第12回検討委員会・会議議事録(環境・エネルギー室)

 

 

第12回検討委員会・会議議事録(環境・エネルギー室)


 

 

第12回検討委員会・会議議事録

 

第12回深地層研究所計画検討委員会・会議議事録


1 日 時 平成12年1月14日(金)14:00~14:50

2 場 所 道庁別館12F 北方圏センター会議室 

3 出席者 堀委員長代理、清野委員、和氣委員、西山委員、村井委員、磯田委員
  (事務局等) 経済部資源エネルギー課 本多、村井、板谷、村本
           留萌支庁 鈴木、宗谷支庁 小野、上川支庁 今村

4 開 会
○事務局
・ ただ今から、第12回深地層研究所計画検討委員会を開催いたします。 
・ 議事の進行は委員長代理である経済部長が行わせていただきます。 

5 議 事
(1)深地層研究所(仮称)計画について 
○委員長代理 
・ 先週に引き続き、本日お集まりいただきありがとうございます。
・ 先週の会議結果を踏まえまして、幌延問題道民懇談会及び核廃棄物施設誘致に反対する道北連絡協議会に意見陳述していただくよう働きかけたところ、本日来ていただけない状況にあります。この経過については後ほど事務局に説明させます。 
・ 前回の委員会で未定稿でお示した12月12日の核廃棄物施設誘致に反対する道北連絡協議会からの意見聴取記録について最終的に整いましたので、資料1として配付しております。 
・ 次に、これまでに幌延問題道民懇談会から寄せられた意見や核廃棄物施設誘致に反対する道北連絡協議会からの2回にわたる意見聴取結果を要約したものが、資料2の「深地層研究に反対、慎重な立場からの主な意見」であります。 
・ 最初に、事務局から一括して説明させた後に、両団体に対する対応や委員会としての取りまとめなどについて審議・検討していきたいと考えております。
○事務局 
・ まず、2つの団体との経過について説明いたします。 
・ 1月7日開催の委員会までに意見陳述を希望している団体が出席できなかったことを受け、さらに1週間日程延期し、再度、出席を要請しましたが、今回も両団体とも日程調整がつきませんでした。
・ 道北連絡協議会からは、協議会議長の議会での日程などがあり、1月20~22日の間に意見陳述をしたい旨連絡があり、道民懇談会からは、24日または26日(いずれも午後)に意見陳述をしたい。14日は代表者・事務局長とも出張など動かせない予定が入っているとのことです。
・ 以上の理由で、本日両団体とも欠席をしております。今後の対応について後ほどご意見をいただきたいと思います。
・ 資料1はただ今、委員長代理から説明がありましたように、前回未定稿のものを精査し、本資料となったものです。内容は前回説明してますので割愛します。
・ 次に、資料2に「深地層研究に反対、慎重な立場からの主な意見」として、2団体の意見を整理しております。1から12の項目にまとめました。
・ 前回の委員会で、これらの意見については両団体の意見陳述後、それぞれの項目について検討委員会のテーマかどうか整理し、テーマについては、検討委員会で議論を行い、なじまないものは経済部が対応するとの考えが了承されております。 
○委員長代理 
・ 報道の方々については、すでにご案内しているとおり、会議終了後、道政記者クラブで会議内容を説明しますので、この場は退出願います。  

○事務局 
・ 最初に両団体に出席を要請しましたが、今回両団体からは、1月20日から22日、又は24日、26日で意見陳述をしたいという要請がありましたのでこれについてご意見を伺いたいと思います。 
○委員長代理
・ 実は、刺激的な記事が出まして、皆さんご覧になったかと思いますが、もう打ち切りだという記事が出たのですが、委員会でお話をしているように意見を伺う機会を用意しているわけであって、我々のほうは新聞にあるようにうち切ることは本意ではありません。経過やいろいろな背景もあるので、スケジュールは、今言ったように、1月20日から22日、又は24日、26日に向こうの方からも是非一度意見陳述させてほしいという話がきているのですが、前回、各委員はもうそろそろという話もあったかと思いますが、このスケジュールの中でまた各委員にご協力願いたいということでございます。
○委員 
・ 懇談会が検討委員会の開催前に9項目について全て検討項目として明確にならなければ、意見陳述をしないということはどうなったのですか。 
○事務局
・ 今回、それは全部取り下げる、とにかく意見陳述をさせてほしい、条件なしで意見を述べたいということです。ただ、部との交渉はいろいろありますけれども、意見陳述を最優先して、前段でいろいろ条件をつけない。そういう条件抜きに意見を述べさせてほしいということです。
○委員長代理
・ そんなやり取りが昨日事務局との間でありました。今までの経緯からいくとそういうことであるから、こういう流れになったのだという説明をした結果、そういう条件は一切考えませんということが、向こうの団体から示されました。そういうことで、ご理解いただきたいと思います。
○事務局
・ もう少し説明しますと、いろいろと条件を付けられていたので、取りあえず事務局で日程調整をするということで接触した中で、幌延問題道民懇談会の事務局長の意向を伺っています。一つは日程の問題ですが、1月24日、26日は再来週なので、道北連絡協議会のほうが来週の日程を希望していることと比較しても、これではとても委員会の委員の皆さんの理解は得られない。それで、前の週のことも検討していただき、いろいろ日程調整の努力をしていただいた結果として向こうの申し出の24日、26日のままでした。
 また、今の質問の9項目の件ですが、9項目は検討委員会で意見陳述するための条件としない、但し検討委員会の中で、部長との意見交換の経過について一応述べたいと言っております。 
 さらに、検討委員会での意見聴取がいつ終了するかについて、24日や26日で本当に終わるのかというと、これについても我々は過去の経緯からいってずるずると行くという懸念もあるということを申し上げたところ、検討委員会がいつ終了するかは検討委員会が決めることであって、懇談会が指図する立場ではない、但し、希望としてはもう少し続けてほしいということは述べたいと、このように言っております。
○委員
・ 懇談会の方は、今度で検討委員会として意見を伺うのが3度目になりますね。これまでの経過を見るとずるずると引っ張っていかれていつになると終わるのかというのが、全く見えない感じの意見陳述だったような気がするのです。そういう意味からすると今回は、いろいろな条件を付けずに意見を言うということは、今回一回ということなのですか。その辺はどういう話し合いになっているのですか。最終的に、とにかく意見陳述をすればそれでいいということになっているのですか。
○事務局
・ 今、説明したように、検討委員会の終了については、希望があってもそれを条件を付けてどうのこうのということは言いませんという事務局長の意向を今お伝えしましたが、それを信頼するというところが今の段階で判断の根拠にするしかないと思っています。
○委員
・ 何度か話が出たことなのですが、要するに入り口論を延々として、また、入り口論では何時までも続いてしまうのです。たとえば本論の意見を今度の検討委員会で述べて下さいと、そしてそれで終わりですかというところまでになるのでしょうか。
○事務局
・ 先ほど委員長代理からも説明しましたように、1月7日に設定して、1月14日にもさらに設定して、時間を経ている。さらに、向こうの言うように意見陳述の日を延ばしても今おっしゃったようなことが考えられるのでそういうことだともう対応できず、検討委員会にかけても通らないということで話をしています。
・ 1月7日というのは、幌延問題道民懇談会に限っていえば都合の良かった日なので、我々としては、こちらから提案したように、何故、その時に部長との話し合いを行ったのち、引き続いて検討委員会に出てもらうというやり方が取られなかったのですかと、あなた方がいわば蹴ったような形になるのですよということを私ども言わせていただきました。ただ、部長と会うのは約束だからと言っていましたが、その約束をハードルの高いものにしたのはあなた方なのですよと、それで約束を破ったということにはならないでしょうということは併せて伝えてあります。今後の議論については、検討委員会とは別に経済部として今後とも意見交換していくことを相手方も納得していただいたということです。道としては、この後も意見を聞かないということではないことをご理解いただきたいということです。
・ 意見陳述ですので、与えられた時間の中でまとめて発言をして欲しいと、そういう整理をしていきたいと思います。意見だけで時間内に申し述べていただきたいというように案内したいと思います。
○委員長代理
・ やり取りで向こうは分かりましたと明確な答はあるのですか。
○事務局
・ そういう形で案内をし、その形で応じるなら、検討委員会として受け入れるといようにしたいと思います。
○委員長代理
・ 前回も意見陳述として来ていただいたのでしょう。向こうが意見を述べて、退出後、委員が発言されたことについて議論をするという形だと思います。
・ 今のテーマについて、20日なり24日に再度聞く機会を作るということについて皆さん方ご理解をいただけますか。
○委員
・ 日程が分かれておりますが、それぞれで聞くということですね。
○委員長代理
・ それぞれです。20日は道北連絡協議会、24日は幌延問題道民懇談会です。
○委員
・ それから一点お聞きしたいのです。道北の方は以前に委員一人ひとりに答をいただくという話があったようですが、これについてはどうですか。
○委員長代理
・ それについては、今言ったように意見陳述の場であり、委員との議論する場ではないということを事務局を通じて明確に伝えていく形で通知したいと思います。
・ ところで、事務局では、時間は設定はしないのですか。
○事務局
・ 一応設定はしたいと思います。
○委員長代理
・ それでは仮に話題が出ても、検討委員会は一つひとつお答えする場ではないことを理解していただき、お話があったことは後ほど委員会の中で議論させていただくという整理をしたい。
○委員
・ 逆に、陳述した内容で分からないことについてこちらから聞くことではないのですか。
○事務局
・ 本来そういう場であったのですが。
○委員長代理
・ そういうことで恐縮ですが、ひとつご理解いただきたいと思います。
○事務局
・ 二つ目は、資料2で道北連絡協議会からの前回お示しした要請書と、幌延問題道民懇談会の9項目をあわせて12項目として整理しています。これは、両団体が意見を述べる主な項目になると思います。道北については、第11回の検討委員会の中で、こういう意見が出てこう答えていますということは説明していますが、再度簡単に説明したいと思います。
○委員長代理
・ 本来ですと項目一つひとつについて委員会としてどういうようにしますかということになるのですね。
○事務局
・ 整理すると12項目あって、これは意見を受けた後、検討していただく項目なのですが、事務局で一応今まで答えたことなどを整理していますので、順番に説明します。実際には意見陳述を受けた後の議論になります。
・ 最初の道民合意の定義・プロセスを見直し、合意プロセスについて明確にすること。これについては、知事が記者会見や道議会の場で、知事から「庁内の検討委員会での検討の後、専門家による有識者懇談会を設置し、検討委員会で整理した内容についてご意見などを伺い、放射性廃棄物を持ち込ませない担保措置方策などについての道としての考え方を取りまとめることとしております。その後、この道の考え方について幌延町及び周辺市町村において、地元の自治体、住民、団体を対象に意見を聴く会を開催してまいりたいと考えております。また、同時に、道議会でのご議論などをいただきながら、総合的に検討いたしまして、幌延町における深地層研究所計画について最終的に判断をしてまいりたいと考えております。」と道民合意の考え方について知事がこのように説明、答弁をしています。
・ 二つ目は、現在、高レベル放射性廃棄物に係る法制度が未整備であること、また、今検討されている「高レベル放射性廃棄物処分推進法」では、北海道が処分地から除外されたのかどうか検討すること。これに対しては、現在、国においては、高レベル放射性廃棄物の処分を推進するため、処分の基本的な方針や処分施設の立地に関する事項等を定めた基本計画の策定に関することをはじめ、国及び原子力発電事業者の責務の明確化、処分費用の強制拠出による安定的確保、処分実施主体の設立等を目的とした法制度を整備することとし、次期通常国会への法案提出を目指して検討しております。法律制定作業中であり、詳細は承知していません。地元の考えを考慮するということは盛り込まれるかもしれませんが、北海道が処分地対象から除かれるという条項が盛り込まれることはないものと考えます。現実には法整備がないことは事実であり、法律の整備を求めていくのは大切なことと考えております。
・ 今日の新聞で、「処分地は認可法人が地元の知事、首長らの意見を考慮しながら、候補地、予定地、処分地の三段階で絞り込む。選定に困難が予想されるため、各段階ごとにそれぞれの地点を閣議決定し、国の基本計画に組み入れるほか、処分地には国が原発並の地域振興策などを提示。」後段で「法案で深地層研究所などの試験施設に触れないのは、研究所はあくまで研究開発が目的であり、事業化を目指す法案の趣旨と違うためとしている。」と、深地層研究所計画を心配している方々は、幌延は研究施設ですが、処分地ができないうちに穴を掘ってしまうとそこが処分地になってしまう恐れがある。したがって、処分地に関する法律が明確になっていれば、歯止めがかかるのではないかという議論をしています。国のほうでは法律に盛り込まないが、大臣が持ち込まないということは非常に重たいのでそれはちゃんと考慮していきたいと説明しています。
○委員長代理
・ 二つ目の質問項目については、今、新聞に報道された法案というのは、相当評価され意味がある法案となるのかどうか。
○事務局
・ まだ詳細は分からないのですが、地元の知事なり首長がノーという意見を出すとなかなか実際にはできない。要するに処分の実施主体を作る法律なので、法律の中身としては資金をどう工面するのかというようなことがメインの法律です。
○委員長代理
・ 地元の関係者は、法制度が未整備であるということについて、検討委員会の中で検討したらいいのではないかということについてはどうですか。
○事務局
・ 法律がないことは事実なので、地元の意見が反映される法律の整備を国に対して求めていく必要があると思います。
○委員長代理
・ 地元の意思が反映される法律の整備を国に対して求めていく必要があるというように取りまとめていく考えもあるということですね。それはいいのですけれども、それに対してこの新聞報道の法案はどうなのですか。
○事務局
・ 首長の意見を考慮しながらとなっています。今の段階では、地元が反対している中では、処分場は作れない法律だと思います。逆に反対派のほうでは、処分場を作る手続きが明確になっていれば、意見を述べる機会があるから安全だという考えですね。今、法律がないから、研究所を作ればそのまま処分場に転換してしまう恐れがあるが、処分場の法律のほうで意見を聞く場があれば、歯止めになるのではないかということです。
・ 3番目ですが、なぜ幌延なのか全国的見地での科学的根拠を明確にすること。これに対しては、検討委員会での意見聴取の際に、サイクル機構から技術的な要件と地元の理解である旨の説明があったことを伝えております。
○委員長代理
・ なぜ幌延かについては、もう少し説明してください。
○事務局
・ 幌延が研究施設の立地場所として選定された後の検討委員会ですから、なぜ幌延かについては、検討事項ではないとは言っております。
○委員長代理
・ 今の三つ目の項目は、なぜ幌延なのか科学的根拠を明確にすることについて、この委員会で議論しなさいということですか。
○事務局
・ 向こうはそうです。今まではサイクル機構からこういうように説明を受けている。なぜ選んだかについては、技術的要件と地元の理解があって選び、全国的見地で多くの場所を選んでしたわけではないと。
・ この委員会の中で、なじむなじまないと議論をしていただければと考えています。
・ 次ぎ、四つ目ですが、深地層研究所が処分地につながるという不安があること。これが一番重要なところかもしれませんが、すでに基本的認識に「放射性廃棄物の処分については、道民の間に処分技術が確立されていないことなどに対する不安や懸念があり、道民合意も得られていない状況にある。」と整理しております。今回提案があったのは研究所である。処分地については、まだ全然道民合意が得られていない。そういう立場を示し、深地層研究所に反対している方々の意見を取り入れて、不安や懸念があり、道民合意も得られていない状況にあるとしています。
○委員長代理
・ この項目は、処分地につながる不安があることについて委員会としてどのようにレポートにまとめるのかということを言っているのではないですか。
○事務局
・ それはそのまま取り入れ、不安があることは承知しておりますというように。
○委員
・ これからまとめる素案にこういうように書こうと思っている、これから書くということですね。
○事務局
・ 不安があることは承知していますということです。
○委員長代理
・ こういう条件を整理するだけでいいのですか。
○委員
・ 全体としては、不安があるとした上で、研究と処分の分離、それから担保措置、そういうものをしていく。全体としてはそういうことですね。
○事務局
・ 5番目で、原子力委員会59年「中間報告」など政策決定の取り扱いについて検討すること。これまでに科学技術庁から検討委員会や幌延問題道民懇談会からの照会に対し、説明・回答しております。その内容につきましては、昭和59年の原子力委員会の中間報告「放射性廃棄物処理処分方策について」と原子力長期計画とを対比すると、高レベル放射性廃棄物の処理・処分は、安定な形に固化した後、貯蔵を行い、その後、地層に処分するとの基本的な方針に変わりないものの、深地層の研究施設の計画については、中間報告では処分予定地の選定段階に位置付けられており、国においては、このことがあたかも研究開発などの結果が処分予定地の選定プロセスに直接結びつくかのような印象を与えることから、平成6年の長期計画においては、処分場の計画とは明確に区別して進めることとしたものと承知しています。59年の時は、研究した場所が良ければ処分予定地の選定段階と位置付けられていた。この昭和59年の報告に、次々変更をかけてきていますので、国は変更していると説明。原子力長期計画の中で研究所の計画と処分場の計画は明確に区別すると明記されていると説明をしています。あくまでも反対する方々は、59年の中間報告は廃止しなさいといい、国は上書きで直してきているという言い方なのです。今の長期計画では、研究所の計画と処分の計画は明確に区別するとしている。こういう表現になっています。
○委員長代理
・ 平成6年の長期計画では誰が見ても明確に区別されているのですか。
○事務局
・ このように処分場の計画とは明確に区別すると書いてあります。さらにもうちょっと複雑なのですけど、研究所の計画と処分場の計画は別々に進めているが、最後は一緒になるのではないかと言う人もいる。計画は別々に進めるのだけれども、場所は同じになるのではないかと言っている。
○委員長代理
・ 平成6年の長期計画で国が表明してあったとしても、計画は別でも場所は別ではないという言い方をしている人がいるということ。それでそれについて検討をと言っているのです。
○事務局
・ それで、「『原子力長期計画』記載の『研究所の計画と処分場の計画を明確に区別する』という方針に沿って、研究と処分地選定プロセスとは明確に区別されなければならない。」と整理してはどうかと考えます。そうするとそのまま済し崩し的に研究のための穴を掘ったところが処分場になる恐れはないかと考えます。また、反対している方々は計画の区別ではなく、場所の区別をしなさいと言っている。
・ 六つ目は、高レベル放射性廃棄物の処分と研究とが法的に未整備であること。これは只今説明したように「研究施設が処分場につながるとの不安や懸念があることから、『原子力長期計画』記載の『研究所の計画と処分場の計画を明確に区別する』という方針に沿って、研究と処分地選定プロセスとは明確に区別されなければならない。」と整理してはどうかと考えます。
・ 次ぎ、7番目の従来の貯蔵工学センター計画の「白紙」問題を再検証すること。これにつきましては、貯蔵工学センター計画の白紙について国の見解を照会し、その回答内容や措置状況を慎重に検討した結果、原子力長期計画における「貯蔵工学センター計画」の白紙が平成10年6月2日及び7月17日の原子力委員会において明確になったこと、貯蔵工学センター計画関連予算について、その内容を明らかにしたうえで執行しないとしたこと、動燃の札幌と幌延の事務所については、活動を取りやめ閉鎖したことや、開進地区の調査詰所については、気象観測に必要な最小限の施設を除いて撤去したことから、道としては、幌延町における「貯蔵工学センター計画」は白紙に戻ったと判断したものであると知事から一昨年の9月に表明しており、その状況には変わりないものと考えておりますという説明をしています。これにつきましては、貯蔵工学センター計画の予算は止めたのですが、深地層関連の調整費で、気象観測を続けている状況にあります。気象観測を行っているので建物を借りていますし、また警備をしています。それを分かった上で、知事が白紙になったと表明しています。貯蔵工学センター計画の推進とは関係ないものだと、だから白紙だとしています。
○委員長代理
・ 現実に必要な最小限の施設は今もあるのでしょう。それを地元の人は危惧しているのでしょう。
○事務局
・ 気象観測をしているからと言って貯蔵工学センター計画につながるものではないと考えております。
○委員長代理
・ 気象観測の施設を設置したのは、核燃でしたね。
○事務局
・ 今の核燃です。
○委員長代理
・ 核燃の人は、それは将来の処分場のための気象観測ではありませんと言っているのですか。
○事務局
・ あくまでもこれについては、地元の農家の意向です。
○委員
・ 必要があれば、核燃でなくて、役場がやるなりした方がよりベターですね。
○事務局
・ そうです。それで現在は役場に機械を全部貸与している、役場が機械を管理しているわけです。ただ、管理するお金を核燃が出している。
○委員
・ その気象データーは、どこが使っているのですか。
○事務局
・ 農家が使っているのです。ファックスが各農家にありまして、自由に気象情報が取れるようになっているわけです。
○委員
・ 無用の不安感を与えていることが事実なら、核燃はそこから撤退して、将来のための情報を得ようとしていないなら、撤退した方がいいのではないですか。
○委員
・ 農家が、そういうのなかったら牛乳を運べないということはないと思いますよ。
○事務局
・ 道は貯蔵工学センター計画が白紙になったらいいという立場でした。だから、気象観測の施設は関係ないと。
○委員
・ 表向きは、そういう形になっているかもしれないけれども、長期間の気象観測のデーターというのは、いろいろな意味で非常に貴重なデーターとなるわけです。
○事務局
・ 気象協会に確認したら、ここはマメダスが必要だと。
○委員
・ 決まった場合には、過去の貴重なデーターが役に立つからと言うほうが。
○委員長代理
・ それは今まで言っていた貯蔵工学センターのためではありませんとはっきり言えばいいのでしょう。
○委員
・ 少なくても環境アセスには役に立ちますよね。
○委員
・ 科学的にはデーターがあればいろいろと役立つと思う。ただ地元の住民にすると、気象観測の施設を残しているのが核燃だとしたら、将来の貯蔵についても余韻を残しているのではないかと不安を持つのでしょう。それを解消するように考えなくてはならないのではないかいうこと。それをこの委員会で主張したらどうですか。
○事務局
・ この委員会は、道が白紙表明した後、設置した委員会なのです。白紙でなければ委員会を設置してないわけですから、ここで元に戻って、委員会で白紙を議論することにはならない。これは経済部で対応することだと思います。
○委員
・ 話を元に戻すと知事がそういう状況の中から、白紙に戻ったと判断した。ただ現実に、地元の人がそういう施設があることについて、不安があることは事実ですと。だから、それについて、核燃に最小限の施設だと言っているがそれについては除くべきだと検討委員会としては言うべきだということにならないのですか。
○事務局
・ 経済部での対応だと思います。
・ あくまでも地元の要請でおこなっているものです。
○委員
・ 必要性の話をしたら、反対している人たちもこのデーターは必要なのです。しかし、この委員会で議論する中味ではなくて、部として対応すべき内容ではないですか。
○事務局
・ 労働団体なども現地を確認して、貯蔵工学センターが白紙になったと、気象などは地元の要請だから、これはしているけれども白紙だと表明をしているのです。
○委員
・ 再検証することとはどういうことですか。
○事務局
・ 再検証は地元の考えでは、地元の要請で認めた。それはリースが終わったら、切れるじゃないかと。認めたのはいいけれども、自動更新になっている。
○委員
・ 私の聞きたいのは気象観測のことです。再検証とは、白紙と言っていながら、気象観測の施設は残っているのではないかということの、それ以上でもそれ以下でもない。そのことを言っているのですか。
○事務局
・ 開進地区に警備員を置いている。気象観測をしている建物もあり、そのリース料も払っています。
○委員
・ 警備員も気象観測のためのものなのですか。
○事務局
・ 開進地区は貯蔵工学センター予定地であったところでもあり、ボーリングも過去に行っています。また、不法な侵入を防止する観点から地元の地権者の要請で警備をしていると承知しております。
○委員
・ そういうことがあるから白紙ということはおかしいのではないかという趣旨なのですね。
○事務局
・ 地元としては、知事が白紙を表明し、リースや契約期間が切れたら、なくなると思っていたところ自動更新できているからおかしいじゃないかと。
○委員
・ 再検証とはそういう意味なのですね。
○事務局
・ 自動更新はおかしい。リースが切れたら、帰るべきではないかという主張でした。
○委員
・ 分かりました。
○事務局
・ 8番目で検討段階における深地層予算執行および現地の動向などの調査をすること、これは深地層予算付けをしている科学技術庁や核燃料サイクル開発機構の問題であると考えます。気象の問題、警備の問題、予算を出しておりますので、その執行については道の問題ではない。
・ 9番目、「深地層研究所(仮称)」の施設構造などを含めた詳細な計画を明らかにすること、これについては従来示されている計画がありますと、これは詳細ではないけれども、こういった計画が出てますと、配られたものはありますと説明しております。
○委員長代理
・ それ以上の詳細な計画はないのですか。
○事務局
・ 段階ごとに詳細なものをつくっていくのではないかと思っています。現在示されているのは基本計画です。
○委員
・ 普通のやり方と同じですよね。基本計画、実施計画、実施設計があり、今の時点で実施設計までと言われてもそれは無理。
○事務局
・ それはありませんと言っています。場所が決まった段階で、場所に合わせた設計を組むのでしょうと言っています。
○委員長代理
・ そういう意味ではない、詳細な実施計画をつくる考えはないということですか。
○委員
・ 今、それはできない。地下500メートルの話をボーリングデーターもない何もないというなかで、計画をたてたら、それはうその計画になってしまう。そういう調査を終わってから、どうしようかというのが次の段階で出てくるのですね。
○委員
・ 一般の人には分かりにくいですね。今はこういう計画であるという説明がいるのかもしれないですね。
○委員
・ 極端なことを言ってしまえば、深地層の処分の研究を厳密に言えば、ここでするのが適当かどうかも分かっていないということですね。
○事務局
・ 今提案していますが、場所は決まっていないのですよ。この計画が認められれば、適地を捜すことになっています。3、4年かかるのではないかと考えています。
○委員長代理
・ ということはこの計画はどの地域でも適用できるということですか。
○事務局
・ そうです。場所を特定したものではありません。
○委員
・ 堆積岩地帯ならどこでも。だから議論のなかにも出てくるんですが、札幌でもいいのではないか。別に札幌でもいいんですね。
○事務局
・ 3、4年位かけて適地を選ぶことにしています。
○委員
・ 外国の事例で、調査をしてみたけれど研究所の立地条件に合わなくて、やめたということがたしか報告されていましたね。地下水がそれほどないので、もっと地下水のあるところで水を止める研究をするとか。
○事務局
・ 地下水はあった方がいいということですね。
○委員
・ そういうことで幌延が手をあげたからといって、必ずしも幌延に決まるとは書いていないのです。
○事務局
・ 厳密に言えば、調査して場所を選定しても場所が良くないことが分かれば、やめることも当然あり得る。
○事務局
・ 次、10番目になりますが、計画による自然環境・生活環境・地域のイメージダウン・道北地域の混乱と対立、これらの問題をどう解決するのか明らかにすること、これも研究所計画を受け入れるかどうかも決まっていないので、検討する段階にもなっていない状況でありますと答えております。アセスは場所が決まってからでないと分からない。その段階で当然手続きがとられるでしょうと説明しております。ただ、深地層研究所計画が面積とか用途で道のアセス条例に該当するかどうか。
○委員
・ 条例は面積でしておりますから。業務の種類もさることながら、どのぐらいの規模なのかみないと何とも言えないですね。
○事務局
・ そういう話をしております。例えば、穴を掘って改変する場所が多くなってくると変わるかもしれないし、土を掘って高く積めば、改変する場所は少なくなるし、それは計画が明らかになってからと説明しております。
○事務局
・ 11番目、サイクル機構のいわゆる「ドラフト」などの進行情況とその検討評価を検討すること、これは核燃料サイクル開発機構の「わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性」は、これは第2次とりまとめと言われており、今後は国による評価作業が1年程度かけて行われると承知しております。これは相当厚いものです。これも反対派は議論を1頁1頁やりたいと言っておりますが検討テーマではないと答えております。前回お持ちした厚い4分冊のものです。内容は国が今しているから、検討委員会で討議するものではないだろうという言い方をしております。
○委員
・ 意見の趣旨としては、同じようなというかドラフトの評価自体をこの委員会でせよということですか。
○事務局
・ そういうことです。従来あったのはこの評価書のなかで、深地層研究所計画はあたかもありきで書いていると要請等の中で言われてきておりますが、それについては、現在北海道および幌延町に申し入れている深地層研究所(仮称)計画というように表現を変えております。
○事務局
・ 12番目の研究開発課題評価(事前評価)報告書について、評価委員から出されている疑義について検討すること、これも核燃料サイクル開発機構における研究開発課題評価(事前評価)については、十分な評価能力を有する関連分野の専門家を中心として、社会科学系の専門家や評論家、ジャーナリスト、ユーザーなど、幅広い分野の委員で構成されて、広い視野から公正に評価したものと考えます。これも検討委員会の問題ではないだろうと考えております。研究開発課題評価というのは、核燃機構がするテーマについて外部の評価を受けなければならないという形で、評価を受けているものとなっております。こういう専門分野のチェックを受けております。
○委員
・ 疑義とはどんなものが評価委員から示されいるのですか。
○事務局
・ 項目付けが悪いので、ちゃんと分けなさい、付けなさい。見ずらいとか。一番向こうで言っているのは、幌延は間に合わないではないかと。研究が遅れてくると、処分場をつくるのにも影響が出てくる。これは深地層研究は処分場をつくるのにも影響がある重要な研究になっていますので、これが遅れてくると、先ほど説明した実施主体が行う処分場計画に間に合わないではないかと。やめたらどうかという意見が出てきているのです。そういうところだけは向こうが攻めてくるんです。そういう意見も出ているよ。要するに研究所というのは、処分場をつくるための事前の調査でなければならなくて、それが遅れてくると、実施主体がつくる処分場に間に合わないのではないかと。
○委員
・ というふうに評価委員が指摘している部分があるということですね。
○事務局
・ たくさん言っているのです。それは公開していて、相当厚いもので、いろいろなことを指摘してあります。我々はそれに対して、ここでするものではないでしょうとそう答えております。私は今、一方的に説明していますけれども、また、言ってきますので、正規に言われたときに、ご議論をいただきたいと思います。今度、こういったことをいろいろ言われますので、それを受けて、第4回、第7回に出した項目について、骨子を少し整理して、その後委員会として肉付けしたまとめをしていただきたいというふうに考えております。最後のほうで、この他、深地層研究所計画についての検討事項の修正案については、検討委員会の考え方の取り扱い方を示したほうが良いと考え、この検討委員会の考え方については、今度意見を述べる時にそれを受けて、議論していただき、あるいは最終的にまとめる時に議論していただきたいと考えております。今日のところは、事前にこういうのはどういう流れで出てきたのか、今までどういう答えをしてきているのか、そこだけご報告させていただきたいと思います。以上のようになっております。
○委員長代理
・ はいありがとうございました。今、事務局から12項目について説明がありましたけれども、これについては、今までいろいろな場面で、答えたものをまとめて整理したものですね。
○委員
・ 今の説明からすると、3番目のなぜ幌延なのかということは幌延という提案を受けての話だから、これは検討事項からはずれる。7番についても、白紙という前提なので、白紙の再検証というのはこの場でやる議論ではない。8番、9番、10番、11番、12番についても、それぞれの理由で、我々の検討テーマにはなじみにくいということですかね。
○事務局
・ もともと検討テーマでしているのは知事公約にありますように、この計画に放射性廃棄物を持ち込むのかどうかと、持ち込まないとした場合にもさらに何か持ち込ませない措置はあるのかと、それがメインのテーマであるから、その他に意見を聞いて、そういった意見もあると書き加えて、基本的認識に入れていくと良いのかなというような気がします。例えば合意をすることをどういう手続きでするかは議論するテーマではないと考えます。ただ、それは必要だと思いますが。どうしたら道民合意が得られたと考えるのか、そこの議論までは検討委員会では必要ないのではないかと気がしていますけれども。
○委員長代理
・ 断っておきますが、必要ないと思っているのは事務局の考えとして示しているのであって、委員会の考えではない。
○事務局
・ そうです。各委員が議論し合っていただくことになるのです。
○委員長代理
・ 今日はおさらいめいたことが中心になりましたけれども、次回についてはどうですか。
○事務局
・ 次回は反対側の意見陳述ということで、道北のほうは20日、道民懇談会のほうは24日からそれぞれ午後を予定したいと思います。あらためてご案内したいと思います。
○委員長代理
・ 今後も皆さんのお手数をわずらわしますけれども、ひとつご理解のほどお願いしまして今日はこれで閉めさせていただきます。ありがとうございました。



 (この内容については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったものなどを整理のうえ、作成しています)

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