知事定例記者会見(令和3年6月4日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和3年6月4日(金)14:30~15:27
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/26名(テレビカメラ1台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 新型コロナウイルス感染症対策について
  2. 稚内沖における漁船の連行について

記者からの質問

  1. 新型コロナウイルス感染症対策について(1)
  2. 新型コロナウイルス感染症対策について(2)
  3. 新型コロナウイルス感染症対策について(3)
  4. 食育について
  5. 元道職員同性間扶養手当不認定提訴について(1)
  6. 元道職員同性間扶養手当不認定提訴について(2)
  7. 稚内沖における漁船の連行について
  8. 東京オリンピック・パラリンピックについて(1)
  9. 東京オリンピック・パラリンピックについて(2)

知事からの話題

新型コロナウイルス感染症対策について

 私から二点お話させていただきます。
 初めに新型コロナウイルス感染症についてであります。本日、7名の方が新型コロナウイルスに感染され、お亡くなりになったことが確認されました。お亡くなりになった方々に哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の方々に心からお悔やみを申し上げます。
 5月16日から緊急事態宣言の下、16日間強い措置を講じてまいりました。そして6月1日から緊急事態宣言が延長されて、道民の皆さま、事業者の方々には大変大きなご負担をお掛けする中、多大なる皆さまのご理解とご協力をいただいているところでございます。そのことに心から感謝申し上げます。6月20日までの間、緊急事態宣言、緊急事態措置、強い措置を講じてまいります。引き続き皆さまのご協力をお願い申し上げます。
 緊急事態宣言後の道内の感染者数でございます。5月23日の4179人をピークに、その後減少が続きまして、そのピークと比較しますと45パーセント、人数にいたしますと1876人の減少という状況でございます。これは皆さまの感染防止行動の徹底ということで実践していただいた成果でございます。このことにこの場をお借りして、厚く感謝申し上げます。ありがとうございます。
 しかしながら、昨日の新規感染者数は300人を超えております。本日についても、200人前後という状況になると思います。人口10万人当たりの感染者数43.4人ということに昨日なっていますので、200人前後ということになりますと、40人を切るぐらいになりましょうか、そういった状況でございます。国のステージ4の指標が人口10万人当たり25人という状況ですので、人口10万人当たり約40人という状況でありますので、大変厳しい状況にあるわけであります。全国の状況を見ましても、沖縄県に次ぐ2番目の人口(10万人)当たりの感染者数という状況になっておりまして、極めて高い水準にあります。また、入院患者でございますが、昨日1000人を切るという状況になっておりますが、994人ということで依然として高い水準にございます。けがや急病などになっても、医療が直ちに受けられなくなる恐れがあるということなど、通常の医療に影響が生じております。医療の非常事態は続いているという状況にあります。
 昨年の11月の感染者数が急激に増加したときの状況を踏まえますと、新規感染者数が減少してから入院患者数の減少につながるまで、11月の事例を見ますと2週間程度、14日間、時間を要しました。こちら(モニター)に書いてありますが、ちょうど14日間でございます。そこからさらに重症患者数の減少までには1週間ということで、正確には22日間掛かっているのですけれども、ここからさらに1週間程度、重症患者数の減少までは掛かるという状況が昨年はございましたので、こういった状況を踏まえると、一定の時間がやはり掛かるということであります。感染者数の減少のスピードを比べますと、入院患者数そして重症患者数、この減少は緩やかとなっていく傾向がありますので、医療がひっ迫する状況がしばらく続いていくことが想定されます。
 また、人流についてでありますが、ゴールデンウィーク特別対策を4月から5月の連休にかけて対策を講じて以降、道内では人流の減少が続いていたわけでありますが、すすきのなどの繁華街の一部などでは、人流がやや増加してきている地点も見られます。人流が増加いたしますと、新規感染者数が下げ止まる可能性があるということが国の専門家からも指摘されているところであります。繰り返しになりますが、引き続き新規感染者数につきましては、高い水準にあること、非常事態が続いている医療提供体制、増加の兆しが見られる人流、こうした状況を踏まえますと、現在、緊急事態宣言、緊急事態措置の期間中という状況の中で、ここでもう一段、しっかり人流を押し下げて、新規感染者数の減少を確かなものとし、医療のひっ迫の解消につなげていかなければならないということであります。道としても特にこの週末に向けて、市町村の皆さま、そして業界団体の皆さまとも連携いたしまして、警察にもご協力いただきながら、飲食店などへの見回りを実施することはもとより、広報車による注意喚起など、人流のさらなる抑制に向けて徹底して取り組んでまいります。道民の皆さまにも、あらためてのお願いであります。これまでも繰り返し申し上げてまいりましたが、現在の局面では人と人との接触を徹底的に抑えることが最大の対策であり、そして皆さまの大変なお力添えによって、新規感染者数が減少に転じている状況がございます。ぜひ、皆さんに引き続きのご協力をお願いしたいと思います。どうしても対策期間が長くなりますと、コロナ疲れ、コロナ慣れとも言われますが、皆さまお一人お一人の行動が感染状況を改善する大きな力になっております。ぜひ、お力添えをよろしくお願いいたします。ここから6月20日までの間の取り組み、これが極めて重要になります。あらためて気持ちを一つにし、皆さんにご理解、ご協力をお願いしたいと思います。
 ここで5月に感染された方に聞き取りいたしました生の声を、皆さまにお伝えしたいと思います。まず20代の社会人の方でございます。発熱が1週間続いて、その後、歩くだけで息切れがすると、命の危険を感じたと話されておられます。この方は、若者は軽症や無症状が多いと聞いていたが、このウイルスは本当に油断できないということを実感したとおっしゃられております。感染経路に心当たりがなかったということであるのですが、この感染で20日間という長期離脱を余儀なくされたということもお話されております。若者は軽症や無症状の方も多いと言われているわけでありますが、この方のように本当に苦しい思いをされた方もいるということを、ご注意いただきたいと思います。そして、当然のことですが感染したくて感染するという方はいません。ただ、感染してしまうと、ご本人は職場など周りの方に対してどうしても罪悪感を感じてしまうことが多いわけであります。誰もが感染する可能性があることは皆さまにはご理解いただいて、職場など周りの方々による配慮についてもお願いいたします。
 次は50代の方です。発症から2週間、発熱、頭痛、せき、けん怠感が続いて、そのつらさは想像以上で、特に最初の1週間は食べ物、飲み物が喉を通らなかったとお話されています。この方は同居者からの感染であったと見られるわけでありますが、家庭内は感染防止が難しいと。外からウイルスを持ち込まないための感染防止行動が大切だということを、あらためて伝えたいと、お話されております。また10日間程度で治る方も多いわけでありますが、つらい症状が長く続く方がおられます。ぜひ、ご家族間で感染防止についてあらためてお話していただいて、その危機感を皆さまで共有していただいて、一人一人ができるだけ外出を控える、どうしても外出せざるを得ない場合は、時短の要請に応じていない飲食店などの利用は厳に控えていただくことなど、マスクの着用、手洗いを徹底するといった感染防止行動を徹底して、家庭にウイルスを持ち込まない行動の実践について、引き続き皆さまにはご協力をお願い申し上げます。
 こうした事例のように、今は大規模な集団感染が多く発生するというよりは、日常生活の中で感染の連鎖が起きている状況にあります。新型コロナウイルスを発症する2日前から、他の人に感染させてしまう可能性があるとされておりまして、本人が感染に気付かないうちに感染を広げてしまうことが多いわけであります。現在、家庭内での感染が多くなっておりますが、特に家庭内での対策は難しいわけであります。日常生活における対策を徹底して、家庭に持ち込まないということが重要であります。そのためにも、今はできる限り外出を控えていただく。このことについて、皆さまにご協力をお願い申し上げます。
 特に週末の外出は控えていただきたいと思います。日ごとに暖かくなってまいりました。外出したいという気持ちになるわけでありますが、日常生活を送る中で、誰もがどこでも感染する可能性があります。今は外出の必要性について慎重にご検討いただくようにお願いいたします。引き続き、事業者の皆さまには大変なご負担をお掛けすることとなりますが、飲食店等の営業時間については夜8時まで。石狩管内、旭川市、小樽市の特定措置区域においては、お酒を提供する店は休業をお願いいたします。またカラオケについて、飲食等ではカラオケの提供を控えていただくようお願いいたします。特定措置区域においてカラオケを提供するお店は休業をお願いいたします。そして、特定措置区域における百貨店、ショッピングセンターなど大規模施設等では平日の営業は夜8時まで、土日、祝日は休業としていただきますようお願いいたします。
 以上の要請にご協力いただく事業者の皆さまには、支援金を支給する方向で調整しております。支援金の内容については道のホームページをご覧いただいて、ご不明な点につきましては、コールセンターまでお問い合わせいただきたいと思います。
 また、道民の皆さまには、緊急事態措置区域との往来は厳に控えていただくようお願いいたします。また、どうしても避けられない道外への移動の際は、PCR検査を含めた体調管理の徹底をお願いいたします。そして道外の方の協力も必要になります。道内の厳しい感染状況を踏まえ、来道をご検討される皆さまには、今は極力来道を控えていただくことをお願いいたします。特に発熱等の症状がある場合は、帰省や旅行を控えていただく、体温チェックや、必要に応じてPCR検査などの体調確認の徹底をお願いいたします。
 昨日から新千歳空港内において、国のモニタリング検査が始まりました。この検査の活用も含めまして、空港を利用される方々に対して、感染防止行動の徹底を働き掛けてまいります。また、アルファ株、英国株と呼ばれていましたけれども、こちらよりもさらに感染しやすいとされているデルタ株、インド株と呼ばれておりましたが、こちらについて置き換わりが進んだアルファ株の変異株検査から切り替える形で、感染経路が分からないリンクなしという陽性者の方の検体について、全ての検査をこのデルタ株、インド株について実施することといたします。先行して本日から道立衛生研究所においてスクリーニング検査を開始いたします。道立保健所においても準備を進めております。来週から順次開始して、デルタ株、インド株の監視体制を強化してまいります。本日から、道立衛生研究所においてインド株のスクリーニング検査を開始します。インド株、デルタ株ということですけれども(スクリーニング検査を)開始させていただきます。
 次にワクチン接種でございます。医療従事者に続いて、高齢者の方々への接種が始まりまして、一層本格化してまいります。現在、医療従事者の皆さまの接種状況でありますが、1回目が約98パーセントということでございます。2回目につきましては、約60パーセント終了という状況でございます。高齢者向けにつきましては1回目が16パーセント、2回目が1パーセントとなっております。直近1週間で、1日平均約2.6万回接種している状況になっておりますので、各市町村の皆さまが今、懸命に高齢者の皆さま向けのワクチン接種を開始いただいたことによって、1日平均接種回数も急激に増加している。一方で、医療従事者向けについてはもう98パーセントぐらい1回目が終了していますので、少し接種の割合が落ち着いてきている状況になっています。高齢者接種の2回目の終了見込みでありますが、7月末までに終わる予定というところが164団体となっています。8月中とされておりますのが15団体となっているところでございます。道では6月1日に体制を整備いたしました。市町村における課題を把握し、必要な支援を行ってまいります。また、集団接種会場の設置に向けまして、調整を加速しているところでございます。
 6月1日から緊急事態宣言が延長となりました。道民の皆さま、事業者の方々にはこれまでも長期間にわたりまして、大変なご負担をお掛けしております。これまでの皆さまのご理解、ご協力にあらためて深く感謝を申し上げます。しかし、繰り返しとなりますけれど、いまだ厳しい状況に北海道はございます。ご家族、ご友人そしてご自身の命、健康を守るために6月20日までこの対策に今一度、気持ちを一つにし、人と人との接触機会を徹底的に低減し、新規感染者数を着実に減少させていく。このために、皆さんのご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

稚内沖における漁船の連行について

 二点目でございます。
 5月28日に稚内沖でロシア警備船により連行されました、第172榮寶丸(えいほうまる)に関する状況です。こちらをお知らせしたいと思います。同船は現在、サハリン州コルサコフ港に停泊中で、乗組員は船舶に拘留されているわけでありますが、これは、道のサハリン事務所も情報収集を速やかに行ったところでございますけれども、皆さまの健康状態につきましては問題がないということであります。また、食料や水、燃料等の補給状況も特段問題はないと承知しているところでございます。
 道では先日、稚内市、地元漁協とともに乗組員と船体の早期解放などについて、外務省、そして在札のロシア連邦総領事へ要請を行ったところでございます。国では、加藤官房長官が3日の記者会見におきまして、同船は日本の排他的経済水域内で操業していたとして、ロシア側に抗議するとともに、乗組員の即時釈放を要求しているということを発表されたところでございます。引き続きサハリン事務所などを通じた情報収集に努めますとともに、関係機関と連携いたしまして、乗組員と船体の即時釈放を最優先に対応してまいりたいと考えております。
 私から以上です。

記者からの質問

(読売新聞)
 感染状況についてお伺いします。先ほどもご説明ありましたけれども、感染者は新規感染者が減ってきている中でも、全国でも(人口)10万人当たりだと2番目というのが続いております。もう北海道が全国最多になって、その後、沖縄県が伸びてきて2番目になってからも、かなり時間がたっていると思うのですけれども、こういった状況悪化、全国的にですね、多い状況というのが続いていることに関しては、どのように分析されて、受け止めていらっしゃるかというのを。強い措置のタイミングですとか、ゴールデンウィークに人の動きが多かったですとか、そういう違いがあるのだと思うのですけれども、その辺りどのように分析されていますでしょうか。

(知事)
 (これまでに)まん延防止等重点措置、緊急事態措置、強い措置を講じております。多くの事業者の方々、道民の皆さまにご理解、ご協力を賜りまして、今現在、5月24日から減少が続いている状況にありますけれども、いまだに本日、おそらく200人前後の新規感染者数という状況になるのではないかと見込まれております。人口当たりの新規感染者数も、10万人当たり約40人という極めて厳しい状況が続いております。この今の減少の状況をより確実なものにして、警戒ステージのステージ4が緊急事態宣言のレベルになりますから、人口10万当たり25人というのが一つ目安になるかと思いますが、こういった状況に一つ、新規感染者数の状況が(減少に)転じることができるように、今は人と人との接触を徹底的に抑えるという局面でございますので、6月20日までの間、皆さまに引き続きご理解、ご協力をいただきたいと考えております。
 また、その対策の効果、状況などについては、これは有識者の皆さまをはじめ、皆さまから分析と言いますか、そういったものを適切なタイミングで行っていただく必要があると考えています。

(HBC)
 インド株のですね、スクリーニング検査についてなのですが、すみませんちょっと説明が早くて私の理解が追いつかず申し訳ございません。もう一度、どういった方法でやられるのか教えていただけるとありがたいのですが。

(知事)
 今まではインド株と言っていたのですが、デルタ株と言うようになったのですけれども、このゲノム解析につきましては、例えば海外の行動歴があるような方で、陽性になりましたら、北海道の場合は自前でゲノム解析ができますので、ゲノム解析を行うということをしてきました。ただ、スクリーニング検査ということで、英国株につきましては、広く基本的には全件やってきました。そういった形なのですが、今、英国株はほぼ置き換わっています。今後警戒すべきは、このインド株、デルタ株ということになってきますので、基本的には感染経路が分からない方。感染経路が分かる方というのは、例えば、Aという方が英国株で感染が確認されて、ご一緒に濃厚接触者として特定されたBさんが、おそらく英国株だろうということで、ある程度分かってくるわけでありますが、感染経路が分からない方については、基本的には全件、インド株かどうかというのを検査していこうと考えています。ただ、英国株のときもそうだったのですけれども、衛生研究所に集めますと、やはり時間が掛かるのですね。ですので、全道にある各保健所で直ちにできたほうがスピード感はありますので、まずは本日、道立衛生研究所からリンクなしは全件やります。
 その後、来週、それぞれ順次、道立保健所において準備ができたところから、開始させていただくということを今、考えております。

(HBC)
 これまで知事は質問に対して、試薬がなかなかそろわないというようなことを理由に挙げていらっしゃいましたが、その辺り、試薬の確保のめども立ったということでしょうか。

(知事)
 そうです。試薬がないと当然スクリーニング検査はできないので、試薬の確保を急いでいました。そういう状況の中で、確保できましたので、まずは衛生研究所でやらせていただくと。ただ、すぐに道立保健所も切り替えていかないといけないのですね。検査のやり方も含めて。なので、全道で展開するには順次、準備ができてからやっていきたいと思っています。まず、急いで準備ができたところからやろうということで、昨日の対策本部(北海道新型コロナウイルス感染症対策本部会議)でも指示しましたけれども、とにかくやれるところからやろうということで、衛生研究所では本日からやるということであります。

(HBC)
 関連してなのですけれども、こちら発表されるときは、これも疑いということで、まず陽性でインド株疑いみたいな格好で発表するのでしょうか。

(知事)
 そこもちょっと、いろいろ整理するべきではないかなと課題は持っています。と言うのは、今まで例えば英国株、アルファ株が、疑いですよということでゲノム(解析)にかけて確定ということをやっていたのですが、スクリーニングで英国株となって(ゲノム解析で)確定させても、(その結果に)全くずれがないのですよ。
 なので、そういう意味ではスクリーニング検査をもって確定しても差し支えないのではないかという議論もありまして、今、ほぼ英国株に置き換わっていますから、そういった作業プラス、インド株さらには今後の監視体制ということを考えたときに、どうやっていくのが効率的なのかというのをちょっと整理します。そして、マスコミの皆さんにも、公表の考え方が変わるということであれば、幹事社の方も含めて、皆さまに説明しなければいけないと思っていますから、そこも併せて。いずれにしても、検査能力やマンパワーというのは無限にあるわけではありませんから、そこを有効に活用して、今までの経験も踏まえて体制を考える必要があると思っています。

(HBC)
 スクリーニングの関係であと一点だけ。本来であればインド株、非常に感染力が強いという中で、もっと早く対策を打ってほしかったという道民の気持ちもあると思うのですけれども、ここまで体制を拡充するのはこのタイミングになった理由について教えてください。

(知事)
 ゲノム解析は今までもやってきましたが、残念ながら、変異株というのは、海外から持ち込まれることが多いわけですね。多いと言うか国内で発生していませんから、当然海外から入ってくると。これは、再三再四、国に対して水際対策を何とかお願いしたいということで、全国知事会47都道府県でお願いして、何とかしてくださいと言ってきましたけれども、もう入ってしまっています。入ってしまっているので、そこは大変残念でございますけれども、引き続き国には水際対策をお願いしたいですが、(インド株)に置き換わる可能性というのも警戒しながらやっていかなければいけないと思っています。一方で、インド株のスクリーニングのあり方とか、国のほうから何も来ていません。今後、警戒しなければいけないというのは来ていますけれども。ただ、そういうものを待っていたら、どんどん遅れていってしまいますから。試薬が入手できましたから、北海道としては直ちに全件、リンクなしはやるということですから。そういう意味では、全国と比較しても決して遅れている状況にはないと思っていますし、そもそもゲノム解析が単独でできない県などもありますから、そういう意味では、道衛研(道立衛生研究所)はじめ、各道立保健所でしっかり対応していきたいと思っています。
 ちなみに、道以外の札幌市などについても秋元市長を先頭に検討されていると思います。

(HBC)
 もう一点だけ。飲食店の見回りの件でなのですけれども、先ほど知事、道警の協力も得てというお話をされましたけれども、これまでは確か道警さんの協力というのは、道警さん同行していなかったと理解しているのですが、今回その対応を変えた理由について教えてください。

(知事)
 見回りについては、これまでも道警のご協力などもいただいてきた部分はございます。そしてまた、特に繁華街においては、通常のパトロールなどの強化も、これまでも道警さんとして行ってまいりました。そういう状況の中で、今、見回りを徹底していく中で、連携して取り組んでいくということを道警さんと相談して、進めていこうということになったところであります。

(読売新聞)
 ワクチンの接種状況についてお伺いいたします。内閣官房がホームページで発表している数字で、こちら知事からいただいた資料だと、これVシステム(V-SYS)が元になっていると思うのですけれども、内閣官房のVRS、接種記録システムだと2日時点で北海道は1回目の接種が11.42パーセントで、これを全国都道府県別で見ると栃木県に次いで2番目に低い数字となっております。これについて、まずこの受け止めをお伺いいたします。

(知事)
 これはいろいろあるのですが、まず、このワクチンの配送、ワクチンを運んでこなければいけないですね。ですので、どうしても北海道の場合は、運ぶ距離が長ければ長いほど、物理的にちょっと時間が掛かってしまうという状況があります。北海道は皆さんご承知のとおり、小さいところから入れて22県分ぐらいの広さがあります。1回、例えば札幌市などに運んできて、そこからさらに接種の主体である市町村にそのワクチンを運んでいくという状況があります。当然、その配送の時間が短ければ短いほど早く接種が開始できるという状況があります。
 例えば1週間の範囲で言っても、月曜日に到着する場合は、その月曜日から始まりますけれども、例えば金曜日から始まりますと、それだけ差が出ます。この差というのは始まって以降、なかなか埋まっていかないのかなと思っています。
 一方で、市町村それぞれ、ワクチンの接種に対して、かなり強力に接種を加速させようということで、取り組みを進めていただいている事実もございますので、まずはワクチンをご希望する方について、皆さんに行きわたるだけの量がありますので、その点については、冷静に、それぞれ受け止めていただく中で、希望する方が接種できる体制はございますので、予約などしていただきたいと考えています。
 一部報道などでも出ていましたけれども、札幌市の接種の予約にだいぶ空きがあるような報道などもございましたけれども、そういった情報なども、各市町村から皆さんに発信されますので、そういった状況も見ながら、予約などを行っていただければ大変ありがたいと思っています。

(読売新聞)
 もう一点、知事が先日の記者会見で、歯科医師への研修と大規模接種会場の設置を進めるというようなお話がありました。歯科医師、道内で勤務している方は大体4000人ほどいらっしゃると思うのですけれども、その方々、普段の診療もあると思うのですけれども、そういった部分との兼ね合い、ワクチン接種の兼ね合いだったり、そういった部分で何か道として支援だったり、検討というのはあるのでしょうか。

(知事)
 まず、ワクチン接種にあっては、日本歯科医師会などが、接種に当たって、例えばウェブ上でそういったことを学んでいただく機会の提供などはあるのですが、やはり実技しなければならないというのが、一つネックとしてあります。ですので、そういった実技研修については、道としてこれを行って、皆さんが打ち手としてご活躍いただけるような環境をできるだけ早く作っていくことが重要だと思います。せっかく歯科医師の方が接種の打ち手になれるという状況があっても、研修をくぐらないと、そういった形で各市町村が対応できない状況がありますので、これは多分、市町村ごとにやるというよりは、道としてやったほうがいいのだろうと思っています。
 また、そういった辺りも歯科医師会の皆さんとも連携しながら、必要だと言っている市町村にしっかりつなげていくとか、そういった対応についても、道として支援していきたいと考えています。

(日本農業新聞)
 食育に関してお伺いいたします。6月は政府が定める食育の月間となっております。コロナ禍で対面での体験が難しい中、食育の継続に向けた知事のお考えをお聞かせください。
 また道では2019年から5カ年の第四次北海道食育推進計画を行っていらっしゃいますけれども、現在の課題についてはどのように認識されていますでしょうか。道として取り組んでいること、また今後、取り組みたいことを教えていただけますでしょうか。

(知事)
 この6月が食育月間ということとなっています。毎月19日を食育の日ということで定めて、食育の推進に重点的に取り組むこととしています。今、本庁、振興局の道政広報コーナーを活用して、コロナ対策を徹底しながら、食育のパネル展を開催させていただいているところであります。またメールマガジンですとか広報媒体を活用して、普及啓発などを行いまして、食育について関心を持っていただくよう取り組みをしております。ただ、コロナの状況などございまして、多くの人に集まっていただいて、例えば参加型の形ですとか、農作業も体験していただきながら、食育について知っていただくということが、なかなか難しいという状況がございまして、計画を進めていく上での課題として、ございます。
 一方で、内食(うちしょく)の機会が増えました。これは安全、安心な道産農産物が安定的に供給されることの重要性、こういったことを各家庭などにおいても感じていただいたと思っていますし、そこから食育にもつながっていくところがあると思っています。こういった地域の素晴らしい食の価値を見つめ直す、そういう機会としてわれわれとしても捉えて、取り組みを進めていきたいと思っています。この感染状況を勘案していかなければいけませんので、多くの方が集まる、そういったことがなかなか難しい中では、食育フォーラムだとかシンポジウム、こういったものも、ウェブを活用して皆さんにご覧いただいて、また先ほどの内食の話ではないですが、親子の料理教室などで食品ロスの削減といったことなども含めて、道民運動の食育をしっかり推進していければと考えています。

(毎日新聞)
 先日発表されて報じられました、元道職員の方が同性パートナーが被扶養者と認められずに扶養手当が支給されなかった件について、それについて来週提訴されるという件についてお伺いします。まずは提訴には至っていない状況ではありますけれども、一部メディアで報道されているところだと思うのですが、知事はこの件についてどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

(知事)
 まず現時点においては、今質問の中にも少しございましたが、訴状について受理しておりませんので、コメントを差し控えたいと考えております。扶養手当の認定は、これは道職員の給与条例に定める配偶者、いわゆる内縁関係にあるものも含むのでありますが、現行法では同性カップルに婚姻の成立を認めることは想定されていないということなどから、現時点において同性パートナーを配偶者として認定することはできないということとしたところであります。職員手当の取り扱いについては、国や他都府県の取り扱いなど、社会情勢の変化、こういったものも見極めつつ、適切に対応していきたいと考えています。

(毎日新聞)
 ただ、北海道の人権施策推進基本方針では、性的マイノリティの項目がありまして、同性愛者同士の結婚については、現状では法律上の保護を与えられておらず、相続や所得上の不利益などで異性愛者であれば遭遇しない、さまざまな困難や問題に直面していると、教育や啓発に努めるというふうな文言がありますけれども、こちらとの整合性をどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

(知事)
 今ご質問のあった部分については、性的マイノリティの皆さまが、周囲の無理解による悩み、不安、さまざまな苦痛、困難を抱えていると考えています。今お話のございました北海道人権施策推進基本方針、この見直しを進めています。その中では、性的マイノリティに関する施策の方向性についても取りまとめているところでございますが、性的マイノリティの方々が、生きづらさや困難を感じることなく、社会経済活動を担う存在として活躍する社会とするために、道民一人一人の性の多様性に対する理解が一層深まる教育啓発を推進することが必要だと考えています。

(毎日新聞)
 最後に、人権施策の見直しを進めているということですけれども、大体いつまでに取りまとめるご予定なのかということと、あと次に、札幌地裁で先日、何と言うか違憲判決が出たところだと思うのですけれども、知事ご本人のこういった同性パートナーがいる方々が、社会的に困難な状況に置かれているということについて、ご所見をお伺いしたいと思います。

(知事)
 まず一点目の基本方針の部分ですけれども、これまでも議会議論を重ねてきたところでございますけれども、第2回定例会における議論、こういったものも経て成案とすべく取り進めていきたいと考えております。私自身の認識のお話もございましたが、今ご質問にお答えする形でお話をしましたけれども、やはり、さまざまな悩み、不安があるという状況の中で、苦痛、困難を抱えている。そういう状況にあると私自身も認識しております。そういった中で、この理解が一層深まっていくために、必要なことをしっかり取り組んでいきたいと考えています。

(HBC)
 今の質問に関連してなのですけれども、道の制度として、異性のパートナーに対しては扶養手当を今、認めているという状況で、一方で、同性の方のパートナーには認めていないと。これに対して知事は今、現時点で見直していく必要があるかどうかということと、知事の率直な気持ちとして、いろいろ制度のことはあると思いますけれど、知事の率直なお気持ちとしては、どういうふうな立場で進めていきたいなというようなところはありますか。

(知事)
 現在、これは全て調べてはいないですが、都道府県において、道の取り扱いと違った取り扱いをしているところはないと承知しているところでございます。その上で、この職員手当の取り扱いについては、国や他都府県の取り扱い、それと、やはり社会経済情勢の変化、こういったものも見極めつつ適切に対応していく。こういう考えです。

(北海道新聞)
 榮寶丸(えいほうまる)の件について伺います。冒頭のお話にもありましたとおり、政府は排他的経済水域内で操業していたと。ロシア側に向けて抗議したと。それとEEZの論点が争うということになり、そうしますとこれまで道が求めてきた早期解放が遠のく可能性もあるかなと思うのですけれど、知事はどのように受け止められたでしょうか。

(知事)
 これは先ほど申し上げたように、3日になりますけれども、加藤官房長官がこの排他的経済水域で操業していたと。ロシア側に抗議すると。乗組員の即時釈放ということで要求しているということで発表されました。われわれとしても、これは人道的配慮の中で、やはり、しっかり早期の釈放ということを当然これからも求めていきたいと思います。

(HTB)
 オリンピックに関してなのですけれども、札幌市と実行委員会のほうで札幌市内にパブリックビューイング会場の設置を検討しているようなのですけれども、道は主体ではないにしても、パブリックビューイングというのは人が集まる方向に進む行動だと思うのですけれども、それに対しての知事のお考えをお聞かせください。

(知事)
 札幌市が大会組織委員会とそういった検討を進めていると伺っています。今、緊急事態宣言が出ていまして、緊急事態措置として6月20日まで強い措置を行っている状況です。北海道においては、特に札幌市は今、医療の非常事態ということで、秋元市長を先頭に感染拡大を抑えて、病床ひっ迫を解消していこうと取り組んでいるところですので、そういった状況なども踏まえて、秋元市長が適切に判断されるのではないかと思っています。

(HTB)
 パブリックビューイングだけではなくて、五輪開催自体についてもお伺いしたいのですけれども、道内ではマラソンと競歩とサッカーが開催される予定ですけれども、この五輪開催について政府の(新型コロナウイルス感染症対策)分科会の尾身会長も否定的な発言をされていましたけれども、知事はオリンピックの開催自体についてはどのようにお考えですか。

(知事)
 これも繰り返しこの場で申し上げてきましたけれども、やはり一貫して安全、安心、最優先ということで申し上げてきました。そういった中で、今後、観客をどうするかということが決まっていくと思いますから、そういった機会を通じて、例えば開催する場合については、どのような形で、安全、安心を確保していくのかということを丁寧に説明し、理解を得る必要があるだろうと思います。われわれとしては、競技が開催される開催地として準備などを進めるわけでありますが、大会の大きな判断の一つは観客を入れるかどうか。ここが近く、決定されると思いますから、そのタイミングでお話があるのではないかと思っています。私としてはやはり、各イベントなどもこの感染状況の中でさまざまな制約を受けた。これはオリンピックだけではなくて、実施されています。ですから、オリンピックだけが例外的な取り扱いであるということに対する理解は、なかなか得られにくいのではないかと思っています。
 
(HTB)
 あと1カ月ちょっとでオリンピックが開催されますけれども、感染者は少しずつ減りつつありますけれども、先ほどおっしゃっていたように医療のひっ迫というのは後に続くというところで、まだ状況が見えないと思うのですけれども、今、開催できる状況にあるか、できない状況にあるか、二択で言うならどうお考えですか。

(知事)
 その判断はIOC(国際オリンピック委員会)や東京都、また組織委員会が慎重に、現在の感染状況も踏まえた中での最終的な決定をすることになると思いますけれども、先ほど申し上げたように、やはり緊急事態宣言が今出ています。いろいろな各イベントも、これはオリンピックだけではなくて、さまざまな影響を受ける中で行っています。ですから、そういった点で言えばオリンピックだけが、他のイベントと違う扱いの中で開催されるというのは、なかなか皆さんの理解を得にくいところがあるのではないかと思っておりますが、そこは先ほどの観客を入れるかどうかも踏まえて、そういった場面で判断した上での丁寧な説明が求められると思います。

(朝日新聞)
 今のご質問に関連しての形になりますが、言及がありましたとおり、政府の分科会の尾身会長は、普通では五輪開催がないと、このパンデミックでという指摘を、2日にされたと思います。この中で、ちょっとお伺いしたい点なのですけれども、今の観客という話もありましたが、そもそもその選手団を受け入れる時点で、バブルという何かその隔離政策であったりとか、あと検査の徹底とかということがありますが、こうした受け入れることによって、道内の医療提供体制や検査体制に何らかの負荷を掛ける可能性はないのか、負荷が掛かることのないように手当てが付いているのか、その辺りをお聞かせください。

(知事)
 その方式などについては、これはIOCや組織委員会、東京都をはじめとして、その感染防止対策を徹底した上でという中で、さまざまな取り組みが行われているということは承知していますが、一方で、尾身会長もお話されておりましたけれども、先ほどのパブリックビューイングのお話も、これは秋元市長がご判断されるかと思いますが、このオリンピック関連のさまざまな取り組みなども検討されているところがあるのではないかと思いますし、またその間接的な影響で、人流などが生まれて、そういった感染拡大リスクが上昇する可能性があるということも、尾身会長がお話されたのではないかと思いますので、開催する場合、また観客を入れる場合、入れない場合、それぞれあると思いますが、どういった形で感染対策を徹底していかれるのかということも含めた説明が、おそらく観客を入れるかどうかということを判断したタイミングで行われるべきではないかと思っています。
 ちょっと仮定のお話で、どういった検査体制や医療の体制、どういった影響があるのかというのは、私は日本全体における影響などを正確に把握する立場にはないわけですが、課題はあるということは事実ではないかと思います。

(朝日新聞)
 すみません、今、仮定の話とおっしゃった点なのですけれど、実際に選手団を受け入れれば、検査をするというのはプレイブックでも決まっている、及びその後の方針説明の中で決まっていることで、北海道内に相当数の五輪関係者が来るというのは、これは開催されれば間違いない。そして、事前の合宿等もあるというのは間違いないとすれば、検査の数が増えるというのも間違いないという、その程度の話で、今現在、道内では3000程度しか検査をしていないという状況の中で、それを数倍越えるになるであろうかという検査を、道内にいる人に対してすることというものが、道の医療提供なり検査体制に影響がないのか、その手当ては付きそうなのかというお尋ねなのですが。その辺り、すみません繰り返しですがお願いします。

(知事)
 前回の記者会見でも、検査のことはご質問いただいたのですけれども、ご質問いただいた中では、私も調べましたところ、あらためてではございますけれども、例えば5月17日から30日までの検査の状況につきましては、北海道においては、実際に行った検査数としては、全国47都道府県のうち4番目に多い、8万788件となっているところでございまして、(前回5月28日の記者会見で)ご指摘のありました広島県については、その次の件数である7万8389件行っているところでありまして、人口(10万人)当たりの検査数において言えば、全国47都道府県のうち5番目の件数になる1523.2件行っているところでございます。
 検査体制において、そのオリンピック関連でどの程度の検査件数が増加して、行政検査としての対応がどの程度の影響が出てくるのかについては、承知していないところでありますが、そういった検査の影響という意味で、何か根本的な大きな影響を受けるというような状況ではないのではないかと考えています。
 何かオリンピックの関係で補足することあればお願いいたします。検査の関係とか。

(東京オリンピック連携局長)
 現在、プレイブックの内容、検査の方法ですとか、そういったことについては、具体的にどうするかということがまだ検討されている段階でございまして、例えば民間の検査だとか、そういったことの活用も検討されているとは承知をしております。ただ、結論は出ておりませんので、現状では何とも今、お答えができないのかなと。行政検査の影響等々については不明という状況でございます。

(朝日新聞)
 ありがとうございます。くれぐれも道民への提供体制に影響がないように対策をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

 

この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)

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