貝毒とは(北海道貝毒情報)

 

 

貝毒とは


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 貝毒とは二枚貝が持つ自然毒のことで、食中毒の原因となることがあります。日本国内で問題となるものは、「麻痺性貝毒」と「下痢性貝毒」で、各々規制値が定められています。麻痺性貝毒の毒量はマウス・ユニット(MU/g)という単位で表され、下痢性貝毒は、オカダ酸当量(OA当量mg/kg)で表されます。平成27年3月6日付け厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知による規制値は、麻痺性貝毒が4MU/g、下痢性貝毒が0.16OA当量mg/kgと定められており、規制値を超えるものの販売等を行うことは、食品衛生法第6条第2号の規定に違反するものとして取り扱われます。

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 二枚貝はプランクトンをエラでこし集め、餌としていますが、プランクトンの中にはヒトに麻痺や下痢を引き起こす毒を持つものがあります。このような有毒プランクトンが海域で発生すると、二枚貝は体内に貝毒を蓄積します。これが原因となって、本来無毒である二枚貝が毒化します。この貝毒は、ホタテガイの場合は主として中腸腺に偏在していることが判明しています。そのため、貝毒発生期であっても中腸線等の除去等の処理を適切に行ったホタテガイ製品は、製品の貝毒検査を実施し、安全を確認した上で出荷することができます。

uro3.JPG黒い部分が中腸線

 ホタテガイ、カキ、アサリ、イガイなどの二枚貝は毒を蓄積する可能性があります。ただし、有毒プランクトンは常に海域で発生しているわけではありません。有毒プランクトンが発生しなければ、貝は毒化しません。なお、いったん毒化した貝は、有毒プランクトンの消滅後もしばらくは毒を体内で蓄積している場合があります。また、マボヤやアカボヤも毒化することがあります。

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 貝毒による食中毒の症状は、二枚貝が蓄積している毒の種類により、主に次の2つのタイプに分かれます。なお、貝毒は熱に強く、加熱調理しても分解されません。

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 食後30分ほどで唇、舌、顔面のしびれを生じ、四肢の末端に広がるとともに麻痺に変わっていきます。重症の場合は運動失調を起こし、呼吸麻痺が進行し、12時間以内に死亡することがあります。

◆北海道における麻痺性貝毒の原因となるプランクトン
(旧A.tamarense) ※種名変更がなされていますが、北海道では旧A.tamarenseとして扱っています

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※スケールバーは10μm

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 食後30分から4時間以内に下痢(水様便)や嘔吐、吐き気、腹痛など消化器系の症状を生じます。発熱がないことから腸炎ビブリオ中毒と区別されています。通常3日以内で回復し、死亡事例はありません。

◆北海道における下痢性貝毒の原因の1つと考えられるプランクトン
(D.fortii)

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※スケールバーは10μm

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