色丹島~入り江と緑が美しい島~

基本情報
位置
東経 146度35分~146度56分
北緯 43度41分~43度54分
面積
250.6㎢
※令和7年全国都道府県市区町村別面積調(1月1日時点)参照
北海道本島からの距離
73.3km
1945年当時の人口
1,038人
概要
色丹島は、根室半島や歯舞群島の地形に比べると起伏に富んでいますが、国後島や択捉島にあるような火山はなく、斜古丹山(標高413m)を最高峰に、緑に覆われた比較的なだらかな丘陵が続き、湖沼も多く、海岸には深い入り江が見られます。また、高山植物の宝庫ともいわれ、島全体に数多くの高山植物が自生している美しい島です。
色丹島の戦前の主産業は「千島海苔」の採取と捕鯨でした。「千島海苔」は、幅約60cm、長さ1.2mもあるものも採れ、それを売った収入だけでも生活ができるほどでした。また、捕鯨は東洋一ともいわれ、捕鯨場の入口には鯨(くじら)のあご骨で組まれた門があり、道の両側には加工場や缶詰工場などの建物がいくつも並んだといいます。
郡・村
色丹郡色丹村
1945年当時の人口は1,038人、世帯数は206世帯です。
144㎞に及ぶ海岸線をもち、船が停泊できるところは20数ヵ所あるが港湾施設はほとんどありませんでした。
斜古丹山(413m)を最高峰に、300m級の山が連なり、島全体が丘陵で湖沼も多いです。
自然
河川・湖沼
風光明媚で知られるこの島には、特に大きな河川というものはありませんが、斜古丹湾に注ぐ斜古丹川、又古丹湾に流れる又古丹川、穴澗湾に注ぐアナマ川、ホロベツ川、ノトロ湾のノトロ川があります。これらの川が注ぐ湾はどこも深い入り江になっていて、天然の良港として知られています。
植物
シコタンマツ、シコタンヤナギ、シコタンキンポウゲ、チングルマ、ウラジロキンバイ、チシマタンポポ、カタオカ草など
産業
農業
海上気象の影響から、歯舞群島よりやや高温であるが作物は歯舞群島とほとんど同じであり、ただ、気候の順調な年には麦類、瓜類などの栽培もしていた。
畜産業
歯舞群島同様、島民の大部分が水産業者で、副業として馬を飼育していたが、漁期の繁忙などのため、何の施設もなく自然のまま年中放牧の状態であった。
林業
色丹島の開拓は古く、早くからしばしば山火事の被害があったため、森林資源に乏しく、国有林全面積23.1haの約80%は未立木地で、樹種は、トドマツ、エゾマツ、色丹松を主としてカバ類、ハンノキ、ヤナギ、ナナカマド、キハダ、シウリなどの広葉樹であるが、一般に風速が激しいため、生長不良で用材として利用できるものは少なく、針葉樹は主に中丸太や早切に、また広葉樹は薪材として毎年処分されていたが、蓄積量は広葉樹合わせて約286.836m³と推定される。
なお、色丹島は、海霧地帯で温度も高く、高い土地を開けば、天然更新も比較的容易なので、未立木地帯とともに造林計画を実施推進することにより、林業開発も可能と認められていた。
漁業
日魯漁業などの会社経営による、カニ、捕鯨漁業以外は、小規模な土着事業を主とし、海産物商の仕込み経営あるいは協同組合を中心とする個人経営が大多数を占めていた。
景勝地
穴澗湾

周りを美しい緑に囲まれており、波が非常に穏やかで船の避難などに適しています。
稲茂尻湾
色丹島の景観を代表する海岸の一つで、なだらかな丘陵と入り江が織りなす美しい海岸です。
松ヶ浜湾
中心部水深20メートル、1万トン級の船艇8隻程度碇泊可能である有名な景勝地です。
