檜山道立自然公園

[S.35. 4.20指定・17,013ha]

檜山道立自然公園

MAP

檜山道立自然公園MAP

概要

渡島半島西海岸沿いに点在する地域と奥尻島全域からなる公園で、日本海の強風と波浪などによって形成された海蝕崖と海岸段丘が連続し、勇壮な岩石海岸地形となっています。また、夷王山や鴎島地区に代表されるように、北海道の文化の黎明期に造られた社寺・城跡・墳墓などが点在し、自然と文化が共存する北海道ではまれな景観を有しています。

地域

檜山道立自然公園は、渡島半島西海岸と奥尻島に位置しており、上ノ国町、江差町、乙部町、八雲町、せたな町及び奥尻町の6町にまたがる面積17,013ヘクタールの自然公園で、1960年(昭和35年)に道立自然公園に指定されました。
公園の指定区域は、江差町からせたな町にかけての日本海沿いに点在しているほか、八雲町熊石地区の見市川流域、上ノ国町の夷王山一帯、及び奥尻島の全域となっています。
日本海沿岸部と奥尻島では、日本海の強風と波浪によって形成された海蝕崖と海岸段丘が連なり、随所に「奇岩」や勇壮な岩石海岸地形が見られるほか、内陸部の見市川上流部は渡島半島でも有数の渓谷景観を有しています。
また、北海道で最も古く開けた土地であることから、夷王山(上ノ国町)やかもめ島(江差町)に代表される中世から近世にかけての社寺、城跡、墳墓などの歴史的・文化的遺産が数多く残されていることも、この公園の特徴となっています。

気候

この地域の気候は、日本海を北上する対馬海流の影響を受けて比較的温暖で、年間平均気温は10.9℃(平成16年)と道内でも温暖な地域です。海岸部は冬期間、北西の季節風(たば風)が強く、12月~2月にかけての平均風速は7m/sを超える道内でも有数の強風地帯です。積雪量は沿岸部では少なく、山間部では比較的多くなっています。気候上の特徴は植物相にもあらわれており、公園内の森林は道南地方に特有なブナを主体とし、これにエゾイタヤ、ミズナラ、カシワ等が混じった落葉広葉樹林が広く分布しています。

見どころ

かもめ島(江差町)

海岸段丘からなる海抜20m、周囲2.6kmの平坦な島で、防波堤で江差町の市街地と結ばれています。強い西風のため島の大部分は草原で、東側だけイタヤカエデやミズナラが生育しています。かつては天然の港としてニシン漁や北前船交易の舞台となり、「江差追分」にも唄われるこの島は、江差のシンボルとして人々に親しまれています。島内にはキャンプ場、遊歩道、海水浴場などの施設が整備されています。

かもめ島(江差町)

砂坂(江差町)

厚沢部川河口北側の海岸線に沿って、長さ1.5km、幅0.5km前後の帯状にクロマツの林が広がっています。この「砂坂海岸林」は、明治初期の乱伐により裸地化した海岸砂丘の飛砂から後背の集落や農地を守るため、昭和初期に飛砂防備保安林に指定してクロマツなどを植栽し造成したものです。60年余を経た現在は樹高15m前後の一斉林となっており、カシワ、ミズナラなどの自然侵入木も多く見られます。
(※入林についての問い合わせ先:檜山森林管理署01396-4-3201)

夷王山(上ノ国町)

道南の清流「天の川」の河口近く、初夏には薄紅色のヤマツツジが彩りを添える夷王山は歴史の詰まった自然博物館です。標高159メートルの山頂からは弧を描く日本海の海岸線と沖合に浮かぶ奥尻島や渡島大橋を一望できるほか、付近にはキャンプ場、駐車場、展望台、森林浴やバードウォッチングを楽しめる散策路などが整っており、自然観察にも最適です。また、周辺には中世から近世にかけての史跡や文化財が数多く残されていますので、時間をかけてじっくりと散策してみるのもよいでしょう。

夷王山(上ノ国町)

館の岬(乙部町)

海成段丘の白亜の地層が長い年月の間に風雨や波浪による浸食を受け、複雑な凹凸の断崖を形成しています。紺碧の海面にそそり立つ岩壁は太陽の陰影によって微妙に表情を変えます。

館の岬(乙部町)

鮪の岬(乙部町)

安山岩の柱状節理で正六角形の岩肌が重なり奇妙な地層を作り出している岬です。岩肌がマグロの鱗のように見えることや岬の形がマグロの背に似ていることから、この名前がついたといわれており、道の天然記念物に指定されています。春先には岬の先端まで約300本のソメイヨシノが咲き競う桜の名所でもあります。

鮪の岬(乙部町)

雲石峡(八雲町)

檜山道立自然公園で唯一の山岳・渓谷部で、熊石地区と八雲地区とを結ぶ国道277号から見市川上流の渓谷景観や、渡島半島の脊梁をなす急峻な山並みを間近に見ることができます。秋にはブナやダケカンバの織りなす紅葉の名所となっています。

鮎川海岸(八雲町)

円く磨かれた玉石をぎっしりと敷き詰めたような海岸がまっすぐに続いています。奥尻島を背景に日本海へ沈んでゆく夕日が見事です。

鮎川海岸(八雲町)

長磯海岸(せたな町)

硬い溶岩ともろい火山灰などからなる火山岩が波や風雨で浸食され、自然の造形美とも言える変化に富んだ海岸線と不思議な形の岩塊を形づくりました。海岸沿いに点々と立ち並ぶ奇岩は、その名を聞くといずれもなるほどと思わせるものばかりです。

長磯海岸(せたな町)

太田海岸(せたな町)

花崗岩の切り立った山肌と紺碧の日本海とのコントラストが美しい海岸線で、北海道としては珍しい花崗岩類の方状節理を見ることができます。
太田神社:断崖絶壁にそびえる太田山(485m)に道内最古の山岳霊場、太田神社があります。創立は嘉吉年間(1441~1443)といわれ、以来、航海の安全と霊神の加護として信仰されてきました。

奥尻島(奥尻町)

奥尻島は東西11km、南北27km、周囲84kmのなだらかな島で、全島が公園区域に指定されています。海中での浸食作用によってできた平坦面が地殻変動によって海面上に現れた「海岸段丘」が発達しており、全体で11段の段丘が形成されています。島内の森林はほとんどがブナを主体とする天然林からなり、北部にはゴヨウマツが自生しています。歴史は古く7,000年前の縄文時代にさかのぼり、江戸期以降はニシン漁で栄えました。奥尻の名はアイヌ語の「イクシュン・シリ」(=「向こうの島」の意)に由来しています。

なべつる岩(奥尻町)

奥尻島に近づくとフェリーから見えてくるアーチ状の奇岩。砂岩を貫いた安山岩の岩脈が海波の侵食に耐えて残った後、その中央に円い穴が開き「鍋のつる」のような形になったものです。

なべつる岩(奥尻町)

賽の河原(奥尻町)

奥尻島最北端の稲穂岬にあり、大成町の太田山とともに道南五大霊場のひとつ。水難者や幼少死亡者の慰霊の地として、大小の石を積み重ねた無数の石塔が立てられています。

賽の河原(奥尻町)

球島山展望台(奥尻町)

標高369mの奥尻島で三番目に高い山。島の中央部から北部一帯と対岸の渡島半島を一望できます。

弁天岬(奥尻町)

奥尻島の北東部に突き出した岬で、かつてニシンの大漁を祈願した「宮津弁天」が岬の高台に祀られています。

無縁島と西海岸の奇岩群(奥尻町)

奥尻島の南西部には無縁島をはじめホヤ岩、カブト岩、モッ立岩などの奇岩が立ち並んでいます。西海岸から眺める夕陽は絶景です。

お問合せ

北海道檜山振興局 保健環境部 環境生活課
TEL 0139-52-6494

北海道渡島総合振興局  保健環境部 環境生活課
TEL 0138-47-9439

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