高橋知事就任記者会見(平成15年4月23日)

知事定例記者会見

・日時/平成15年4月23日(水) 11:30~12:15  
・場所/記者会見室
・記者数/36名(その他カメラマン等6名)

会見項目

  

知事からの話題

1 就任あいさつ

知事からの話題

 

就任あいさつ

 よろしくお願いいたします。改めまして、この度、今日から北海道の新しい知事になりました高橋はるみと申します。よろしくお願いいたします。私自身、今日が、初登庁ですが、朝、自宅をでますと、マスコミの方がたくさんおられて、何を思いますかという質問がございまして、私はこのバッジのことを申しました。道庁バッジというんでしょうか職員バッジですかね、これをつけることによって、「私も北海道庁の人間として、北海道庁の皆さん方と一緒に仕事してくんだ。570万の皆様方、道民の方々のために、そして、その視点で仕事やってくんだ」ということを改めて実感をさせていただいた今日の初登庁の気分でございます。
  今回の選挙戦、私は地球の4分の1を走りました。188市町村を回らせていただいて、とっても寒かったですけれども、各地各地で皆様方、道民の方々に暖かく迎えていただいて、そして、戦いという言葉は変ですけど、皆様方のご支援、ご支持をいただいて、今日こうやってマスコミの皆様方の前に立ってるわけですが、とても厳しい選挙戦だったという思いと、でも、やはり道民の方々皆さん暖かいなという思いと、そのことをとても思ったこの選挙戦でございました。
  これからの道政運営につきましては、先ほど職員の方々に申し上げたんですが、私が政策の重点として掲げさせていただいたことを道庁の職員の方々と一緒に実現していこうと、今まで以上に道庁がフル回転をして、これだけの山積みの課題、そういったことに対処していこうと、そんなことを皆様方にお願いをし、私も一緒にやっていこうということを申し上げたところです。そして、政策につきましては、雇用対策、中小企業対策、そして7つの施策であります。これを大きく分ければ、経済の再建ということ、2番目には人づくり、そして、それに関連する形での住みよい安心した地域づくり、3番目が「働く道庁」を実現するための道庁改革。このことを私は2月5日の立起表明以来、ずっとそのことを訴えさせていただいて、そのことが本当に道民の方々に通ずるかどうかと思ってたんですが、今回の結果はそれが一番今必要であるということを道民の方々から支持をしていただいた、そんなことかなと思っていますので、その政策の実現に私は一所懸命取り組んでまいりたいと考えております。
  そして、その実現に向けて、まずはビジョン、5年、10年先の中長期的なビジョン、どういう絵姿の北海道を目指していくのかということ、そして、そのアクションプラン、毎年毎年、行程表というんですか、どういう形で進めていくかと、その2つをできる限り早いタイミングで明らかにしていきたい、このように考えているところでございます。
  そして、これも先程来申し上げたんですけども、「開かれた道政」、「トップの顔の見える道政」ということを私は目指していきたいと思っています。その意味では、週1回の記者会見、記者会見というか記者懇談というか、マスコミの方々にはいろんなご協力をいただきながら、マスコミの方々を通じて、私が道民の方々にいろんなことを申し上げ、そして、お伺いをし、そういったことのためにも、マスコミの方々とのご協力、私はきわめて重要だと思います。今後とも、よろしくお願いいたしたいと思います。

 

記者からの質問

(毎日新聞)
 高橋知事ご就任おめでとうございます。
  今後つきまとったり押し掛けたり、時にはいやな質問をするかもしれませんが、よろしくお願いします。
  幹事社から一つ質問して、あとは各社からの質問に任せます。
  まず、今の率直なお気持ちを伺えればと思います。
  
 (知事)
 先ほどと繰り返しになるかもしれませんけれども、今回の知事選で選ばれたということを大変光栄に思うということの一方で、その責任の重さというものを実感させていただいているこんな気持ちであります。

 (北海道新聞)
  今、政策の実現を進めていくんだと、選挙中に言われていた政策の実現をというお話ございましたが、この後の日程でいいますと5月の連休明けには臨時議会があって、6月の2定(第2回定例会)では政策予算が出てくるかと思うんですが、いま知事の頭の中ではどういうものをまず2定では手掛けたいと、具体的なものとしてはどのようなものをお考えでしょうか。

(知事)
  具体的には書いてあること全てなんですが、その中で特に早期に手を付けることとして、
 雇用対策と中小企業対策ということを申し上げております。一市町村一雇用おこしと分かりやすい表現にしたんですが、これを具体的に盛り込みたい。それから中小企業の支援のほうのメニューも入れていきたいと思います。その他政策の中で、政策的に書かせていただいているものであって、今すぐに取り組むことができること、そういうことが馴染むものはすべて今回、もちろん予算の制約がございますから、職員の方々と議論しながら盛り込んでいきたいと思っています。

 (HBC)
  まもなく、臨時議会もありますが、議会対策、答弁調整の廃止などおっしゃっていましたけれども、その辺の作業を今後どのような形で進められる予定でしょうか。

 (知事)
 議会と道庁というのは、まあ協調と緊張というんですか、そういった形で位置づけられるものだと思います。これは先ほど堀前知事さんもおしゃっておられましたけれども、国政のレベルと違って、自治体、北海道庁もそうですけれども都道府県の場合にはいわば大統領制というんですか、知事自身も直接道民の方々から選ばれる、そして議会との関係があると、ちょっと国政とは違うと思うんです。その中で私は、これも前から言っているとおりなんですが、個々の政策ごとに十分に議論させていただいて、道民の視点で実行していくと、この基本姿勢に一切変わりはないところでございます。
  そして、答弁調整の話ですね。これも今まで申し上げたこととまったく変わりはないんですが、一言一句まで調整するということについては、これは堀前知事さんも必要ないよなと言っておられました。ただ議会運営の効率性を担保する観点から、事前にご質問を頂戴しておいて、あらかじめ、庁内ですりあわせ(調整)をしてお答えを準備するというようなことはやはり必要だという認識は持っております。具体的にはこれから議会の方々あるいは庁内の方々と議論していきたいと思っております。

 (HTB)
  就任おめでとうございます。
  先ほど20分ほど堀前知事とお2人でお話になられてましたけれども、一番心に残ったお話ですとか、どんなことをお話になられたのかということをお聞かせください。
  もう一点、まもなく2定もありますけれども、1定のときに議論になりました産廃税条例というものがありますが、先ほど環境型の北海道を築いていくことの大切さを高橋知事もおっしゃってましたけれども、今後のスタンス、産廃税に対するスタンスというものを教えてください。

 (知事)
 前知事とはいろんなお話をしたんですけれども、もちろん8年間の思いもございましたし、また申し訳ないけど積み残した問題もあるというお話もございました。また公邸に住まわせていただくんですが、その使い方についてのいろんな先住者としてのいろんなお話もございました。ひとつ敢えて申し上げるとすれば、自分は45年この道庁の中でやってきたと、そういう自分だからこそよく見える部分と、逆に長かったからこそ見えない部分とがあったと思うと。
  高橋さんは、とにかく外から来た人間なんだからその良い部分を最大限発揮して、しがらみという言葉をお使いになったかな、新鮮な目とおっしゃったかな、新しい目でこの道庁とともに是非仕事をしてほしいと。優秀な職員ばかりのいるしっかりした組織だからということを言っておられたのが印象深かったかなと思いました。
  それから産廃税につきましては、私は選挙戦中も申し上げたとおりなんですが、今のやはり環境をなんとかしていかなくてはならないというのは、これは地球的な問題であり、日本の問題であり、地域の問題ですから、そういう流れの中でこの税の重要性というのは十分認識しています。
  ただ、北海道の今のこの景気状況等を考えた場合に、どこでこれを導入することが最も効果が上がってくるかと、このことについては、これまでの議会との議論の経緯、あるいは道庁内におけるいろんな議論をこういったことを十分にお伺いした上で自分なりの判断をしてまいりたいと考えています。

 (読売新聞)
 これまで道の方々から、道の財政についての説明をいろいろと受けられていると思いますが、道財政に対する認識と、それともう1点、前知事から積み残しになっている職員の定数の削減、10年間で15%削減するということについてどのようなお考えをお持ちかという2点お願いします。

 (知事)
  道財政の状況は、もう本当に改革は待ったなしということです。13年の秋でしたか、前知事さんの時代に出された今後の改革の方向性というのがあって、私も選挙戦の過程で勉強させていただきましたが、もうすでに、その時の状況を超えているわけです。
  ご承知のとおり、その中で私は政策の重点の中で、1年間きっちりと勉強した上で次年度再建の方向性を出すということを申し上げてきたんですが、さらに待ったなしで、もっともっと早めに対応の方向性を出す必要があるということを今、認識を新たにしておりまして、可及的速やかに新たな状況を踏まえての、13年のその方向性のリバイス・ワンと言うんですか、見直しをやらなければならないというふうに思っています。
  そして、基本的な考え方は、要するに徹底的な無駄を排除するということ。民間にお任せできることは民間にお任せするということ、いろんな知恵はあるかと思うんですが、具体的には、今、道庁の方々と私は一体になったわけですから、皆様方のご意見をお伺いしながら早急にこの方向性を出してまいりたいと考えています。
  それから職員の削減の方向性ですが、この話は具体的には、先ほどの話の中では例示として出なかった問題ではありますが、このことも承知はしています。今まさに、業務の説明を受けていない中での会見でありますので、今、これをどうするということを具体的に申し上げることは私はできないわけですが、堀知事さんが出してこられた改革の方向性はしっかりと継承するということは、これは前からも申し上げているところで、その継承するという立場からこの問題につきましても道の方々、職員の方々の意見を聞きながら、最終的にどう判断するか、それをできる限り早く結論を出したい。交渉事ですから、私だけでできない話の部分もあるわけですが、そのようなスタンスであります。

 (北海道新聞)
  副知事人事で、確か当選後の記者会見の時でも、産業政策担当の副知事を設けたいというお考えで、その時、確か私の記憶ですと、中央官庁から持ってこず、道内に優秀な方もいらっしゃると思うと、そういう方にお願いしたいという趣旨のご説明があったと思いますが、そのへんのお考えが具体的に進んでいるのかということが1点と、あとそれから、現在の特別職、さらにお代えになって新たな特別職を産業政策担当副知事以外にも任用されるのかどうか、ということをお聞かせください。

 (知事)
 副知事さんについて、産業政策担当というのは、政策に書かせたとおりでありまして、今、おっしゃられたとおり、14日の記者会見の中で申し上げたとおりでありまして、今、私の頭の中で悶々としています。まだ結論はでておりません。ただ、タイミングの問題がございますので、しかるべきタイミングまでには結論を出したいというふうに考えています。
  産業政策担当副知事を新たに設ける以外に、他の特別職を新たに任用するかについては、まだ、具体的に考えは及んでおりません。道庁の中のいろんな仕組みも勉強しながら考えていきたいと思っております。

 (朝日新聞)
 ご就任おめでとうございます。まず、一点は、知事はいろんな公約を掲げていますが、この2年間で5万人の雇用の場を増やすと、これはどういうことをもって5万人の雇用を増やしたというふうにご認識であるのか。例えば、この10数年をとってみても、就業人口は10万人以上のレンジで移動しているんですけども、どういうふうな数字が生まれてきたことによって、5万人の雇用を創出したというのかと、それをどういうふうに検証するのか。それに関連して、これだけマニフェストという形でお出しになってると、やはり検証して、それに対する責任というのが当然とられるべきだと思うんですが、それをどういうふうにとっていくのか。もう一点は、先ほどから、80万人、80万票位の票をとられて、当選なさっていらっしゃるわけですけども、北海道の463万という票から比べると、2割も満たないわけですけども、そのことについてどういう風なご認識をもってらっしゃるかと、その2点をお伺いします。

 (知事)
  3点ですかね。雇用対策についでありますが、これは、何回か質問を受けたこともあるので、同じ答えになってしまうんですけども、いろんな政策の組み合わせの上に、2年間5万人ということを申し上げているところでございます。個別具体的に、例えば、何とか業で何万、何とか業で何万、そういう積み重なるところではございません。そして、具体的なメニューとしては、まずやはり新産業おこし、新企業おこしということ、それから、既存産業の支援ということも言っております。
  それから、「一市町村一雇用おこし」のことも言っております。また、中小企業対策の中で金融対策(例の再生ファンドのことも含めて)の重視というのも重要と思っておりますし、また、知事のトップセールス等通じての企業誘致といったこともしっかりやっていかなければならない。そんなことを積み重ねて、私はこういった2年間で5万人ということを実現をしていきたいと、このように思っております。
  それから、政策の実現度合いのチェックにつきましては、先ほどちょっと申し上げたと思いますが、5年10年の将来ビジョンと1年2年の行程表、アクションプランということも申し上げました。こういった中で、私が政策の重点として掲げさせていただいたことについて、どういう状況になっているかということをチェックしてまいりたいと考えております。
  それから、選挙の結果についてですが、激戦の中であったというのはあるかと思いますが、私はやはり、私に投票されなかった道民の方々のご意見、ご意向というものを十分に踏まえながら、新しい21世紀の北海道づくりにまい進してまいりたいと思っておりますが、その意味で、「まちかど対話212」というようなことも言っておりますけども、道民の方々のご意見を、直接できる限りお伺いするような場も設けていきたいと、このように考えております。

 (毎日新聞)
  政党との、とりわけ知事になる際に応援してくれた政党とのつき合い方とか距離の取り方をどういうふうにお考えでしょうか。

 (知事)
  これも、さっき言ったことと同じと思うんですけども、その件というのは、国の場合とちょっと違うと、さっき、堀前知事がおっしゃったことも言及させていただきましたけども、やはり、それぞれの政策案件ごとに議論を尽くさせていただいて、この北海道の将来のために何が重要かという、その一点、道民の視点というんですか、そういうところから議論させていただくということに尽きますので、政党との関係も緊張感と協調というそういったことで、やってまいりたいと思っております。

 (日本経済新聞)
  就任ご苦労様です。
  小泉政権がまもなく2年経つということなんですけども、地方、北海道中巡られて、実情の厳しさということを認識されたと思うのですが、この2年間の政策、小泉政権については、知事としてどのような評価をされているか、その辺を伺いたいと思います。

 (知事)
 私は、やっぱり現状を変えなければならないということを打ち出された、政治家としての小泉総理のその基本的なスタンスというのは正しいというふうに思っています。そのインパクトが大きかったわけで、これは、全国でもそうですし、北海道でもそうだと思うんですね。だからこそ、爆発的な人気が、この北海道の中でも小泉人気というのはあったと思います。ただ、一方で、やはり全国一律ではないわけであり、北海道には北海道の事情、あるいは他の県には他の県の事情があるわけでして、そういった中で北海道の立場から言っていかなければならないこと、これは小泉総理の改革路線を、総論としては私は正しいと思いながらも、地域の代表として言っていかなくてはならないことはあるというスタンスです。
  何でもかんでも、改革はけしからんというつもりはありません。やはり、変えていかなくてはならないことは、変えていかなくてはならないのであって、そういうふうに考えております。

 (日本経済新聞)
  あえて言っておきたいことは。

 (知事)
 そうですね。やっぱり地域の振興という観点から、国と地方公共団体の関係において、今、議論になっているいろんな財源移譲の問題とか、仕事は任せるけれども、お金はまた別だということになりますと問題も起こってくるわけで、個別論のところでは、これは北海道に限らないかもしれませんけれども、言っていかなくてはならないかなと思います。

 (HBC)
  ご就任おめでとうございます。全国で4番目の女性知事ということですが、ほかの府県の女性知事との連携をどういうふうに考えていらっしゃるのかうかがいます。

 (知事)
 女性の知事さんのお三方で連携をしているとお聞きしています。そう言ったことが北海道の立場から、やはり連携してやった方がいいと言うことであれば参加したいと思っています。また、東北の県の方々との連携もあるということで、いろんな案件毎に手に手を取って勉強できるような都府県の方々と協力をしてまいりたいと思っています。
  女性(知事)4人目ということは確かですが、女性知事だからと言うだけで勉強することは、有権者の半分は男性の方ですので、 あくまで北海道の道庁のトップとしてどう判断するかということに尽きるかなと思っています。

 (STV)
 先ほどの就任あいさつもですね、ほとんど、ご自分のお言葉でお話しになってこられたようにお見受けしましたが、今の記者会見もほとんどペーパー無しでお話しになってますが、これから、週1回の記者会見も同じようなスタンスで臨まれるお考えですか。

 (知事)
  ご案内のとおり、まだ、選挙戦終えて間もないわけで、選挙戦なんかはだれもメモなんて作ってくれないわけで、そういうことでやるのが私慣れて来ましたので、今日も道庁の方々が徹夜して資料など用意していただいて、申し訳ないなと思いながら、自分の言葉でやってしまったんですが、基本的には私は自分自身の言葉で話すということが、これまでもやってまいりましたし、経済産業省時代もそういうふうにやってきましたし、これが基本だと思っていますから、ただ、案件にもよるかも知れませんね。皆様方から相当いじめられるようなことになると、その時はその時でメモを読ませていただくということ、あるいは、事実をお伝えすることについて正確性を期さなければならない、そんなような場面ではメモを読み上げさせていただくこともあるかと思います。それはケース・バイ・ケースだと思います。

 (HTB)
  就任初日ということで、あえてお伺いしておきたいんですが、これから先、北海道のために、あるいは道民のために必要かつ重要と高橋知事が考えた政策が、自民党や公明党の反対を受けたとき、その意志を貫く自信というのは、ずばり、ありますでしょうか。

 (知事)
  はい。

 (朝日新聞)
 自民党と公明党で過半数とってるわけですから、議会を通らない状況になりますけど、どうなさいます。 

 (知事)
 そうですね、そしたらできませんね。議論を尽くします。それはルールですから。

 (朝日新聞)
  議論を尽くしても、納得を得られないことがありますよね。

 (知事)
 そうですね、そういうこともあるかもしれませんですね。
 どうもありがとうごさいました。今後ともお手柔らかによろしくお願いします。
 
 

 


この文章については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなど整理し、作成しています。

このページに関するお問い合わせ
総合政策部知事室広報広聴課報道グループ
〒060-8588 北海道札幌市中央区北3条西6丁目
 電話番号:011-204-5109
 FAX番号:011-232-3796
メールアドレス:sogo.koho2@pref.hokkaido.lg.jp

カテゴリー

知事室広報広聴課のカテゴリ

cc-by

page top