(仮称)名寄天然ガス発電所設置事業に係る環境影響評価方法書に係る知事意見

方法書に係る知事意見(平成18年5月19日)

 

1 総括的事項

 

(1)改正主務省令への対応等

発電所の設置又は変更の工事の事業に係る環境影響評価の項目並びに当該項目に係る調査、予測及び評価を合理的に行うための手法を選定するための指針、環境の保全のための措置に関する指針等を定める省令(以下、「主務省令」という。)については、平成18年3月30日に改正され、平成18年9月30日から全面施行されますが、これ以後に環境影響評価準備書(以下「準備書」という。)を公告する場合は改正後の主務省令に従って環境影響評価を行う必要があることから、次の事項について留意すること。

ア 事業の必要性

大規模な工作物等の新設が伴う本事業については、長期的に安定して運用可能な規模である必要があることから、電力の販売見通しを踏まえて、その必要性や規模の妥当性について検討し、その内容を事業の背景、経緯と併せて準備書に記載すること。

イ 環境影響評価項目の選定

動物、植物及び生態系に係る環境要素に対する工事の実施に伴う造成等の施工による一時的な影響係る影響要因について、評価項目に選定すること。また、環境影響評価を行う過程において、評価の項目及び手法の選定に関する新たな事情が生じたときは、項目及び手法を検討し、必要に応じて追加するなど適切に対応すること。

ウ 環境保全措置の複数案による検討

環境保全措置の検討にあたっては、可能な限り複数案の比較検討を行い、検討経過を準備書に記載すること。

 

(2)事業計画に係る事項

ア パイプライン敷設工事

環境影響評価法では、特定の目的のために行われる一連の土地の形状の変更等を一の事業と捉えることとしている。このため、天然ガスパイプライン敷設工事のうち、本事業の実施と同一の目的のために行われる一連の土地の形状の変更に該当する箇所(名寄市街地から発電所までの区間)について、パイプラインの構造、工事方法等を明らかにした上で、環境影響の程度を踏まえ、水の濁りや汚れ、地下水等について、必要に応じて環境影響評価の対象とすること。

イ 輸送計画

工事中及び運転開始後における主要な輸送経路については名寄市街を通過する計画であるが、道路沿道における大気質、騒音、振動などによる環境への影響をできる限り回避・低減するよう検討すること。

 

2 個別的事項

 

(1)大気質

ア 窒素酸化物排出濃度

窒素酸化物排出濃度については、最近のLNG火力発電所の排出濃度レベルの実態を調査し、低NOx燃焼器や脱硝装置などのより良い技術を採用することにより、窒素酸化物排出濃度をできる限り低減するよう検討すること。

イ 特殊条件下の予測

ガスタービン起動時や停止時は、ガス温度、窒素酸化物排出濃度が急激に変動し、排ガスの着地濃度が高くなるおそれがあることから、発電設備の起動・停止の頻度や窒素酸化物排出量等を踏まえて、必要に応じて、ガスタービン起動時や停止時を対象にした予測及び評価を行うこと。

 

(2)水質

ア 水の汚れ

水質汚濁物質ごとの発生負荷量を明らかにした上で排水処理設備の諸元を決定することにより、排出される水の汚濁量をできる限り低減するよう検討すること。また、工事中及び定期点検時におけるボイラーや復水器の配管洗浄や、供用時における冷却水の添加剤として使用することが考えられる防食・防スケール剤、防スライム剤等の薬剤を使用する場合には、それらの成分、使用量、使用方法を明らかにし、必要な排水の処理方法を検討した上で予測及び評価を行うこと。

イ 水の濁り

工事中の濁水処理及び供用後の雨水処理方法について具体的に記載し、曙川への水の濁りの影響について予測及び評価を行うこと。

 

(3)地下水

ア 地盤沈下

地下水の取水により地盤沈下を引き起こすおそれがあることから、地下水の取水が地盤に及ぼす影響について、予測及び評価を行うこと。

イ 動植物への影響

対象事業実施区域周辺に湧水がある場合は、地下水の取水により湧水が枯渇し生息する魚類等に影響を及ぼすおそれがあることから、周辺における湧水の現況を調査し、必要に応じて地下水の取水が動物及び植物に及ぼす影響について検討すること。

 

(4)動物・植物・生態系

 オオタカ等の重要な猛禽類について営巣や繁殖が確認された場合は、「猛禽類保護の進め方(1996年8月、環境庁)」に沿って2営巣期を含む調査期間とする等、専門家の指導・助言を得ながら追加的な調査や保護策について検討すること。また、個々の飛翔軌跡、幼鳥の行動、確認日時等や、特に繁殖を示唆するような行動の確認状況を含め、行動圏の解析結果を整理すること。

 現地調査の結果、新たに重要な種等が確認された場合は、専門家等の指導・助言を踏まえ、当該種の生息・生育状況を的確に把握できるよう、必要に応じて追加的な調査を行うなど適切な対応を行うこと。

 

(5)景観

調査地点は、半径5kmの範囲で同地域を俯瞰できる3地点等としているが、現在建設中の北海道広域緑地計画に基づく広域公園「サンピラーパーク」は、不特定多数の利用が見込まれ、また、同地域を俯瞰できる場所に位置していることから調査地点として検討すること。

 

(6)廃棄物等

建設工事や施設の稼働に伴い発生する廃棄物等について、種類ごとに区分し、それらの発生量、事業実施区域内での再利用量、リサイクル処理量、最終処分量、処理方法を準備書に記載すること。

 

(7)温室効果ガス

施設の稼働に伴い大量の二酸化炭素等の排出が予想されることから、地球温暖化防止に対する基本的な考え方を明らかにした上で、排出抑制対策を踏まえた予測及び評価を行うこと。

 

 

 

 
 
 

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