北海道の産業 - 林業
北海道の森林
北海道の森林面積は、2020年4月1日現在554万haと、北海道の土地面積(北方領土を除く)の70.6%、全国の森林面積に占める割合は22.1%となっています。森林面積を道民1人当たりに換算すると約1.0haであり、全国平均の約5倍となっています。所管別では、森林面積の55.3%を国有林が占め、次いで私有林等27.9%、道有林11.0%、市町村有林5.7%となっています。このうち、国有林、道有林、市町村有林といった公的な森林を合わせた割合は72.0%で、全国平均の42.6%に比べ高い比率となっています。林種別では、天然林が68.7%と最も多く、次いで人工林26.7%、無立木地・その他4.7%となっており、天然林が多く人工林が少ないことも特徴です。
また、森林蓄積は、2020年4月1日現在では8億2千万m3と、全国の15.6%を占めており、近年は、人工林の蓄積が顕著に増加しています。
また、齢級(5年ごとの森林の年齢、1齢級=1~5年生)別の人工林面積では、カラマツやトドマツは7~13齢級を主体としており、成熟期を迎えています。
※構成比は表示単位未満を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはならない。
北海道の林業・木材産業
2020年4月1日現在の道内の森林所有者数は約14万人で、このうち、5ha未満の小規模な所有者は約9万3千人で全体の約68%を占めています。
林業労働者は、人工林資源が利用期を迎え、伐採事業量が増加している中で、機械化などによる作業効率の向上等が進んだことなどを背景に、2013年度以降おおむね横ばいで推移しており、2019年度調査では4,269人となっています。
道内における2019年度の木材需要は、米中貿易摩擦や10月の消費税増税、2020年2月以降の新型コロナウイルス感染症の拡大の影響などにより国内経済が減速する中、道内の木材需要は製材用とパルプ用が減少し合板用等が増加したことから、総需要量は745万m3(前年比94.7%)となりました。需要量の用途別割合は、パルプ用が43.7%を占め、次いで製材用が31.5%、合板等用が24.8%を占めています。
また、2019年度の木材供給量は、道産材が446万m3(前年比96.2%)、輸入材が299万m3(前年比96.2%)でした。道産木材自給率は、道産木材供給量の減少割合より輸入材供給量の減少割合が大きかったことから、前年度から0.9ポイント上昇し、59.8%となりました。
2018年の木材関連産業の工業出荷額は6,072億円で、前年比で0.9%増加しました。全製造品出荷額に占める割合は約9.6%と全国の3.7%に比べて非常に高く、その内訳はパルプ・紙・紙加工品製造業が3,946億円(65.0%)、木材・木製品製造業(家具を除く)が1,666億円(27.4%)、家具・装備品製造業が460億円(7.6%)となっています。
道内における2019年度の製材工場数は167工場で、製材生産量は2018年度より7万m3減少して、79万m3(前年度比92%)でした。また、木材チップ工場数は198工場で、木材チップ生産量は2018年度より9万m3減少して157万m3(前年度比94%)でした。
北海道にふさわしい豊かな生態系を育む森林づくりに向けて
北海道では、北海道にふさわしい豊かな生態系を育む森林を守り育て、これらを次代に引き継がなければならないとの考え方に立ち、全国に先駆け2001年度に「北海道森林づくり条例」を制定しました。2016年3月には、木材の需給構造の変化などに対応した施策を実施するため、「森林資源の循環利用の推進」と「木育の推進」を柱に条例を改正し、その内容を踏まえ、翌2017年3月には、森林づくりに関する施策を総合的かつ計画的に進めるために定める「北海道森林づくり基本計画」を改定しました。この計画では、2017年度から2026年度までの10年間を計画期間とし、森林資源の循環利用を推進するため、「着実な再造林」、「原木の安定供給体制の構築」、「林業事業体の育成」及び「地域材の利用促進」に重点的に取り組み、川上から川下までの施策を一体的に推進することとしています。また、森林づくりに対する道民理解を醸成するための木育を推進するため、「木育マイスターと連携した木育活動」と「子育て世代とその子どもに対する木育活動」に重点的に取り組み、道民に木育の定着を図ることとしています。
森林の面積<2020年(令和2年)4月1日現在>(万ha)
林種別
所管別
※計と内訳が一致しないのは、表示単位未満を四捨五入したためである。
出典:北海道水産林務部(2021年)「令和元年度北海道林業統計」