第1回検討委員会・会議議事録(環境・エネルギー室)

 

 

第1回検討委員会・会議議事録(環境・エネルギー室)


 

 

 

第1回検討委員会・会議議事録

 

 

第1回深地層研究所計画検討委員会・会議議事録 

1 日  時 平成11年1月28日(木)15:00~15:45

2 場  所 道庁3階 知事会議室

3 出席者 真田委員長、山口委員長代理、伊東委員、吉田委員、和氣委員、麻田委員、近藤委員
   (事務局等) 経済部資源エネルギー課 村井、板谷、村本 
            水産林務部企画調整課  寺井
            留萌支庁 鈴木、宗谷支庁 稲村、上川支庁 中西

4 挨 拶

 ○真田副知事
  ・幌延問題につきましては、「幌延計画は、白紙に戻すことを国に求めていきます。なお、あらためて、国から
   放射性廃棄物を持ち込まない研究開発施設の計画の提示があれば、道民の合意を得ることを前提に検討
   を進めます。」ということが、知事の公約です。
 ・昨年2月に科学技術庁から道に対して「先の貯蔵工学センター計画を取り止めて新たな提案として北海道
  幌延町における深地層試験を推進したい」という申し入れがありました。それ以降、知事公約に沿って対応
  して参りましたが、9月に、道としては、原子力委員会の決定や見解、国等の措置状況を踏まえ、貯蔵工学
  センター計画は白紙に戻ったという判断をした次第です。
 ・事業主体である核燃料サイクル開発機構から道に対する10月の申入れにつきましては、中間貯蔵施設の
  立地について疑念が生じましたことから、これを返上したところですが、その後、12月に中間貯蔵施設や処
  分場についてのサイクル機構や科学技術庁の見解が示されるとともに、サイクル機構から道に対して再度の
  申入れがありました。
  ・道といたしましては、国やサイクル機構の見解により、深地層研究計画が放射性廃棄物の中間貯蔵や処分
  場につながらないということが明確にされたことから、サイクル機構の申入れについて検討するために、本委
  員会を設置したという経過です。
 ・委員会では、今後、深地層研究所計画の位置づけや内容、放射性廃棄物を持ち込ませないための措置
   などについて検討し、道としての考え方を整理して参りたいと考えてます。さらに、道の考え方につきまして
   は、有識者の意見も伺う機会を設けたいと考えてます。十分なご議論をいただきたい。

5 議 事
(1)委員会の設置について
○事務局
 ・検討委員会の設置要綱について資料1に基づき説明。
  深地層研究所計画検討委員会は庁内の関係者で構成する内部検討委員会ですが、深地層の研究計画
  は道民の関心が高いことから、意思決定過程の透明性の確保を図るとともに、広く道民に情報を提供する
  ために、議事録を作成し、会議資料や審議内容を公表します。
    なお、自由な議論のもとに意思形成を円滑に行うために、会議については原則公開しませんが、関係者
  からの説明など差し支えないものについては、公開していく考えです。
 ・検討委員会設置の背景等について、資料の2に基づき説明。
 ・昨年2月の科技庁から道に対しての申し入れについて、資料3に基づき説明。
 ・昨年12月の再度の申し入れについて、資料4に基づき説明。
 ・国等に対する照会、回答について、資料5に基づき説明。
○委員長代理
 ・委員長が公務で退席しておりますので、私がこの後進めさせていただきます。
 ・ただいまの説明などについて、ご質問、ご意見はございませんか。
 ・次に、今後の審議・検討について事務局から説明をします。
(2)今後の審議・検討について
○事務局
 ・深地層計画への対応の手順について、資料6に基づき説明。
 ・委員会で検討する主な項目について、資料7に基づき説明。
 ・深地層研究の概略について、資料8-1、資料8-2に基づき説明。
○委員長代理
 ・ただいまの点につきましてご質問、あるいは、ご意見はありませんか。
○委員
 ・この問題は、道民の中にいろいろ議論もあり、進める側の科技庁やサイクル機構だけではなくて、慎重な立
  場の人からの意見も聴く必要があるのではないか。
○委員長代理
 ・この検討委員会は、科技庁やサイクル機構が何をしようとしているかをヒアリングを中心として行い、道として
  判断していく。
 ・この委員会とは別に道民の皆様の意見を聴く場があって、その場でとの気もするが、そういう方のお話を聴く
  ことも有効かと思うので、検討させていただきます。
○委員
 ・道民合意ということなので、当然、道民の意見は聴くと思うが、その際十分な情報を提供し、道の考え方も
  示せるような状態で意見を聴くことが望ましい。
 ・流れとしては、この案でいいと思うので、一つは、今までいろいろと反対あるいは慎重な立場の人から要請
  を道として受けていると思うので、その団体なり個人の反対の理由、論点をできれば次回の委員会まで整理
  した形で事務局から提出していただきたい。
 ・平成3年に日本弁護士連合会の方で法律の整備を含めて高レベル放射性廃棄物の問題について詳細な
  報告書がまとめられており、かなり論点も整理されてるので、できれば日弁連の関係者の方を呼んで、意見
  を聴くのも議論を深める上で役に立つのではないか。
○委員長代理
 ・関連資料などを整理して次回までに提出したい。
 ・意見を聴くことで検討します。
○委員
 ・議事録が公開にされるということで、情報公開して政策をオープンにして、道民の合意を得ていくという手法
  は非常にいいことだと思うが、この問題点の整理、考え方の整理のためにどんな手法で、意見を言ったらい
  いか。
○委員長代理
 ・道の考え方の整理というのは、検討した後、幌延にそういう深地層研究施設があっていいのか、あるいは、
  やっぱり止めた方がいいのかを整理したい。
 ・先ほどのご意見と関連しますが、科技庁やサイクル機構の話を聴くに当たっても、道民はどういうことを感じて
  いるのか、賛成派、慎重派の人がどういう意見を持っているのか。我々もそれを知ってそういう観点から科技
  庁なり、サイクル機構の話を聴いた方がいいと思うので、これまでのいろいろな意見を提供したい。
 ・そういうことを踏まえて、ヒアリングをし、質問をし、道として考えをまとめたい。
○委員
 ・我が国の例えば地層処分の考え方だとか地層処分における深地層の研究の位置づけとか、仮に説明を受
  けて、それが妥当なのかどうか。例えば最近のいろいろな議論の中では、深地層ではなくて地表で目に見
  えるところで管理すべきだと言う議論もあります。
 ・そのような中でこの検討委員会がやっぱり深地層が妥当なんだとか、深地層はまだ技術がはっきりしていな
  いから心配だとか、そこまでの方向をだすことは現実的に困難だと思うが、深地層そのものについての妥当
  性を方向づけしていくという考えなのでしようか。
○委員長代理
 ・核燃料サイクルの中で高レベル放射性廃棄物が深地層の処分でいいかどうかということまで議論するかとい
  うことですが、道としてそこまで議論する必要はないと思ってます。
 ・深地層処分がいいのか、宇宙にとばした方がいいのか、今は認められていないが海中に捨てたりと、そうい
   う中で議論するのは、まさに国の責任であって、今のところ国は、深地層処分の一環で、処分する前段の
  研究をしたいということをいっているのです。
 ・現に原子力発電が稼働していてそこから出る高レベル放射性廃棄物を何らかの形で処分・処置をしなけれ
  ばいかんだろう。そういう前提で、いかなる処分をするのかということは、国の責任である。そこを前提にして、
  深地層試験研究施設の提案があったわけですから、そこの部分だけで議論をすべきと思います。
○委員
 ・その前提として、深地層の妥当性の問題、現在のところここまで技術的に可能にはなってきている、ここから
  はまだ未開の分野だということがあり、だから研究するのでしょう。そういうはっきりしていない部分もあるから、
  だから、次の放射性廃棄物を持ち込ませないということが重要になる。その意味で、仮に、地層処分、深地
  層についての100パーセント絶対深地層で大丈夫だということでないとしても、持ち込まないという施設です
  から、直ちにその施設が危険だという話にならないので、深地層自体の妥当性の結論がなくてもそこは整 
  理がつくと思います。
○委員
 ・北海道の地質ということですが、特にここでいう深地層、例えば500メートルから1000メートルという話しにな
  りますと、やはり宇宙と違い、地球の中というのは殆どわかっていないというのが現状です。だから、いろいろ
  研究を行うというのは、非常にいいことだと。ただ、そこで処分ができるかどうかということとは、別問題だ。
 ・ここで答えなくて結構ですが、まず、言葉の定義で深地層というのは、いったい何を指しているのかわからな
  い。言葉の定義がある意味で必要なのではないか。地層というのは、地質年代を入れて話をするもので、今
  度来ていただいて御説明いただくということで結構です。
○事務局
 ・今、使われている言葉で言うと、幌延で提案されているのは500メートル位で深地層と言ってます。岐阜県
 東濃で提案されているのは、1000メートル位で超深地層という使い方をしてます。次回までに、確認します。
○委員
 ・資料4の中で、幌延町には、塩水系地下水の存在を確認していることからというところですが、これは確か
  にそうなのですが、はっきりしたことは分かりませんが、この地域は、基本的には、石油・天然ガスの鉱床が
 地下深くにある可能性があるという地域です。隣には、豊富のガス田がありますし、そういう意味からいいま
  すと、この塩水というのはおそらく塩水系地下水というよりは、油田鹹水的な意味に使っているという気がす
  るのですが。石油・天然ガスの鉱業権がかかっていない地域でやるにしても、付近にはおそらくそういう鉱
  業権がかかっているのではないかと思う。したがって、石油・天然ガスに関してもある程度言及すべきでは
  ないかと思うのですが。
○委員
 ・放射性廃棄物を持ち込まないということが、前提ですよね。そこのところをきちっと明確にしないと、深地層
 試験場をそこに作るということが、安全性がどうなんだという議論にすぐなってきます。一般に道民が見たと
  きには、全部つながってしまいます。ですから、議論するときに、そこのところを明確にしないと深地層試験
  地の安全性はどうなんだというのが出たときに、安全性の問題はないわけですよね。はっきりいって放射能
  が漏れるかということは。それは全く論外になってきますから。今回のこの試験地ですから、試験地というの
  は、そこが適当なのかどうかということをモデル的にやるのではないことをきちっと広報というか、何回も何回
  もしないと検討会で議事録を公開するにしても、誤解を受けてしまうのではないかという感じがします。
○委員長代理
 ・今のご意見について、国においては放射性廃棄物を持ち込まないといっているわけです。最終処分地に
  なるのではないと道は説明する責任はないと、私は思っています。それは、国が説明すればいい。我々と
  しては、持ち込ませないと口で言っているだけではダメなので、持ち込ませない措置を、考えないといけな
  いだろう。最終処分地にはしませんということは、国が道民に対して説明すべきだろうと思っています。
○委員
 ・一般道民が見たときに、やっぱり道なんですよね。そこのところをきちっと分けないといけないのではない
 かと。
○委員長代理
 ・我々が一定の結論を持ったときには、道としてその理由は説明しなければならない。
○委員
 ・本質的なところと違うのかもしれませんが、幌延町における深地層の研究計画の関係で、例えばその地
 域への貢献度というか、地域にプラスの経済効果も含め、技術移転とかいろいろなことが考えられますが、
 そういう面での検討はどうするのか。
○委員長代理
 ・我々として、いわばマイナス要素とプラス要素、そういうことも考えていいだろうと思います。今のところは、
 例えば地震の研究をしたいとか、終わった後には、何に活用するかというときには、地元と協議するとして
  いる。例えば、博物館的なものにする案もありえますが、それはある意味では地域のメリットになるだろうと
  思います。そういうことも、検討の要素として取り入れていいと思います。
○委員
 ・持ち込ませない措置に関連して、科技庁なり機構のペーパーだと、幌延町という単位とそれから深地層
  に関連した施設、それと北海道、大きく3つ、それ以外にも周辺いろいろとあるのでしょうが、ここでいう持
 ち込ませない範囲というのは、どこを想定して考えているのですか。
○委員長代理
 ・幌延町に立地をしたいという申し入れがあるわけですから、そこで私どもは、幌延町という行政エリアの中
 に試験場という内円がある。その外に周辺市町村の行政区域があるのですけれど、私としては、今回の検
 討の範囲は試験場はもちろんですが、幌延町及び周辺市町村を考えています。
○委員長代理
 ・次に、その他ですが、事務局から何かありますか。
○事務局
 ・次回は、各国における高レベル放射性廃棄物の処分の取組や、我が国の地層処分の考え方などにつ
 いて科学技術庁や核燃料サイクル開発機構から説明を受けたいと考えており、2月10日、10時からと考
 えていますが、如何なものでしょうか。
○委員長代理
 ・その近辺で日程を調整させていただきます。
 ・今日は、1回目ということで、実質的には、次回からいろいろご検討いただきます。

6 配布資料
 ・資料1 深地層研究所計画検討委員会設置要綱
 ・資料2 幌延問題の経過について
 ・資料3 科学技術庁からの申入書
 ・資料4 核燃料サイクル開発機構からの申入書
 ・資料5 科学技術庁及び核燃料サイクル開発機構からの回答
 ・資料6 深地層研究所計画への対応
 ・資料7 主な検討項目
 ・資料8-1 核燃料サイクルとは
 ・資料8ー2 高レベル放射性廃棄物の発生から地層処分まで

 (この内容については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったもの等を整理のうえ、作成して
 います。) 

 

 


 

                                                         資料1

                    深地層研究所計画検討委員会設置要綱

1 趣 旨
  幌延町における深地層の研究所計画について検討するため、庁内に「深地層研究所計画検討委員
 会(以下「委員会」という。)」を設置する。

2 所掌事項
  委員会は次の事項について検討する。
(1)深地層の研究所計画に関すること
(2)その他必要と認める事項

3 構 成
(1)委員会は、別紙の委員で構成する。
(2)委員長は、副知事とし、委員長代理を経済部長とする。

4 会 議
(1)委員会は、委員長が招集し、これを主宰する。
(2)委員長は、必要があると認めたときは、委員以外の者に出席を求め、説明又は意見を聴くことができる。
(3)委員長が事故その他の理由により、その職務を行うことができない時は、委員長代理がその職務を
   代行する。
(4)議事録を作成し、公表する。

5 事務局
  委員会の事務局は、経済部資源エネルギー課に置き、委員会の庶務を処理する。

6 その他
  この要綱に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が検討委員会に諮って
  定める。

附 則
 この要綱は、平成11年1月28日から施行する。

 

(別紙)

         深地層研究所計画検討委員会・委員名簿

 

 委員長    副知事               真 田 俊 一

 委員長代理 経済部長             山 口 博 司

         総合企画部政策室参事    伊 東 和 紀

          環境生活部環境政策課長   吉 田 一 益

          地下資源調査所長       和 氣  徹

         農政部農政課長         麻 田 信 二

          水産林務部企画調整課長   甲 斐 武治郎

          経済部資源エネルギー課長  近 藤 光 雄

 

 


 

                                                         資料2

                         幌延問題の経過について

1 これまでの経緯
  昭和59年 7月   幌延町議会が原子力関連施設誘致を決議
     60年 6月   動燃、道に対し立地環境調査実施の申し入れ
        11月   動燃、幌延連絡所を開設し現地踏査を実施
      63年 4月   動燃、「計画を進める上で、特に支障となる点は見出されなかった」との立地環境
             調査結果公表
  平成 2年 7月   道議会、「貯蔵工学センターの設置に反対する決議」を可決
      6年 6月   原子力委員会、「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」を決定。
              「動燃が計画している幌延町の貯蔵工学センターについては、地元と北海道の
               理解と協力を得て推進を図る」

2 最近の動向
  平成10年2月26日  科学技術庁、道に対し申し入れ
               「先の貯蔵工学センター計画を取り止めて新たな提案として北海道幌延町にお
                ける深地層試験を早急に推進したい」
        3月23日  道から科学技術庁に対し照会
               「貯蔵工学センター計画を白紙に戻したものか」
        4月 6日  科学技術庁から道に対し回答
               「貯蔵工学センター計画を事実上白紙に戻したものである」
        4月28日  原子力委員会、平成10年度原子力開発利用計画を決定。
               「堆積岩系について今般新たに提案された北海道幌延町における深地層試験
                について、関係者間の協議や今後の計画の具体化を踏まえつつ検討を進める」
        6月 2日  原子力委員会決定
               「新たに提案された北海道における深地層の研究施設の計画を地元の理解を得
                て推進する」
        6月 8日  科学技術庁、道に対し貯蔵工学センター計画に係る見解等を通知
        6月25日  道から科学技術庁に対し照会
               「原子力長期計画における「貯蔵工学センター計画」を取り止めたものかどうか原
                子力委員会としての見解を明らかにすること等」
        7月24日  科学技術庁から道に対し回答 
               ・原子力長期計画における「貯蔵工学センター計画」は、本年6月2日の原子力
                委員会決定によって白紙にしたものであるとの委員会見解
               ・貯蔵工学センター計画関連の予算については、内容を明らかにした上で執行
                しないとの方針を明示
               ・動燃幌延連絡所については、8月1日までに要員の配置を見直し職員の事務
                所常駐は行わない、また、開進地区調査詰所については、8月末までに気象
                観測に必要な最小限の施設を除いて撤去を行う予定であるとの方針を明示
        8月 5日  道議会エネルギー問題調査特別委員会において道から報告
               「幌延町における貯蔵工学センター計画は事実上白紙になったものと考える」
        9月14日  堀知事が記者会見において、貯蔵工学センター計画の白紙確認を表明 
        10月12日  核燃料サイクル開発機構から道に対し、深地層の研究について申入れ 
        10月22日  道、核燃料サイクル開発機構の申入れを返上(知事記者会見)
        11月20日  核燃料サイクル開発機構から道に対し、中間貯蔵施設の考え方などを説明
               「幌延町への放射性廃棄物の中間貯蔵施設の立地は将来ともない」 
        12月15日  道から科学技術庁、核燃料サイクル開発機構に対し、中間貯蔵施設、処分等の
               考え方について照会  
        12月18日  科学技術庁、核燃料サイクル開発機構から道に対し、中間貯蔵施設、処分等の
               考え方について回答
               核燃料サイクル開発機構から道に対し、深地層の研究について再申し入れ
               堀知事が、庁内に検討委員会を発足させるなど体制を整えて、再申し入れを
               慎重に検討していく旨表明。

 知事公約
  「放射性廃棄物の貯蔵・処理・処分に関わる研究施設の立地については、全国的見地で調査し、
   選定すべきであり、現在、科学技術庁、動燃が進めている「幌延計画」は、白紙に戻すことを国
   に求めていきます。
     なお、あらためて、国から放射性廃棄物を持ち込まない研究開発施設計画の提示があれば、
   道民の合意を得ることを前提に検討を進めます。」

 


 

 

                                                         資料3                                                      
                                                 10原局第51号
                                                平成10年2月26日

 

 北海道知事
  堀  達 也 殿

                                        科学技術庁原子力局長
                                            加 藤 康 宏

                          申入れについて

 時下 ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
  さて、動力炉・核燃料開発事業団については、度重なる事故及び不祥事に鑑み、経営、組織、事業など
を抜本的に見直し、安全確保を最優先に、社会に開かれた組織・体制のもと、地元重視を基本として業務を
行う「核燃料サイクル開発機構(仮称)」に改組することとし、このための法律案を今国会に提出したところで
す。高レベル放射性廃棄物の処理処分に係る研究開発は、改組後の事業の中核の一つであり、その一環
としての深地層試験の重要性は今回の改組によって変わるものではありません。
 一方、高レベル放射性廃棄物の処分に向けての具体的取組については、技術的側面から昨年4月に原
子力バックエンド対策専門部会報告書がとりまとめられ、また、社会・経済的側面から昨年7月に高レベル
放射性廃棄物処分懇談会報告書案がとりまとめられています。これらの議論の中で、深地層の研究施設は、
技術的、社会的にも重要な施設として位置付けられており、早期実現が必要とされております。
 これらの諸情勢に鑑み、先の貯蔵工学センター計画を取り止めて新たな提案として北海道幌延町におけ
る深地層試験を早急に推進したいと考えています。
 現在、岐阜県において結晶質岩の試験研究が行われていますが、幌延町においては、堆積岩の試験研
究が行われます。このための研究施設は、学術的研究に寄与できる開かれた研究の場として整備し、その
地質的特性から国際的にも関心が高いことを踏まえて、広く内外の研究者の参画が得られる国際的研究拠
点として位置付けてまいります。さらに、この施設を中心に地震研究等地域に根ざした研究開発も推進した
いと考えています。
 高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵については、廃棄物政策上その必要性に変わりはないことから、さら
に理解を得るための努力を進めつつ、全国的な見地という考え方を十分に踏まえて取り組んでまいります。
 以上申し入れますので何卒よろしくお取り計らい願います。

 

(参考資料)

                北海道幌延町における深地層試験について

1.目的

  我が国は、高レベル放射性廃棄物を地下の深い地層中に処分することが基本的な方針。 関係研究
 機関が密接な協力の下に、2000年前までに研究開発成果を取りまとめ、処分の技術的な信頼性を示す
  とともに、処分予定地の選定と安全基準の策定に資する技術 的拠り所を示す。これらを踏まえて、2000
 年以降は、信頼性の検証、安全評価手法 の確立に向けて研究開発を推進。
  北海道幌延町における堆積岩を対象とした深地層試験により、岩盤及び地下水に関する定量的な研究
 やデータの整備、体系的調査手法、安全評価モデル、処分施設の設計・施工技術に関する研究開発を
 推進。
  このための施設は、学術的研究に寄与できる開かれた研究の場として整備し、広く内外から研究者の参
 画を得て総合的に研究を進め、成果を分かりやすく公表し、開かれた国際的研究拠点を目指す。この施設
 に放射性廃棄物を持ち込まない。
  施設を積極的に公開し、一般の方々に深部地質環境を実際に見て体験していただくとともに、情報ネット
 ワークなどを使って、分かり易く的確に情報を公開。

2.試験の概要

 (1) 主な試験
   ○物理探査、ボーリング試験
   ○表層から地下深部までの岩石や地下水に関する包括的なデータ取得試験
   ○坑道掘削等による地質環境の特性への影響に関する試験
   ○地下施設の設計・施工技術に関する試験

 (2) 主な施設
   1 地下施設
    ・連絡坑道、試験坑道、通気孔
    ・深度:約500~1000m

   2 地上施設
    ・研究施設、国際交流施設、機器整備施設、岩芯倉庫

  

 


  

 

                                                          資料4

                                            10サイクル機構(立地)013
                                            平 成 10 年 12 月 18 日

  北海道知事
     堀  達 也 殿

                                          核燃料サイクル開発機構
                                            理事長 都甲 泰正

                  幌延町における深地層の研究について(申入れ)

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 本年2月26日、科学技術庁から北海道に対し申入れがなされ、それを受けて当機構としては、先般幌延
町における深地層の研究についての申入れを行いましたが、高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵施設の立
地の考え方について、道民の方々に対して疑念と不信を招く結果となりましたことを改めて深くお詫び申し
上げます。当機構としては、この反省を踏まえ、意思疎通を十分に図るためのタスクチームを発足「深地層
研究所(仮称)計画」し、活動をはじめているところであり、また、職員の意識改革を図るためにこれまで実
施してきた職員研修等に、引き続き取り組んで参る所存です。
 当機構としては、幌延町における深地層の研究では、研究実施区域に、研究期間中はもとより終了後に
おいても、放射性廃棄物は持ち込まないし、使用することはありません。また、当該区域を将来とも放射性
廃棄物の処分場にすることはありません。さらに、放射性廃棄物の中間貯蔵施設については、先の貯蔵工
学センター計画を取り止めたことから、幌延町への同施設の立地は将来ともありません。
 幌延町における深地層の研究は、深部地質環境の科学的研究及び処分システムの設計・施工に係る技
術に関する研究開発などを進める計画です。また、学術的研究に寄与できる開かれた研究の場として整備
し、広く内外の研究者の参画が得られる国際的研究拠点として位置付けるとともに、地震研究等地域の特徴
を踏まえた研究開発もできるように進めていきたいと考えています。
 幌延町には、深地層の研究の対象となる厚い堆積岩の広い分布と塩水系地下水の存在を確認しているこ
とから、結晶質岩と淡水系の地下水を対象とする岐阜県瑞浪市における「超深地層研究所」と対比できる特
徴を有しており、当機構として、深地層の研究の場として適切な地であると考えております。
 つきましては、別添「深地層研究所(仮称)計画」に従って、深地層の研究の実施及び施設の設置につい
て、再度申し入れたく、以上の点をご参酌の上、特段のご高配を賜りますようお願い申しあげます。 敬 具

 

 


 

 

                                                            資料5

放射性廃棄物の中間貯蔵施設や処分場の立地の考え方に対する科学技術庁からの回答

 

 

    平成10年12月15日付け北海道からの照会

 平成10年12月18日付け科学技術庁からの回答

1 核燃料サイクル開発機構は、放射性廃棄物の中間貯蔵施設については、先の貯蔵工学センター計画を取り止めたことから、幌延町への同施設の立地は将来ともありませんとしているが、国の見解を示されたい。

2 本年2月26日の国から道への申入れ及び平成10年版原子力白書にある「高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵については、その必要性に変わりはないことから、さらに理解を得るための努力を進めつつ、全国的な見地という考え方を十分に踏まえて取り組む」との記述は、北海道への申入れではないと理解しているが、国及び原子力委員会の見解を示されたい。









3 道としては、道内に放射性廃棄物を受け入れる意思はなく、放射性廃棄物の中間貯蔵施設や処分場を受け入れる意思はないが、国の見解を示されたい。



 

1 幌延町への放射性廃棄物の中間貯蔵施設の立地については、核燃料サイクル開発機構理事長から北海道知事あての回答のとおり、先の貯蔵工学センター計画を取り止めたことから、幌延町への同施設の立地は将来ともありません。

2 本年2月26日の当庁から道への申入れ書にある 「高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵については、その必要性に変わりはないことから、さらに理解を得るための努力を進めつつ、全国的な見地という考え方を十分に踏まえて取り組む」との中間貯蔵に関する記述は、北海道への申入れではなく、中間貯蔵について国民の理解を得て取り組むという当庁の考え方を示したものであります
  また、原子力委員会においては、11月17日の同委員会議事録にあるとおり、核燃料サイクル開発機構からの報告事項は妥当であるとされるとともに、委員長代理より、平成10年版原子力白書(227頁)の高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵に関する記述は、北海道に対する申入れではなく、科学技術庁の考え方を示したものであるとの発言があり ました。


3 原子力関連施設の立地については、関係自治体や住民の理解と協力を得ることが不可欠であります。北海道知事をはじめとする地元が中間貯蔵施設及び処分場を受け入れない意思を表明されているもとでは、北海道内が高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵施設及び処分場の立地場所になることはないものであります。
 

 
































 

 

放射性廃棄物の中間貯蔵施設や処分場の立地の考え方に対する核燃料サイクル開発機構からの回答

 

 

  平成10年12月15日付け北海道からの照会

  平成10年12月18日付けサイクル機構からの回答

1 道としては、幌延町における深地層の研究につ いて、研究期間中はもとより終了後においても、放射性廃棄物を受け入れる意思はなく、また、放射性廃棄物の中間貯蔵施設や処分場についても受け入れる意思はないが、貴機構の見解を示された い。





2 幌延町における深地層の研究について道民合意が得られた場合には、深地層の研究終了後の措置等について、北海道や幌延町及び周辺市町村との間で協議する意思があるかどうか見解を示されたい。

3 上記1及び2に関し、北海道や幌延町及び周辺市町村との間で協定等を締結する意思があるかどうか見解を示されたい。
 

1 核燃料サイクル開発機構は、幌延町における深地層の研究では、研究実施区域に、研究期間中はもとより終了後においても、放射性廃棄物を持ち込まないし、使用することはありません。また、当該区域を将来とも放射性廃棄物の処分場にすることはありません。
  さらに、放射性廃棄物の中間貯蔵施設については、先の貯蔵工学センター計画を取り止めたことから、幌延町への同施設の立地は将来ともありません。


2 幌延町における深地層の研究について道民合意が得られた場合には、深地層の研究終了後の措置等については、北海道や幌延町及び周辺市町村との間で協議します。


3 上記1及び2に関し、北海道と協議のうえ、協定等を締結する意思があります。

 

 






















 

 

 


 

                                                      資料6

             深地層研究所計画への対応(案)

 

    1.28    庁内に検討委員会を設置(5~6回開催)

 

   5/~6/   道の考え方を整理

   6/中旬    道議会2定に関連予算を提案
            (有識者による懇談会等)

   7/  ~    地元説明等

           最終判断

 

 


 

                                                      資料7

           主 な 検 討 項 目

 

  1 各国における高レベル放射性廃棄物の処分の取組

  2 我が国の地層処分の考え方

  3 地層処分における深地層の研究の位置づけ

  4 幌延町における深地層の研究計画

  5 放射性廃棄物を持ち込ませない措置

 

 

※ 資料8ー1核燃料サイクルとは、資料8ー2高レベル放射性廃棄物の発生から処分までは、
   図を含むために割愛しておりますが、北海道行政情報センター(道庁別館3F)に備え置いて 
   いるのでご利用ください。

 


 

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