北海道らしい水素社会の実現に向けて
水素は、利用段階で二酸化炭素(CO2)を排出しない、燃料電池技術を活用することで高いエネルギー効率が得られるなどの優れた特性がありますが、これらの特性を活かすことで、再生可能エネルギーの利用効率や未利用資源の利用率を高め、更なるCO2排出量の削減が期待できます。
また、水素社会の形成は、脱炭素社会づくりだけでなく、エネルギーの地産地消による災害に強い安全・安心な地域づくりや道内の水素関連産業の創出にも寄与します。
このため、道では、北海道らしい水素社会の実現に向けて、本道のポテンシャルの高い再生可能エネルギー由来の水素や水素利用機器などの導入を促進し、製造から利用まで水素エネルギーの地産地消を基本としたサプライチェーンを構築し、自立分散型で災害に強い安全・安心な地域づくり、関連産業の創出などの取組を進め、『ゼロカーボン北海道』を目指します。 本ページでは、道の取組をご紹介します。
詳細については以下のメニューからご覧ください。(ページ内ジャンプします。)
更新情報
2020.12.16
水素サプライチェーン構築ロードマップ(改定版)を策定・公開しました。
2020.11.16 水素サプライチェーンワーキンググループおよび北海道水素イノベーション推進協議会を開催しました。
2020.10.22
水素サプライチェーンワーキンググループを開催しました。
2020.09.17
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北海道の基本方針
北海道水素社会実現戦略ビジョン
本道の水素社会の形成にあたっては、平成28年(2016年)に策定した脱炭素社会構築に向け、中長期的な視点から北海道における水素社会のあり方を示す「北海道水素社会実現戦略ビジョン」により推進してきましたが、国の政策動向や道内における取組の進展等を踏まえ、令和2年(2020年)3月に改定しました。
水素サプライチェーン構築ロードマップ
水素サプライチェーン構築ロードマップは、「北海道水素社会実現戦略ビジョン」で掲げた「地産地消を基本とした水素サプライチェーンの構築」を着実に推進するため、現時点の社会情勢を考慮し、当面の手立てとスケジュールを示すものです。令和2年(2020年)12月に改定しました。
北海道の取組(産学官の戦略会議、普及啓発など)
協議会等
北海道における水素社会形成に向けた取組を、産学官が連携して推進するため、平成27年3月、「北海道水素イノベーション推進協議会」を設置し、水素社会の形成に向けた施策の推進について意見交換等を行っています。
〇北海道水素イノベーション推進協議会
〇水素サプライチェーンワーキンググループ
〇道央圏FCV普及促進戦略会議
令和元年度 (新型コロナウイルス感染症対策のため開催中止)
水素エネルギー・燃料電池の普及
水素利活用に向けた取組の初期段階においては、身近な水素利用機器である燃料電池自動車(FCV)の普及が水素需要拡大の一助となりますが、現状では、高コストであることや水素充填が可能な地域が限られており、当面は、市町村や企業等の公用車・社用車として率先して導入していくことが肝要です。
このため、道においては、その第一歩として、平成29年度に公用車としてFCVを率先導入することとし、「北海道クールアース・デイ」である7月7日、FCV納車セレモニーを開催し、道内外に積極的にアピールしました。
道のロードマップにおいて、水素普及の初期段階においては、道民・事業者に対する水素の社会受容性の向上や機運の醸成を図るべく普及啓発を進めつつ、道内での水素利活用の地盤づくりを進めるとしており、道では、様々なツールを活用してわかりやすく情報発信しています。
将来のエネルギー源として期待される水素の活用を道民の皆様に広く理解していただくため、「水素・燃料電池普及キャラバン」を全道各地で展開し、地域の環境イベントや、防災訓練において、道公用車のFCVを活用した展示や試乗会、家庭用燃料電池(エネファーム)の展示、水素を用いた簡単な実験体験などを行っています。
環境イベントや防災訓練等において、FCVや水素の紹介、非常時における利用など、将来のエネルギーとして期待されている「水素」に関連する展示をご希望の場合は、当課までご相談ください。
これまでのFCV普及啓発の実施状況は以下のページでご紹介しています。
道内の水素関連の取組
豊かな自然と広大な大地に恵まれた北海道は、太陽光や風力、小水力、バイオマス、地熱などの再生可能エネルギーについて、全国トップクラスのポテンシャルを有しています。この豊富な再生可能エネルギーの活用に注目し、水素の製造から利用までのサプライチェーン構築に向けた実証事業や技術開発などが道内各地において、実施されています
▼道央エリア▼ 大都市である札幌や、北海道最大の拠点空港を有する千歳を含んでおり、大都市圏や産業集積による大規模な水素需要が期待されています。 特に苫小牧地区では、水素、アンモニアについて各々共同事業体が形成され、サプライチェーン構築を目的とした大規模プロジェクトが進められており、国が主導する価格差支援や拠点整備支援への応募も視野に入れ、検討が進められています。 また、苫小牧地区においては二酸化炭素を回収し貯留・再利用を行うCCUSの実施に向けた検討も進められており、これら全てのプロジェクトが順調に進捗すれば、苫小牧地区は世界的にもカーボンニュートラルにおける先進エリアとなることが期待されています。 |
▼道南エリア▼ 先述の通り、洋上風力発電の事業化に向けた「有望区域」に複数選定されており、将来的に再生可能エネルギーの大規模供給拠点となる可能性があります。 函館地域では、海洋エネルギーを活用した洋上での発電および水素製造・貯蔵を行い、水素エネルギーの利活用を検討するビジネスモデルを産学官が連携し検討中です。 |
▼宗谷エリア▼ 良好な風況を活かし風力発電所が多数建設されているほか、バイオマス・太陽光・天然ガスについても高いポテンシャルを有しており、エネルギーの地産地消に係る様々な取り組みが展開されています。 豊富町では、未利用の温泉付随天然ガスからCO2 を直接排出させることなく高純度水素の製造を行い、近隣の需要家へ供給する実証事業を展開中である。また、副生成物として炭素が生成されるため、高導電性を有する多層カーボンナノチューブ(CNT)として市場展開するなど、水素サプライチェーンの構築を目指しています。 |
▼十勝エリア▼ 温室効果ガスの吸収元となる森林資源が豊富なほか、全道一の日照時間を活かした太陽光発電や家畜糞尿などを利用したバイオマス発電が従来から盛んな地域です。 鹿追町では、家畜糞尿由来のバイオガスを原料に水素を製造し、環境保全センター内に設置された水素ステーションや燃料電池向けに供給しています。 また、現在は農機・建機の水素化について検討を行うなど、農業地域や寒冷地特有の課題に対応した水素サプライチェーンの構築に向け、複数の調査や実証事業を行っています。 |
▼空知エリア▼ 最盛期の1960年代には国内最大の産炭地として、長らく北海道の産業や経済を支えてきたが、エネルギー政策の転換により1990年代までには多くの炭鉱が閉山しました。 このような状況を踏まえて、三笠市では未利用石炭の有効活用を目指し、2000年代より「石炭地下ガス化(UCG)」事業を推進してきた。現在は、未利用石炭のほか、地域に豊富に存在する木質バイオマスを組み合わせたクリーンな水素製造手法として「ハイブリッド石炭地下ガス化(H-UCG)」の実証事業に取り組んでいます。 さらに、水素製造時に発生するCO2は、地下に残る石炭採掘跡へ埋め戻すほか、農業などで利用することにより、事業全体でのカーボンニュートラルを目指しています。 |
その他、国・市町村の取組、燃料電池自動車と水素ステーションに関する情報等については、以下のページをご覧ください。