農業分野における節電の営農技術対策について
平成30年9月10日 北海道農政部
平成30年北海道胆振東部地震による被害のため、道内の電力需給の見通しは、大変厳しい状況にあり、国からは平常時よりも可能な限りの節電を要請されています。
このため、農業分野においても、農作業、家畜の飼養管理の適切な実施や、農畜産物・加工品など食品の品質の維持、安全・安心の確保に影響が生じない範囲で、次の事項を参考に可能な限り節電に努めてください。
<国からの要請>
節電コア時間帯(平日8:30~20:30)における平常時の2割の節電
1 共通事項
(1) 長時間使用しない農業機器等の電源は切っておく。また、使用していないプラグはコンセントからこまめに抜く。
(2) 電気を消費する不連続的な作業は、可能な限り電力消費量の少ない夜間又は土曜日や日曜日に行う。
(3) 電気を使用する農機具、農業用機械は、定期的に清掃し、運転効率を高める。
(4) 扇風機・換気設備等は、可能であればインバーター制御や送風効率の高いものに変更する。
(5) 施設内の照明器具は、可能であればLED式や高効率蛍光灯などの省エネタイプに交換する。
2 水稲
(1) 収穫作業開始前に乾燥機の点検整備を行う。
(2) 効率的な乾燥により節電に取り組む観点から、収穫にあたっては、ほ場ごとの収穫時期を予測し、水分の低下したほ場から効率的に収穫できるよう準備を進める。
また、乾燥は、二段乾燥に努めるとともに、できる限り夜間等の時間帯を利用する。
(3) 乾燥機への張り込み量に注意し、乾燥効率を高めるなどにより乾燥時間の短縮に努める。
3 園芸
(1)栽培施設
ア 換気扇や自動カーテン装置を設置しているハウスでは、天窓や側窓での換気に努め、換気扇やカーテンの稼働時間の短縮を図る。
イ 高温時期には天面や側面を遮光資材で被覆し、ハウス内の温度上昇を抑制する。
(2)出荷調整作業
ア 収穫作業や出荷調整作業は、品温の上昇を抑制するため、可能な限り涼しい朝夕に行うとともに、収穫物はすみやかにほ場から搬出するように努める(やむを得ず収穫物を一時的にほ場に堆積する場合は、直射日光が当たらないよう注意する)。
イ 出荷調整作業施設の照明は最小限にとどめ、採光や通風を改善し室温の上昇を抑制する。
ウ 共選出荷施設等に搬入する場合は、共選機械の作業時間の短縮を図るため、出荷前の選別をしっかり行う。
(3)予冷(自家用を含む)・集出荷施設
ア 過度な低温にならないように設定温度を調節する。
イ 冷気が全体に行き渡るように庫内を整理する。
ウ 出入口にカーテンをし、扉の開閉は最小限にとどめる。
エ 冷蔵施設の保守点検を行うとともに、必要に応じ断熱補強を行い、保冷性を高める。
オ 出荷物の搬入の時間帯を調整し、共選・出荷ラインはできるだけ集約する。
4 酪農・畜産
(1)電力使用の抑制
搾乳機器とバルククーラー、ふん尿処理設備、換気設備等の定格電力を把握した上で、稼働させる機器の時間帯を分散させ、使用電力量を抑制する。
特に、搾乳作業機器(搾乳機器、バルククーラー)以外のふん尿処理設備などは、使用間隔を長くするなど可能な限り節電の工夫をする。
なお、乳用牛の体調管理など十分に注意し、畜舎環境の維持に努める。
(2)バルククーラーの冷却効率の向上
ア 冷凍機の周辺にはものを置かず、風の通りをよくする。また、機械本体に日射が当たらないよう注意する。
イ 冷凍機の冷却効率を更に高めるため、フィン(放熱板)をこまめに清掃する。
以上
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