知事定例記者会見(平成15年5月2日)

知事定例記者会見

・日時/平成15年5月2日(金) 15:00~15:25
・場所/記者会見室
・記者数/30名(その他カメラマン等6名)

会見項目

  

知事からの話題

1 就任1週間の感想
2 「まちかど対話212」(宗谷支庁)の実施

記者からの質問

1   道庁の印象と特別職人事について
2 政策検討会議について
3 北海道の課題について
4 市町村合併について
5 メーデーについて
6 副知事人事について
7 完全失業率(1-3月期)について
8 政策予算に向けて

知事からの話題

 

就任1週間の感想

  お約束申し上げていました週1回定例の記者会見を開かせていただきます。
  先週は1回目ですから、今日は2回目となるんでしょうか。こんなにたくさんお越しいただいて恐縮です。実際は立ってやるような場合もあるでしょうし、常にここ(記者会見室)でやらせていただくことになるかどうか、そこはフレキシブルに考えているところです。
  私の方からは、就任させていただいてから1週間ぐらい経ったわけですけれども、感想といいますか、知事になる前からそう思っていたんですけれども、待ったなしでいろいろな仕事を一つひとつやっていかなければならない。勉強は仕事をしながらやっていくんだと思っていましたが、それを実感する1週間でした。いろいろな懸案について議論しながら、また2定(第2回定例道議会)に向けての予算の議論をいろいろとやらせていただいているところです。特に昨日今日と、各部の政策予算について考え方を教えていただいて、私なりのコメントをさせていただいて、議論してきたところです。

「まちかど対話212」(宗谷支庁)の実施

 それから、これも政策の重点で以前に申し上げていました「まちかど対話212」につきましては、この前から、選挙戦中に回れなかった離島の方々にまずお会いしたいと申し上げていたのですが、来週の6~7日と宗谷支庁管内の利尻島・礼文島に参ることにしました。
  昨日、宗谷支庁長と打ち合わせをしました。大変緊張していますが、第1回目の「まちかど対話212」をこちらの地域でやらせていただきたいと思っているところです。
  私からはこれぐらいにさせていただいて、皆様方から時間の範囲内で質問を受けさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

 

記者からの質問

(北海道新聞)
 就任されて1週間から10日経ちまして、道庁の慣習といいますか、よい面悪い面含めて、あれこんなんだったのかと、印象深いような場面、できごとがありましたら教えていただきたい。  もう1点は人事についてです。特別職人事が固まったようですけれども、これから一般職の人事もあると思いますが、これから新しい布陣を固めるにあたって、どのような方針で臨まれるのか、という点をお聞かせ下さい。  

(知事)
 1つ目は印象深いところということですが、確かに道庁という組織の一員となって1週間。その以前に外から拝見していたのと、中に入ってみるのとは違うなという印象はございます。  それは私にとっては自分自身の勉強不足を明らかにするようで、やや恥ずかしいところもあるんですが、私が政策の重点として掲げて、私が知事になってから一生懸命やろうと思っていたことについて、その多くが、実は、道庁の各部の職員の方々が議論しておられたのと、ベースがあったということを今回、昨日今日の議論の中でもよく分かりました。  そういう意味では、もちろんこれから私とともに仕事をやっていってもらうわけですけれども、そのベースのところの議論はもう進んでいるわけです。「働く道庁」の実現ということを申し上げたんですが、もう優秀な職員の仕事が、ある程度進んでいるんだなということを昨日今日の議論で私は認識をさせていただいて、とってもうれしく、かつ、こういった中でさらに仕事をやっていきたいという思いを強めたというのが率直な感想です。  2つ目の人事につきましては、特別職について、議会のご承認を得るべきところについて、案を一応つくりまして、それをいま議会の議員の皆様に内々に打診をさせていただいております。それで今回は、やはり私が政策の重点で事前に掲げさせていただいておりました、雇用なり中小企業をはじめとした経済政策を中心にやっていきたいということの関係において、私としてこれがベストであろうという体制の副知事の方々に、あるいは特別職の方々にお願いしたいという思いで、そういう案を作ったところです。  また、行政の継続性ということを、選挙戦の中から、堀知事がいろいろやってこられたことを私は引き継いでまいりたいと申し上げておりました。そういう行政の継続性ということも副知事人事の中で重要なポイントになってきたのかなというように思っているところです。

(読売新聞)
 昨日からの政策検討会議で、知事は限られた予算の中で、国の制度を最大限活用して、やるようにということを指示されたというように聞いております。知事の中央官僚としての経験やノウハウを、北海道の知事としてどのように活かしていこうと考えているんでしょうか。その肩書がマイナスというふうに感じられることはないのかお聞かせください。 (知 事)  そうですね、政策の議論をしている中で、確かに国の制度をもっともっと使ってと、それはこういう場面で申し上げたんです。新産業の創出の部分で、エネルギーだったかな、全体の鳥瞰図、政策をこういうふうに進めるという図のご提示が経済部のほうからありまして、そこに書いてある施策メニューが基本的には道が絡まっている、道がお金を出すものが中心だったんです。  そうではなくて、究極目標のところを達成するためには、いろんな施策メニュー、国の施策メニューでも、それが北海道で使われるということになれば、これは全部道庁が関与してやることが当然なのであって、鳥瞰図全体を描く場合でも、国の施策を十分に使うように、そういう体系で、それでも足りないところを道庁でやるというぐらいの発想でやっていかないと、財政が限られている中で難しいんじゃないですかと申し上げました。  それは経済産業省の予算に限らないわけです。例えば産学連携ということを申し上げてますが、文科省の予算もたっぷりいろいろありますし、国土交通省はもちろん開発予算が中心ではございますけれども、いろんな工夫をしていただいて、ソフト予算の部分でも産学連携でもいろんなものを出していただいてる経緯もありますので、そんな国の予算全体を念頭にと。  それからこれも政策で書かせていただいた福祉関係も、やはり国のいろいろな制度を活用しながら、道庁もそのお金を出してというスキームのものがご案内のとおり多いわけです。 そういうことを申し上げたところでございます。  それで、どうですかね。官僚出身というのは、確かにマスコミの方々を含めて、いろんなことをおっしゃる方がおられるのは存じておりますが、もうなってしまったんで、もういろんなことを最大限、自分の49年の人生で持っていたいろんな知識なり、ネットワークなり、そういうものをフル活用して北海道のために、道庁一丸となって仕事をやっていくと、それに尽きるんだと思います。そのために、私のこれまでの経験が役立つところがあれば、どんどんと使っていきたいと、これが率直な気持ちです。 (NHK)  昨日今日の政策検討会議の中で、もうちょっと具体的な事例をいくつか上げていただきたいんですが、どういう方向性で話が進んでいったのか、具体的なことを教えてください。

(知事)
 政策の重点に書かせていただいたことの関係で言いますと、一つは雇用おこしですか、市町村との雇用おこし。あれは議論をいたしました。ご案内のとおり、国からの交付金がありますよね、使い勝手のいい、3年間ずっと使える、ああいうものとのデマケーション(区分け)、せっかく若干でもお金を積むわけだから、あの制度とどう違わせるか、あるいはどう連携させていくか、という議論もさせていただいて、絵姿はまだ詳細に事務的には詰める必要がありますが、ぜひ政策としてはやっていきたいなという話をしました。  あとは「ブックスタート制度」かな。絵本を一冊あげる、あれはあのちょっと興味深かったのは、赤ちゃんに絵本を読んで聞かせる前に、お母さんに対する教育というのがいるんだそうです。お母さん自身が核家族化の中で、子育てをどうすればいいのか分からない。例えば赤ちゃんが大泣きしたら、どう対処したらいいか分からないお母さんが結構多いそうで、そういうお母さん向けの絵本、若いお母さんて、あんまり漢字も読まれないと。ひらがな中心のお母さん向けの絵本というのも、担当部長さんから拝見させていただいきましたが、そこから始めるのかという意識もありましたが、いずれにいたしましても「ブックスタート制度」っていうのは、いくつかの市町村でやっておられる制度ですが、全市町村強制どうのではなく地方分権の観点から、やりたいという意向をもっておられる市町村のところとまずは連携して、補助率を一定程度定めてやっていくということにさせていただいたところです。まだ詳細の詰めは残っておりますが。  水産業の関係で、栽培漁業というのですか。これも政策の重点に書かせていただいたところですが、これについてもまだ具体的などこにというのではないんですが、そういうセンターを作っていくというような方向の議論をさせていただいています。  そのくらいですかね。また具体的な詰めがありますので、もう1回くらい議論になるかなと思っております。

(HTB)
 知事は出馬会見の時に、私は新米の道産子になりますとおっしゃっていました。就任されてまだ一週間ということで、北海道経済産業局長時代に北海道にはすでにお住まいですが、知事となって生活の基盤をこちらに移し、実際に生活をはじめて、たった一週間ですが、生活実感として、北海道の抱える課題みたいなものは何か見えていらっしゃいましたか。

(知事)
 生活実感・・・まあ、正直なところ仕事の方が忙しいので、天気のいいお休みの日に、ちょっと子供と一緒に大通公園を歩いたぐらいですけどもね。問題よりもやっぱりこの住みよい環境をまずは実感をしています。  これは道経済産業局長時代の2年間も思ったわけですけれども、今の季節、このすごく爽やかな、湿度も低い中で、ちょっと日陰に入ると涼しい、あるいはちょっと寒いぐらいで、でも、日向に出るとシャツ一枚でも過ごせるような、このような気候の爽快さというものを満喫しているところです。  ただ一方で、この選挙戦期間中もそう思ったんですが、全道で失業問題、これの問題について、悲痛な叫びが出てきてます。これは、ご案内のとおり、28日の日でしたか、北海道雇用対策推進本部を設けて、地域を中心としてやっていこうという、そういった指示をさせていただいたところでありますが、この雇用問題についてきちっとした形でやっていかなければならないなという思いは、より強く持ったところです。  今日は、実体験ではなくて恐縮なんですが、いろんな政策の議論してる中でわかったんですが、北海道は喫煙率が男女ともに高い、これは私は理解していたんですが、肥満率も高いんですね北海道は。これだけ歩くところがたくさんあって、運動の環境がいいのに、むしろ歩かないそうですね。冬の期間が長いというのがあるんでしょうが、これは何とかしたいなと思います。  私一人で何ができるわけじゃないんですけども、健康という観点から、喫煙率は高い、肥満率は高い、歩かない等々、あんまり健康じゃない環境というか数字が出ているようなので、こういうのはどうすればいいのか、生活習慣に係ってくる部分だと思うんですが、何とかしていかなければならない一つだと思います。行政でどこまでできるかは別としてそんなような思いを持っております。

(北海道新聞)
 市町村合併についてお聞きします。先頃、地方制度調査会が中間報告を決定しました。その中で、国から都道府県の方へ勧告権の強化を促すという内容が盛り込まれましたが、それに関して、どんなような印象を持たれたかということをお聞きします。たとえば、編入を斡旋するという救済的な役目を与えられたか、たとえば強制編入を促すというようなそういう、どんなような役割を都道府県の方がやっていくのかというそういうところをお聞きしたい。  それに関して、実際にどこまでできるかというようなことも、もし考えておられるならば教えていただけますでしょうか。

(知事)
 何がどこまでできるかですか。

(北海道新聞)
 実行力ですね。指導権をどこまで発揮できるかという。

(知事)
 何についての。市町村合併全体についての。

(北海道新聞)
 都道府県としてのですね。

(知事)
 中間報告、いろんな項目があります。例の様々な優遇措置について、法律は延長しないまでも、一定の要件、合併の申請までかな、都道府県に出た場合には、引き続き措置がこうじられるというような点とかですね、それから、我々北海道が特に気にしておりました、合併した場合に、一定の地域がすごくいろんな仕事の面で不都合になる、あるいは、人口が急激に少なくなって、地域経済に影響が出るというような問題について、この3月に、堀さんの時代に、報告書をまとめて提言した部分、そんなことも踏まえて、地域自治組織だったかな、そういう提案も出てるようで、そういうところは評価をしているところです。  今おっしゃられた勧告権云々のところは、なかなかここは難しいところでありまして、市町村合併というのはあくまでも、自分たちの住んでるところの方向性というのは自分たちで決めるというのが民主主義の最大原則であります。それを強制的に都道府県がどこまで介入できるかっていうのはまだまだ議論していかないとならない点ではないかなというふうに思っています。  しかし、強制的な権限を導入するかどうかとういところを少しおいておくとすれば、まだご案内のとおり道内212市町村ある中でテーブルにも実はつきたいんだけどもと思いながら、まだ、協議の場についておられない市町村が多々あるわけで、こういった方々に対して、今までもやってきたわけですけども、引き続きより強力なかたちで道が指導というか、調整するかたちで、まず議論の場を作っていこうじゃないですかと、そういった形での、ソフトな形での関与というのは、今まで以上にやっていかなければならない、この意識は強く持っているところです。 

(uhb)
 昨日はメーデーだったんですが、知事は出席されませんでした。これは災害時以外だと20年ぶりに出席がなかったということなんですが、これは推薦母体に何か配慮されたことなんでしょうか。

(知事)
 私、昨日は行きたかったんです。ただ、今も申しました2定(第2回定例道議会)に向けての政策議論、私はやはり雇用対策・中小企業対策をはじめ、経済対策をまずやるんだということで、それを政策に掲げた上で今回選ばれたという中で、どっちを優先するかということで、やはり政策を実質的に実行するためのスケジュールを優先させていただいたわけです。結果としてスケジュール的に行けなかった、とても残念だと思っています。かわりに副知事に行ってもらって結果は報告を受けているところです。

(HTB)
 副知事の人事の方に戻るんですが、今回1次産業畑の方がいらっしゃらなくなったということで、その点については、先ほど、経済重視で行政の継続というふうに理由を聞いたんですけども、1次産業の専門の方が、専門というか長い方がいらっしゃらないということについてはどういうふうにお考えか聞かせてください。

(知事)
 1次産業から3次産業一気通貫で、みていただけるような産業振興推進担当ということで、私の念頭においては経済部長の吉澤さんにお願いしたいと思ってます。もちろんカバーはしてるんですね。ただ、ご案内のとおり吉澤部長はバックグラウンドとしては農政は必ずしも専門ではないですが、そことについては、今ちょっとまだ具体的には申し上げられないんですが、私なりの仕組みは考えております。また追って、きちっとしたかたちでご説明をしたいと思っています。

(HTB)
 今回、知事に就任されていきなり完全失業率が8.1%という非常にひどい数字が出まして、一番の重点課題に掲げていた雇用の部分で、まずいきなり厳しい状況を突きつけられた形になりましたが、その8.1という数字を聞いたときにどのような気持ちで受け止めたかというのがひとつ。  それから今後、2定(第2回定例道議会)の政策予算議論に向けての高橋知事の独自のカラーというのは、どのようなものが出てくるのかなと道民は見ていると思うんですが、独自カラーというものをどのように出していきたいと考えているのか、この2点を教えてください。

(知事)
 まずひとつめの数字としての完全失業率が8.1%というのは、過去最高で、昨年の1~3月期が、まあ北海道の失業率というのは季節性があるんですが、その中で去年の1~3月期よりも更に高いので、去年は太平洋炭鉱の問題もありましたが、この数字自身を聞いたときは私もびっくりしました。その気持ちは一切変わっていないのですが、中身については担当部局の方からご説明があったかと思いますが、JRタワーができたということもあって、雇用機会があるのではないかということで、今まで雇用市場に入っていなかった主婦の方々ですね、女性の方々が労働市場に参入されたわけです、潜在供給者として。しかし、そんなに簡単に合うような仕事があるわけもなくて、その多くが失業者という形で載ってきて高い失業率になってしまったというようなことであります。中身をひとつひとつ担当の方から説明を受けている中で、私なりに数字の意義というものを考えたところであります。ただ、いずれにしてもそういったことをトータルとして事の重大性に鑑みて4月28日に北海道雇用対策推進本部を設置し、緊急対策の指示をしたところです。  それから、高橋カラー、独自カラーというのは、意図して出るものかどうか、私、道産子も新米ですが、政治家も新米で、そこまでうまくご説明できる能力はないのですが、私のやり方というのは、一つひとつ道庁の中の職員の方々から提示された問題について、とにかく一生懸命に、職員の方々と一緒に考えて、そしてその判断は、これは選挙戦の時からずっと言っていたんですが、一般の道民の方々の立場から見て、どういう判断が一番正しいのか、妥当なのかと、道民のためになるのかと、そういう思考を常にやっていますので、そんなことが積み重なっていく中で、結果として「はるみカラー」みたいのが出るのか出ないのか、そこまで意図して自分の独自色をどういうふうに出すかということまで、考えは及んでいません。

 

 


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなど整理し、作成しています。

このページに関するお問い合わせ
総合政策部知事室広報広聴課報道グループ
〒060-8588 北海道札幌市中央区北3条西6丁目
 電話番号:011-204-5109
 FAX番号:011-232-3796
メールアドレス:sogo.koho2@pref.hokkaido.lg.jp

カテゴリー

知事室広報広聴課のカテゴリ

cc-by

page top