知事定例記者会見(平成15年6月27日)

知事定例記者会見

・日時/平成15年6月27日(金) 15:00~15:55
・場所/記者会見室
・記者数/42名(その他カメラマン等4名)

会見項目

  

知事からの話題

1 平成15年度重点政策について

記者からの質問

1   平成15年度重点政策について(1)
2 平成15年度重点政策について(2)
3 知事から“ほしのゆめ”PR
4 道議会改革について
5 堀前知事のヨーロッパ出張について

 

知事からの話題

 

平成15年度重点政策について

  お手元に「重点政策」という資料がいっていると思います。また昨日総務部長からこの(予算の概要)資料について説明があったかと思います。これらを中心に申し上げます。
 私にとりましては知事就任後、はじめての予算編成でございました。経済情勢も厳しいんですが、財政状況も厳しい中で、どうやって知恵と工夫を出していくかということについて、相当苦労した、という思いがあります。
 基本的には総務部長からも説明がありましたとおり、全体で今回1千569億円の2定補正予算額。当初分を加えました対前年比は、マイナス2.5%ということでございます。
 ただ、財政が厳しい中ですので、唯一伸びているのが歳出の中では公債の償還費ということで、政策予算も減らさざるを得なかったというのはご承知のとおりです。
 そして、いまからは資料に沿ってご説明したいと思います。
 重点政策の1ページ目をお開き頂きたいと思います。基本的な考え方というところです。四角囲いの上のほうに書いてありますが、私は今回の編成にあっては、緊急かつ優先的に取り組むべきものと、もうひとつは本道の優位性や潜在力を最大限に生かしていくための政策予算というように、大きく分けると考え方としては2つに分かれると思います。
 具体的には四角囲いの中にあります5本柱になりますが、緊急対策として、
 「雇用の創出と中小企業の振興」
 そして以下、それともちろん密接不可分ではありますが、
 2番目として「北海道産業の活性化と新産業の創出」
 3番目として「21世紀を担うひとづくり」
 4番目として「安らぎと活力あふれる地域づくり」
 5番目として「恵まれた環境の未来への継承」
 ということを通じて、夢のある北海道づくりに結びつけていきたいと、知事選の政策の重点ということで何回も道民の方々にご説明させていただいたものを今回予算の形で実現をしたと考えているところです。
 2ページ以下で具体的なご説明をしたいと思います。
 2ページは1番目の柱である「雇用の創出と中小企業の振興」です。これは左のほうに緊急対策ということで「地域特性を活かした雇用の創出」。これも従来から申し上げてるとおりですが、やはり雇用というのは地域地域の特色を活かした形で進めるべきであろうということです。今回は「一村一雇用おこし事業費」、それから「みどりの雇用創出支援事業費」、そして「浜の改革推進事業費」ということで、一般的な、市町村とジョイントでやる部分の予算に加えて、森林を通じての雇用おこし、そして漁業の場を通じての雇用おこし。こういったことも掲げています。
 なお、農業関係につきましては、もうすでにいろんな雇用につながる政策予算がありますので、あえて今回新規に立ち上げることはしなかったわけです。
 またその次の四角にありますとおり、国の緊急地域雇用創出交付金制度を活用した雇用創出につきましても、今回10億円を計上した等々で、この雇用の創出の関係では29億円の計上で、当初予算とあわせて114億円となります。
 時間の関係もありますので、あとから質問があればお答えしますが、4ページに移りますと、「一市町村一雇用おこし」の図がございます。道と市町村が連携をして企業なりNPOなりの新しい事業おこし、雇用おこしに対して助成をしていくというような仕組みを考えているところです。具体例はここに一応事例として2つ書いています。花をモチーフにしたまちづくり、そして商品開発というようなこと。それから雪氷エネルギー等の自然エネルギーを活用したまちづくりというようなことも聞いているところです。
 5ページのほうは、森林を活用した、林業を中心とした雇用おこし、そして漁業の関係のものが下に続くわけです。
 6ページに入りまして中小企業の振興です。これも緊急対策と位置付けています。ここでもいろんな知恵を出したわけですが、1つは「北海道企業再生ファンド(仮称)」への出資ということで、具体的には中小企業総合支援センターという、中小企業の経営資源補完には、ノウハウ、蓄積を有している組織を通じての出資ということで、お金も出すし、またその団体における知恵も出してもらうということを考えているところです。
 10億円出すわけですが、トータルで官民あわせて100億円規模のファンド設立というものを、私どもとしては期待をしているところであります。あわせてこのお金は、100億なんて多いようで使ってしまえばすぐなくなるものですので、使い方、審査の仕方、あるいはその企業の再生に向けてどういうふうなアドバイスをしていくか、そこにもきっちり知恵を出しながらこのお金を有効に使っていくということを考えたいと考えているところです。民間企業の方々ともいま議論をしているところです。
 それからセーフティネット強化ということで中小企業総合振興資金貸付金を200億に増額することにしています。
 また既存産業の競争力、経営体質強化、これもいろんなメニューがありますが、7ページの四角囲いの下から2番目に「複数市町村等共同アウトソーシング・システム開発実証事業費」これは道費は無くて、国からの100%委託という形になってますが、中小のIT関係のソフトウエアメーカーが自治体、市町村のいろんな発注に応えていくことができるようにするためには、ベーシックな部分のソフトウエアをこちらのほうで開発して用意しておくと、そのことによって中小のIT関係の企業が自分達の得意分野をそれに加えて受注を受けることができるというシステムでして、道からの提案なんですが、これがうまく開発された暁には、全国の中小のIT関係の企業の方々にとって極めて有効なシステムになるのではないかと考えております。
 8ページにまいりまして、「北海道産業の活性化と新産業の創出」です。
 農林水産業、観光業、建設業、これが基幹産業で、その活性化ということを前から言っているところです。農林水産業の部分につきましては、書いてあるとおりですが、アグリビジネス推進事業であるとか、地産地消のさらなる展開であるとか、道産品のブランド化・販路開拓と、太田原顧問からもいろんなご意見を頂戴した上で、やはり強い北海道の農業づくりということも念頭においた施策メニューを用意し、また私が選挙のときにお約束しましたとおり農業再生プログラムというものを作っていくという、この予算も考えているところです。
 また観光につきましては、1つは花ということをキーワードとして、花観光の推進。これもいろいろあるわけですが、9ページにいきまして、1つだけピックアップすれば、「花大陸Hokkaidoプロジェクト推進事業費」。北海道がシンガポールに事務所、東北の方々との共同事務所という形にこれからなるんですが、そういったところも通じて東アジア地域に発信していきたいと考えています。
 それから新産業の創出につきましては、10ページに書いておりますが、「産学連携の促進」として、「北大北キャンパスエリア産学官交流支援事業費補助金」。これは具体的な項目に125万円と書いてあって、何をやるんだと思われるかもしれませんが、前から申してますとおり、研究開発費そのものについては国の文部科学省なり、経済産業省、それから国土交通省からもいただいてますけれども、そういったことを念頭におきながら、道庁は限られた財源の中で、コーディネート機能を発揮していこうという意味での予算計上です。また起業化促進であるとか、インキュベーション機能、孵化器という意味ですが、この整備等々を計上しているところでして、この分野につきましても国の施策との連携を取りながら、道内の新産業の創出を是非やっていきたいという思いです。
 11ページの下のほうには北大北キャンパスの「リサーチ&ビジネスパーク構想」というものを図にしております。こういったことを我々がコーディネーターとしてやっていくための予算という意味でして、こういったものを全道に、できれば広めていきたいと考えているところです。
 12ページにまいりまして、3つ目の柱であります「ひとづくり」です。「ひとづくり」も大きく2つに分けておりまして、その1つ目が12ページにあります「子育て支援」。少子化の中で、特に少子化の状況が厳しい北海道において、「子育て支援」をやっていきたいということは、これも私、前から申し上げてきたところですが、まず6月1日に「子ども未来づくり推進室」という組織を道庁の中に起ち上げたわけです。そしてそこを中心に「子育て支援条例」、これは全国でも初の試みですが、こういったことも今、検討しています。 加えて、家庭における子育て支援ということで「ブックスタート推進事業」。地域における子育て支援。子育てに苦労しているのは働いているお母さんだけではありません。そういう方々に対する支援も考えておりますし、以下書いてあるようないろいろなメニューの子育て支援を考えています。
 13ページのほうで言いますと、「ブックスタート推進事業」につきましては、1つは本を購入するなど事業実施のための市町村に対する支援も考えていますが、加えて、これを全道に広めていくためには、どういうふうに事業をやっていくか、どういうふうに読み聞かせればいいかという事業のノウハウの部分を移転というか、ご指導申し上げる必要があるかと思いまして、私どもの支庁を通じて、各市町村、これはどなたでも参加できる形で講習会のようなものも行いたいと考えているところです。
 14ページ。「ひとづくり」のもう一つの柱です。「未来を拓く子どもたちを育む」、それから「活力ある産業を担う人材の育成」、さらには「地域社会を支えるひとづくり」こういったことを考えているところです。
 これも15ページのほうで2つだけピックアップさせていただきますが、1つは上から
4番目「夢と活力あふれる高校づくり推進」。これは17ページの上のほうに図がありますが、国のほうでも、特色ある高校づくり、学校づくりをするところ、サイエンス、あるいは英語についてこういった取り組みを支援するという動きがあって、道内でも採択を受けた学校もあるわけですが、こういった特色ある高校づくり推進に道庁としても取り組もうというのが、ここでの予算の中身です。 
 もう一つは15ページの下にあります「特定農業法人等出資育成事業費」。これも17ページに図がありますが、国の制度を活用する形で農業開発公社を通じて、特定農業法人
に対して、離農なり規模縮小した農家の方々の遊休の土地を購入して、これを特定農業法人等に現物出資をして、それをゆくゆくは農業の担い手の方々に長く貸し付けて移転をしていくというようなことをやっていく事業です。その意味では農地遊休化の未然防止にもなりますし、またここで位置付けているとおり担い手の育成確保にも資するということです。
 それから18ページ「安らぎと活力あふれる地域づくり」です。18ページに4つの四角で、1つ目「暮らしの安全」の中、SARSへの対策。もうSARSは終わったじゃないかと思われる方もいるかもしれませんが、いま収束の方向の中で地域指定が無くなりつつありますと、なおのこと水際規制、あるいは特に観光地である北海道ではお客様を快く受け入れるためにも、突発的な状況に対して、きっちりとした危機管理体制が必要であるという意味でここで対策の強化をしようとするものです。
 それから「高齢者や障害者の自立支援」。介護サービスの質の向上等いろいろ掲げております。また、「医療提供体制の充実」。小児医療・周産期、周産期というのはですね、妊娠、出産、新生期をトータルで周産期という概念ですが、その医療システムの整備事業補助ということも計上しています。また、「国内外の地域との多様な交流」では、北方領土返還要求の促進ということで、1つのアイディアですが、“花”。返還要求の「花運動」ということもやっていこうと思っています。
 21ページの下のほうには、「安全・安心フードシステム」というのも予算化しています。
 22ページ。最後の5番目の柱「恵まれた環境の未来への継承」ですが、ご承知のとおり、知床の世界遺産指定への第1歩がクリアということもあったわけです。こういった「多様な自然環境の保全」にも配慮していきたいと思います。また「省エネルギー・新エネルギーの推進」、あるいは「資源の循環的な利用の促進」と、いまの北海道が日本の中でももっとも恵まれている環境というものをいかに未来へ継承していくかということについても限られた財政の中で手当をしていきたいと考えているところです。
 以上、駆け足で恐縮ですが、私どもの2定補正予算の原案です。これを再来週から予定されます道議会にご提案申し上げて、道議の先生方との議論を徹底的にやらせていただいて、成案を得た後には、私は予算の計上と同等あるいはそれ以上に執行に万全を期することが重要と思っていますので、こういった観点でさらに身を引き締めて仕事をやってまいりたいと考えているところです。
 私からは以上です。

記者からの質問

(北海道新聞)
  雇用対策がかなり手厚くなっていますが、これは知事の公約である2カ年で5万人の雇用創出ということに向けての施策だと思いますが、この5万人という数は何をもって達成とするのかというのが分からないので教えてください。例えば、今、23万人の失業者が2カ年で18万人に減らすとか、何を指標とするのかというのかを教えてください。

(知事)
 結局のところは、やはり、例えば2年、3年というところで数字をまず洗っていくということに尽きますので、今、どこの部分でどれだけの目標というのは、私は申し上げる時期にはないと思います。ただ、今回の補正予算の新規の中に、「一市町村一雇用おこし」というものもあげました。それから「みどりの雇用創出支援事業」というのも言いましたし、「浜の改革推進事業」というのも申しました。それ以外にも、既存の様々な雇用に繋がる事業もあるわけです。それから、公共事業というのも当然繋がりますし、金融政策そういったものもあるわけです。こういった取り組みの結果として、私は一人でも多くの雇用を創出したいと思っていまして、結果、先ほど申しました、5万人の達成というのは可能であると考えているところです。 
 同じことをお答えしますが、その年度の終わりの頃におけるチェックを行って、達成したかどうかをもう一度お示ししたいと思っています。

(日本経済新聞)
 企業再生ファンド10億円出資ということです。まず、なぜ行政がお金を出すという判断をしたのかということと、どういう根拠で10億円を負担することになったのかということについてお聞かせください。

(知事)
 ご案内のとおり、国で産業再生機構ができております。これは主として、大企業中心に厳しくなった企業によみがえってもらって、国全体の経済に資するというそういう仕組みだと承知をしております。北海道の場合には、必ずしも、大企業が多いわけじゃなくて、やはり中小企業が経済の中心にあって、特に厳しい北海道の景気状況を考えた場合にこの北海道の中の中小企業を救うためには、道内で独自の取り組みが必要ではないかと思ったわけです。
 では、民間にやらせればいいじゃないかということになるかと思いますが、今回あえて初めて、こういう地方ベースの全国初の中小企業に向けての企業再生ファンドということを道も出資をしようと思いましたのは、やはり道内全体の民間企業も含めて、今なかなか困難な状況にある中で、民間の方々にもお金を出していただくということを促すためには、道自身も厳しい財政の中であるものの、先導的にお金を協力(拠出)していくことが必要ではないか。官民あげて、道内の中小企業に対して支援をしていくという、この体制が重要ではないかという思いで、道費を10億円計上しようと考えたところです。
 10億円の根拠ですが、民間からの要請がこれだけあるということと、もう1つは、私どもは100億の規模のファンドを目指したいと。その場合に、かつて私どもがいたしましたベンチャーファンド、これは規模が全然違いますが、そこでも全体ファンドの10分の1を出したという経験もありまして、今回トータル目標の100億の10分の1である10億円を出そうと決意したところです。 

(毎日新聞)
予算の公共事業の中で、道単独事業が前年度1千億円あったんですが、今回17%の170億円カットして、大きく減ってるのは非常に目立っています。常々、高橋知事は建設業を北海道の基幹産業であるとおっしゃってて、当然その公共事業にも雇用の下支えの機能を持っています。まず、道単独事業を減らすことに苦渋の決断があったのではないかと思いますが、どういうお考えで、それだけ道単独事業を減らしたのか、その理由をお聞かせください。

(知事)
 公共事業全体については、道単独のものと、国と一緒にやるものとトータルあるわけですが、総額としては、マイナス4.3%、数字は総務部長から話があったと思います。そのことは、まさに今おっしゃられたとおり、公共事業にも当然のことながら多くの景気への下支え効果があるということは承知しています。
 特に建設業にとって大きな影響というか、効果というか、関係があるということは承知していますので、トータルの額については、国のものと道のものを併せて考えたいということでありまして、14年度が当初でその前の年に比べて、10%以上これが切り込まれた中にあって、今回は4.3%の減にとどめたということです。
 しかし、中身については、これはもう皆さん方がご承知のとおり、道の財政がこれだけ厳しい中ですので、国の計画によるものはその計画額を計上することをしたわけです。
 一方で、道単独分のその他通常分というものにつきましては、10%減の計上をしたということです。結果として、今のような数字になったということです。

(毎日新聞)
 それは、財政難で削らざるを得なかったというのが大きな理由としてあるというわけですか。

(知事)
 はい。それは大きな理由ですね。

(毎日新聞)
 170億円にこだわるわけではないのですが、公共事業の減り方が少なくなってはいるんですけれども、全体として減ってると、中でも道単独事業を大きく減らしているように見える、実際減っている。雇用の下支えの公共事業を減らすことによる、雇用へのマイナスを、逆に雇用の新しい政策事業で十分補えることができるのかどうかというその点はいかがですか。   

(知事)
 トータルとしての雇用をというのはそのとおりですが、公共事業そのものについても、先ほど申しましたとおり、道単独は減っています。しかし、国のものと併せてトータルでは去年並の、あるいはそれ以上の伸びというか、減額の抑えはしていますので、そこは公共事業の世界でも配慮をしているつもりです。
 雇用というのは、おっしゃったとおり、公共事業だけではありませんので、トータルとしていろんな政策予算も加味する中で、全体としてカバーしていきたいと考えております。

(毎日新聞)
 雇用の3事業でどれくらいの雇用効果があるというふうに見込まれていますか。

(知事)
 新規のですか。昨日、総務部長にもそのご質問があったということで、事務方が用意してくれたんですけれども、直接的には、だいたい500人位ですかね。ただ、直接というだけで、道だけで雇用を全て生み出すということではないですから、当然それ以外の既存事業の部分もありますし、またそのことが呼び水となって、間接的な地域おこしの波及効果、そんな部分も期待しますので、トータルとしては先程もご質問がありましたけども、最終のタイミングにおける検証ということになってくるのではないかと思います。

(毎日新聞)
 最後の質問なんですけれども、今後も道単独事業をさらに減らし続けていくお考えはありますか。

(知事)
 今後の議論だと思います。

(毎日新聞)
 それは分からないと。

(知事)
 はい。

(NHK)
 公債償還費の件ですが、道債残高が約5.2兆円ということになり、道民1人あたり92万円ということになったことについてどういうふうにお考えですか。

(知事)
 この公債償還費が大変に大きいという事実ですか?これはとても残念なことですが、今までのそれぞれの年々におけるできる限りの情報の中で、最適と思われる政策をやってきた結果として、残念ながらこうなってきたということだと思っています。

(NHK)
 それに併せての質問なんですが、今年度当初の予算の段階では、1020億位の収支不足ではないかというのであったのが、今回の2定現計を合わせると700増えて、1720億円と増えてしまうことについて、どう認識しているのか。

(知事)
 増えているというのは事実ですが、当初の見通しが必ずしも十分な情報のもとで行われてなかったということだと思いますが、総務部長、そこらあたり詳しい数字の説明をお願いできますか。

(総務部長)
 増えたのではないんですね。1,710億円という数字が当初予算の段階で収支見通しをしたんです。当初予算の段階では、そのうちの1000億円余りを措置をしたと、増えたのは石狩開発の10億円です。ですから、残った2定補正段階での財源不足額の見込みは、690億円から700億円になってたということです。当初予算の編成から補正予算の編成にかけて、700億円収支不足が増えたということではございません。

(HTB)
 3点お伺いします。
 今回初めての予算編成ということで、道民も非常に高橋カラーというのはどこにあるのか注目していると思うんですが、ご自身、この予算編成で独自色を最も出したと思われる
ところをまず1つ教えてください。
 2点目なんですが、今回、非常に厳しい財政事情の中で1番苦労した点、これはどこにあるのか。
 3点目は、今回の予算編成、自己評価としては100点満点中何点だったのか。

(知事)
 自己評価・・・随分、難しいですね。
 1つ目と2つ目は似通ってくるのかもしれませんが、冒頭に申し上げたことの繰り返しなんですけども、経済も厳しい、財政も厳しい、そういった中で、その緊急課題である雇用や経済に、どれだけを投入できるかということです。金額というよりも知恵の出し方として、どういうことができるかということがあるかと思います。
 それから、さっき公共事業について毎日新聞さんからご質問ありましたが、なかなか道単独の経費だけで考えるということは難しくなってきたわけです。ですから、公共事業でも、国のものと合わせての考え方、そこで雇用を公共事業の世界でも、ある程度後押しできるようなかたちで知恵を出したということです。
 あるいは、同じようなその苦労は私学補助のところもありまして、これも断腸の思いだったんですけども、今までずっと増えておりましたこの私学助成の部分についても、今回1人当たりの単価は変えていないんです。ただ、少子化ですので、かけ算の中では総額として減額というかたちにならざるを得なかった。これは本当に辛い判断だったんです。しかしその中で、トータルの金額はそのように決まりますけど、予算をどういうふうに執行するかというのは知恵の出し方なので、特色ある私学を振興するということ、これは私、知事選の政策の重点にも明確に申し上げていた点でもありますので、若干は減ってしまったトータル予算の中で、より特色のある私学に対して、傾斜的に、重点的に助成をしていくということで、担保しようという思いなんかが例示になるんですかね。
 いずれにしましても、経済も厳しい、財政も厳しい中で、どうやって知恵と工夫でやっていくかということが、私の独自色といえるかどうか、第1番目の質問へのお答えであり、また2番目の苦労の点でもあったということだと思います。
 3番目の自己評価ですが、これはちょっと辛いですね。1年後位にどうだったと聞いていただければ、そのタイミングで及第点といえるか、あるいは落第点だったというか、ちょっと今はお答えはしないことにしておきます。すいません。
 
(読売新聞)
 今の質問にちょっと似てしまうんですけども、自ら掲げた公約が、今度の予算にはどの程度盛り込むことができたか、何割程度という話でも結構です。
 もう1点は、予算とは直接関係ないんですけど、議会に提案に提案するわけですが、その議会はいつもいつも、定刻開会ができずに延び延びで始まってしまうんですけど、10時開会が3時になったり、それについては知事はどのような感想をお持ちですか。

(知事)
 1つ目は、総じて着実にということを申し上げられるのは事実なんですが、何割、これは精査をして、もう一度申し上げることとしたいと思います。政策室の方でチェックもしてくれてると思いますので、次回でいいですか。結構多くのものが予算化されている、あるいは検討予算を計上して、次に繋いでいくということになってると承知をしているところですが、具体的には申し訳ありません。(※記者会見後、整理した結果、公約事項の総数106、今回2定補正予算で新規61、拡充9の計70を措置。全公約事項の約7割を今回の2定補正予算で措置しました。)
 2つ目の議会の開始時間の延び延びは、5月の議会、1週間弱ありました時にもそういうことが何回かあったと思いまして、私自身は国会での経験ではそんなことはほとんどなかったような気もありますので、あれっと思った記憶はありますが、ただいろんな事情があるんでしょう。今後、そういうことがないようになればいいなと思いますが、議会とのご相談の中でということになるかと思います。

(時事通信)
 就任された当時、なるべく国からの予算を持ってくることで、道の予算が減る中で効果的な政策にしていきたいということでしたが、今回の予算編成の中で、直接的に国の予算を多めにつけられるようなものがどれだけあるのか。
 もう1点は、先ほどの北大の関係なんかもそうだろうと思いますが、道の政策に直接つくわけではないんでしょうけれども、国の予算をもってくるためにアピールできるような部分というのを、その北大のコーディネートとして、道が役割を果たしたいという部分があったと思うんですが、国にもっとお金を出してもらえるような部分を目指せるような部分が他にあるのかなというところを聞かせてください。

(知事)
 なかなか意味深の質問だと思いますが、1つ目について言うと、私が先ほど説明した中で言っても、北大のもそうだって言いましたし、雇用交付金制度、これはファンド(基金)でいただいてて、それを私どもが少しずつ小出して使うというシステムですが、これは単にそのもの自身が雇用を生むというふうに使うだけではなくて、その予算を使ってさらに事業を仕組んで、そこからまた雇用を生む。具体的に例えて言えば、雇用創出で民間の活力を使って、ハローワークみたいな人の斡旋や求人、求職のマッチングとか、職業訓練とかやってもらったらすごく効果があったということをこの場で何回か申し上げたと思うんですが、あれなんかもベースにいる民間の企業にお願いするという部分はこの交付金で使ってます。いろんな使い方がある使いでのいいお金です。
 人づくりのところで申しました、農業生産法人、特定農業法人、云々の制度、これも国の制度とマッチングをしてやるのに、道が知恵をちょっと出してさらに円滑化しようというものです。それから、相前後しますが、福祉関係とか医療関係とかというのは、ほとんどがそうだと思っていいかと思います。また相前後します。公共事業もそうですよね。今の議論の中で。だから、そういうふうにあげるときりがないので。

(総務部長)
 財源として、国費が入っている事業を全部整理したら、ほとんど道予算になってしまうかもしれないので、主立った事例ぐらいでしたら、私どもの方でまとめて、整理しておきます。
 ただ、額として、そこで割り切れて国のお金を活用した事業としてはこれが全てだというかたちでの示し方は、はっきりいって難しいと思います。

(知事)
 あまりに多岐に渡りますよね。よろしいですか、それで。それ以上はできないと思うんですけど。
 そのことと関係で、2つ目の質問も難しいのは、国もいろんな政策がありますから、それをまだどれくらい可能性があるかという質問は、ちょっとなかなか難しい。例えば、町づくりとか、そういう各地が苦労しておられるところがあるじゃないですか。最後は国の予算が山ほどありますし、例えば、今日は十勝毎日の方いらっしゃるでしょうか。北の屋台というのご存じですか。帯広初のアイディアなんですよ。屋台という移動する九州のものだったんです。それを「北の」という冠をつけたのは、まさに屋台のイメージが、だって北でできるんだもんねということです。それもアイディアは全部地元の方ですが、それを実現するためのお金は、国の中小企業予算が入っています。それも別に地方の方が帯広の方々が、それが必要だし、よく見たらそういう政策予算があったじゃないかと、じゃあ使おうということで、あの時、当然私は道庁にいませんでしたが、道庁も関与したと思います。みんな一緒になって地方振興のために、国の予算を使ったという事例というのは、これからも山ほどあると思います。
 
(知事)
 次の質問の前に、これ、御覧になった方もいらっしゃるかと思いますけど、一昨日、太田原顧問と話ししている時に、「ほしのゆめ」が関西で売れているというのを聞いて、農政部が苦労して入手したものです。別に私は阪神タイガースのファンということではなくて、日本ハムの心からのファンなんですが、一応、こういうことで、関西で売ってるということですので、もし、ご関心の向きはこれをどうぞ写真にお撮りください。

(北海道新聞)
 2定に向けて、今回の補正予算案を提示すると思うんですが、その中で道議会改革について伺いたい。知事は選挙中から答弁調整について、一言一句までの調整はしない、ただ効率的運営上ある程度事前の話し合いは必要であるということを一貫してお話になっていましたが、そのある程度がどのくらいかというのが、そろそろ詰まってきたのではないかと思いますが。

(知事)
 いま議会サイドと調整させていただいてまして、私がやるのではなくて、道庁の司、司(部署)の方々にそれぞれやってもらってますので、最終的なところはまだ聞いていませんが、とにかく一言一句はやらないと。アウトラインというか、骨子、要旨単位くらいである程度やりとりをしませんと、再質問というルールがございますから、これは国会の場合にはないんですが、そこが乗り切れなくなりますので、要旨程度で調整できればということで道議会各会派と調整してもらってますが、相手のある話ですから、まだ1週間もうちょっと時間がいるかと思います。

(北海道新聞)
 その再質問の部分もある程度要旨の交換は必要であると。

(知事)
 まあケースバイケースですけれども。

(北海道新聞)
 堀前知事が3月にヨーロッパに行ったときの出張問題が、弊社も含めて何社か6月23日(月)に報道されたのですが、この件で何点か伺います。
 堀前知事の場合、条例で決まった額を大幅に上回る宿泊費を道が負担していたという問題があったわけなんですが、例えば、高知県は、県の条例で定めた額しか知事に対しては負担しないそうです。
 高橋知事の場合は、もし、これから海外出張があると思いますが、条例の額を超えて宿泊しなくてはならないという場合、今、予算が厳しいという会見だったわけなんですけれども、道が公費で負担をするということを選択するのでしょうか。

(知事)
 にわかに、どうということを明確には申し上げられません。例えば、国際的な会合があって、会議の効率的な運営のためにその出席者が皆、同じホテルに泊まらざるを得ないようなケースになって、そこの宿泊が規定との関係において上回っている場合どうするかというような、いろんな限られたケースでありますけれども、今後も出てくるかと思うんですね。
 ですから、私自身、今後、海外出張もあるかと思いますけれども、ある一定の場合には、やはり増額調整を行わなければならないことが例外的には出てくるということは否定できないと思います。その場合に自分で払えばいいじゃないかという議論。そこについては、また今後、詰めていきたいと思います。

(北海道新聞)
 関連して伺いたいのですけれども、今回のケースはセキュリティというのを理由にして、本来、道の場合、知事が泊まるホテルでどのくらいのセキュリティの基準があるのかというのは設けてないんですね。
 今回、ヨ-ロッパで泊まったホテルのセキュリティがどうだったかというのを担当課の方では把握してないんです。こういった根拠のないセキュリティを理由にして、公費である60万円近くの金額が、堀前知事と随行職員3人に対して支払われたわけなんですが、返還を求めていくという考えはないのでしょうか。

(知事)
 只今、ご質問のあった点については、我々の予算関連の書類というのは5年分残っているルールになってますので、その書類の残っている範囲内で過去に遡って知事以外の分の海外出張も含めて現在、調査をいたしておりますので、その結果については皆さま方に報告をし、その際に今の質問にお答えしたいと思います。
 確かに我々認めざるを得ない1つの点は、セキュリティということについて、明確な定量的な基準がなかったということは事実でありますので、これまでの基準の見直しということを今後、やらなければとならないと、そのように思っております。

(北海道新聞)
 最後に基準の見直しという言葉が今、出たのですが、ということは条例や内規のなかでうたっている基準の見直しも視野に入れながら、過去を調べた結果、非常にあいまいな支出があったならば、内規の見直しも視野に入れて考えていくということでよろしいのでしょうか。

(知事)
 そういうことも含めて考えたいと思います。

(毎日新聞)
 予算に戻ってしまうんですが、全体として、相当ご苦労されて編成されたことは非常によく伺えて、公共事業の全体の伸びについては、下げ幅は低くはなってはいるけれども、道単独事業をかなり削りこまれたということなっています。
 それは、財政再建へ向けての意思が非常に強く現れたのではないかという印象も受けるのですけれども、そこはいかがでしょうか。

(知事)
 先ほど申しましたとおり財政厳しいという現状も踏まえ、こういった判断をしたということでございますので、あとは議会でのいろんなご議論のなかで、どういう展開になるかは思っております。

(毎日新聞)
 今後、公共事業が後から補正でどんどん追加されてくるかとか、そういういろんな可能性に関しては、まだ全然白紙ということでしょうか。

(知事)
 そうですね。予算については、我々は提案はさせていただきますけれども、議論の結果として議会での議論を経て決まるものですので、そこは現在、知事の立場でこうだと言うのは議会に対して失礼にあたるかと思います。
 
(毎日新聞)
 議会に提出する際の知事のお考えとして、私はかなり厳しいからここまで公共事業を削らしてもらいましたと、今後とも、なかなか公共事業は厳しく削らざるを得ないというお考えを伝えていくというような今のお考えはないのですか。

(知事)
 それは、そういうことだと思いますよ。それは、公共事業に限らず、全ての政策費目について精査をしていくということは、これまで以上に私はやっていかなければならないことだと思っております。

(北海道新聞)
 毎日新聞の質問に関連してなんですけれども、「予算の概要」という冊子の11ページの「公共、投資単独事業」というところに関連してご質問します。
 先ほど、公共事業を抑制されて、それに対して努力されているという質問がありましたが、このなかで公共(直轄負担金)というのがありまして、これがいわゆる開発局がやる事業の工事によって違うと思うのですが、平均して20%程度事業を道が負担する、いわゆる裏負担といわれているものです。
 公共事業をずっと平成9年ぐらいをピークにして、ヴォリューム全体は減っているのですが、直轄負担金というのはほぼ変わらず、最近に至ってはむしろ増えているいう状態があって、直轄負担金というのは開発局がこういう工事をやりますというふうに決めて、それに対して道に一方的にこれぐらい払ってくださいという請求書だけ送り続けられてくるという非常に道の自治が及ばない制度なんですけど、これに対するコントロールというのは、今後していくお考えはあるのかどうか。あるいは、そういうお話し合いを既に始められているのかどうか。

(知事)
 話し合いは開発局としております。今までも事前に直轄事業については、道も負担をするものに直轄負担金という形でお付き合いをするものでございますので、いろんな開発局、国との話し合いの場を設けながらやってきたという事実はあるのですけれども、先日も開発局長とお話をさせていただいて、今後、さらに密に連絡をとりながらせっかくの限られた財源のなかで公共事業をやるので、私どもが負担をさせていただく部分について、事前に十分に連絡をとりながらやりましょうということを再度、確認をさせていただいたところでございます。

(北海道新聞)
 密に連絡といいますと具体的に例えば、2004年度に向けてはいくらぐらいしかとか、最大でいくらというような総額のキャップをはめるというような示し方というのはあるのですか。

(知事)
 それは、事業の中味によるのではないでしょうか。何か総務部長、追加できることありますか。

(総務部長)
 いえ、知事のおっしゃるとおりです。

(北海道新聞)
 今までのような一方的に開発局の言いなりにはならないと、そういうことを今後していかないのでしょうか。

(知事)
 今までも事前にいろんな調整をさせていただいておりましたが、これからはそれ以上に密に連絡をとらせていただきたいということで開発局長と議論をさせていただいたところです。

(北海道新聞)
 開発局長も納得しておられたのでしょうか。

(知事)
 はい。開発局長と議論をさせていただいております。

 

 

 

 


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