林業普及指導事業とは

 林業普及指導事業は、林業技術の改善、林業経営の合理化、森林の整備等を促進し、林業の振興を図るとともに、森林の有する諸機能の高度発揮に資するため、林業普及指導員が森林所有者等に接し、技術及び知識の普及と森林施業に関する指導等を行う事業です。

 道では、「林業普及指導実施方針」に基づき、森林・林業の現状を踏まえ、地域にふさわしい森林づくりに向けた普及指導活動を展開しています。

 令和5年4月現在、各(総合)振興局の森林室(17森林室10事務所)に112名の林業普及指導員と、本庁水産林務部に8名(森林活用課5名、美唄普及指導員室3名)の主任普及指導員等の計120名を配置し、森林所有者や一般道民からの多様なニーズに応じた地域の森林づくりに必要な技術や知識の普及指導を行っています。

1.普及指導活動の方法に関する基本的事項

 林業普及指導の実施にあたっては、試験研究機関と連携し、新たな行政課題を踏まえ、森林所有者をはじめ林業・木材産業関係者に対して森林施業や木材利用に関する技術の普及・定着を図るとともに、森林経営管理制度の運用に向けた市町村職員への技術的支援などに取り組んでいく必要があります。

(1)基本的な考え方

 このため道では、次の3つの項目を柱にかかげ、目標指標の達成に資するよう普及指導活動を推進することとしています。

1.森林の整備及び管理の推進
 (目標)
  令和元年度(2019年度):70% → 令和13年度(2031年度):75%
 ・私有人工林面積における集積・集約化の面積割合(北海道森林づくり基本計画)

2.人材の育成・後継者の確保
 (目標)
  令和元年度(2019年度):350人 → 令和8年度(2026年度):350人(現状維持)
 ・指導林家数(人づくりステップアップ活動:令和4年度(2022年度)~令和8年度(2026年度))

3.森林づくりに関する技術・知識の普及指導
 (目標)
  令和元年度(2019年度):47回 → 令和13年度(2031年度):51回
 ・技術向上を目的とした研修等の取組件数(北海道森林づくり基本計画のうち一般民有林の目標値)

(2)森林の整備及び管理の推進

 森林資源の循環利用を着実に進めるためには、高い生産性や収益性を確保し持続的な森林経営を行っていくことが重要です。

 このため、小規模・分散的な所有構造である本道の森林において、面的なまとまりを確保し効率的な森林施業を実施するとともに、手入れの行き届いていない森林については森林経営管理制度等を活用し、市町村が主体となって整備を促進します。

 また、地域の森林づくりのマスタープランである市町村森林整備計画の策定や地域の林業関係者や住民等との合意形成に当たっては、森林総合監理士に登録された林業普及指導員が主体となって、専門的な技術・知識を必要とする事項について、市町村に対し積極的に支援します。

森林の整備及び管理の推進

(3)人材の育成・後継者の確保

 持続的な森林経営を確立するためには、自主的に森林整備に取り組む所有者や森林施業を提案できる人材(森林施業プランナー)を確保することが重要です。

 このため、「意欲ある林家及びその後継者」や「地域林業を担う人材」の育成に取り組み、現地検討会や研修・巡回指導、専門的な技術指導等により高度な知識・技術の普及に努めるとともに、施業意欲の低い森林所有者については、森林経営管理制度の意向調査等を行う市町村と連携を図り、経営管理委託なども視野に入れ森林の整備を促します。

 また、今後一般民有林での生産の拡大が見込まれるトドマツや人工林内に侵入した広葉樹の有効活用を進めるため、正確な資源把握が求められていることから、限られた人員で効率的な森林調査ができるよう、ICTの活用などに係る研修機会を確保します。

人材の育成・後継者の確保

(4)森林づくりに関する技術・知識の普及指導

 適切な森林の整備・管理を進めるためには、森林所有者や林業事業体等が森林施業技術や知識を正しく理解し実践していくことが重要です。

 このため、地域の特性に応じた森林整備はもとより、森林病虫獣害・気象災害への対策やICT等を活用したスマート林業による生産性の向上、「HOKKAIDO WOOD」ブランドの浸透による道産木材の需要拡大など、試験研究機関と連携しながら、新たな研究成果や技術を幅広く普及します。

 また、今後一般民有林での生産の拡大が見込まれるトドマツや人工林内に侵入した広葉樹の有効活用を進めるため、正確な資源把握が求められていることから、限られた人員で効率的な森林調査ができるよう、ICTの活用などに係る研修機会を確保します。

森林づくりに関する技術・知識の普及指導

2.外部評価

 林業普及指導事業を効率的・効果的に実施し着実に成果をあげるためには、普及指導活動の実績や成果等について客観的な視点で評価し、今後の活動の改善に結びつけていくことが重要です。

 林業普及指導員の活動について、地域の林業関係者である市町村、森林組合等林業事業体、指導林家、林業グループ、森林所有者等から意見等を聴取し、要望・改善点等の評価を受け、今後の林業普及指導事業に活かしていきます。

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