知事定例記者会見(平成15年10月22日)

知事定例記者会見

・日時/平成15年10月22日(水) 16:45~17:05
・場所/上川町かみんぐホール 2階インディルーム
・記者数/8名(その他テレビカメラ等1台)

会見項目

  

知事からの話題

1 「まちかど対話212」(上川北部)を終えて
2 「女性知事リレーフォーラムinおおさか」について

記者からの質問

1   就任半年を振り返って
2 選挙応援について
3 「女性知事リレーフォーラムinおおさか」について
4 道財政の再建と地域振興について
5 市町村合併について

知事からの話題

 

「まちかど対話212」(上川北部)を終えて

  昨日今日と、知事になりまして初めて上川北部入らせていただきました。まちかど対話212は5月、7月、9月と回ってまいりまして、今回で4回目です。上川北部の9市町村と、ここ上川町の10市町村を訪問させていただきました。広報広聴課長が調べてくれたんですが、昨日今日で400キロ走ったことになるそうです。 改めて、北海道の広さを実感した2日間でした。
  日程的には昨日、まず中川町にスーパー宗谷(JR)で入りまして、中川町で酪農畑作をやっておられる若い20代前半くらいの方々と昼食をとりながらいろいろ話をさせていただきました。酪農の方は今朝、牛の出産をやった話とか苦労話もありましたが、そういう中で消費者から生産者ということ、トレーサビリティというんですか、こういったような話をやはり若い人たちが特にそういう意識を持って生産の現場でも取り組んでおられている話をお伺いしました。それから消費者に自分たちの苦労をもっと知ってほしいとおっしゃっていました。その話を受けて私から申し上げたのは、都市と農村の交流という、都市サイドの方々が、もちろんどういうふうに自分たちが食べるものを作られているか見たいという心と、自然豊かな農村に行きたいという気持ちもあって、そういう交流の場も我々も接点を作っていますし、国の政策としてもあるというお話もいたしました。
  それから、名寄の方にまいりまして、10市町村の首長さんとの意見交換、天塩川流域というこの地域の共通の地域性、その資源を活かしたまちづくりということで、いろんな話をさせていただきました。米の北限、美深、米を初めとして畑作、酪農、地域の特色を生かした農業をされてるわけですけど、そういった水資源の活用、それからアウトドアスポーツです。冬はスキー、クロスカントリー、それから雪のない冬以外の季節はカヌーです。素晴らしい自然を活用してのいろんなまちづくりをやっておられるという話がありました。
  下川町では、森林を活用して、森林の生産物をいろんな形で使ってクラスターという言葉を使っておられましたが、いろんな産業群を育成しているという話がありました。最後に中川町長さんがおっしゃられたことが大変興味深かったんですが、人間の作ったものというのはやがて無くなると、これは例えば町とか村とかそういう境界みたいな行政の単位なんていうのはいつかは無くなると。しかし、川、天塩川は後世に残す貴重な財産だというお話を、最後にびしっと若い40代の町長さんがそういったことで(お話しを)閉められて、私としては印象に残った一言でした。
  それから、風連の方にまいりまして、フーレベツという、異業種の方々がNPOを作って、今もうちょっとで認可がおりるということをおっしゃられていましたけど、町づくり、空き店舗対策、私もおじゃましてコロッケとかいただいた場所も空き店舗で空いてて、これなんとかしないと町の景観上もよくないということで、商工会あるいは有志の方々が集まって、新しい交流の場、そして町づくりということを考えられたところにまいりました。将来的にはタウンマネージメントの法人を興したいということも言っておられましたし、私として何よりもうれしかったのは、第2回定例会(道議会)の予算で立ち上げさせていただいた「一村一雇用おこし事業」、数百万円ではありますが、なかなか知事も目の付け所がいいという話がありまして、地域の雇用は地域が一番分かっておられるという私の思っておりましたことが、現場で展開している姿を見て、とてもうれしく、また心から成功していただきたいとそのような思いを持ちました。
  今日に入りまして、下川で屋外でIターンJターン、下川はまた独自の取り組みでエミュー牧場も埼玉の方でしたか、それからいろんな地域から若い人たちを温かく受け入れるということをやっておられて、そういう方々、あるいは地元で30年近く森づくりをやっているというお母さん方と意見交換をして、もっと自分達の給料、収入を増やすような政策をやってくださいというお話が出まして、私なりの考え方をご説明したことろです。環境に貢献をする森林づくりに取り組んでおられる皆さん方とのふれ合いだったと思います。
  それから、朝日町でのタウンミーティング、地域のそれぞれの町、市から、今回は「食」ということをテーマにしましたので、農業現場の方、流通関係の方、栄養士の方、町づくりに取り組んでおられる方、それから主婦の方、いろんな立場の方々とお話ができました。やはり、食、農業を考える場合にはなんといっても生産者と消費者の接点というのが重要です。愛育、愛食運動の問題、それから食育、スローフード、そして農業の後継者の問題、それから減農薬の問題、いろんな議論が出たわけでありまして、こういったことを私どもとしてもやはり生産者と消費者の出会いの場を、こういったことをいかに政策の重点の中で深めていくかということ、今、食に関する条例も検討中ですので、そういったところに反映をしてまいりたいと思ったところです。
  最後に、感激をいたしました。上川高校と町立上川中学の中高一貫の連携教育という現場で、両校長先生からの説明があって、ご苦労とそしてその成果が出てきているという話と、そして、何よりも最後に感動したのは中学生お二人と高校生お二人、それぞれが、自分で原稿を書いてそれを読み上げる、あるいは自分の言葉でしゃべろうと一生懸命やっておられるのがよく分かりましたので、中高一貫の中でどんなふうなところが良かったと思うか、あるいは自分たちが地域のために何を考えているか、環境分野の教育に感動しているという話もありました。また、中学生の方は高校生とともにいろんな交流ができることによってとても楽しいし、またそのことによって上川高校に行きたいという思いもあったというような話もあってとてもうれしいと思いました。私自身も母親でもありますし、また環境がこれだけ素晴らしい上川町でこういった教育をやっておられる、そして中高一貫で協力してやっておられる、こんなことに感動しました。以上が今回のまちかど対話212の私なりの感想です。

「女性知事リレーフォーラムinおおさか」について

 そして、もう一つ私からのお話をさせていただきます。今週の土曜日に大阪で「女性知事リレーフォーラムinおおさか」というのがございまして、これに出席します。これは私よりも先に女性として知事になられた千葉、大阪、熊本の方に私を入れて4人の女性知事が一堂に会しまして、生活者や女性の視点を大切に共通の政策課題をテーマに意見交換を行うと、相互連携交流の促進を図るというもので、私就任してすぐに、熊本県の知事からお電話いただいて「来ない?」と言われたんですが、これで2回続けてどうしても日程の都合がつかず欠席をしまして、今回初めての出席です。女性の知事ですから、女性のチャレンジ、男女共同参画社会の形成というテーマでいろんな議論があるようでございまして、私も北海道におけるいろんなこの問題のことをインプットした上で臨んでまいりたいとこのよう考えております。私からは以上です。

記者からの質問

(北海道新聞)
 1つは知事、明日で就任半年になりますが、それについての率直な感想と、半年知事をやられて今後どういう課題が見えてきたかというところをお聞きしたい。
  もう1点が、来月9日に総選挙投開票ということで進んでますが、知事が推薦を受けて当選された自民党からかなり熱心に応援要請が来てると聞いてますが、12選挙区全てに応援に行かれるのか、以上2点についてお願いします。

(知事)
  1つ目の就任半年の感想と今後の課題ということですね。先日の北海道新聞と読売新聞に、取材を受けてお話したことと重複するかと思いますが、この半年はやりたいことがいろいろとあったんですが、一方で災害が多くありまして、幸いなことに上川のこの辺りはあまり影響がなく、今日の懇談でも地震のときも気付かなかったという方もいました。そういう災害への対策ということに時間が相当多く取られまして、議会議論もそれが中心になりましたし、臨時議会もやりましたし、そういう意味ではあっという間の半年だったかなと思います。 そしてこれからはですね、願わくばこれ以上自然災害が無いことを心から願ってまして、その上で私は公約でお約束申し上げた様々な政策、先ほど「一市町村一雇用おこし」の話も少ししましたが、雇用政策をはじめ中小企業政策、そして人づくりについても私は北海道らしい条例の整備も含めてやっていくということを申し上げてますし、農業についても食に関するさらなる総合的な政策をやるということも申し上げています。また私が前職でやってました産業活性化に向けてのプログラムづくり、これは年内には方向性を出したいと思ってます。そういったこれから中長期の北海道の将来を拓いていくような政策を充実していきたい。こういったことにこれからの私の時間を是非多く使っていきたいと思っています。
  それから先ほど感想の中で1つ言い忘れました。下川町に行ったときに、木って育つのにすごく時間がかかりますよね。だからあそこの皆さんは21世紀の森づくりじゃなくて、22世紀の森づくりとおっしゃるんです。北海道づくりという観点も、短期中期、そしてもうちょっと先のこと、さらには22世紀の北海道はどうなるのかと、たぶん道州制の下に47分の1の北海道から、10分の1か、11分の1の北海道、それでも私は北海道は北海道であると思っていますので、世界に誇る北海道づくりをどうしていくのか、このことの入口の1歩2歩の仕事を一生懸命やっていきたいと思っています。
  それから2つ目の選挙応援ですが、これまでも言ってますがあくまでも公務優先です。そしていま確かに知事選のときに推薦を賜りました自民党、それから公明党からも応援をというお声を頂戴して、日程調整をいろいろしていますが、どれだけ行けるかは私もまだ分かりません。昨日、今日と札幌を離れてましたし、今日札幌に戻ってから仕事ありますので、明日かな、秘書課と議論しながら、また検討したいと思ってます。そういう意味で公務優先の中でどれくらい時間が取れるかどうか、それからこれも記者会見で言ってきてますが、ご要請があればどなたに対しても行くということではなくて、私自身が個人として、あるいは1人の政治家として、いままでいろいろな形で交流を深めることができた方、そしてそういった中で考え方が近いと思うような方、そういう個別の方々との関係も熟慮した中で考えていきたいと思っています。一部報道で、どこに行くか決まったというようなことも出てましたが、まだ何も決まっていません。これからいろいろな環境を考慮しながら決めていきたいと考えています。

(北海道新聞)
 知事としてはいつまでに決めたいと。

(知事)
  分からないです。行く日までには決めなきゃならないでしょうけど。

(北海道新聞)
  28日公示になってますけど、その日までにというお考えは。

(知事)
  分かりません。全体が決まるかどうか。飛び込みの公務もあるでしょうから。

(読売新聞)
  女性知事リレーフォーラムについて、日時、場所など詳しく。

(知事)
  25日土曜日、午後2時10分から、大阪府立女性総合センターというところであります。詳しくは広報広聴課から資料配付します。
  是非取材をしていただければ。

(時事通信社)
  昨日、首長さんとの懇談の中で、冒頭知事がおっしゃった赤字再建団体に陥るかもしれないというお話と、今回各地を回られて具体的な要望や提言などあったと思うんですが、財政との兼ね合いで、これからの施策をお金を掛けないでできるというヒントがあったら教えてください。

(知事)
  財政再建。金無い、金無い、無い袖は振れないといつも言ってますので、よっぽど無いのだなと思ってらっしゃると、本当に無いんですが、ただ3年間で削減しようとしている千7百億円というのは道財政全体(一般財源ベース)の1割くらいに当たるんですかね、逆に言うとそれ以外の予算はあるわけでして、その範囲内で知恵を出しながら、地域の要望に沿って、やらなければならないことはやらなければならないわけです。それから私が公約で掲げさせていただいていること、当時は一個人として書いたわけですが、その後知事になって、いまの段階で見てもそれぞれ意味のあることを掲げていると確信を持ってますので、そういった公約実現に向けての予算、それから昨日今日の懇談の中で各市町村長などがおっしゃられたことでも、支庁を通じてさらなる議論が必要だとは思いますが、やらなくてはならないことはやっていく、これは明確に申し上げます。
  ただ、あったほうが良いよね、というようなものについては、ちょっとこれはしばらく待っていただいて、その上でゆとりがでてきたところで、地域振興という前向きな事業に対してやるべきことに使って行きたいと、そういう二段構えになると考えています。

(北海道新聞)
  知事がこの2日間ご覧になられた上川北部なんですが、上川支庁管内では、市町村合併の議論が盛り上がっているところです。しかし中部、南部はあまり活発ではないのですが、市町村合併に関して、いま現在の知事の展望なり、考えなり、また上川支庁管内の現状についてお願いします。  

(知事)
  つい数日前も「自治のかたち円卓会議」を開きまして、11月の地方制度調査会の最終答申に向けて北海道として言うべきことは、一応メンバーの市町村長や有識者との議論は終えて、いま最終的にまとめをしています。これも来週くらいかな、10月中には東京に、国会議員対象ではなく、有識者の方を対象に行かなくてはならないと考えてます。その中ではいくつかの議論ありましたが、1つはやはり人口要件と言いますか、一定規模の人口が基礎自治体を形成する場合に必要だという議論が自民党のプロジェクトチームでも出ています。また、西尾私案という一番過激な東大名誉教授の方も出しておられる。それに対しては、市町村長とも、これは北海道は違いますよねと、面積等々との関係において考えるべきだと、これはおっしゃるとおりだと思ってますので、人口要件という画一的なことでは駄目だということを申し上げようと思っています。また、これも北海道の地理的特性なるがゆえに必要になってくることですが、合併した後の地域内自治、行政自治組織というか名前はいろいろ考えられますが、要するに合併した後に新しい自治体の中心とならなかった、前の役場のある市街地をどのように守っていくのかという問題について、私どもとしては地域内に自治組織をつくっていく、行政を実行するそういうブランチというか、支所のようなものをつくっていくことを提案をしてまして、これもいろんな権限の移譲のやり方はあると思います。相当移譲して予算も執行も含めてそこですると、あるいは地域によっては中央集権的というか、新しい町役場なり、市役所なりが、権限を集中してやるような場合も、これは地域の実情に応じてということになると思いますが、そのようなことも提案をしていきたいと思っています。
  合併特例債うんぬんというか、国が言っている合併特例法の期限というのは1つのきっかけに過ぎないんです。それだけのために合併するというのは、もちろん財政的なメリットを享受するというのは大きいことは大きいわけですが、実はまちづくりというのはもっと中長期的に議論していかなくてはならないのは当然であります。そういう意味では、私はこれからもまだ協議の場に乗っておられないところ、上川管内でも例えば中部、それから南のほうはそういう気運に無いようですので、支庁長ともバスの中で話したんですが、やはり話し合いの場はまず乗っていただこうと、それでいろんな議論をした上でどうするかというのは、またその上での話ですから。
  上川中部について言えば、函館は道内3番目のまちで、旭川は2番目ですけども、函館の辺りはすごく進んでるんです。あの周辺の役場に1か月程前に行って来ましたけれども、合併するんだという気運になってきているんです。そうすると函館は30万人を超える都市になるわけです。同じ発想で、これはもちろん地域がお決めになることですが、いま旭川が36万人ですが、さらに集中することによって、40万人を超える都市に、50万人を超えると大都市ですからね、そのような気運がもしあるのであれば、道としても支庁を通じてサポートさせていただこうと思ってます。それぞれの地域、とにかくまずは話し合いの場に乗っていただきたい、そのことは強く申し上げたいと思います。室蘭のエリアはまたちょっと違っていて、合併特例法はあんまり関係ないんです。ゆっくりとあの辺りでどういうまちづくりが重要なのかを議論した上で合併するのか議論していきたいというのがあのエリアの考えです。本当に地域それぞれですので、私ども道庁は鳥瞰できるというか、全体を見ることができますので、あの地域はこうですよと、あるいは道外の情報も含めて、いろいろご提供して、合併の気運があるけれども、それが表に出ていないところには是非ご議論を進めていただきたいと、そんな仲介役をまずはやっていきたいとこのように考えております。

 


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