知事定例記者会見(平成15年12月9日)

知事定例記者会見

・日時/平成15年12月9日(火) 16:00~16:22
・場所/本庁舎3階 知事室前ロビー
・記者数/26名(その他テレビカメラ等3台)

会見項目

  

記者からの質問

1   自衛隊のイラク派遣について
2 北海道新幹線について
3 ふるさと銀河線について
4 高速道路について
5 道警察の報償費問題について

記者からの質問

(uhb)
 幹事社の代理なんですがuhbから1点だけ質問させてもらいます。16時から臨時閣議で自衛隊のイラク派遣について基本計画が決定される見通しですが、予定されている部隊を抱えるというところで知事のお考え、お気持ちをお聞かせください。

(知事)
  まずやはり大きな問題としては、あの地域には日本のエネルギー状況を考えた場合、その依存度が高い。そういった地域にあるイラクという国の安定を図っていく、それに貢献していくということは、日本の国益に合ってくることなんだろうと思います。そういう議論の中でイラク特措法ができ、自衛隊のイラク派遣という枠組みができたわけです。このことはまずやはり、我々としては1つ踏まえなければならない点だと思います。しかしながらイラク特措法の中にも、いつだったか申し上げたところですが、非戦闘地域に自衛隊を派遣すると明記してあるわけでありまして、その非戦闘地域の判断ということは国において重くやっていただかなければならないと、このようにいま段階で私は思っているところです。平たく言えば、現地の治安情勢などを調査分析するなどして、派遣される自衛隊の皆様方の安全確保に最大限配慮していただくということを国においてきちっと判断していただきたいということです。
  もう1つ私が申し上げたいのは、冒頭に私が申し上げた、どうしてこの派遣が必要なのかという、もうすでに議論は終わっているのかもしれないのですが、このことを改めてやはり国民の方々が理解していただくための説明が政府においてなされるべきであります。また後段の話である非戦闘地域に対する派遣であるのだと、安全性が十分に確保されていること、この点についても政府においてきっちりとした説明が必要である。この2つがあって初めてこの派遣ということになるのではないかと私は考えています。くれぐれも慎重な説明と判断をしていただきたいとこのように考えています。

(北海道新聞)
  大きく分けて2つ。新幹線とふるさと銀河線について。新幹線はいま予算編成期を迎えて正念場を迎えていると思うんですが、知事として改めて誘致に向けた意欲、あといま現状を見ていて実現の可能性についてどういう感触を得ているのか、さらに乗り越えるべき壁、課題があるとしたらどういうものがあるかということ、そういうことをどういうふうに考えておられるのか。
  ふるさと銀河線については改めて、11月23日に道としてバス転換が望ましいという意見が出たと思いますが、知事としての考えをもう一度改めて伺いたいのと、現地では道の姿勢は廃止ありきではないかと、あるいは採算性ありきではないかとそういう批判があると思うんですが、それについてどうお考えかということについてお願いします。銀河線については、道財政の絡みを含めてお願いします。

(知事)
  新幹線ですが、一生懸命、ご案内のとおり中央要請を市長会、町村会、道議会、そして経済界が一丸となって今までも何回もやってきたところでありまして、また明日、議会が終了いたしますので、今の予定では明日の夜、東京に再度参りまして、11日、12日と関係方面をまわりたいと思っているころです。ただ、前からの議論なんですが、やはり限られた新幹線の財源の中で、もう既に着工した区間の地域と、私ども北海道を含めてまだこれから着工を求めていく区間を抱える地域の間で、いろんな押し合いへし合いのいろいろな地域間競争というのが今も激しくおこっておりまして、私はこの北海道新幹線の着工に向けて最大限一生懸命頑張っておりますが、余談を許さないこのような現状認識は変えておりません。課題は、今のことに尽きると思います。既着工組と新規着工組の間の地域間競争、加えて新規着工組の中でも限られた財源の中で、北海道、北陸、長崎の間でどういうふうになっていくかということは、まさにこれからの力の押し合いへし合いの中で決まってくる。いずれにしろここ1,2週間が勝負だと思っております。場合によって越年ということもあるかもしれませんが、何としても今年いっぱいに方向性だけでも政府与党において出していただきたいと、このように私は強く願っているところです。
  銀河線につきましては、いまお話がありましたとおり11月23日に協議会がございまして、私どもから副知事と総合企画部長が出席をし、議論をさせていただいているわけでありますが、バス転換にした場合にどういった財政負担になってくるかというようなことを含めて議論をさせていただいているわけです。私どもから今、地元の沿線自治体の方々に対して、いろんな考え方があるというご提示がありましたので、では沿線自治体の皆様方としてどういった案をご提示いただけるかなということで、今お待ちを申し上げている段階というのが私どもの状況でして、ただし先ほどおっしゃられたとおり、道財政の状況もありますので、この赤字が今鉄道の場合4億数千万円あるんですかね、この赤字補填ということだけのために、私ども道費をフローベースで将来に渡って出させていただくというのは無理であります。ここをご理解を賜りたいということを前提にいろんな代案について、いま地元で議論をいただいて、おってご提案がいただけるのかなと考えているところです。次回いつになるかというのは、この地元のご提案の状況によると思うんですが、いずれにいたしましても第2基金の方でしたか、来年度中には底をつくわけでして、その意味ではやはり本年度中に結論を出すためには、逆算しますとやはり1月、できれば年内ですが、年内は時間がないので1月くらいには沿線自治体の方々と私どもの間で双方合意できるような中味になる必要があると考えています。

(北海道新聞)
  採算ありきですとか、廃止ありきではないかと批判されていることについてはどうお考えですか。

(知事)
  それは私どもはもちろん地元の方々との合意を前提の話ですので、そういったことではないというのは明確に申し上げたいと思います。ただ、申し訳ないのですが、赤字部分の4億数千万円を道だけで出すというのは、これは無理でありますということです。第1基金についてはいろんな議論がこの前、新聞報道で出ていたというのは、真偽のほどは確認していませんが、報道は拝見いたしました。あれについても、道が30数億円、出させていただいている立場でもありますので、その使い方についてなにがしかの沿線自治体からのまたご提案があれば、それはそれでまた議論させていただきたいとそのように考えています。

(NHK)
  高速道路の件なんですが、先週、建設部長からお答えしていただいた内容に重複する部分もあるんですが、新直轄方式について、3路線をどういう判断で選択されたのか。また、それによって地元の負担が出てくるのですが、財政上の影響はどのように考えてるのかということと、相対的にああいう順位が付くと着工が遅れる懸念がどうしても地元などから声が出てくるんですが、それに対してはどのように考えますか。

(知事)
  まず、道内の高速道路の整備率というのは、ご案内のとおり全国99%ぐらいに対して、まだ50%も満たないという現状があります。私どもとしては、この高速道路について、
 採算性とかいろんな議論があるのは承知しておりますが、やはりまだ整備率が50%に満たないという道の立場からすれば、やはり国の責任において、きちっと整備していただきたい。そのことが北海道の、経済、産業、地域経済の発展ために極めて重要である。これは、第1にまず、申し上げなければならないことです。
  ただ、そういったなかで、多くの借金を抱えておられる道路公団において、今後のあり方の検討というのが今、出てきたわけでありまして、そのなかで70カ所の優先順位付けをされ、それに沿って整備の方向については、都道府県の知事にご照会があったのが今の状況でございます。もう答えは返したわけでありますが、ご承知のとおり3路線については新直轄方式を選ばせていただいた次第です。ただ、これも民営化の今後の方向性というのを見つつ、意見は留保しております。そこは、大前提としてご覧になった意見のとおりでありますが、何で3つを新直轄方式にしたかといいますと、それ以外の3つについては、有料道路方式でも整備が早期にやっていただけるのではないかという順位付けであります。なかには、着工しているもの、着工していない小樽~余市間等もあったんですが、優先順位が高いという意味において、こちらの方は有料道路方式でいいだろうという判断でしたんですが、後段の本別~釧路間含めての区分については、やはりまだ5割にも整備率が満たない北海道のなかで、都市が分散立地しているわけです。こういったところで、やはり高速道路の整備はやらざるを得ないだろうということで、私どもは新直轄方式というのものを選ばせていただきました。
  そういったなかで、財源の問題が出てくるわけでありますが、建設部長もお答えしていたと思いますが、3区間を15年(現時点での国の考え方)で整備を行うとした場合、北海道の負担は35億円となっています。ただ、これはプラスアルファで上積みされるということではなくて、開発予算の既存の事業費の中で執行されることになりますので、その意味では道の追加的な負担ということにはならないだろうと思います。しかしながら、当然、既予算の中でやってまいりますので、高速道路以外の他の高規格道路の整備には一定の影響が出ざるを得ないです。そこは、開発予算の中における優先順位付けをこれから慎重に議論していかなければならないだろうと思います。いずれにいたしましても、民営化の方向性というのは、これから議論されると思います。その方向によっては、私どもとしては意見を変えることもあり得るということは、国に対しても申し上げましたので、ここでも明確に申し上げたいと思います。

(NHK)
  改めて、その70の路線で下から5番目のところに2つの区間が入っていると、その現実をみると本当に必要なのかという議論がどうなんでしょうか。地元の要望がありますが。

(知事)
  先ほどのちほく線と関連する足寄~北見間なども相当下の方の順位ですね。ただ、私どもとしてはやはり地元の要望というよりも、北海道の地図を鳥瞰した場合に地域間の物流なり、人流なりそういったことは、本道の場合は道路に大きく依存しているという現状にあるわけで、やはり優先順位は採算性とかいろんなことで出されたものと思いますが、私どもとしては9,342キロメートルという整備をすると決められたものについては、なにがしかの形で整備をしていく必要があるということについては、そのように考えています。

(NHK)
  国に対して求めるということですか。

(知事)
  そうですね、我々の一部負担も覚悟しながらということです。

(時事通信)
  予算編成なんですが、先ほど議会の方で部局配分の道警分について述べられてましたが、道警については別扱いと、部局枠配分の中での一般の形はとられないということですか。

(知事)
  最終的には私の判断ということですが、通常の予算査定プロセスの中で、先ほど大橋議員(共産党)から質問がありましたので聞いておられたかと思いますが、積算の中身ですとか、最近における執行状況なども十分に踏まえながら、いろんなレベルで議論をしながら、最終的には知事たる私が判断して決めていく予算として位置づけたいとこのように考えております。

(時事通信)
  不要額が増えている点については、そこの部分が減る可能性もあると考えて良いですか。

(知事)
  そうですね。それは最近の実施状況ということでどのように勘案するかということになると思います。

(時事通信)
  宮城県の浅野知事のやり方も、部局枠配分を警察の予算については止めて、自分自身で「裁定」という言葉でしたが、するということでしたが、高橋知事のやられようとしていることと、宮城県のやろうとしていることは実質同じような内容になると思っていいですか。

(知事)
  先ほど予算特別委員会の知事総括質疑でも聞いていただいてうれしいなと思ったんですが、私はパフォーマンスが下手なので、たぶん同じようにステップ・バイ・ステップというか、段階を踏んで、予算を厳正に査定していくというのは、宮城県に限らず、各県の知事が厳正にやっておられることだと思うんです。ですからご質問の趣旨に格好良く答えるとすれば、宮城県の知事さんと同じように私も厳正に査定をしていきたいと思います。

(時事通信)
  確認なんですが、部局枠配分の中で、通常、知事部局であれば任せるということになるものも、道警については別にきっちりと査定をするという認識でよろしいですか。

(知事)
 そうですね。部局枠配分というのは、既存の予算については、それぞれの部局の使い勝手が良い形で、むしろ査定部局である財政課、総務部の関与を無くして、執行部隊の裁量に任せるほうが政策に幅がでるだろうということで、今年度からまさに始めることにしたんですが、今回の経緯を踏まえて、道警の報償費については別の形でと考えております。

(毎日新聞)
  報償費の問題について、5日に道警本部長に対して、「毅然とした態度をとられるべきだ」と、それから「道民にもっと分かりやすく説明されるべきだ」と知事として注文を出されて、今日の一部の報道では道警は改めて説明はしないということも出ていますが、いつ、どのような形で道警本部に説明を求めようとお考えでしょうか。

(知事)
  一部報道とは、北海道新聞ですよね。私も見まして、あれと思いまして、午前中は議会答弁の勉強で忙しかったので、午後に早速、知事室長から道警本部に聞いてもらいましたら、「記事本文のとおり、マスコミの皆様や議会などでご説明してきたとおりですので、ご理解くださいと申したのであって、知事の道民に対してきちんと説明すべきとの申し入れに対して、記事見出しのごとく、当方が今後一切説明する意志がないという認識を示したものではありません。」との回答をいただきましたので、道警における対応を引き続き見守って参りたいと考えております。

(毎日新聞)
  道警の説明を待つということですか。

(知事)
  そうですね。

(毎日新聞)
  浅野知事と同じようにするというお話だったんですが、今日、共産党の大橋議員が指摘されていたように、改めて再調査を求めるとか、道として改めて特別監査するとか、宮城県は監査してますよね、そういう段階を踏んだ上で、知事として判断すべきではないかという指摘でしたが、その点について知事はどのようにお考えでしょうか。

(知事)
  宮城県のケースはご承知ですよね。結局、情報提供者の守秘義務等々を理由にして、肝心なところについてはできなかったわけです。宮城県の知事は格好良かったですけどね。 それから別のケースで、愛知県警で国費である捜査費について疑義ありということで、会計検査院が検査に入ったわけですが、それについても結果は同じであったということで私どもも承知をしております。そういうこともあって、宮城県の場合は平成12年に浅野知事さんがあのような形でおっしゃったんですが、私ども北海道の場合は平成10年から監査委員による監査をやってますので、これまでの私の説明が不十分であったかもしれませんが、そういった道としての努力があった上で、今回、予算について、来年度ああいった方向性を出したわけです。議会の場では時間の関係もあって、私の説明が不十分であったかと思っておりますが、私どもなりにいろいろと検討した結果での今回の考え方であるということをご理解いただきたいと思います。

 


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