サハリンとの経緯

 

 

サハリンとの経緯


 

北海道とサハリン州との交流

 交流のはじまり
 北海道と隣接するサハリン州とは、歴史的にもかかわりが深く、古くから交流が盛んであり、両地域の市町村による姉妹友好提携は12組に及んでいます。また、民間友好団体による友好交流も盛んであり、「平和の船」(1985年~)や「友好親善『サハリンの旅』」(1981年~)などに代表される交流事業は、両地域の住民の相互理解と信頼関係を深める上で役立ってきました。

 道としては、1966年からサハリン墓参を実施しているほか、1972年からサハリン州を含む極東3地域との親善スポーツ交流、1990年から北海道開拓記念館とサハリン州郷土博物館との学術交流、1990年に設立されたサハリン北海道人会の支援と道人会子弟の研修受入、1992年に策定された北海道とロシア連邦極東地域との経済協力プログラムに基づく経済交流、「コースチャ基金」による医療交流、日本語指導教員の派遣などを行ってきました。

 1994年4月、函館とユジノサハリンスク間の定期航空路の開設に続き、翌年には本道とサハリンを結ぶ定期航路が開設されるなど、交通アクセスの進展とともに両地域が益々身近なものとなり、さらに1994年7月、(社)北海道貿易物産振興会ユジノサハリンスク事務所が設置され、両地域の交流の一層の推進と経済交流の拠点づくりに向けた環境整備が進みました。
 また、サハリン大陸棚石油・天然ガス開発プロジェクトの本格化に伴い、北海道経済への波及効果が期待される中、1998年6月、「サハリンプロジェクト北海道協議会」が設立され、プロジェクトの関連分野への道内企業の参入促進と道内の後方支援機能の活用を図るための取組が進められました。

 1998年11月、日本の総理大臣による25年ぶりのロシア公式訪問が実現され、2000年までに領土問題を解決した上で平和条約を締結し、日ロ関係の完全な正常化に向けて全力を尽くすとしたクラスノヤルスクと川奈での合意を再確認する「モスクワ宣言」が署名されるなど、日ロ両国の政治対話が急速に進展する中、北海道とサハリン州の地域レベルにおいても、知事定期会談の実施などを通じて知事同士の信頼関係が深まり、北海道とサハリン州の交流の一層の推進が日ロ関係に必ずや好ましい影響を与えるとの確信の下、これまでの交流により培われた両地域の友好関係をさらに前進させる「友好・経済協力に関する提携」の機運が高まりました。

 

提携への道のり
1)提携の申し入れ
 1995年9月、「北方圏フォーラム」第2回総会に出席のため来道していたサハリン州知事が北海道知事を表敬訪問した際、両地域の市町村による姉妹友好提携が進んでおり、北海道とサハリン州が姉妹提携する時期を迎えており、強く望んでいるとの申入れがありました。

 この発言に対し北海道知事は、両地域の姉妹友好提携市町村による姉妹都市会議を開催することもひとつの考え方であり、このような交流の積み重ねの中で道と州の提携の話も積極的に取り組んでいきたいと答え、両地域の提携に強い意欲を示しました。

 北海道知事の提案を受け、1996年より北海道日本ロシア協会とサハリン日本協会の共催による「北海道・サハリン州姉妹友好都市代表者会議」が札幌市において開催され、以後毎年両地域で相互に開催されています

(2)知事会談の開催

 1997年9月、北海道とロシア連邦極東地域との経済協力に関する常設合同委員会第5回定例会議に出席するため、北海道知事がサハリン州を訪問した際、サハリン州知事と会談を行い、両地域の多年にわたる交流の積み重ねにより培われてきた友好と信頼関係を基礎とし、各界各層に協力を呼びかけ、「友好・経済協力に関する提携」に向けた取組みに着手することなどを盛り込んだ共同声明に調印しました。また、両知事は、今後知事会談を定期的に開催していくことについて合意しました。
 この共同声明を受けて、1998年1月、北海道側において市町村や民間の実務者による提携検討会が発足し、幅広い意見を取り入れながら、提携に向けた準備作業を進めてきました。

 1998年5月、サハリン州において知事定期会談が行われ、提携に関して、次回の知事会談において提携調印の具体的な時期などを含む覚書を交わすことについて合意されました。さらに同年8月、北海道において開催された知事会談において、年内に提携調印が実現するよう、全力を尽くすことなどを合意した覚書が調印されました。

 2005年8月、ユジノサハリンスク市において高橋北海道知事とマラホフサハリン州知事との会談が行われ、両地域間の協力の現状及び将来に関する意見交換を行い、1998年11月に合意された提携に基づくこれまでの成果を高く評価するとともに、今後も提携の精神を尊重し、一層の推進に向けて努力することを確認しました。
 

3)北海道議会をはじめとする道民世論の状況
 1997年12月、北海道議会に「北海道・サハリン州交流促進北海道議会議員連盟」が設立され、さらに1998年6月、北海道議会において、北海道とサハリン州との友好・経済協力促進が全会一致で決議されました。
 また、提携検討会における経済界、学識経験者、市町村などからの出席者の意見も早期提携を求めるものでありました。
 このため、2000年5月に、北海道議会は議長を団長としたサハリン州訪問団を派遣し、サハリン州議会との間で「北海道議会(日本)とサハリン州議会(ロシア)の協力に関する協定」を調印し、今後、両議会の交流を推進することとしています。

 
(4)友好・経済協力に関する提携の調印
 1998年11月22日、サハリン州ユジノサハリンスク市において提携調印式が行われ、この調印式には、道、道議会、姉妹友好都市、民間から北海道訪問団28名が参加しました。この時調印された議定書には、両地域のこれまでの交流の実績を評価し、両地域の発展のため一層の友好関係の促進と互恵的な経済協力の拡大に努めていくことを謳うとともに、日ロ関係の進展に両地域が積極的な役割を果たすという確信の下、二国間関係の完全な正常化を希求しながら、両地域に永続的な善隣関係を築く友好・経済協力に関する提携を行うことを宣言した前文と、今後両地域が目指す交流と協力の方向について具体的に記されています。

 この議定書に基づき、関係機関・団体から成る協議会を北海道とサハリン州のそれぞれの地域に設立しました。(サハリン州側協議会;98年12月17日設立、会長;サハリン州副知事 北海道側協議会;99年2月25日設立、座長;北海道水産会会長)
 そして、99年 8月、ユジノサハリンスク市において第1回合同会議を開催し、議定書で合意された事項の推進を図るため、今後実施を検討していく具体的な事業について合意しました。

 

 

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