富良野芦別道立自然公園

[S.30. 4.19指定・35,756ha]

富良野芦別道立自然公園

MAP

富良野芦別道立自然公園MAP

 

概要

北海道中央部の夕張山系を中心に、周辺に点在する桂沢湖・シューパロ湖・野花南湖などの湖沼を主な区域とし、秀麗な山岳と森閑とした湖沼を特徴とする北国らしい景観を誇る自然公園です。ユウバリソウやユウバリコザクラなどの固有種をはじめとする夕張岳の高山植物群落は、特異な地質構造とともに国の天然記念物に指定されています。

地域

本公園は、北海道中央部にある夕張岳、鉢盛岳、芦別岳、布部岳の夕張山系を中心とし、桂沢湖・シューパロ湖などを含めた一帯からなり、非火山性の山岳景観、特異な地質と高山植物、優れた湖沼景観を有する山岳地帯を主体とした公園です。
1955年(昭和30年)に道立公園に指定され、1958年(昭和33年)の北海道立自然公園条例施行により道立自然公園となりました。
総面積は35,756haで、その区域は夕張市、芦別市、三笠市、富良野市、南富良野町の4市1町にわたり、クマゲラなどの貴重な野生生物が生息しているほか、日本を代表する特有の高山植物や、ヤマザクラ・ツツジ等の花が色鮮やかに美しい彩りを添えています。

地形

本公園の地形は、新しい火山を全く含んでいない古生層の険しい山岳地帯であり、中心部をつくる夕張山系として、北から順に野花南岳、北の峰、富良野西岳、松頼山、布部岳、雲峰山、半面山、芦別岳、幾春別岳、鉢盛山、吉凶岳、夕張岳、屏風岳などの山々が連なります。
なかでも南端に位置する標高1,668mの夕張岳は高山植物が豊富な花の名山で、特異な高山植物があることで古くから知られており、頂上からは大雪山、十勝岳連峰、日高山脈や札幌近郊の山々まで望む事ができます。
山麓にはトナシベツ、ユーフレなどの渓谷や、野花南湖、桂沢湖、シューパロ湖などがあり、美しい湖沼風景をつくりだしています。

自然の特徴

本公園の大半は国有林で、その植生は他の山岳地域とは異なった地質構造のため特異なものとなっています。温帯北部の天然林があり、標高800~900mまでは針広混交林で、エゾマツ、トドマツ、ミズナラなど、比較的広葉樹が多いのですが、それ以上はダケカンバが多くなり、標高1,000m以上ではタカネナナカマドなどを交え、やがてハイマツが現れてきます。

自然

夕張岳

夕張岳は、中生代白亜紀末から新生代第三紀(約1億年から約1千万年前)にかけての大規模な造山運動によって、海底が盛り上がり夕張山地が生まれ、地殻の下のマントルが地殻に筋状の裂け目を作ってはみ出した結果出来たと言われています。
 この時マントルに水が加わり上昇し出来たのが『蛇紋岩』という超塩基性(アルカリ性)の岩石で、一帯は日本最大の分布地帯になっています。蛇紋岩は柔らかな岩石であるため、雨風による浸食作用で平原ができ、その平原に硬い変成岩のガマ岩や釣鐘岩、男岩、夕張岳本峰が突き出して残ったノッカー(突起物)地形となっています。1,501mの前岳は、枕状溶岩で急な地形を作り、その奥には夕張岳本峰がどっしりとそびえています。本峰は屋根型の特徴ある山容で標高1,668mの頂上からは大雪山、十勝岳連峰、日高山脈や札幌近郊の山々まで望む事ができます。
ユウバリコザクラ、ユウバリソウなど夕張岳固有の高山植物や、シソバキスミレなど特異なものを見ることできます。開花期には様々な蝶も群棲し、森林に富んでいるため、エゾリス、シマリスなどが棲んでいるほか、ナキウサギやクマゲラも見ることができます。
 また、夕張岳一帯は超塩基性の『蛇紋岩』の分布地帯となっています。この特殊な地質が夕張岳の固有植物を数多く育み、その他の高山植物が分布することで、他にはない程の多種多様な花々を見ることができる"花の名山"として知られ、貴重な高山植物の宝庫となっています。
 1996年(平成8年)には、「夕張岳の高山植物群落及び蛇紋岩メランジュ帯」として、国の天然記念物に指定されています。

夕張岳

崕 山

芦別岳の北西に位置する標高1,066mの崕 山(きりぎしやま)は、蝦夷層群と呼ばれる砂岩や頁岩の地層(中生代白亜紀)の中に挟まれた石灰岩が露出した山です。
ほぼ南北に2km、標高差400mにわたり石灰岩が風雨に浸食されてできたノコギリ型の岩峰が露出しており、日本でも少ないその独特の景観を呈しています。
また、この石灰岩は巻貝、珊瑚などの生物の遺骸が集まり出来た石で、よく観察するとそれらの化石を見ることができます。石の主成分は炭酸カルシウムで、それ以外の成分が殆ど無いことから、石が風化してできた土壌もカルシウムに富む特殊な土壌となり、崕山の貴重な高山植物を育んでいます。
石灰岩質土壌を好んで生育する石灰岩植物や、オオヒラウスユキソウ、キバナノアツモリソウなどの希少種等、349種の貴重な高山植物が生育しています。
しかし近年は、盗掘や登山者の踏み付けなどこれら高山植物等への被害が深刻化し、絶滅の危機にある希少種を守るため、1999年(平成11年)から継続して入山制限の措置がとられています。
また、年に数回学習登山が行われるなど、高山植物の絶滅を防ぎ、自然環境を守るための徹底した取り組みが行われています。

見どころ

十梨別渓谷 (南富良野町)

金山市街地から空知川支流の十梨別川へ8km程で壮観な渓谷が開け、秋の見事に彩られた紅葉は訪れる人々に深い感銘を与えています。

朝日ヶ丘公園 (富良野市)

眼下に空知川の清流と富良野市街を望み、十勝岳連峰、北の峰、芦別岳の美しい山容が眺められます。公園内には、「新四国八十八ケ所」があり、八十八体の石仏が安置されています。
また、桜の名所としても知られており、その数は3千本を越え1950年(昭和25年)には日本百景の一つに選ばれています。

ハイランドふらの (富良野市)

富良野市で最大面積を誇るラベンダー畑を有する森の中にあり、一面に広がる紫色の絨毯とラベンダーの香りは、訪れる人々を魅了しています。

富良野スキー場 (富良野市)

ワールドカップを幾度も開催し、感動のドラマを生んだ富良野スキー場。北の峰ゴンドラ、富良野ゴンドラ、二つのゲレンデで良質の雪とダイナミックなコースをお楽しみください。

麓郷の森 (富良野市)

テレビドラマ「北の国から」のロケ地となったところで、主人公一家が住んだ黒板五郎の丸太小屋を中心に、森の写真館、森の喫茶室などが点在する自然あふれる森です。

シューパロ湖 (夕張市)

夕張岳の姿を映して広がる、湖水面積4.75km2の人造湖。湖面を横切る長さ381mの三弦橋がシンボルで、釣りマニアには、ワカサギ、ニジマスの釣り場としても知られています。

旭ヶ丘公園 (芦別市)

桜の名所として親しまれ、市内を一望でき四季を通じてバードウオッチングが楽しめ、空知管内唯一のサル山(ニホンザル)施設があります。他に動物(ウサギ、モルモット)とのふれあいも出来ます。

上金剛山展望台 (芦別市)

道道野花南芦別線上金剛山入口から約1.2km。標高は314mあり、芦別市街はもちろん晴れた日には芦別岳までも展望できます。

滝里湖オートキャンプ場 (芦別市)

滝里湖畔にあり、美しい景観や絶好のロケーションが魅力。

かなやま湖キャンプ場 (南富良野町)

管理棟や清潔なトイレなど設備も行き届いた湖畔のアウトドア・スポット。

お問合せ

北海道上川総合振興局 保健環境部 環境生活課
TEL 0166-46-5922

北海道空知総合振興局 保健環境部 環境生活課
TEL 0126-20-0043

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