視覚障がい者向け広報「ほっかいどう」令和元年8月号

視覚障がい者向け広報「ほっかいどう」8月号

北海道のキャッチフレーズ「その先の、道へ。北海道」

【もくじ】

1 道民の皆さまへ、鈴木直道知事からのメッセージ

2 特集:未来へつなごう!アイヌ文化

3 みんなの赤れんが

4 お知らせ道議会

1 道民の皆さまへ、鈴木直道知事からのメッセージ

 北海道知事として道政を担わせていただくことになりました鈴木直道です。将来にわたって活力に満ちた北海道を実現するため、全力で取り組んでまいります。

(1)道政運営に当たる3つの基本姿勢

 本道の持続的な発展には、前例にとらわれない新たな発想と行動が必要です。道民の皆さまと力を合わせて、アジアを中心に人気が高まる食や観光など、世界においても特別な輝きを放つ本道の価値を最大限発揮すれば、新たな時代に躍動する北海道を実現していくことができると確信しています。

 道政運営に当たっては、3つの方針を基本として、地域と一体となって進めていきます。

 1つ目は「ピンチをチャンスに変える道政」です。人口減少対策・地域創生といった課題は、道内のみならず、多くの地域が直面している問題であり、北海道が、先んじてこうした状況を克服し、これからの時代のあるべき姿を示すことは、本道の可能性を一層広げていくものと考えます。北海道を応援してくださる多くの方々と連携して、逆境を乗り越える大きなうねりを創り出し、「ピンチをチャンスに変える道政」を進めます。

 2つ目は「新たな発想で攻める道政」です。情報技術の革新や国際化の進展など、社会情勢の大きな変化に適応し、持続可能な北海道を築いていくためには、常に時代の先を意識した政策を立案し、勇気を持って大胆に展開していかなければなりません。これまでにない柔軟な発想を積極的に取り込み、政策を実現する力を高め、「新たな発想で攻める道政」に取り組みます。

 3つ目は「地域とともに考え、行動する道政」です。豊かな自然環境や世界に誇る食といった本道の多様な魅力は、地域の皆さまによって生み出されたものです。広大な本道では、地域の状況や課題もさまざまであり、一つ一つの市町村の実情を踏まえ、市町村の皆さまと一体となって、地域の潜在力を発揮させ、「地域とともに考え、行動する道政」を展開します。

(2)政策展開における3つの「挑戦」

 活力に満ちた北海道を築いていくに当たって、本道の可能性を発揮させるため、3つの分野における「挑戦」を基本とし、政策を展開していきます。

 1つ目は「豊かな地域づくりへの挑戦」です。本道の自然環境や食、文化などの優位性に魅力を感じ、愛着を持ってくださる方々による「ほっかいどう応援団会議」を新たに結成し、道や市町村が取り組む地域創生プロジェクトなどの情報を一元的に発信して、多くの方々から支援をいただき、その推進を図ります。また、移住・定住の推進や、さまざまな形で本道と関わってくださる「関係人口」の拡大に向け、取り組みを進めます。さらに、医療・福祉の充実、児童虐待の防止に向けて関係機関と連携した地域の見守り機能の充実、持続的な鉄道網の確立、胆振東部地震災害からの復旧・復興や社会資本の整備など、安全・安心で強靱な北海道づくりに取り組みます。北方領土問題については、関係団体の方々と一体となって、一日も早い返還の実現に向け、強く国に働きかけていきます。

 2つ目は「確かな未来づくりへの挑戦」です。多様な分野と地域でリーダーとなる人材を生む場づくりの検討を進めるとともに、世界での活躍や新たな価値の創出を目指す若者の成長と飛躍を、民間企業などとの協働により支援します。また、農林水産業の新規就業者の拡大・定着を支援するとともに、林業を担う人材の育成に向けた「北の森づくり専門学院」の開校準備や、外国人の方々が地域で安心して働き、暮らすことができる環境の整備などを進めます。アイヌの人たちを「先住民族」と位置付ける法律の制定を踏まえた総合的なアイヌ政策の推進や、2020年4月のウポポイ(民族共生象徴空間)開設に向けた積極的なPRなどに取り組みます。

 3つ目は「活力ある産業づくりへの挑戦」です。中国やASEAN、ロシアなどとの交流を促進しながら販路拡大や投資の呼び込みに努めるとともに、道産食品のブランド化を促進します。観光については、本年開催されるラグビーワールドカップやG20観光大臣会合における情報発信など積極的な誘客の取り組みを展開します。また、農林水産業の持続的な発展に向けた体質強化や付加価値の向上、ロケット打ち上げなど宇宙産業の育成支援や自動走行実証実験の誘致、中小企業・小規模事業者の生産性向上や経営体質の強化、新エネルギーの導入拡大などに取り組みます。

(3)道政推進の基盤づくり

 道と市町村が地域の課題について率直に意見を交わし、地域創生に向けたプロジェクトを一体となって推進するなど市町村とのスクラム強化を図るとともに、行財政改革や政策実現力の強化などに取り組み、政策推進のための骨太で筋肉質な道の体制づくりを進めていきます。道内各地を訪れて、道民の皆さまにお会いし、さまざまな課題、そして地域の未来について意見交換をさせていただきたいと考えています。よろしくお願いいたします。

鈴木直道知事プロフィール

1981年生まれ。埼玉県出身(本籍は北海道夕張市)。東京都庁入庁。夕張市に派遣。内閣府地域主権戦略室に出向し、夕張市行政参与。東京都庁を退職し、2011~2019年夕張市長。

2 特集:未来へつなごう!アイヌ文化

 アイヌの歴史や文化への理解を深め、多様な文化が息づく北海道を実現していきましょう。

(1)アイヌが歩む。アイヌと歩む。

 古くからアイヌ民族のコタン(集落)があったことで知られる白老町ポロト湖畔に、2020年4月24日、アイヌ文化の復興などに関するナショナルセンター「ウポポイ(民族共生象徴空間)」が誕生します。ウポポイは、アイヌの歴史や文化について多くの皆さんに幅広く理解を深めてもらい、アイヌ文化の復興と発展につなげるための拠点です。アイヌの人々は、独自の言語や文化を持つわが国の先住民族です。

 政府は、衆参両院による「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議(平成20年)」および「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会報告(平成21年)」を踏まえ、内閣官房長官が座長を務めるアイヌ政策推進会議のもと、アイヌの人々の意見を聴きながら、アイヌ政策を推進しています。

 こうした背景を踏まえて誕生する「ウポポイ」は、わが国が将来に向けて、先住民族の尊厳を尊重し、差別のない多様で豊かな文化を持つ活力ある社会を築いていくための象徴として整備されるものです。

 白老町にあるウポポイには、アイヌの歴史や文化をさまざまな視点からわかりやすく紹介する「国立アイヌ民族博物館」と、アイヌ文化を五感で体感できる「国立民族共生公園」のほか、ポロト湖東側の高台に「慰霊施設」が整備されます。道ではウポポイへ多くの方々にお越しいただくため、道内外でPRイベントを実施しています。また、ウポポイの開設により大きな経済効果が期待されており、さらなる道内経済の活性化を図るため、行政や経済団体、企業などで構成する「民族共生象徴空間交流促進官民応援ネットワーク」では、機運の醸成に向けたさまざまな取り組みが行われています。この施設をより身近に親しんでもらうため、アイヌ語で「(おおぜいで)歌うこと」を意味する愛称「ウポポイ」が昨年、全国投票で選ばれ、あわせてロゴマークも公表されました。

(2)ウポポイの主な施設

(ア)国立アイヌ民族博物館

 先住民族アイヌを主題とした日本初の国立博物館です。国内外にアイヌの歴史・文化等に関する正しい認識と理解を広め、新たなアイヌ文化の創造と発展に寄与するための施設です。伝統的なアイヌ文化だけでなく、現代に息づく多様なアイヌ文化とそれに関わる人々をさまざまな視点から紹介します。言葉や暮らし、歴史など6つのテーマ展示と、それらの代表的な資料を一堂に集めた「プラザ展示」、体験キットなどを使ってアイヌ文化を体感的に学ぶことができる「子ども展示」などから構成されます。

(イ)国立民族共生公園

 アイヌ古式舞踊の公演や多様な体験プログラムを通じて、アイヌ文化を体感することができるフィールドミュージアムです。この施設では、食材の加工や調理体験などを通じて、アイヌの食文化の奥深さを味わうことができるほか、アイヌが伝承してきた木彫りや刺しゅうによる文様の製作体験、アイヌの子どもたちが楽しんだ遊びを体験することができます。また、公園内の原始性に富んだ豊かな植生を通じてアイヌの自然観に触れるなど、先住民族アイヌの文化を五感で感じることができます。

(3)五感をフルに使ってアイヌ文化を体感してみませんか。

公益財団法人アイヌ民族文化財団 民族共生象徴空間運営本部 博物館運営準備室 学芸主査 八幡 巴絵さん

 皆さん、イランカラプテ! 私は、ウポポイの中の国立アイヌ民族博物館の運営準備を担当しています。これまでは、アイヌの伝統的な歌や踊りも伝えられる学芸員として、アイヌ文化の普及活動に取り組んできました。現在は、博物館内のアイヌ民族資料の保存・管理と、道内の博物館の資料調査を主な業務としており、アイヌの歴史や文化をより深く知るほど、毎日のように新たな学びや発見があります。

 世代や国籍に関係なく、皆さんの五感をフルに使って「アイヌ」を知っていただきたいという思いのもと、2020年の開設に向けて準備を進めています。アイヌの歴史や文化に関してさまざまな分野を取り上げるので、ウポポイへ来てくださる方たちの興味・関心を引くものが必ずあるはずです。

 皆さんと一緒にアイヌ文化を体感し、共に創り上げていくような“成長型空間”を目指して、多くの方々に愛される施設にしていきたいと思っています。ぜひ、ウポポイへお越しください。

※イランカラプテ/アイヌ語の「こんにちは」

(4)大学が保管するアイヌ遺骨等の出土地域への返還手続を実施中です

 文部科学省では、大学が保管するアイヌの人々のご遺骨等を発掘・発見された地域へ返還するため、札幌市に「アイヌ遺骨等地域返還連絡室」を開設し、アイヌ関係団体が返還を希望する場合の手続を郵送、Eメール、ファクスなどにより受け付けています。

申請受付期間:2019年4月26日~10月25日

※手続の詳細については、文部科学省ホームページをご覧ください。

▲お問い合わせ文部科学省アイヌ遺骨等地域返還連絡室

札幌市中央区北1条西2丁目11-1 23山京ビル902

電話(011)330-8314・8315

(5)アイヌ民族への理解を深めるために

 道では、道民の皆さんにアイヌ文化への理解を深めていただくための小冊子「アイヌ民族を理解するために」を作成し、希望者に配布しています(送料は着払いとなります)。身近な学びのきっかけにお役立てください。

▲特集に関するお問い合わせ 道庁アイヌ政策課 電話(011)204-5185

3 みんなの赤れんが

(1)消費者トラブルにご注意を

 訪問販売や電話勧誘、マルチ商法などで強引な勧誘を受ける悪質商法や架空請求詐欺、インターネットの通信販売などによる「消費者トラブル」が増加しています。特に、若者や高齢者は注意が必要です。勧誘を受けても必要のないときは、はっきりと断わりましょう。困ったときや不安なときは、一人で悩まずすぐにご相談ください。

▲道立消費生活センター 電話(050)7505-0999

▲消費者ホットライン 電話188(全国共通)

(2)後期高齢者医療制度の保険料軽減特例が見直されます

 世代間の公平の観点から、今年度、後期高齢者医療保険料の均等割の軽減率が見直され、これまで保険料均等割が9割減だった方は、8割減に変わります。順次お住まいの市町村から保険料決定通知書を発送しています。ご不明の点は各市町村、北海道後期高齢者医療広域連合にお問い合わせください。

2018年度9割軽減(月平均417円納付)保険料の納付額(1割)
→2019年度8割軽減(月平均833円納付)保険料の納付額(2割)

▲北海道後期高齢者医療広域連合 電話(011)290-5601

(3)冊子「もっと知りたい!統合型リゾート(IR)」を作成しました

 最近、IR(統合型リゾート)という言葉を新聞やテレビでよく耳にしますが、「そもそもIRって何?」という疑問を持っている人、また、「IR=カジノ」といった認識から、不安を抱いている人もいるのではないでしょうか。現在、道では、IRの誘致について検討していますが、この機会に、道民の皆さんにもIRについての理解を深めてもらうことが大切と考え、Q&A形式の啓発冊子「もっと知りたい!統合型リゾート(IR)」を作成しました。冊子は道観光局のホームページに掲載していますので、ぜひご覧ください。

▲道庁観光局 電話(011)204-5305

(4)薬物、ダメ。ゼッタイ。薬物乱用を防止しよう

 覚醒剤や大麻など薬物の乱用は自分の将来を台無しにするだけではなく、家族や恋人など大切な人も不幸にします。
もし、薬物の使用を誘われたら、まずはきっぱりと断ることが何より大事です。断りづらくなったときには、とにかくその場を離れましょう。大麻に関する正しい情報をお知らせする警察庁のサイトがオープンしました。ぜひご覧ください。

▲道警本部薬物銃器対策課 電話(011)251-0110

4 お知らせ道議会

 定例会の概要などをお伝えします。

(1)令和元年第1回臨時会(5/16~22)

(ア)臨時会の概要

 議長と副議長の選挙、特別委員会の設置、議会運営委員会・常任委員会・特別委員会の委員選任が行われました。議長に後志地域選出の村田憲俊議員(自民党・道民会議)、副議長に函館市選出の高橋亨議員(民主・道民連合)が選ばれました。
委員会名簿は議会ホームページにて公開しております。

(イ)主な議決の状況

◎知事提出案件 4件

●条例案1件 北海道税条例の一部を改正する条例案

●その他3件 北海道副知事の選任につき同意を求める件 など

◎議員提出案件 8件

●決議案8件 「日露両国における友好交流の一層の推進と相互の信頼関係に基づく外交交渉の推進に関する決議」 など

(2)平成31年第1回定例会(2/15~3/6)

(ア)定例会の概要

 本年は、知事及び道議会議員の改選期にあたることから、知事から道政運営の基本となる経費を中心に、いわゆる骨格予算として編成された平成31年度予算並びに平成30年度補正予算等の案件106件の提案があり、議決されました。また、道議会議員の定数変更に伴う文教委員会の定数変更(12→11人)に関する条例案1件や、規則案1件、意見案2件について、原案のとおり可決されました。

(イ)主な議決の状況

◎知事提出案件 106件

●予算案34件/条例案58件/その他14件

◎議員提出案件 4件

●条例案1件/規則案1件/意見案2件「精神障がい者も含めた医療制度の創設を求める意見書」 など

(3)ホームページをご覧ください

 議会中継・録画、議会の日程、会議録、傍聴・見学案内、議会時報などをご覧いただけます。質問などの詳細は、冊子「北海道議会時報」でもご覧いただけます。各振興局等での閲覧のほか希望者への配布もしますので、下記電話番号にご連絡ください。

▲議会事務局政策調査課 電話(011)204-5691

▲北海道の人口データをお届けします。(令和元年5月末現在)

総人口 5,281,297人 男 2,494,063人 女 2,787,234人

前年同月比 総人口 36,369減 男 17,499減 女 18,870減

(人口は毎月公表される統計資料に基づき掲載しています。)

▲広報(誌)「ほっかいどう」、次号は令和元年9月下旬の発行予定です。

点字版広報誌の送付を希望される場合は、発行元までご連絡ください。

発行/北海道総合政策部知事室広報広聴課

〒060‐8588 札幌市中央区北3条西6丁目

(電話)(011)204‐5110/FAX(011)232‐3796

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