北海道データブック2014_水産業

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北海道の産業 - 水産業

 

全国における北海道水産業の位置
 北海道は、太平洋、オホーツク海、日本海の3つの海に囲まれ、全国の12.5%にあたる4,456km(北方領土等を含む)の海岸線を有し(国土交通省、2012年度海岸統計)、北方に広く展開する大陸棚及び沖合の北見大和堆や武蔵堆など好漁場を擁しています。
 2013年の海面漁業・養殖業生産量(属地)は130.6万トンで全国(473.0万トン)の27.6%、生産額は2,900億円で全国(1兆3,539億円)の21.4%を占めており、いずれも全国第1位です。
 主な水揚げは、ホタテガイ、スケトウダラ、サンマ、サケ、スルメイカなどで、漁業種類では沖合底びき網、ホタテガイ桁網、サケ定置網、サンマ漁業、ホタテガイ養殖などが中心となっています。
 主な水揚げ港は根室、釧路、稚内、小樽、羅臼などです。
 
活力ある水産業と豊かな漁村づくりに向けて

 わが国の水産業は、周辺水域の資源状況の悪化や漁業生産の低迷、漁業就業者の減少、高齢化など厳しい状況に直面している一方、水産業や漁村に関する国民の期待は多様化しています。
 このような状況を踏まえ、道では2002年3月に「将来にわたっての安全かつ良質な水産物の安定的供給」、「地域を支える活力のある産業としての水産業の発展」、「水産業の基盤のみならず自然とのふれあいなど多様な機能を発揮する漁村の発展」を基本理念とする「北海道水産業・漁村振興条例」を制定するとともに、2003年3月から「北海道水産業・漁村振興推進計画」(第1期:2003~2007年、第2期:2008~2012年、第3期:2013年~2017年)を策定し、水産業及び漁村の振興を総合的、計画的に推進しています。
 2013年度は、「安全かつ良質な水産物の安定的な供給」「水産資源の生育環境の保全及び創造」「栽培漁業の推進」を重点として、道産水産物の安心・安全確保及び水産物の流通拠点となる漁港・流通加工施設の整備、水域の環境保全対策や豊かな海と森づくりの推進、海域の特性に応じた栽培漁業や種苗放流事業などに取り組んでいます。

 

海面漁業・養殖業の魚種別構成比(2013年:属地)

                   生産量

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資料:北海道水産林務部「北海道水産現勢」(生体重量)

 

 

 

[ワンポイントメモ]

日本海沿岸ニシンの増大

 ニシンは長く厳しい冬が終わる頃に産卵のために来遊する「春を告げる魚」と言われ、
1850年頃に約15万トンだった漁獲量は、明治時代の後半には史上最高の97万トンまで達し、「江差の春は江戸にもない」と言われるほど地域に繁栄をもたらしました。
 このニシンは「北海道・サハリン系ニシン」といわれ、回遊範囲が広く資源変動が大きいなどの特徴を有する集団ですが、昭和10年代に入ると漁獲は減少し、昭和29年以降道内の日本海側ではほとんど獲れなくなりました。その後、近年まで続く細々とした漁獲は、回遊範囲の狭いニシンによるものです。
 道では日本海沿岸ニシンの資源増大を図るため、日本海北部海域(稚内市から積丹町)において、「石狩湾系ニシン」を対象に、種苗生産技術の開発や種苗の量産化に向けたコスト削減、資源管理手法の検討、産卵場所の把握などに取り組み、親魚保護などの資源管理や種苗放流を進めてきました。
 日本海沿岸ニシンの漁獲量は平成9年以降増加し、平成25年には過去50年間で最高の2,297トンまで達しており、こうした地道な取組が資源の維持に繋がっているものと考えています。
 また、後志南部海域における資源造成の可能性や放流適期が確認されたことから、地域が主体となって種苗放流などに取り組むこととしており、檜山海域でも種苗放流による資源造成の可能性を検討するため稚魚分布調査を実施するなど、更なる日本海沿岸ニシンの資源増大に向けた取組が行われています。

 

 

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