定例記者会見(平成16年5月27日)

知事定例記者会見

・日時/平成16年5月27日(木) 18:05~18:45
・場所/ 大滝村「第二名水亭」
・記者数/9名(その他テレビカメラ等2台)

会見項目

  

知事からの話題

1 「まちかど対話212」(西胆振地域)について

記者からの質問

1   体験型観光について
2 「一村一雇用おこし事業」について
3 道州制について
4 胆振の産業振興について
5 財政問題について
6 首長への辞職勧告決議について
7 胆振支庁庁舎改築問題について
8 アイヌ共有財産訴訟について

知事からの話題

 

「まちかど対話212」(西胆振地域)について

   今日は待望のまちかど対話212の再開第一弾で、今年の一月に楽しみにいしていたんですが、来られなかった西胆振にまいりました。4カ月遅れになりましたが、ここから再スタートとしたいと思いました。ただ、ちょっと時間の都合もありまして、室蘭、伊達、登別は今回行けなくなり次回になったのですが、町村の方は回らせていただいてお話もいろいろとお伺いをさせていただきました。
  まず、壮瞥町で「ひだまりの会」の方々が、小さい子どもたちに読み聞かせをしておられるのを拝見し、お話をお伺いし、お母様方と意見交換をしました。私も20年前、私の子どもたちに読み聞かせをした『金魚が逃げた』という本が、今も同じ形で同じ装丁で使われているのを見て、とても懐かしく思い出していたところです。
  それから、虻田町にまいりまして「洞龍(とうろん)の湯」、足湯ですね、15分くらいつかりながら、温泉資源の保護の取り組みや管理システムをどのようにしているのか、やはり噴火があって大変だったわけです。温泉組合の皆様方のお話をお伺いしながら、ゆっくりと足が温まりました。北海道の基幹産業の一つが観光ですので、観光の面でその目玉の一つである温泉の利用促進、あるいは資源保護についていろいろご苦労している話が聞けて、興味深かったと思います。
  それから洞爺村にまいりまして、洞爺村の農業を佐伯さん、毛利さん、宮内さんと村長さんと地元の食材、シソゼリーなども一緒にいただきながら、農業、観光、そういった話をさせていただきながら昼食をとりました。今まで、私はまちかど対話で農業関係の方々と多くお話をしていますが、そういった方々と共通の話が聞けたと思っています。それは、生産者の立場からいかに需要者である消費者に届くような生産をしていくか、消費者のニーズというものをいかにフィードバックするか、そのようなご苦労をしておられるというお話をお伺いし、やはり北海道農業も大きく変わりつつあるということを実感したところです。
  それから、豊浦町にまいりまして、農業生産法人の「果夢里(かむり)」、名前もいいですね、いちごのハウス栽培を拝見してまいりました。三粒、私も採っていただいたりしてとてもおいしかったです。豊浦のいちごは昔から有名ですが、それにこれからの展望として、観光を絡ませる形で是非やりたいということを言っておられました。「いちごと豚肉まつり」というのが好評で、すぐに売れちゃうというお話もあって心強く思いました。
  それから、ご案内のとおりここ大滝村にまいりまして、大滝村でのタウンミーティングに参加をいたしました。この西胆振地域で子育てにいろんな観点から参加しておられる各地域の方々それぞれから、ほとんどが女性の方でしたが、お話をお伺いして興味深く感じたところです。全国的にあるいは道内全体としても少子化ですが、それも核家族化になって、子育てをどういうふうにやっていけばいいか分からないというお母さん方が、これは働くお母さん、働いていないお母さん含めて増えてきたという問題があります。そういった中で地域のボランティアの方々で、一方で育児支援サービスを求めたいお母さん方に、そういったサービスを提供したいと思うボランティアの市民の方もいて、そこを上手くコーディネートしてやっていくという取り組みについても、お話を興味深くお伺いしました。 また、北海道特有の問題である冬場の遊び場がない。室蘭のケースのように、とても恵まれたところもあるようですが、多くの場合にはなかなかそれがないというような問題、行政への期待の表明もありました。
  それから、地域内に小児科の病院がない、子供が病気になった時とても苦労しているという話もありまして、地域医療の問題も今、3医科大学と関係市町村との間で協議会を立ち上げて道庁が間に入る形で地域医療における医師不足の解消に向けて、努力を始めたところですが、そういったことの重要性をここでも確認させていただきました。少子化の中で学校の教室などが空いていくわけです。その空き教室もいかに活用していくかというようなこと。それからシルバー人材の活用、お年寄りの方々自分たち自身の子育て経験なども踏まえて、是非、世の中の役に立ちたい、定年を終えた後の方々とどうやって子どもたちのふれ合いを作っていくか、いろんなことが話されました。
  いくつか印象深い言葉がありました。どなたでしたでしょうか「人と人とのつながりが子育て支援の基盤である」と、まさに地域ぐるみでやっていく必要があるという話がありました。私自身、とても参考になる話ばかりで、今後の私どもの仕事に活かしていきたいと思ったところです。私からは以上です。

記者からの質問

(室蘭民報)
  地元の室蘭民報社です、よろしくお願いいたします。2点質問したいんですが、まず1点目は、体験型観光についてお聞きしたいと思います。本日知事も、洞爺の湯で足湯を体験されたと思いますが、今後観光において、今まで見る観光から来てみて楽しむ観光に変わりつつある状況にあると思いますが、今後体験型観光について、道としてどのように発展させていきたいと考えているのかお聞かせ願います。
  もう1点は、知事が昨年当選されてから公約にかけていました、一村一雇用おこし事業についてお聞きしたいんですが、今回、豊浦町の「果夢里」、ここで一村一雇用おこし事業で20名雇用されているという事例をご覧になったと思いますが、全道的に見て今回、このような昨年始まった一村一雇用おこし事業の初年度の成果についてどのように考えておられるのか、また今年も額が1.5倍になるということですが、その辺について今年の意気込み等もお聞かせ願います。

(知事)
  まず体験型観光の関係ですが、今日、足湯にも浸らせていただきました。それから豊浦の「果夢里」さんでも今はいちごとしての供給ということですが、観光と結びつけて、例えばいちご狩りとか、それも体験型観光の一つだと思います。またカヌーもありますね、こちらの方で盛んな。それから、去年、行幸啓に同行させていただいた時に勉強しましたエコミュージアム構想、これはやはり2,30年に一度必ず有珠山噴火があるこの地域の特性を踏まえて、噴火の恐ろしさということを、特に修学旅行の学生さんに向けて、これを体験型と言うかどうかというのがありますが、お見せして、そこを実際に歩いてもらって、そして観光にも結びつけたいということもお伺いしております。また、いろんな形で他の地域では乗馬と組み合わせたり、北海道観光の奥深さを更に進めるための体験型観光に向けての、それぞれの地域における取り組みというのが進んでいるわけであります。
  私ども北海道といたしましても、これから更なる観光客を道外から、特に外国人も含めて、是非もっと誘致したいということを考えた場合に、もちろん自然もきれいだし、食べ物も美味しいし、温泉もいいんですが、加えてもう一歩というところの奥まりを持たせるための体験型観光を、私どもとしても更にサポートしていきたいということで、アウトドア資格制度を独自で持っておりますし、こういった取り組みを更に充実していく必要があるかなと、今日も思ったところです。
  それから、二つ目の一村一雇用おこし事業でありますが、これは旧聞に属することかと思いますが、知事選の時の公約として、地域の雇用というのは地域が一番分かっていることで、その地域ごとの取り組みを、若干ではあるけれども道もサポートしながら一緒に取り組んで行こうではないか、ということで去年始めたところです。
  実は、昨年度の場合には、私自身もおっかなびっくりのところがあって、地域の雇用は地域が一番分かっているということは、私も確信を持っていたのですが、実際、市役所は別かも知れませんが、町役場ですとなかなか雇用対策ということのみに取り組んでおられる課というのが必ずしもない場合があって、こういった道サイドからの、あるいは知事サイドからの取り組みのお声掛けが地域からピンと返ってくるかと不安もあったんですが、去年、試行的に始めたものがとても好評でありまして、先ほどご指摘のございました豊浦で、農業生産法人で20数人の雇用ということもうれしい成果の一つかと思っているところです。
  今年度は、この予算も拡充をいたしまして、更に全道で地域の雇用の事を一番分かっている地域が挙げて取り組んでいただくことを、道も若干ではありますが、呼び水ぐらいのお金ではありますが、サポートしていきたいと思います。
  実は、この取り組みというのは、道が恒久的に一緒にやっていくいうよりも、地域の方々に築いていただきたいというか、地域の雇用をちょっと知恵を出して、ちょっとサポートすることによってどんどん広がっていくんだということを各市町村ごとにご理解を深めていただければ、またこの制度が無くなった後も地域ごとの知恵と工夫による雇用おこしというのは進んでいくかなと期待しております。その意味では、今年度は2年目、更なる拡充をしながら、更に地方の方々にPRをしてまいりたいと考えています。

(北海道新聞)
  明日の経済財政諮問会議について2問お聞きします。
  一つが、延期などがあって明日とうとう臨むわけですが、明日の会議への意気込みをお聞かせください。
  それからもう一点が国の出先機関についてです。二段階統合などいろいろな話が出ていますが、もっとも大きい開発局と知事のご出身である経済産業省の出先である経済産業局との統合については、どのようにお話しされる予定なのかお聞かせください。

(知事)
  一つ目の諮問会議の延期についてですが、4月の下旬に私どもの正式な提案を副知事から内閣府に申し上げています。その後、経済財政諮問会議は、閣議のように毎週2回開催しているというわけではないので、限られた日程で、それ以降3回くらい行われたでしょうか、社会保障の問題、郵政民営化の問題、三位一体の議論など、全国レベルで議論しなければならないような(ことが先に議題となっていました。)そういった中で、やっと明日の時間を、高橋知事、出席してくださいとなったわけです。
  意気込みと言って良いかは分かりませんが、これまで道庁の中でいろいろと議論をしてまいりましたし、有識者のご意見もお伺いしながらやってまいりましたので、そういった私どもの考え方をご説明してこようと考えているところです。実際に何を話すかは、今日の夜か明日の午前中にでも飛行機の中で考えようと思っております。
  それから、出先機関との統合については、これは私どもの提案書にあるとおりです。私どもの考え方は、開発局、経済産業局を含めて、国の出先機関が道内に30数カ所くらいあり、そして職員が1万8千人強おられますので、これは多いのか少ないのかいろいろな評価があると思いますが、そういったところを一つの統合体としていただいて、そこと私ども道庁を、もちろんそれぞれスリム化をした上でということが大前提ですが、統合するという二段階統合ということを提案させていただきたいと思っております。
  ただ、経済財政諮問会議というのは一方的に私どもからの提案をご説明する場というよりも、プレゼンをする時間は極力短くと言われておりまして、むしろ有識者の委員の方々、これはビジネスマン、学者の方々もいらっしゃいますし、また閣僚も経済産業大臣、総務大臣、官房長官などがおりますので、そういったところで自由に議論をするということであります。事前に民間委員の方々あるいは両大臣、官房長官にはお電話でお話ししましたが、もちろん竹中大臣にもお話ししましたけれども、いろいろな、今おっしゃったような先行統合について、もっと踏み込んだ話しをした方が良いということをおっしゃられる方もおられます。そういった中で、明日どういった議論の展開になるか、これは私としても、今の段階では予想できないので、胸をわくわくさせながら楽しみにして、明日の会議に臨みたいと思っております。

(北海道新聞)
  二段階統合という部分は、基本的にプレゼンの段階で変えないということでよろしいでしょうか。

(知事)
  そうです。 

(NHK)
  本日は知事、西胆振を見て回られましたが、胆振の産業振興について知事はどのようなお考えをお持ちでしょうか。
  2点目に、地方交付税が減少するなど地方財政が厳しさを増す中で、道として、この問題についてどう対応していこうとお考えでしょうか。
  もう一点ですが、胆振管内では、昨年から今年にかけて首長の辞職勧告決議案が相次ぎましたが、このようなことを踏まえて、地方自治体の運営について、道として、どのように関わっていこうとお考えでしょうか。

(知事)
  まず胆振の産業振興。胆振と言っても、東から西まで結構広いです。今日回らせていただいた西胆振の町村について申し上げれば、農業が一つの基幹産業です。農業と言っても、上川、空知、十勝などと違って、畑作が中心で、かつ、一つ一つのロットは大きくはないけど、いろんな高付加価値なものを作ってますね。豊浦町のいちごを見せていただきましたが、洞爺村でもセロリのシェアが道内でも高いというお話を聞きましたし、そういう付加価値の高いものを、一つ一つの生産量は少ないけれども、作っておられるそういう特徴を持った地域だと思います。それともう一つの柱は観光ですよね。なんといってもこの地域は。温泉街を中心とした観光。そして全国でも珍しい、循環型噴火といいますか、一定の期間を置いて有珠山というのは噴火すると、前回は直前でしたが、その前は昭和50年代はじめでしたか、そういった地域の特徴を生かした観光地作りを進めておられる。そういったところを、私ども道庁なりに、どのように支援していけるかというように考えているところです。先ほど室蘭民報さんからお話の出ました、一村一雇用おこしなども有効に使っていただいているというところもありますし、私どもの政策メニューというのは胆振だけとかいうことではなくて、全道共通のメニューをいろいろ提示させていただいて、その中でそれぞれの地域が、それぞれの地域の特性を生かして、この制度を使おうとか、この制度はうちには合わないと、そういう形で検討いただくと思います。そういう意味で、道の制度を十分にご活用いただいて、地域らしい、それぞれの産業振興をやっていただければと思います。
  それから地方財政、厳しいですね。市町村も厳しいでしょう。道も厳しいです。先週でしたか、全国知事会と自民党の政調会長との意見交換会というのがありまして、その際も私は、道自身だけではなくて、道内の市町村のご意向も踏まえて意見を述べさせていただきました。やはり一つのポイントは、国の立場というのは、地方は絞れば絞るほど財政削減、行財政改革をやる。しかし国がその手を緩めれば、地方はさぼる、あるいはできない。ですから私ちょっと言葉はきついと思ったんですが、政府、特に財務省というのは、地方は悪意のある悪者か、あるいはあまり能力の無いものだという意識があるので、絞れ、絞れと言うと。そんなこと言われなくたって、我々は血の出るような努力をしてるんだと言いました。市町村もそうですよね。道庁においても、ご案内のとおり、赤字財政再建団体が目の前ということで、17、18、19の3カ年間を集中期間、そして残り7年間のトータル10年で財政を健全化しようということで取り組みを始めました。道政史上初めてですが、定量目標を掲げました。いまのところ1700億円と言ってますが、これは一般財源の一割に当たりますが、これを削減しようとしています。過去からやってきた借金、公共事業とかの借金を返すということが歳出の中で多くを占めているという変な状況になってますので、この状況をとにかく脱却しようということで一生懸命やらせていただいてます。組合との交渉も当然あるわけですが、職員適正化計画ということで、10年間で15%ですが、知事部局で今2万人強いますが、そういった人件費の削減等々もやっているということを知事会でも申し上げたところです。とにかくそれぞれの地域ごとの特性があるんだから、地域ごとの削減努力というものを国においても認めろと、その上で国の財政再建、あるいは地方に対する交付税の削減等々のいわゆる三位一体の改革というものも議論を進めていただきたいと申し上げました。今言ったことに尽きるんですが、私どもも本当に血のにじむような努力をしています。それからもう一つ言えばですね、よく国が言うんですが、ラスパイレス指数、給与水準のことです。国のお役人さん方は、これだけ仕事をしてるのに、給与水準が地方よりも安いと、国家公務員の給与水準を100とすると、地方公務員平均だと102ぐらいの水準です。確かに高いんです。これは物価とかを勘案しなくてもこうなんです。北海道は100.4です。市町村だと98点いくつかな、ちょっと数字を今持ってませんが。国は地方の給与が高いこと自身問題だと、働いてもいないのにとまでは言いませんがね。こういったことに対しても、北海道について言えばいま100.4ですが、これもよく見ますと勤続30年くらいの方々、これから退職に向かっていかれるような方々が、確かにかつては地方公務員のほうが高かったんです。こういった勤続30年くらいの方々が105くらいで、全体を高めてますから、こういった給与の問題についても、私ども身を切られる思いであるが、削減努力をしているというようなことも含めて、地方財政の厳しさへの対処を今一生懸命やらせていただいてます。
  それから、辞職勧告決議案が議会で提出されていると、確かにこちら結構出てますね。洞爺村でも出まして、実際おやめになられて、新しい方になりましたし、それから白老町、苫小牧でもそのような動きがあって、早来でもそうですか。たまたま胆振に多いということかも知れませんが、ただこれは、道がとやかく言うようなことではなくて、議会の方々、住民の方々との関係でこういったことが起こってるということでして、あまり何を申し上げる立場ではないということが、一言で言った場合のコメントです。しかしながら、これから地方分権の時代、私は地域主権と言ってますが、地域から国へ発信をしていくという時代です。いろんな改革派の町村長さんも東京に行って発言をされてます。ニセコ町の町長さんもそうですし、それから今度自民党の移動政調会で奈井江町の町長もご発言されると伺っております。そういった市町村長さんと道庁というのは対等の立場で地域主権を推進する立場ですので、私どももそれぞれの議会との関係をしっかり対応されて、がんばっていただきたいと強く思ってます。そういった地域の状況を踏まえて、道庁としてもできるかぎりの協力をしながら、ともに地域を、北海道を高めていきたいと思っております。

(室蘭民報)
  次回、いよいよ伊達、室蘭、登別の3市を訪問されると思います。その中で室蘭市では、知事もよくご存じだと思いますが、胆振支庁の改築問題が室蘭市の期成会などが知事へ要望してますけれども、次回来られた時に、知事が実際に築40年以上の胆振支庁庁舎を訪れて、ご自身の目でご確認されたり、またその中で働かれている職員の方々を激励したりというお考えはありますでしょうか。

(知事)
  一言で言えば、もちろんであります。庁舎が古くなっているかどうかというのは別として、私が地方に行くときには、できる限り支庁などで働いている職員の方々とも議論したいと思っていまして、胆振支庁にも次回是非まいりたいと思っております。それでその古さ具合については、写真とか、資料とかでいろいろとお伺いをしておりまして、是非自分の目で確認をしたいと思っております。そういった中で、先日、確かにPCBの関係で、室蘭市長さんが私のところに来られた際にも、この庁舎問題について、いろいろと室蘭市サイドとしても知恵を出すので、ご相談していきましょうというお話をいただきました。私としては、過去の経緯の中で、あのような立派な土地を準備していただいているということを十分に承知しております。ただ一方で我々もお金が無くなったということも、今るる言いましたがご理解いただけるかと思います。これから財政も健全化を果たしていく中で、私どももそれなりのお金を貯めて行かないと、北海道全体の振興についてやらなくてはならないことがたくさんありますので、そういったことの一環としてこの支庁問題も考えていかなくてはならないと思っております。
  室蘭市長さんのこの前のお話というのは結構魅力的でしたね。マスコミに言っておられるか分かりませんので、あまり軽々に私と市長さんがお話ししたことを申し上げませんが、まあ市長さんに聞いてみてください。私は魅力的だなと率直に思いましたし、今後ともいろいろと議論をしながら、方向性を出して行きたいと思っております。

(北海道新聞)
  今日、アイヌ民族の共有財産返還処分に関して札幌高裁の判決が出て、道の勝訴判決となりました。しかしその中で、アイヌの共有財産について、道が管理状況を把握しきれていなものがあるとの指摘がありました。これについて、要するに平成9年段階で現金でしか返還していないんですが、不動産なども公告の対象ではないかという裁判所の指摘があったわけですが、その管理経過が不明なものについて、判決を受けて、道として改めて調査するおつもりはありますでしょうか。

(知事)
  道の立場というのは、裁判の過程でも申し上げてきたところですが、アイヌ文化振興法の附則に基づいて、道が現に管理している共有財産についての改廃状況や管理経過に関する記録を全て精査して、公告したものであるという認識ですので、これ以外に道が管理している共有財産はないものというのが、私どもの現時点における認識です。
  しかし、そういう訴訟のことは別としまして、私としては、アイヌの方々の文化、これは目に見える文化、目に見えない文化、イオルのことなども含めて、いろいろとあります。こういったことは、北海道が、全国に誇る、あるいは世界に誇るすばらしいものだと思います。今後ともアイヌの方々との関係においては、アイヌの皆さんの民族としての誇りが尊重され、地位の向上がいままで以上に図られる社会の実現を目指し、各種施策を推進してまいりたいと思います。これは当然のことでありますが、イオルの保存などについても、去年でしたか、白老にまいりましたときに、前町長さんのときでしたか、お話もございまして、そういったことにも道として努力してまいりたいと思います。また検討中ではありますが、愛知万博でこのアイヌ文化について、私ども北海道の誇りとしてのアイヌ文化でありますので、発信してまいりたいと考えてます。各種施策の中で、アイヌの方々との関係を前向きに考えていきたいと、このことは当然のこととして申し上げたいと思います。

(北海道新聞)
  確認ですが、今日の判決の中で、道が把握し切れていない共有財産があるという指摘があったわけですが、このことについて再調査することは、一切考えていないということでよろしいですか。

(知事)
 考えていないということです。

(北海道新聞)
  そうしますと平成9年の段階の調査は十分なものであったと。

(知事)
  まだ、詳細まで担当部から説明を受けておりませんので、申し訳ありませんが、要するに調査はしません。

 


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなど整理し、作成しています。

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