前計画(案)に対する道民意見と道としての考え方


前計画(案)に対する道民意見と道としての考え方


エゾシカ保護管理計画(案)へのご意見に対するコメント





  皆様からいただいたご意見を、計画(案)の項目別に意見の概要として整理し、コメントを付させていただきました。 概要として整理されることについてご不満の向きもあるかもしれませんが、ご意見のほとんどが長文に及んでいるため、このような方法を取らせていただくこととしますので、ご理解ください。 【提出数】総数27件 内訳:道内者24件、道外者3件

         意  見  の  概  要             コ   メ   ン   ト
● 総 論  
  1 全国のモデルケースであり、実施後の効果に期待する。 
  2 計画は継続実践してこそのものであるので、世界に誇れる実例としてほしい。 
  3 日高地域でも、エゾシカは増加傾向にあるので、道東地域の二の舞にならないよう、計画の早期実施を望む。 
  4 人間活動、農林業のあり方についての視点の欠如、計画の根拠とした頭数が不明確、シカと植生の関係についても短絡的で不正確、シカを一方的に「悪者」とする情報を集め、猛禽類被害などについての反省もみられない状態での道東計画を継続・拡大しようとする計画案は廃案にすべき。
・4 について
  平成10年度から取り組んできた個体数調整の結果、平成5年度末の水準近くまで下がったものの、当初見込んでいた水準までは生息数は減少していないことが明らかとなっていますので、本年度の狩猟期に間に合うように本計画を樹立する必要があると考えています。 
 
 

 

● 計画策定の背景の関係  
  1 エゾシカ生息数の急増は何故なのか。 
  2 生息環境の改変の内容について詳述し、エゾシカ問題の本質が離農などの農林業問題であることを明らかにすべき。 
  3 総合対策の中におけるこの計画の位置づけを明確にすべき。 
  4 「道東計画」の評価をすべき。(同計画実施に伴う総費用、捕獲数、捕獲従事狩猟者数、鉛中毒発生状況等の資料の公開を含め) 
  5 被害額や対策費用を毎年公表し、駆除に対する道民理解を高める必要がある。

 

・1 及び2について
 生息数が急増した背景としては、人工造林地の拡大や草地造成などの土地利用の変化のほか、降雪量や積雪深・期間などの気象要因などが想定されています。今後この分野についての調査研究についても検討していきます。
・3 について
 本計画は、道庁内のエゾシカ総合対策における保護管理対策に関する事項として位置付けています。 
・4、5 について   
 エゾシカ総合対策の道の予算額、エゾシカの捕獲数、鉛中毒を含む様々な調査結果などについては、すべて公表しています。
● エゾシカの生態的特性の関係  
  1 昨年の豪雪で大量死があったことを、明記すべき。 
  2 シカの存在そのものが森林生態系を破壊するかのような表現は不適切。
 

 

・1 について 
 生態的な特性の中で整理しましたが、近年は成獣も含め、生息数の半数が死亡するような大量死は発生していません。
・2 について
 生息密度が極めて高くなった場合に生じるものとして整理しています。
  
         意  見  の  概  要             コ   メ   ン   ト
● 計画策定の目的の関係  
  1 「農林業被害の軽減」と、「個体数の維持」とどちらが主目的なのか明確にすべき。 
  2 農林業被害を防止するのが目的であれば、頭数にこだわる必要はないのではないか。 
  3 許容される農林業被害額を明らかにすべき。 
  4 被害が発生してから駆除するのではなく、予防的見地から支庁毎の捕獲計画とすべき。 
  5 「共生」の具体的な意味を示すべき。
 
 

 

・1 及び2 について
 当面は農林業被害の軽減が大きな課題ですが、エゾシカの安定的な生息水準での個体数管理を目指すものです。
・3 について
 一律に許容すべき被害額を示すことは現状では困難であると考えています。
・4 について
 生息状況を勘案した地域区分(ユニット単位)による管理方法を含め、検討すべき課題であると考えています。
・5 について
 人間活動との軋轢を可能な限り抑え、絶滅を回避しながら将来にわたって安定的な生息水準を確保するよう適正な個体数管理を行うことであると考えております。
● 個体数管理のうち個体数指数の関係  
  1 農林業被害額は、個体数指数として扱うべきではない。 
  2 林業被害額は、収穫までの年数を考慮すると、低く算定しすぎているのではないか。 
  3 個体数推定は事実上不可能であるから、目標水準を定めること自体が無意味。 
  4 エゾシカの資源としての価値の見直しが起きることも想定し、目標水準は「25」と限定せず、「25~50」など、幅を設けるべき。 
  5 思い切った駆除を実施し、許容下限水準まで下げるべき。
 

 

・1 について
 個体数指数を総合的に判断する上では、ライトセンサスなどの目視情報を重点的に見ており、農林業被害額については参考資料として取り扱っています。
・2 について
 森林国営保険立木評価要領(林野庁長官通達)に基づき算定を行っています。
・3~5 について
 適正な個体数管理を行うためには、社会的なコンセンサスを得られるよう、目標水準を設定する必要があり、当面は個体数指数50以下を目指していますが、将来的には、状況に応じた目標水準の見直しも考えていく必要があると認識しています。
 
         意  見  の  概  要             コ   メ   ン   ト
● 個体数管理のうち個体数管理手法の関係  
  1 捕殺による個体数調整で被害減少を図るのみでなく、防鹿柵などを優先すべき。(3名) 
  2 道央・道北地域における「9頭/10km」の根拠が不明である。 
  3 捕獲・駆除数の正確な把握をする必要がある。 
  4 非鉛弾の使用が定着するまで、鉛中毒防止のため、狩猟による捕獲数を増加させるべきではない。 
  5 銃猟のみでなく、大規模なワナによる捕獲を行うべき。
 
 
 
 

 

・1 について
 エゾシカ総合対策として、個体数調整と並行して侵入防止柵などによる被害防止対策も実施しています。
・2 について
 数値の根拠は、平成5年度のライトセンサス結果による道東地域の市町村平均値36頭/kmを100として、目標水準25に相当する数値を準用したものです。
・3 について
 法令等に基づき、把握に努めています。
・4 について
 鉛ライフル弾規制の周知徹底を図ることが重要と考えています。
・5 について
 現在の大規模なワナは、技術的、経費的に困難な点が多く、広域的な捕獲に対応するため、当面は銃猟によらざるをえないと考えています。
● 個体数管理のうち捕獲実施体制の関係  
  1 若手ハンターの育成が重要。(3名) 
  2 個体数調整は地元のハンターだけではなく、道外ハンターの活用をすべき。 
  3 管理型狩猟の導入は現状では無理であり、個体数調整をハンターのみに頼らず、調査研究も含め、道で専門職員を養成し、対策にあたらせるべき。(2名) 
  4 有害駆除などにもっと補助金を出すべき。 
  5 個体数調整の主体は狩猟とすべき。実効性確保のために、北米型の管理狩猟を行うべき。
・1 、2 及び3について
 広域的な捕獲の実施に多数の狩猟者を確保する必要があり、状況に応じて、今後検討していくべき課題であると考えています。
・4 、5 について
 個体数管理については、特別許可による駆除によるよりも、狩猟による管理が主体と考えており、今後も適正な狩猟のあり方について検討を進めます。
 

 

   
         意  見  の  概  要             コ   メ   ン   ト
● 個体数管理のうち可猟区等の関係  
  1 国立、国定公園内でも狩猟が出来るようにしてほしい。(2名) 
  2 網走支庁管内では成獣オスの減少が目に付くので、道東においては早期にオスジカの猟期短縮等を行うべき。 
  3 狩猟期間を延長した場合、残滓放置が増えるのではないか。 
  4 オス可猟区とメス可猟区が混在すると、違反を誘発する可能性もあるので、メス可猟区を増やしてほしい。 
  5 1人1日当たりの捕獲数制限を緩和してほしい。 
  6 狩猟期間を拡大する場合は、農作業への危険防止のため10月は避け2月にしてほしい。 
  7 可猟区域、期間の発表をもっと早く行ってほしい。
 

 

・1 について
 法律上は、特別保護地区以外の狩猟は可能となっています。
・2 について
 オスジカの過剰捕獲による個体群への影響を回避するため、モニタリングにより成獣性比を把握していきたいと考えています。
・3 について
 これまで同様、残滓回収の周知徹底を図ってまいります。
・4~6について
 各地域の状況に応じた捕獲の制限を措置しており、今後も地元の意見を伺いながら決定していきます。
・7について
 各種調査の取りまとめ、個体数指数の評価などに時間を要する状況にはありますが、できるだけ早く公表できるよう努めます。 
● 被害防除の関係  
  1 今回の口蹄疫事態は収拾されたが、今後のことも考えて、「家畜伝染病被害防除対策」を項目として設定されるよう検討されたい。 
  2 防鹿柵の整備が完了した市町村に対しては、補助金の交付、有害駆除許可などについて考慮すべき。 
  3 放棄草地、林地について自然林に戻す方策について検討すべき。 
  4 費用対効果のバランスシートを基に見直しを図るべき。(2名) 
  5 森林被害対策の忌避剤の塗布は、効果が極めて疑問。 
  6 林業被害対策に冬季給餌も入れるべき。 
  7 列車事故対策についても触れるべき。 
  8 防鹿柵の設置は、農地の被害を防ぐ対症療法であり、個体数の減少を図るべき。 
  9 被害補償を金でするという意見もあるが、被害は単なる経済面のみではない。
 
 
 

 

・1 について
 あらかじめ計画に盛り込むというよりは、個別に対処していく事項であると考えおります。
・2 について
 目標水準での個体数管理を目指しているため、有害駆除は実施しますが、駆除に伴う補助金の交付は緊急減少措置期間だけのものです。
・3 について 
 計画的に森林の整備を推進することとしています。
・4 について
 費用対効果そのものの算出は困難と考えております。
・5 について
 各種の試験結果から、被害の軽減効果は認められており、被害は年々減少しております。
・6 について
 冬季の給餌は局地的な被害の軽減にはなるものの、他の被害の増加を招きかねないため、必ずしも積極的に取り組むことではないと考えております。
・7 について
  JR北海道が検討、実施しており、情報交換に努めています。
   
         意  見  の  概  要             コ   メ   ン   ト
● 生息環境の保護整備の関係  
  1 統計には現れない減少数を考慮し、十勝三股・幌加地区を鳥獣保護区にすべき。 
  2 「エゾシカの住める豊かな森づくり」に言及すべき。 
  3 森林生態系の保護に具体策があるのか無いのかが分からない。
 
・1 について
 鳥獣保護区の設定については、関係機関・団体と協議していきます。
・2、3について
 適正な個体数管理により、森林生態系への悪影響を防止していくことが、豊かな森づくりにもにつながっていくものと考えております。
● その他目的達成のための方策の関係  
  1 捕殺のみでなく、生け捕りし、養鹿事業を行うべきではないか。(3名) 
  2 捕獲物の商業的利用は、そのための捕獲の継続を招くので反対。捕獲者自らが消費するよう徹底指導すべき。 
  3 シカ捕獲後の残滓の放置を防止するためにも、有効活用を促進すべき。 
  4 シカ肉を流通させるためには、食品衛生法等の整備が必要である。 
  5 シカの価値による地域興しをすべき。
・1 、2 について
 生け捕りや飼育に関しては、技術的・経済的な課題も多く現段階では困難と考えます。また、捕獲については個体数管理を目的としており、商業的利用のために行っている訳ではありません。
・3 から5 について
 自然資源も有効に利用するため、民間活力の導入や関係法令との調整を検討します。
● モニタリングと調査研究の関係  
  1 鉛中毒対策の効果測定をすべき。(2名) 
  2 エゾシカ駆除数のチェック体制を明記すべき。 
  3 狩猟機会がなくならないように(許容下限水準まで下がらないように)しっかり調査を行うべき。
 
 

 

・1 について
 鉛中毒死数の把握を含め、引き続き実施します。
・2 について
 駆除については、主に市町村等が申請者となって実行しており、適切に実施されていると考えております。
・3 について
 保護管理の目標が達成されるよう、モニタリングを含め、今後も各種調査研究を実施します。
● 合意形成の関係   
  1 意見募集がわかりにくく、応募期間も短すぎる。(2名) 
  2 「検討会」「協議会」「地域協議会」に保護団体関係者が入っていないのは、環境庁の方針に反する。
 

 

・1 について
 意見募集に当たっては、新聞各社にお知らせしておりますが、応募期間については、今後の検討課題とさせていただきます。
・2 について
 地域の対策協議会では、構成員として参画していただいたり、必要に応じて連絡を取るなど、意見交換を行っています。
   
         意  見  の  概  要             コ   メ   ン   ト
● 参考資料1の関係  
・「積雪が通常」「豪雪」などの定義が不明瞭ではないか。

 

・ 「豪雪」とは、幼獣のみならず成獣にも半数以上の死亡をもたらすような大雪のことを意味します。
 
● 参考資料2の関係  
  1 道東地域の推定生息数の修正について、より分かりやすく解説すべき。 
  2 推定生息数の修正を、当初推定数を算出した研究者が行うのはおかしいのではないか。 
  3 平成11年度の個体数指数(80~100)の判断根拠が不明確。(2名) 
  4 通常以外の場合の増加率を含め、個体数シミュレーションの過程がないと、結果だけでは評価できない。 
  5 道東地域のメスジカ捕獲目安頭数は、毎年見直すべき。 
  6 緊急減少措置期間の延長理由を明記すべき
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

・1 について
 「道東地域エゾシカ管理計画」策定時の個体数については、主要越冬地におけるヘリコプターセンサスによる個体数密度と、越冬適地面積から算出していました。結果的に過小評価となった原因としては、ヘリコプターセンサスの見落とし率及び越冬適地面積の過小評価が考えられます。
・2 について
 「道東計画」における推定生息数については、道の研究機関が中心となって推定しましたが、今回の推定個体数の見直しについては、「エゾシカ保護管理検討会」の委員である外部研究者の助言を得て実施しています。
・3 について
 フィードバック管理に用いる個体数指数の判断にあたっては、ライトセンサ
スやヘリコプターセンサスなどの目視調査結果を重視し、農林業被害額などについては参考として用いて、平成11年度の個体数指数は80から100と検討委員会で判断しました。
・4 について
 ニホンジカの純増加率についての研究は、洞爺湖中島の研究以外には例がありません。フィードバック管理に用いられている個体群の動態モデルについては、http://www2.ori.u-tokyo.ac.jp/~matsuda/deer.htmlで公開しており、捕獲を続けている個体群のシミュレーションについては、後日論文として公表を予定しています。
・5 について
 毎年の個体数指数の動向により、必要に応じて見直しをすることとしています。
・6 について
 当初緊急減少措置を3年間と限定したのは、メスジカの過剰捕獲の危険性を考慮したためです。今回、個体数指数の現況や個体数の上方修正にともない、緊急減少措置の継続が必要と判断したものです。

 

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