さらなる需要拡大を目指して産学連携といいますか、北大と連携して健康食品への参入という新しい健康食品づくりに向けても努力しておられるというお話もありました。
  また北見のお土産屋さんの売り上げトップ3に入っているという「タマネギスープ」、私はハッカかなと思ったんですが、ハッカは3位の下だそうですが、まだまだ3位だとするとタマネギ需要も伸びるのかなと期待をしたところです。
  そのようなことでまちかどの訪問をさせていただいて、いろんなお話をお伺いした後、「道州制セミナー」の中で、私から20分くらいお話をさせていただいて、後はご質問にお答えをするということで、小一時間意見交換をさせていただいたところです。
  駆け足ではありましたが、暑いオホーツクの地域で、基幹産業の農業、あるいは住民サービスに直結した福祉施設でご苦労しておられる皆様のご努力を拝見し、とても有意義な一日でした。

記者からの質問

(北海道新聞)
  今日、知事は道州制セミナーで講演されまして、道州制について道内の道民論議が必ずしも盛り上がっていないという認識を示されてたと思うんですが、今日、こうしたセミナーに出られているというのも論議を広めるためだと思うんですが、今後、道民論議を盛り上げるために、具体的にどのようなことができるのかということを考えているのか聞きたいのが一点。
  別の話になりますが、中国東方航空の新千歳ー上海便の定期便の増便を道として防衛庁に要請しているかと思いますが、これがなかなか安全保障上の理由で認められないということだったんですが、先日の石破防衛庁長官の記者会見で道から正式な要請があれば検討したいというようなことが出ていたんですが、今後、知事として要請されるとか、道として対応される考えがあればお聞かせください。

(知事)
  セミナーの関係ですが、今日私自身、とても有意義に一日を過ごさせていただきましたが、確かに道民議論がまだまだ欠けているというのは事実だと思っています。ここまで、駆け足で来て、骨太方針にも明記されたとか、一歩一歩ではありますが着実に国との関係では物事が進んできたという実態はあるんですが、一方で道内議論というのが、我々それなりにやってきたつもりではありますが、まだまだ欠けているというのは私自身もそのような認識を先ほど示しましたし、ご指摘のとおりだと思っております。そのようなこともありますので、今後ともこのセミナーを続けてまいりますと同時に、市町村の方々との意見交換、これは「自治のかたち円卓会議」の場で市長会、町村会の代表の方々とのご議論は続けさせていただいておりますし、その場に実は民間の方にも入っていただいてということを前々回の「自治のかたち円卓会議」で提案したんですが、首長さん方からは「ここはせっかく知事と我々の直接対話の場なので、民間は別だ」と言われましたので、民間の方の意見は民間の方の意見として聞く場を設けて、これも道州制の議論の中に反映をさせてまいりたいと考えています。また、そういった限られた人数との意見交換に加えて、市町村の皆様方とは活発な議論をこれからも支庁を通じて、あるいは知事部局の担当の室が出向く等々して、是非やってまいりたいと思います。私自身もこのセミナーへは前から出たい出たいと言っていて今日実現しましたが、できれば機会も見つけて私自身もそういったことにも参加したいと思います。また今日も民間の方から、もっと大胆なことを言えということもおっしゃっていましたが、そういった民間からのご意見もさらにいただいてまいりたいと思っています。また、この記者会見の後に、こちらで合併協議を進めておられる一市四町の代表の方々から、市町村への権限移譲について、モデル的に我々は取り組みをやっていくんだという前向きなご提言もあるようですが、そのことはとても期待をしていますが、徐々に道民議論をこうやって盛り上げていく努力をしていかなければならないと思っております。
  中国の航空路線の話ですが、これまでも私の名前で正式の要請をやってききているところですが、やはり防衛庁のおっしゃる国の防衛の観点から、共産圏のエアラインとの関係は慎重にという姿勢もありまして、なかなか上手くいっていなかったところです。一方で、いま北海道観光の中で、外国からのお客様、特に中国はどんどん伸びています。私どもの観光の振興のためにとっては、大変重要な地域だと認識していますので、是非、航空路線も拡充をしたいという強い思いを持っています。そういった中で、石破防衛庁長官のご発言があったということも聞いておりますので、早速、日程調整の都合によりますが、来週にも、まず副知事に防衛庁に行ってもらおうと思っています。その上で、私もたぶん次の上京の機会は知事会のあるくらいの前後ですので、日程調整がつけば、是非私自身も(防衛庁に)行って、私どもの気持ちを伝えてご再考を願いたいと考えています。  

(NHK)
  ふるさと銀河線について、協議会のほうでコンサルを受けたりとか、いろんなことをされてるようですが、いままでのところの感触なり、あるいはこう進めてほしいなど希望とかあればお話ください。

(知事)
  先々週、副知事がこちらに参りまして、地元の沿線の方々からいろいろとご要望、ご提案を聞かせていただく機会を設けさせていただいたところです。今年度いっぱいは、私ども道、沿線の自治体、そして会社が、いろいろと知恵を出し合って、どうやって収支を改善していくのかということについて、最大限努力していこうということで考えておりますので、こういった努力をさらに続けていきたいと思っております。この前の提案の中でも、例えば銀河線の高速化、あるいは銀河線を利用した札幌-知床間の特急列車の運行というご提案もあったようです。また現在JR北海道が開発しているデュアルモードビークル、これは道内外からすごく関心が高まっているそうですが、これを導入したらどうか等々、ご提案があるようです。特急列車を運行するかどうかというのは、やってみてだめでしたということにはなりません。相当設備投資も必要ですので、それに向けての需要予測もしっかり調査した上での議論ということになります。いずれにしましても、こうしたご提案を受けて、沿線自治体と協議をし、また会社と協議をし、できることはやっていくという努力を最大限していきます。その上で、次のことに向けて、やむを得ぬ状況になれば、検討をやっていくということかなと考えております。

(朝日新聞)
  知事の発言では、いろんなことを最大限努力してやっていくということですが、タイムリミットが伸びても構わないということですか。
  
(知事)
  それは私どもとしては今年度いっぱいと考えております。

(朝日新聞)
  今年度いっぱいが前提ということですか。そうするといろいろと協議会で出た提案を検討するには時間が短いと思いますが。

(知事)
  そこは今年度いっぱいでということで、私ども意思の疎通を図った上でやっておりますので、その前提の中で、何ができるのかという議論ではないかと思っております。

(朝日新聞)
  今日のセミナーの中で、道州制の特区について、カジノですとか、いろいろと大胆なお話もありましたが、空港の民営化というのがありましたが、先ほどのイメージはこれを盛り込みたいということでよろしいですか。

(知事)
  ご提案をいろいろといただきたいということを申し上げたところです。民営化する場合に、地元にとってプラスになる面もあるでしょう。ただ、マイナスになる部分もあるわけですよね。これを十分に見極めて、北海道にとって、確実にプラスになるものを提案していかなくてはなりません。まさに私が先ほど時間をかけて申し上げましたが、北海道は道州制の先行実施、先行的、モデル的な実施であります。この意味するところは、北海道の活性化、北海道の住民サービス向上のために、我々が絶対に得だ、ということを提案して行くということにありますので、大胆であることも当然重要ですが、提案する内容の特質を十分に事前にアセスして、その上で得だということであれば、われわれは大胆にやっていきたい。その意味で民間からのご提案をいろいろいただきたいと思います。

(朝日新聞)
  空港の民営化に関して、検討の余地があると。

(知事)
  それはそうでしょう。

(北海道新聞)
  今日の「まちかど対話」の中で、いろいろと施設に行かれましたが、具体的にこの地域の施策とか、あるいは北海道全体で生かせそうな内容はありましたでしょうか。

(知事)
 まず福祉の施設については、できるかぎり地域に行くときはおじゃましたいと思ってまして、先日も胆振支庁管内の伊達市の施設を訪問いたしましたし、今日も参りました。そういうことで地域、地域で拝見させていただいてます。この福祉の関係は、地域によってそれほど違いのある行政ではないと思います。
  次に、グリーンズ北見に参りまして、この農業の関係というのは、北海道全体が農業立県ではありますが、地域多様な形があります。私、グリーンズ北見の試みにとても感銘を受けましたが、先ほど申しました安定供給、安定価格、それからもともといままでは付加価値ゼロで、出荷から外していたようなものに、加工ということを加えて、地元に収入を得させたということで、これはすばらしい試みですよね。農作物というのは必ずこういう半端なものがでてきますので、きゅうりだって曲がったものがありますし、例えばメロンも実を二つ育てて、良い実を残して、もう一つは途中で摘果しちゃうんですね。それでその摘果しちゃうメロンをどうにか活用しようということを徹底的にやってるところもあるんです。いま我々は地産地消ということでやってますが、地産地消の間に、地加、地域で付加価値を加えて、外に出す。よく言うじゃないですか、明太子の話。原料を全部北海道から生で送り、「辛明太子」となる、高いんですよね、それを北海道人は博多で買ってくる。こういうことにならないように、北海道で価値をいかに高めるかと、そういう努力の一つとして、グリーンズ北見のやり方には、私、大変感心しました。また地域、地域でいろんな試みがありますが、今日私が感じたことを他の地域で、また、どう応用できるのか、また、そういったことを全体として、いま条例作りもやってますし、北海道も新しい農政作りを一生懸命やらせていただいてる中で、反映できることはしていきたいと考えております。

(日本経済新聞)
  道州制セミナーで、北海道の一人負け経済からの脱却というようなことを言ってましたが、今回の第1回の提案に含まれた内容がある程度実現すれば、その辺のめどがもうちょっと立つのかということ。
  それから、余談ですが、学校のプールの開放というお話がありましたが、それを知事に言わなくては実現できないということ自体がどうかなと思うんですが、どう思われますか。

(知事)
  一つ目、第1回提言という、来週くらいかな、国に提出する提言のことですよね。ちょっと細かすぎるという方もいますけど、きちっと書き込むとあれくらいになるんですが、例えば今日は、時間の関係で言いませんでしたが、上書き権、置き換え条例と言いますか、法令面での地域主権の推進ということで書いてますが、あれを一つ一つ達成することで、全国一律の基準で北海道の改善にも当然役立ってくるでしょう。それから国の出先機関との連携事業、あるいは権限移譲、こういったことを実現することによって、私どもの身の回りの生活も、それぞれ必要があれば室長(地域主権推進室長)から補完しますが、私はかなり変わってくると思ってます。それからモデル事業のことは少し申しましたが、国から補助金100億円もらって、(総事業費)200億円弱の事業を実際実行する過程で、道民の身の回りの事業が現に進んでいく、そういうことを一歩一歩やっていくことで、今日のセミナーのタイトルは「道州制で何が変わる」ですが、要するに道州制で我々の身近な、身の回りの生活がどう変わるのかということを、実体験で道民の方々に感じていただくことで、道州制の先行実施、モデル的実施の良さというものを実感していただきたい。ですから質問にお答えするとすれば、実現すれば相当のことが変わるだろうと考えております。あとは国次第。本当に国にやる気があるかどうかということをマスコミの皆様とともに、私ども見極めてまいりたいと思います。
  プールの話ですが、親の会のお母様方、日々、障害を抱えたお子様を育てて、苦労されていると思います。たぶんそういうプールのことを考えておられたんだと思いますけど、学園に対して正式に申し入れられたことはないみたいです。だからたぶん今日初めておっしゃられたんだと思います。お母様達にとっては、(行政の)縦割りで、これは教育庁の話、これは知事直轄の話だなんて思ってらっしゃらなくて当然で、私にご要請くださったと思います。その意味で、お母様方の熱心なご要請、特に今年の夏は暑いですから、是非できるかぎり早く実現できればという思いを持ちました。

 


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