「北の魚つきの森」

「北の魚つきの森」とは

  森林は、河川を通じて栄養分の豊かな水を海へ供給するなどの機能を持っており、森、川、海の連
 携した取
組みが重要であるため、北海道では、魚などの生息環境を守る必要性の高い流域を対象に、
 平成14年度から全道で15カ所を「北の魚つきの森」として認定し、地域住民による自発的な森林づく
 り活動の促進を図って
います。
  各認定地域においては、地域住民による植樹や下草刈りなど森林を守り育てていく活動が行われて
 おり、北海道では、これらの活動の技術的指導やPRなど、地域と一体となって取り組みを進めてい
 ます。
  なお、令和5年3月現在での認定地域は9カ所となっています。

  「北の魚つきの森」認定地域(リンク)

   ○「北の魚つきの森」認定地域の一覧

 
   「北の魚つきの森」の背景

   魚つき林の沿革
    海の魚が豊かな森のあるところに集まってくることは、古くから経験的に知られていたと考え
   られています。江戸時代には、そうした海岸近くの森林や山のことを魚付林、網付林、網代山な
   どと呼びならわしており、藩によっては、禁伐とされていました。明治30年に森林法が制定され
   た際には、こうした魚つき林を保安林の一つとして指定し、保全することとなりました。

 

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根室市別当賀川の魚つき保安林

    保安林制度についてはこちらから(保安林制度の紹介) 


   森林の魚つき機能

   森林の魚つき機能としては、具体的なメカニズムは科学的には未解明ですが、

   (1)土砂の流出を防止して、河川水の汚濁化を防ぐ。
   (2)清澄な淡水を供給する。
   (3)栄養物資、飼料を河川・海洋の生物に提供する。
 
    等があると考えられています。


   近年では、生態系としての森と海のつながりという観点から、こうした森林の機能が再認識され、
    海岸部の森林だけでなく、河川上流部の森林も広い意味の魚つき林と呼ばれています。
 
   このような結びつきを示す実例としては、襟裳岬における森林の再生があげられています。
    これは、「えりも砂漠」と言われるほどに荒廃した襟裳岬において、コンブが海底で枯死する「海
  枯れ」現象が見られていましたが、昭和28年からの緑化により海岸林が再生されるにつれて、水産
    物の水揚げ量・品質が改善されたものです。

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       襟裳岬昭和28年頃       襟裳岬昭和60年

              林野庁北海道森林管理局HPより

 

   北海道における植樹活動と「北の魚つきの森」

   北海道では、昭和63年から北海道漁協婦人部によって「お魚殖やす植樹活動」が始められてお
  り、北海道は、全国のお魚殖やす植樹活動の発祥の地となっています。
   また、現在では、漁協婦人部だけでなく、様々な団体が全道各地で魚を育む森づくりに取り組
  んでいます。
   このようなことから、次のような森林を「北の魚つきの森」として認定し、自発的な活動の支
  援・PRを行うこととしており、平成14年度から全道で15カ所を認定したところです。


   <認定の要件>

   ・魚たちの棲みやすい生息環境を守るための森林が対象となっていること。
   ・地域の方々が集まって森づくりの会をつくり、継続的に活動することが決められていること。
   ・森林を守り育てるための活動計画があること。

 

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