知事臨時記者会見(平成15年8月14日)

知事臨時記者会見

・日時/平成15年8月14日(木) 14:20~14:35
・場所/平取町 二風谷ダム
・記者数/9名(その他カメラマン等6名)

会見項目

  

知事からの話題

1 台風10号関係について

知事からの話題

 

台風10号関係について

  10日に初めて現地に入りまして、それ以来、現地に入ったわけですが、冒頭に申し上げなくてはならないのは、6人の方の尊い命が奪われ、その方々に対して、衷心より哀悼の意を表します。これがまず何より皆様方に対するメッセージです。そして、5名の方がまだ不明でいらっしゃいます。今日の私の現地の調査の中でも行方不明の、これは厚賀地区の方ですが、赤無橋のあたりで不明になられた方々の捜索をやっておられる合同本部にまいりました。これは事実上、昨日立ち上がったばかりのものでありますが、これまではそれぞれ警察なり消防なり自衛隊なり、それから地元の方々が個々に一生懸命やっておられたのを共同で情報を共有しながら、分担をして重点的にやっていこうということでありましす。ここでもいろいろお話をお伺いいたしましたが、5名の方々の発見に全力を尽くさなければならない。このことを強く感じたところです。
   そして、8月10日以来参ったわけですが、当然のことかもしれませんが、水の量が減ってきています。だからこそ、被害の大きさというんでしょうか、10日の日も、あの時も来られた記者の方には申し上げましたけれども、流木の量がすごいなと、今回も改めて思いました。道路の寸断、道道は何とか仮復旧ということでは、今それぞれの孤立地区がないような形での、これは鋭意(復旧)に努めているところです。
それにいたしましても、橋、川、道路、まだまだ寸断されているところがたくさんありまして、早急にやっていかなければならないという思いを強くしたところです。
  後は、今日の訪問したところの感想ですが、厚賀地区で避難住民の方々2世帯5名と伺がっていたんですが、今朝お会いしたのは4名の方です。比較的年齢の高いご夫婦がこれを機会に山の方から下の方に降りていきたいということでした。もう1組のご夫婦は、農業をやっていて、全てを失ってしまって、これからどうやってやっていくかということについて目途が立たないとおっしゃっていました。また、夜は睡眠薬を飲んでやっとここで寝ているというお話でした。不自由な、そして精神的にも辛い避難生活を送っておられる方々が、この2世帯の方々含めて私どもの承知しているところで32世帯92名の方々が、この被災地にいらっしゃいます。健康管理あるいは精神的な面の管理が極めて重要です。道からも保健師を派遣をしております。また、町の保健師の方々も巡回をして被災住民の方々の健康、あるいは精神的な面を含めてケアをしているということお伺いし、こういったことの重要性もまた感じたところです。
  これから、道路、河川等の復旧に全力を尽くすわけであります。今日、それから美宇地区で牧場主の方に話しを伺いました。この竹中牧場の牧場主の方とお話をしまして、この竹中牧場自体はちょっと高台に厩舎あるいはお家があったということで、馬が流されるということはなかったという話でしたが、近くの方が来られて流されたということで、これからやはり、先ほどの厚賀の方の被災民の方と一緒でございましたけども、営農について自信がないというお話でございました。
  私ども道庁農政部の方で、本庁の職員、あるいは支庁の農業の専門の職員、復旧に向けて、農地等についての復旧に向けての設計を行います。外注すれば時間もお金もかかるわけですが、道庁職員自らがやることも、今チームを組んで始めております。我々、復旧には全力を尽くすので、営農に向けて是非自信を持っていただきたいとことを話をしたところです。
   その後、参りました、これはちょっと予定とは違っていたのかもしれませんが、里平地区、門別町長さんが是非ということで行ってまいりました。里平小学校で、あるいは外でお話をお伺いいたしました。ここでもやはり、これからの農業をどういうふうに続けていくのか。もともと厳しい環境の中で、これからの先が見えないという話もありました。先ほどの繰り返しになりますが、私どもとしてもそういった技術指導、あるいはこれからの復旧に向けての設計業務等々をしっかりやっていくと。また、農地の復旧については、激甚災害の指定等を通じて、国とも連携をしながら復旧に向けて全力を尽くすというようなお話を申し上げたところです。
  それから、平取町貫気別地区、それからさらに、平取町長のご案内で旭地区、さらに、別のつい最近まで孤立していた地域も見てまいりましたけども、皆さん方大変で目の前が真っ暗だと思いながらも、必死に家の復旧、泥が溜まっているんですね、床上浸水、床下浸水とも。それを取り除いて、そうしないと木が腐ってしまうんだそうです。とにかく、元の生活に少しでも早く戻りたいという話を口々にしておられました。
  最後に二風谷ダムにまいりました。ここはご案内のとおり、国が管理をしているところですが、おびただしい量の流木、そして今、ご説明を聞かれたかと思いますけど、こういった大洪水の時にやはりダムというのは、人々の生活、あるいは人々の生命を守る、こういったことを結果として実感させていただいた、そういうダムの効用というものが確認されたという1つの今回の大洪水であったかなという思いを強くしたところです。
  そのほか気付く限り申し上げれば、電気、あるいは水道、こういったライフラインの復旧、それから門別町長さんでしたか、里平地区でテレビも何とか復旧させてほしいという話もございました。こういったライフラインの復旧に向けても、今、道庁が北電さん、水道関係の様々な団体の方々とも連携をしながら一生懸命やっているということ。
  それから、地域によって、酪農、あるいは軽種馬、それから平取などはどちらかというとトマトの産地ですが、あるいは水道と、いろいろではございますけども、それぞれやはり酪農地区だと人間の飲み水は手当てできたけども、牛は人間の4倍も飲むと、これはなかなか自衛隊等によっても大変だと思います。水道の復旧について努力をしますということを申し上げました。
  それから、牛の体に良くないですから搾乳をして、それを捨ててたわけですけど、ちょうど私があちらの方にまいりました時に、ホクレンさんのミルクローリーが通ってまいりました。やっと通れるようになったんだ。これから出荷できるようになるということを町民の方が言っておられたのも印象深かったです。
  私ども道庁としても、ライフラインの復旧のためにも最善を尽くしたい、このように思っております。
  それから、流木対策、これは10日の日もそう思いましたし、今日も思いました。道路、農地、河川の水がひいた後、いたる所にあります。これは縦割りだとおっしゃられればその通りなんですけど、それぞれの分野ごとに流木を除去するという災害復旧の制度がありますが、私ども道でこれを一括して全体の窓口になってできないか、ただその場合にそれぞれ被害状況を確認してから工事にあたって、その補助金が出るという国の仕組みでもありますので、そこをどうするのかという調整もあります。本庁の方で副知事トップでいろいろ検討してもらっています。今、調査終わった後、本庁に戻りまして本部員会議がありますので、そこで報告があると思いますが、この流木対策はやはり今申しました、いろんな工夫をして早急にやらなければならないと思ったところです。
  あと、相談窓口を13日に各支庁、本庁に置きました。あと漏れもあるかもしれませんが、気付きましたら後から申します。私からそういうことで、いずれにいたしましても、この被害の大きさというもの改めて認識をいたしました。そして、十勝の方にもできる限り早いタイミングで行きたいと思っております。そういったことも踏まえて、さらなる今後の復旧対策、さらに農業面、漁業面含めて、これからどういうふうにやっていくかという経済面含めて、きっちりやっていかなければならない、このように思ったところです。

 

記者からの質問

(NHK)
 8月10日の日はヘリで上からご覧になったわけですが、今回、車で下道をこう通ってご覧になった率直な感想をお聞かせ願いますか。

(知事)
  8月10日も実はヘリで新冠町の森林公園に降りまして、そこから、車で行きました。国道は通ってなかったんですけれども、無理に通って厚賀から道道に入って、赤無橋さらにその先のこの先行けませんというところまで行きました。その意味では、陸路を行ったところはその時と今回を比較できるわけでありますが、確かに水は少し引いていました。これは当然でありますが、だからこそ被災の有様が目の当たりにできたということで、改めて今回の大洪水の凄さ、自然の恐ろしさというものを実感いたしました。
 
(北海道新聞)
  厚別川でワゴン車が流され行方不明者が出た事故で、室蘭土木現門別出張所が巡回を怠ったのではないかとの報道がありますけれども、それについてはどう思いますか。

(知事)
  今、詳細な調査をしております。ただ、皆さんご承知のように、私も水位計、水位観測器は道内の河川に全てあるわけではありませんが、厚別川の赤無橋のところにあったわけです。8時半のパトロールの時には通行可能という判断で、その後23時に計画高水位という、これは平たく言えば、それを越えれば氾濫の危険性があるという線で、実はあそこの堤防はそれにさらに1メートル高くなっているところですが、一応計画高水位というのが、我々のプロとしての判断の1つの目安、このレベルにいったのが23時です。その段階で、道路規制にきっちり活用することがなんでできなかったということ、そういう水位情報というものが十分活用されていなかったということについて、私は率直に十分に反省すべきところはあると考えています。
  今、どの時系列でどういうことがあったのか、国との関係、あるいは同じ道庁の中で関係部局の間でどういう連絡をとりながら、そして、私はこの時点でも現場の職員が徹夜体制で一生懸命やってたのは違いない、そこは100%思っています。ただ、結果として、23時のこの段階でなぜできなかったのか。

(吉田土木局長)
  12時15分に警察の方から立ち往生している車があるということで連絡いただいて、救援のためのパトロールということで、12時半位に行ったんですけど、その段階でかなり冠水があって消防団の方も入られないということもありましたので、それで規制は最終的には6時になってますけども、消防団の方いらっしゃったということで、警察の方とも連絡をとりながら、それ以上一般の車両が入って来ることがないということでしたので、夜明けを待って規制は6時という。

(知事)
  どうしてそういうことになったのかということについて、今、詳細に調査をかけています。1週間を目途にその結果はまとめていきたいと思っています。

 (北海道新聞)
  それはいつから1週間ということですか。

(知事)
  今からです。

(毎日新聞)
  流木対策についてなんですが、周辺町村からはやはり町村だけでは処理は大変だと、道や国なりの援助が必要だと、といういったところでが、おっしゃった計画というのは、道が窓口となって国の資金を一括して管理するというか、そういう計画ということでよろしいでしょうか。

(知事)
  もちろん、お金の出方は色々なところからです。国からも相当部分が出るでしょうが、道の負担それから、町村、いろいろあります。とにかく、道路(災害)だからここは道路関係で、それから農地(災害)だからここは農地関係で、それから河川(災害)だから河川関係でやっていると、すごく非効率ですよね。それを面として、何とか地区何とか地区というように効率的に工事をやるという意味で、道庁が一括窓口になってそれをやろうということであります。
  資金的な面の手当てについては、事後的に、(国庫補助金などが)出ないとまた困りますよね。もちろん我々純負担の部分も含めてですが。そこはきっちりと国などと協議し、例えば写真を撮っておいて、事後的にそれで確認すればいいじゃないかとか思っており、あるいは按分みたいなものがあると思います。いろんなやり方、前例があるかどうかよく分かりませんが、とにかく今の現状を踏まえて、我々としてそれがいいと思えばやっていく。国と調整をしているところです。

(uhb)
  住民の方が、「知事さん頼みますよ。」という言葉があったと思うんですが、どう受け止めておられますか。

(知事)
  私ども道庁は最大限やれることをやるということを皆さんに申し上げました。その気持ちはそのとおりであります。


  

 


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなど整理し、作成しています。

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