知事定例記者会見(令和3年5月15日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和3年5月15日(土)18:00~19:45
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/25名(テレビカメラ2台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 新型コロナウイルス感染症対策について

記者からの質問

  1. 新型コロナウイルス感染症対策について(1)
  2. 新型コロナウイルス感染症対策について(2)
  3. 新型コロナウイルス感染症対策について(3)
  4. 東京オリンピック・パラリンピックについて(1)
  5. 東京オリンピック・パラリンピックについて(2)
  6. 新型コロナウイルス感染症対策について(4)
  7. 新型コロナウイルス感染症対策について(5)
  8. 新型コロナウイルス感染症対策について(6)
  9. 東京オリンピック・パラリンピックについて(3)
  10. 新型コロナウイルス感染症対策について(7)
  11. 新型コロナウイルス感染症対策について(8)
  12. 新型コロナウイルス感染症対策について(9)
  13. 新型コロナウイルス感染症対策について(10)
  14. 新型コロナウイルス感染症対策について(11)
  15. 新型コロナウイルス感染症対策について(12)
  16. 新型コロナウイルス感染症対策について(13)
  17. 新型コロナウイルス感染症対策について(14)
  18. 東京オリンピック・パラリンピックについて(4)
  19. みどりの食料システム戦略について

知事からの話題

 私から一点、新型コロナウイルス感染症についてであります。
 本日2名の方が新型コロナウイルスに感染され、お亡くなりになったことが確認されました。お亡くなりになった方々に哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の方々に心からお悔やみを申し上げます。
 昨日、本道が緊急事態宣言の対象となりました。このような宣言が出される事態になったことを、知事として重く受け止めております。この難局に全力で立ち向かっていく覚悟でございます。道民の皆さまの命、そして暮らしを守るため、道民の皆さまお一人お一人のお力添えをいただきますように心からお願い申し上げます。
 現在、変異株の影響もありまして、5月13日の感染者が712人ということで、過去最多となるなど、道内では感染が急速に拡大しているところでございます。入院の予定を延期せざるを得なくなる、そういったほか、交通事故などでのけがの治療や、救命救急など、今まで私たちが当たり前のように受けてきた医療が受けられずに、救える命が救えなくなる。そういった地域も出てまいります。まさに、北海道の医療が危機的な状況にございます。医療体制の崩壊を防ぎ、道民の皆さまの命を守るため、本日、北海道医師会、市長会、町村会の皆さまとともに北海道医療非常事態を宣言し、発出させていただきました。この感染の急拡大に影響を及ぼしていると考えられる変異株。国立感染症研究所においては、全国的にほぼ例外なく90パーセント以上が変異株に置き換わったとする見解を示しているところであります。本道においても直近1週間で変異株のPCR検査を行った約1000件のうち、約900件で疑い事例が確認されております。変異株による感染が主流となっているところでございます。道内の感染状況は一様ではないため、実感のない地域の方もいらっしゃるかと思うわけでありますが、変異株は従来とは異なるウイルスという認識で行動する必要があると考えています。その脅威でありますが、国立感染症研究所では従来株と比べて、変異株は1.32倍感染しやすいとされておりますほか、診察時に肺炎以上の症状を有しているリスクが1.4倍となるといった見解が示されております。変異株は従来とは異なるウイルスであるという認識のもとで、例えば以前は3密を避けるということの対策をしてまいりましたけれども、今は一つの密でも感染リスクがあるということに十分注意していく。こういったことが必要であり、これまで以上に警戒のレベルを上げて行動していただかなければならないと考えています。
 また、変異株かどうかに関わらず、この感染症にかかったらどうなるのかということで、あらためて事例をご紹介したいと思います。道では今年3月に、感染された方の生の声を体験集として取りまとめておりまして、こちらはホームページなどでもご覧いただけるようになっているのですが、その一例をご紹介いたします。
 まず、容体が急変された方の事例です。この方は50代の男性の方でありますが、発熱やせきの症状が出た翌日、宿泊療養施設へ入所となったわけでありますが、その2日後にけん怠感やせきなどの症状が強くなりまして救急搬送され、肺炎と診断され、呼吸苦となり、酸素吸入の措置が取られた事例でございます。極めて短い時間の中で、急速に状況が悪化する。そういった事例でございます。また、感染いたしますと、ご家族やご友人への感染を通じて広がる。そういったケースもございます。これはゴールデンウィーク期間中の感染事例になるわけでありますが、札幌市を訪れまして、市内で飲食した若者2人の感染を確認いたしました。そして、その1家族と友人複数に感染し、さらに友人ご家族にも感染が拡大したという事例であります。特に家族間は一緒にいる時間が長いために感染対策が難しいものがあります。そのため、家族を守るために、まずは外でうつらない。そういった行動が重要になります。退院や療養後にも苦しむ方々がおられます。こちらは国の資料になりますけれども、発症から60日経過後も嗅覚障害や呼吸困難、けん怠感が見られる。そういった方が感染者の20パーセント弱で見られる。また24パーセントに脱毛の症状が見られたという報告がございます。退院や療養後に苦しまれる、そういった方も多いわけであります。今、コロナ慣れということも言われておりますが、あらためてこの新型コロナウイルスに対して正しく恐れて行動していただくことが大切でございます。
 繰り返しとなるわけでありますが、このままでは、交通事故などでのけがの治療や、救命救急など、今まで私たちが当たり前のように受けてきた医療が受けられずに、救える命が救えなくなる。そういった地域も出てまいります。こうした状況について、皆さまにご理解いただき、今は警戒レベルを最大限に上げていただいて、感染対策を徹底していただくようにお願い申し上げます。これまでマスクの着用や手洗い、人と距離を取るといった対策、基本的な感染防止対策の徹底が何よりも大切であるということを皆さまにお伝えしてまいりました。ご家族を守り、ご友人を守り、そしてご自身を守るためには、そうした対策に加えてお願いしたいことがございます。今の局面は、人と人との接触を徹底的に抑えること。これが最大の対策となります。皆さまのご理解とご協力のもとで、この対策を全道で徹底する必要がございます。
 明日16日から5月31日まで、全ての道民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。何より、通院や買い物、出勤、運動など、生活や健康の維持のために必要なものを除きまして、日中も含めてできる限り外出を控えてください。特に週末は人が集まりやすくなります。週末の外出につきましては、慎重に検討していただきたいと思います。そして、夜間の人出を抑えていくために、外出は午後8時までとしていただくようにお願いいたします。このお願いと併せて、事業者の皆さまには、事業の継続に必要な場合を除き、勤務時間は午後8時までとしていただくようにお願いいたします。そして飲食店などの事業者の方々に対しては、時短をお願いいたします。酒類提供は午前11時から午後7時まで、営業時間は午前5時から午後8時までとしていただくようにお願いいたします。できる限り明日16日から、遅くとも18日からお願い申し上げます。なお、ご協力いただきました事業者の皆さまには、支援金を支給する予定でございます。
 そして全国的にも感染が拡大する中、今、全ての県において県外への移動自粛要請が行われているという状況になっております。緊急事態宣言が出ておりますところ、まん延防止等重点措置が出ているところ、また、それ以外の地域においても移動自粛の要請が出ているという状況にございます。全国で感染が急拡大している中において、全国的な人の移動や往来を減らすことができなければ、現下の厳しい感染状況を減少に転じさせていくことは困難な状況と言えます。道民の皆さまにおかれましては、不要不急の都道府県間の移動、特に緊急事態措置区域との往来は厳に控えていただくようにお願いいたします。
 ここまで、全道で協力して進めていかなければならない取り組みについてご説明させていただきました。緊急事態宣言は、基本的には都道府県単位でありまして、国が発令するものでありますが、広い北海道では感染状況が一様ではなく、地域の感染状況に応じて対策を講じていく必要がございます。参考までに、道民の皆さまは十分ご存じなわけでありますが、広大な北海道は22県分にも相当する面積を有しているわけであります。例えば今回、北海道を除く緊急事態宣言、またまん延防止等重点措置の対象となっている18都府県の面積、この約9割に相当するのが北海道の面積の広さでございます。ですので、こういった中で対策を講じていく必要があるわけであります。その広い北海道でも感染が広がっております石狩管内、そして、小樽市については、都市構造上、札幌市への通勤や通学など往来が活発な地域でございます。そして旭川市は、本道第2の都市であります。道北の社会経済の中心となる地域であります。札幌市を含めた石狩管内、小樽市、旭川市は、道内の約半分の人口を占める形になりますが、感染者数で言いますと、8割以上を占めているところでありまして、この地域における対策の徹底が必要な状況にあります。緊急事態措置の区域は、北海道全域とされておるわけでありますが、こうした地域の感染状況を踏まえまして、より状況が厳しい札幌市をはじめとした石狩振興局管内、小樽市および旭川市については、特定措置区域として重点的に対策を行ってまいります。ここから具体的にお願いする内容についてご説明申し上げます。
 まず、酒類、カラオケ提供の店舗については休業をお願いいたします。それ以外の飲食店については、営業時間は午前5時から午後8時までとさせていただきます。できる限り明日16日から、遅くとも18日からお願い申し上げます。なお、ご協力いただいた事業者の皆さまには、支援金を支給する予定であります。
 イベントの開催についてであります。収容人数の上限を5000人まで、かつ収容率については50パーセントとしてまいります。感染予防が徹底できない場合は、無観客も検討していただきたいと思います。また、営業時間は午後9時までとしていただきたいと思います。そしてできる限り酒類提供は行わない、利用者の皆さまにも持ち込ませないようにお願いいたします。
 次に、1000平方メートル以上のショッピングセンター、百貨店、スポーツクラブ、スーパー銭湯など、飲食店以外の事業者の皆さまにおかれましては、平日の営業時間を20時まで、土日祝日につきましては休業とさせていただきたいと思います。こちらにつきましてもできる限り明日16日から、遅くとも18日からお願い申し上げます。なお、ご協力いただいた事業者の皆さまには、支援金を支給する予定でございます。そして、できる限り酒類提供を行わない、また利用者の皆さまにも持ち込ませないことをお願いいたします。
 次に、映画館や展示施設、ホテルのほか、1000平方メートル以上の運動施設、遊園地などイベントに準じた施設については、人数上限を5000人、かつ収容率は50パーセント以内とし、営業時間は午後8時までとしていただきたいと思います。こちらにつきましてもできる限り明日16日から、遅くとも18日からお願い申し上げます。なお、ご協力いただいた事業者の皆さまには支援金を支給する予定でございます。そしてこちらもできる限り酒類の提供を行わない、また利用者の皆さま方にも持ち込ませないようお願いいたします。
 次に学校へのお願いでございます。運動会などの行事は中止や延期などをご検討いただきますとともに、部活動は原則として休止とし、オンライン授業もご活用いただきたいと思います。
 次に道立、市町村立施設でございますが、特定措置区域においては、日中の人流を抑えるため、道立施設および市町村立の施設は原則休止といたします。
 これまで飲食店等の事業者の皆さまに休業や営業時間短縮の要請をさせていただきましたが、支援金の詳細についてご説明申し上げます。要請にご協力いただきました飲食店等の皆さまには、支援金を支給する方向で調整させていただいております。国の基準額でありますが、特定措置区域では、中小企業と個人事業者には1日当たり4万円から10万円。
措置区域では、中小企業と個人事業者に2万5000円から7万5000円。大企業にはいずれの区域においても上限20万円となっているところでございます。また、飲食店以外の施設につきましても、ご協力いただいた皆さまに支援金を支給する方向で調整しておりまして、国の基準額では特定措置区域において、1000平方メートルごとに20万円に営業時間短縮の割合に乗じた額、テナントに対しては100平方メートルごとに2万円に営業時間短縮の割合に乗じた額ということになっているところでございます。
 こちら今ご説明申し上げましたけれども、最後に要請の対象となる事業者の皆さまに対して、この協力金を含めまして道と札幌市では専用のコールセンターを開設しておりますので、こちらにご相談いただきたいと思っています。こちらはそれぞれ札幌市内の飲食店などの皆さまと、札幌市以外の飲食店と道内のその他施設においてご連絡いただく番号が違いますので、ご確認の上ご相談、ご連絡いただきたいと思います。
 こうした措置によりまして、地域における社会経済活動に本当に大きな影響を与えてしまうわけでありますが、ご家族を守り、そしてご友人を守り、そしてご自身を守るためには、人と人との接触機会を徹底的に抑えて、お一人お一人に感染防止行動を徹底していただく必要がございます。私といたしましても最大限の危機感をもって、市町村、関係団体の皆さまのご協力を得ながら、この措置を着実に実行して、これ以上の感染拡大を食い止めていきたいと考えております。皆さまと力を合わせて一つになって、この厳しい局面に立ち向かって乗り越えていきたいと考えておりますので、5月31日までの間、道内全域において人との接触をできる限り控えていただくように、心から皆さんにお願いを申し上げます。
 私からは以上です。

記者からの質問

(朝日新聞)
 休業要請の考え方についてなのですが、道の案では、道が決定した事項では、大規模商業施設に関して、土日のみの休業要請ということになっています。これは、他の緊急事態措置が実施されている都道府県と比較して、一段弱い措置になるかと思うのですが、この点について、なぜ土日だけなのかということをお聞かせください。

(知事)
 この休業要請でございますけれども、特措法(新型インフルエンザ等対策特別措置法)に基づいて、人の流れを抑制する観点から、他県の事例を参考にしつつ、有識者の方々からのご意見も伺いながら、人が集まりやすく、多くの人が密集する可能性のある大規模な集客施設に対して、土日の休業を要請したものでございます。これは他県の事例も参考とさせていただきました。
 こうした要請につきましては、地域における社会経済活動に大きな影響を与えるものであると考えています。さまざまなご意見などもあると思いますけれども、この緊急事態宣言に至った、この厳しい局面をなんとか乗り越えていくために、事業者の皆さま方にご協力いただきながら、取り組んでいきたいと考えております。

(朝日新聞)
 経済的な影響を踏まえて、土日祝のみの休業とするという理解でよろしいですか。

(知事)
 緊急事態宣言が発出されている地域や今後出ます地域、そういったところの事例を参考とさせていただきました。

(朝日新聞)
 分かりました。今回、緊急事態措置になりまして、休業要請に応じない飲食店等に過料を科すことができるかと思いますが、その過料についての考え方と、休業要請に応じない店の店名の公表などについて、知事の考えをお聞かせください。

(知事)
 まず、この今の厳しい感染状況、また医療の非常事態という状況の中で、非常に厳しいご協力を皆さまに求めることとなりました。今の感染状況などをご説明した上で、ご理解、ご協力いただきながら、事業者の皆さまとこの感染拡大をなんとか抑えて、皆さんの命、そして暮らしを守っていく観点から、取り組んでいきたいと考えております。
 また、緊急事態宣言になりましたので、見回りなども頻回に行っていかなければならないわけでございます。これは、職員などをはじめ、この状況確認をさせていただくという中で実効性を上げていきたいと思っておりますし、行政指導なども行う中で、その措置の実効性、こういったものを高めていきたいと考えております。

(朝日新聞)
 店名の公表についてはどのように考えていますか。

(知事)
 まずは、見回りなどを行った上で、今の対策の必要性、その背景などもご説明しながら、その実効性を上げていくということに努めたいと考えています。

(朝日新聞)
 百貨店については、生活必需品の考え方が、捉え方がさまざまあるというふうに言っていまして、営業するエリアの問題ですとか、そういったものが他県の事例ではあるかと思うのですが、その点についてはどのように考えていますか。

(知事)
 緊急事態宣言が出されている地域などの措置状況や、その措置を行った後に、事業者の方々からの、そういったさまざまな声なども考えた中で、今回の対策を講じているところであります。
 生活必需品の中で、生活をしていく上で必要な部分ということについては、これはデパートのみならず営業しているところはございますから、そういったことも踏まえながら、事業者の皆さまに、より実効性が上がる形での協力をお願いしていくことになるということであります。

(朝日新聞)
 少し前の話になりますが、知事は5月8日にツイッター上で、一部あった新聞報道について、西村(経済再生担当)大臣からその緊急事態宣言の要請を、打診を受けたが拒否したという点に関して、そのような事実はないという発信を、個人のツイッター上でされていますが、この件に関して、知事のお言葉でもう一度ご説明いただけますか。

(知事)
 (5月8日の)記者会見でも、そのご質問をいただいたと記憶しているのですけれども、西村大臣から、緊急事態宣言の発令の打診ということを受けた事実がなくて、また、それを私から拒否した事実もないという状況がございました。
 その際は、札幌市などの厳しい感染状況の中で、やはり緊急事態宣言と同等の強い措置を講じていかなければならないという認識で一致しまして、その後、まん延防止等重点措置の中でそういった対策を取っていこうということになったわけであります。
 新型コロナウイルスの影響が長期にわたっていまして、道民の皆さま、生活も含めて大変不安が高まっている、そういう状況の中で、やはり正確な情報を伝えていく、このことが重要だと考えています。そういった中で、私自身がツイッターで、その事実と異なる情報でしたものですから、正しい情報をお伝えさせていただきたいという思いで発信したところであります。

(北海道新聞)
 一つ前の質問の関連の話なのですが、百貨店等、大規模商業施設に関して、休業という選択肢もありながら、時短に平日はとどめたという質問に対して、お答えがありました。
 イベントについても同様に、その今回、(人数上限)5000人、(収容率)50パーセントという基準を設けておられて、選択肢として、無観客というのもあり得たのだと思うのですが、これを無観客ではなく、50パーセント、5000人とした理由をあらためて教えてください。

(知事)
 イベントにつきましては、これは基本的対処方針の中で、その要件にあった開催の要請を行うとされているところでございますので、そういったことを踏まえて、今回、人数上限5,000人かつ収容率50パーセントということで、対策を実施するとしたところでございます。ただ、感染対策が徹底できないという状況にあったら、無観客、そういったもので開催を検討していただきたいということにつきましても、併せて、お願いするということで対応させていただきたいと思っています。

(北海道新聞)
 例えば大阪府のように無観客でいくという選択を取らなかったのは、社会経済活動に対する影響があまりにも大きくて、現段階の北海道の感染状況はそんな強い措置を取るまででもないと、そういう総合的な判断に基づくものなのでしょうか。

(知事)
 基本的対処方針というものがございまして、緊急事態措置の対象地域において、その基本的対処方針に、基本的には沿って対策を講じていくということで、緊急事態宣言の地域が追加された中で、また、対策、基本的対処方針が見直されて、それぞれに通知されたところでございます。その対処方針を踏まえた中で、先ほど申し上げたような人数上限については5000人かつ収容率50パーセントということで、要請を行うこととさせていただいたところであります。大阪府につきましてはゴールデンウィークのそういった状況の中で対策がスタートし、それを継続しているという状況なのではないかと考えています。

(北海道新聞)
 当時、大阪府が直面していたゴールデンウィークという、その人の動きが非常に激しくなる時期にあったと、そのリスクが今の北海道にはないという、そういう差異に基づくものだということですか。

(知事)
 ゴールデンウィーク期間と平時の時期ということで、政府において、基本的対処方針、これは専門家などにもご意見をいただいた上で、その対処方針が見直されました。基本的には緊急事態宣言が新たに発令された対象地域においては、その対処方針に基づいて、国とも一つ一つの対策項目について協議させていただいて、対策を講じることとなっています。
 ただ、やはり感染対策が徹底できない場合は、無観客で検討してほしいということについては、道として独自に求めていきたいと考えています。

(北海道新聞)
 もう一つよろしいでしょうか。緊急事態宣言ですね、北海道、特例的といいますか、特別措置区域とそれから措置区域に分けて対策を打つという立て付けになっているのだと思います。その特別措置区域は、札幌市、小樽市、旭川市それから石狩管内全域とされたと。この、いわばユニークな制度設計といいますか、これはどのようなそのプロセスで出来上がったものなのか、誰の意見に基づいて誰が最終的に決定したのか、ということについて、少し詳しくご説明いただけますでしょうか。

(知事)
 今ご説明したような背景がございまして、北海道については面積が22県分、179の市町村がございまして、感染状況などにつきましては、先ほど申し上げたような、こういった状況になっていまして、その中で対策について、いわゆる大きく分けて二つになるのですけれども、対策を講じさせていただきたいということで、これは今まで、結局法律上は都道府県単位というのは原則、運用の話であって、法律上は地域を分けることができるのではないかという主張というか、議論などもあったのですけれども、実際は、都道府県で分けたという事例は、最初に特措法が改正される前、まん延防止等重点措置がないときには、例えば、北海道は石狩管内を解除の段階で分けたのです。ですから、そういうことはあったのですけれども、新しく改正されて以降は、原則都道府県ということで、国として運用してきたので、そこについてはいろんな議論があったと思っています。
 私としては、全国知事会でも、北海道は他の県と違って、非常に大きいという状況もありまして、そういった知事の裁量なども与えられるべきなのではないかという主張をしてきました。
 その中で、これはまさに西村大臣なども国会報告の中で、そういった北海道の特殊性というか、そういう状況というのは考慮する必要性があるのではないかということを、この指定の国会報告の中でもやりとりされていました。ですから、そのことを受けて、われわれとしてはこういった区分をさせていただいて、これは全部、国へ協議しなければいけないのです。対処方針とちゃんと合っているかとか、どういう措置をやるのか、例えば緊急事態宣言やまん延防止等重点措置以外で、独自対策でやる場合は、そういった事前の細かな、何て言うのでしょうか、一応共有はするのですけれども、この特措法に基づく最も強い緊急事態宣言の中身になりますので、われわれとしては、こういった対策ということで協議させていただきながら、今回このような措置を取らさせていただくというプロセスでございます。

(北海道新聞)
 つまり道庁のほうから、この札幌市、小樽市、旭川市、石狩を特定措置区域とすると、それ以外の区域を措置区域とすると、そういう分け方をするというのを、北海道の側からアイデアを出して、国はそれをいわば承認したと、そういう流れだったのでしょうか。

(知事)
 国のほうからも、結局、これは国としても、内容が十分なものかというのは当然意見が入ってくるのです。ですから、そこは協議しながら、集めさせていただいたということになります。
 その前段、まん延防止等重点措置にあっても、さまざまそういった重点的に取り組む地域などの議論が、そもそも国ともありましたので、そういったことなども踏まえてしっかり協議したということです。

(北海道新聞)
 いずれにしても最終的なその区域の分けは、これは要するに政府が決めるという形になるわけなのですね。手続き的には。

(知事)
 これは手続き的にはそういう形になるのですか。

(感染症対策局長)
 都道府県知事が、最後は措置を決めますので、そういう整理です。

(知事)
 協議をして、最終的には都道府県知事として案を出して協議してという形ですかね。

(北海道新聞)
 エリア分け、つまり知事が決めるということですか。

(知事)
 基本的には(エリア分けも含め)この措置の必要性とかを協議させていただいたという形になります。

(北海道新聞)
 分かりました。最後に、知事はこの道議会で、札幌市を対象地域とした緊急事態宣言をお求めになりました。その後、大臣にもお電話されたという話ですけれども、今回出来上がった緊急事態宣言のこの仕組みを見ると、札幌市だけではなくて、小樽市、旭川市、石狩管内がくっついてきたわけです、結果的に。しかし、ある程度地域に応じてメリハリをつけて措置を行う仕組みができたと。この緊急事態措置、北海道における緊急事態措置をどんなふうに評価されますか。

(知事)
 そういう意味では、札幌市で行われている対策を全ての市町村に同様に措置するということでは、私はなかなか感染の状況なども含めて、また地域の背景とかもいろいろ違いますので、そういう意味では、国のほうも柔軟に協議に応じていただけたということは、大変ありがたいと思っています。
 これは、国と協議しながら決定しましたけれども、今後のこの緊急事態宣言で、こういった分けた形での運用というのは北海道が初めてになるので、これをどのような形で国として整理されていくのかということについては、他の地域は、もしかしたら関心がある話なのかもしれないとは思っています。

(北海道新聞)
 最後のお言葉は、つまりこれが一つのモデルケースのような位置付けに、北海道の今後、あるいは他府県に対して、なっていく可能性があるというような、受け止めをしてらっしゃるということですか。

(知事)
 国としてこういった考え方でというところの詳細な何かものが、今、出てきているわけではありませんので、そこは国として考え方をあらためて、多分整理されるのだろうと思いますけれども、ただ、北海道は他の県と比べても、やはり大きさもそうですし、市町村の数も179ありますので、ちょっと他の2番目のところと比べてもやはり倍以上、市町村の数がありますから、何かそういう状況の中で、そういった意味では、国としても、何て言うのでしょうか、特例的な扱いというか、他の県とは違うところとして認識されたのではないかとは思っています。

(共同通信)
 議会でですね、札幌市に限定して緊急事態宣言を発令してほしいということを要望するということは明らかにされましたが、その前までも札幌市には緊急事態宣言と同じぐらいの強い措置をしていたというところで、あらためてどうして札幌市はそれぐらいの対策をしていたにもかかわらず、緊急事態宣言を札幌市限定で求めるというお考えになったのかというところを教えてください。

(知事)
 まずは具体的な対策としては、緊急事態宣言になりますと、先ほど申し上げた酒類ですとかカラオケ設備だとか、そういったところを提供する飲食店への休業要請、また大規模な集客施設に対する休業、これは土日休業ということで、さらに強い対策を講じていく形になりますし、また、緊急事態宣言という形で、これは分科会の中でもご意見があったとお伺いしているのですけれども、こういった強いメッセージを出す必要性があるのではないかという議論が分科会でもあったということです。どうしても、まん延防止等重点措置より緊急事態宣言のほうが、措置自体は近い措置をしていても、皆さんが非常に強く受け止められるというご意見なども専門家の中にあったとお伺いしまして、そういったことなども鑑みますと、私としても札幌市に対して、こういった形で対策を講じていくという必要性を(国へ)要請するということも必要ではないかと。これはちょうど道議会の中でもそういった議論がございました。ですので、その日の夜に西村大臣に対して要望したということです。

(共同通信)
 話題が少し変わるのですけれども、これだけ全国で緊急事態宣言が発令されているという中で、オリンピックについてなのですけれども、オリンピックの開催について知事はどのような認識で今現在いらっしゃるか教えてください。

(知事)
 あらためてちょっと調べたのですけれども、緊急事態宣言がこの赤い色(モニター)で、まん延防止等重点措置がこのオレンジ色です。それ以外のところも調べてみたのですけれども、全ての地域で移動制限というかそういったことを求めていて、かなり日本全体で厳しい状況になっているということがございますので、こういったことを考えると、やはりこの大会の開催に対して不安に思われている方が多くいらっしゃるということも、私として理解しているところであります。この場でも何回も申し上げてきたのですけれども、やはり新型コロナウイルス感染症との戦い、これは今、最優先で取り組まなければいけない。安全、安心を最優先でやっていかなければいけないということが、何よりも私は重要だと思っています。ですから大会の組織委員会においては、やはりそういった多くの皆さんが不安を抱えているということを十分ご理解いただいた上で、道民はもちろんそうですけれども、国民の理解が得られるような説明ですとか、取り組みということをしっかりやっていかなければいけないと強く思っています。

(共同通信)
 それは例えば感染の拡大が収まらなかったりですとか、国民の理解が得られない場合というのは、中止も含めて検討するべきだというお考えなのでしょうか。

(知事)
 やはり多くの方が不安に思っているというのは事実だと思いますので、安全、安心を最優先ということで。私も大臣や皆さんが、(オリンピック・パラリンピックを新型コロナウイルスに)打ち勝った証しと言っていらっしゃったときに、そうではなくて、安全、安心が最優先ということを言ったほうが、絶対皆さんに理解いただけますよと話しましたけれども、さらに感染がこうやって拡大しているわけですから、そういった不安を持っている方が多くなっています。ですからそういった方に対して丁寧な説明、そして理解を得ていただくということを、よりやっていただかないとならないと思っています。

(uhb)
 オリンピックに関してなのですけれども、今おっしゃっていた安心、安全なオリンピックを開催するための条件というのは、知事としてはどのように考えていらっしゃいますか。

(知事)
 やはり国民、道民の皆さんが、そういったことだったら安全、安心な大会ですねと、多くの方が理解していただくということが大事なのではないでしょうか。まだ観客の方を入れるかどうかも決まっていない状況ですけれども、そういったことも含めて、近く示されるのだと思いますけれども、やはり率直に多くの方が不安だという声が、感染も拡大していますから多くなっていますよね。ですから、そこに対して皆さん、安全、安心でやるんだよということは、繰り返し組織委員会、また多くの方が言っていますけれども、なかなかそこが、そうだねということには、皆さん認識としてなっていないところに大きな課題があると思いますから、そこは丁寧に説明するというところから入っていただくということが、必要な状況になっているのではないかなと思います。

(uhb)
 何か具体策とかではなく、まずは説明を、ということですかね。

(知事)
 そうですね、説明をした上で、多くの方がそれだったら安心だということになるのか、そうではなくて、やっぱり難しいと受け止める方が多いのかということについては、謙虚に受け止める必要があると思いますから、ただ観客を入れるかどうかもまだ決まっていないということですから、そういったところが出てくる中で、また説明の機会というのですか、多くの方が関心を持つ機会というのが生まれると思いますから、そこが一つポイントなのかなと思っています。

(uhb)
 ちょっとぶしつけかもしれないのですけれども、国がやると言えばやりますか。

(知事)
 国がやるというか、組織委員会、東京都、IOC(国際オリンピック委員会)の中で、国はそれを支援するということになるわけですが、われわれとしては、競技開催地域として協力するということでありますから、そこでの道民の皆さま、国民の方々に、そういったことであれば安心だなと思ってもらえるような説明責任を果たす、これが大事なのではないかと思います。

(uhb)
 オリンピックから外れるのですが、先ほどの質問の中で、今回の対策の中で土日祝日の休業要請に関して特定措置区域、これは確か道独自の対策なのかなと思っていたのですけれども、というのも、今回対処方針を確認したところ外れていたような気がするのですが。

(知事)
 そうですね。先ほどの質問にありましたけれども、ゴールデンウィークという期間から平時期間に移った中で、対処方針というか、取るべき対策が見直されまして、今回から時間短縮ということで、デパートなどにはお願いするということがあって、ただ、すでに入っている東京都などは休業措置をそのまま続けますよという、独自の対策などを取られました。
 われわれとしても、今回追加になる広島県などもそうですけれども、やはり人流を減らして接触の機会を減らすというときに、平日よりもやっぱり土日にお客さんが結構多いのですね。ですから土日に休業していただく。これは一歩進踏み込んだ中で取り組むことによって、特に札幌市は非常に厳しいですから、そういう上乗せ措置というか、そういう形を取らせていただきたいということで対応しているものです。

(uhb)
 国のほうでは今回、基本的対処方針から外れたので、国からの支援金とかがおそらく減った形でも、道は独自に対策を打ちたいということなのかなと思っているのですが、そのあたりに込めた思いというのをあらためて。

(知事)
 この点は、デパートなどの大型施設に対する支援金は当初20万円だったのですよ。それでは全然足らないということで、テナントごととかそういう形になったり、100平方メートル以上の部分の加算とか、1000平方メートル以上もさらに加算すると、そういう話なども出てきて、国のほうにも今、東京都やいろんなところが十分な財政措置を講じてほしいということを言っていますので、われわれとしても必要な財政措置というのをしっかり求めていきたいと思っていますが、国としても、今、対策を充実するということで打ち出していますから、そこをしっかり活用していくという方向で考えています。

(uhb)
 出勤の7割削減に関してなのですけれども、実際に現時点でどのような進捗状況なのか教えてください。

(知事)
 全体の状況というのは、まだ取りまとめについては、北海道全体とか札幌市全体での取り組み状況というのは、過去のアンケート調査とかそういったことでしか推し量れていないのですが、まず道庁の状況については、これから取り組み状況というのを公表していきたいと考えています。テレワークだけではなくて時差出勤だとか、いろいろな取り組みを道庁はしているので、そういった取り組みの可視化ということでやっていきたいと考えています。これは有識者の皆さまの中でも、道がまず始めろと、言うだけではなくて、道が始めろと言われていますので、この出勤抑制等の実施状況については、できるだけ早く公表していきたいと考えています。そのことも踏まえて、経済団体とも具体的な取り組み状況、これは西村担当大臣も各大企業を中心として公表してほしいということを経済団体などに要請します。そういったことなども踏まえて対応していきたいと思います。ただ、まずわれわれがやるべきなのではないかと思います。

(読売新聞)
 支援金等の予算についてお伺いします。先日の道議会臨時会では札幌市のまん延防止等重点措置などに伴う予算を可決されました。そこでは機動的対応分というものもかなり額を確保されたかと思うのですけれども、今回緊急事態宣言になって、全道への支援金も出されるということで、それは機動的対応部分で対応できるのか、または、また予算を通すことになるのか、また予算を通す場合に、今回もうすでに財政調整基金も大幅に取り崩してかなり厳しい状況が増していると思うのですけれども、そのあたり対応が可能なのかどうか、お考えを教えてください。

(知事)
 今日、記者会見をさせていただいていますけれども、精査中のところが正直あります。というのは、支援金の中身もそうなのですけれども、対象範囲が全道になっています。また重点的に対策を講じる地域も拡大して、対策内容が変更になっていますので、今、この場で正確な数字を申し上げるということについては控えたいと思いますが、国の基準単価というか、国の基準が決まっていますので、そういったことを基本として早々にそこは整理したいと考えています。その上で、いずれにしても財政的に極めて厳しいです。
 例えば、さまざまな支援金などに2割負担ということで、8割が国から出るのですけれども、2割負担しなければいけないという状況があるのですね。(都道府県の負担額が)一定額以上になりますと、財政措置が行われて、実質負担1パーセントとかそういう状況になるのですけれども、例えば東京都とか大阪府みたいなところは継続してかなり長期間そういったことをやっていますので、実質負担が1パーセントの負担でできるような形になっているのですね。道の財政は東京都や大阪府と比較してもやはり厳しい中で、対策自体は同様に負担が、というかそれ以上にかかっているのですね。20パーセントですとか。ですからそういったことも踏まえて、これは国のほうにしっかり要望していかなければならないと思いますし、今もしているのですけれども、北海道だけではなくて対象地域はどんどん広がっているのですね。まん延防止等重点措置もですね。ですから国としても想定している以上に対象が広がっていると思いますから、そういう意味ではそもそもの国の財政的な負担も大きく増えると思いますから、そういったことも含めてやはり国の責任でもって、財政措置は基本的にはしてほしいと思いますので、この点をしっかり求めていきたいと思っています。

(読売新聞)
 もう一点、医療提供体制についてですけれども、今日、北海道医療非常事態宣言を出されました。先日、確保病床数を1809まで引き上げるということを決定されたかと思いますけれども、その後進捗状況といいますか、確保は順調に進んでいるのかどうかということと、もう一点、その1809も含めてですけれども、今後、病院に改正感染症法に基づいて病床確保を要請するようなお考え、そういう可能性というのはあるのでしょうか。

(知事)
 改正感染症法に基づく病床であったり、医療従事者の確保に関する要請については、政令指定都市である札幌市に権限が降りていますから、札幌市のほうから昨日時点で出ています。そのことを受けて、各医療機関などがこれぐらい確保できるかもしれないということで、今いろいろご協力いただくという形になっています。また、道としても最大確保病床である1809、これはフェーズ3、これに移行するということで、だいたい1週間程度の準備が必要であるという状況の中で、今、鋭意協議しているところでございます。現時点でまだ詳細な病床の数というのはお知らせできないのですが、さらにこの1809床より拡張していく。そういった努力も同時に進めているところであります。ただ一方で新規感染者数が極めて多いですから、そういった状況の中では病院への入院、宿泊療養、さらには自宅療養という形で増加していますので、とにかく新規感染者数をピークアウトさせていくということが極めて重要だと考えています。この取り組みをしっかりやっていきたいと思います。

(HBC)
 今回ですね、外出自粛制限について、夜のほうにかなり重きを置いてメッセージを出されているような印象を受けました。ただこれまでですね、知事、日中の人流が課題だということをすごくおっしゃっていたと思うのですが、今回、夜のメッセージを強めたその背景を教えてください。

(知事)
 これは国の基本的対処方針というものがありまして、特に20時ということを書かなければいけないとなっているのですよ。ただ、われわれとしては、そうすると(前回の)緊急事態宣言のときに、では(午後)8時より前だったら良いのでしょうということになってしまって、その(午後)8時というメッセージが強調されすぎてしまったということがあるので、これに加えて、日中と週末ということを北海道は追記させていただいたということ。日中と週末と(午後)8時ということで、ちょっといろいろあるのですけれども、先行してやっている東京都とかも、では(午後)8時の前だったら良いのだろう、ということになってしまったというのがあったものですから、やはり日中も含めて、さらにはお休みですね、週末。週末は平日と違って自由に行動ができる一方で、ある意味ではステイホームしやすいとも言えるということがあると思いますので、その日中と週末を北海道としてちょっと加えさせていただいて、皆さんにお願いするということになります。

(HBC)
 やはりそこは背景として日中の人流が減りきっていないという危機感があるということでしょうか。

(知事)
 そうですね。皆さんのご理解、ご協力をいただきまして、かなり夜間の人流については、今、特にすすきの駅、札幌駅、これは過去最大の規模で効果が直近だと出ているぐらい、人流の減少になっています。ただこれは今、今までと違った感染のスピードや、拡大状況がございますから、やはりさらにそこは維持、またさらに一段やっていかなければいけないのと、ただ一方で日中はやはり難しさが出てきていますので、テレワークや時差出勤だとか、そういったことも徹底していただきながら、さらに施設の休業、また時間の短縮なども組み合わせながら、日中も含めた人流、そしてまた土日、今回の31日までは4日間ありますから、土曜日曜、土曜日曜。ここについてもしっかり人流を抑えていくことによって、短い期間の中でしっかりと感染を抑制していくという形の対応を取りたいと思っています。

(HBC)
 次に二点目なのですけれども、今の短い期間で5月31日までの緊急事態宣言ですが、その後、聖火リレーなどもやってきますが、現状の例えば感染状況が続いていた場合に、聖火リレーについて、どのような実施の可能性ですとか、実施方法だとか、どのようなお考えでいらっしゃいますでしょうか。

(知事)
 聖火リレーでありますけれども、緊急事態宣言が出ているところで、聖火リレーがその期間中に当たるというか、その前から入ってしまっていたというところについては、他県の状況を見ますと、公道での聖火リレーは、みんな中止されています。緊急事態宣言が出て、聖火リレーが行われるというところは、基本的に公道の聖火リレーはやらないということになっていますから、一般論から言えばそういった状況が考えられるのではないかなと思っています。この5月31日までが緊急事態宣言の期間になっていますけれども、この期間についても、独自対策であれば自分たちで期間を決められたのですけれども、また国のほうで延長とかそういったことを判断していくことになるわけでありますけれども、そういった事態もやはりわれわれとしては考えていかなければいけない部分もあるかと思っていますから、関係する自治体とも相談しながら、道内の感染状況の情報をしっかり提供して、大会組織委員会と協議して、聖火リレーの実施方法、実施について、これは先ほど申し上げたような一般論の中で中止になっているという状況もありますから、そういったことも踏まえて適切に判断していきたいと考えています。

(HBC)
 あと二点だけ教えてください。今、感染が広がっていく中で、一つインドのですね、変異株というのが東京都のほうで見つかってきています。北海道でスクリーニング検査、まだやられていないと承知しているのですが、こちらインド株のスクリーニング、取り組んでいくお考えはいかがでしょう。

(知事)
 これはイギリス株のときもそうだったのですけれども、国が全体で対策を講じる前に、われわれとしては衛生研究所の中でいろいろスクリーニングというか、ゲノム解析できますから、そういう意味では警戒していました。今回のインド株についても、そういった意味でゲノム解析自体の能力というのは、衛生研究所にあるというところなのですが、その全体のスクリーニングのあり方とかがまだ示されていませんし、試薬だとか、その検査のあり方というのもまだ出てきていないので、そういったことも踏まえながらしっかり対応できるように、私はこのインド株の話が出てきたときにも、衛生研究所と、どういった形があり得るのかということについては、もうシミュレーションしていますから、そういった国の方針が出てきた中で対応していくことになるだろうと思っています。いずれにしても警戒していかなければいけないということです。

(HBC)
 あと一点だけ、まん延防止等重点措置、9日に適用されて結果的に緊急事態宣言がその8日後、明日なので8日後ということになりました。まん延防止等重点措置という制度そのものについて、知事は結局どのようなふうに現時点で総括されていますでしょうか。

(知事)
 これは今回、緊急事態宣言が地域によって強弱をつけることができたというのは、北海道が初めての事例なのですが、それとともに今回、岡山県と広島県が、当初、まん延防止等重点措置になる予定だったのが、緊急事態宣言になりましたよね。今までだったらまん延防止等重点措置になって、ステップアップして緊急事態宣言という形だったのですけれども、基本的にはですね。ただ今回、専門家などのご意見も踏まえて、岡山県や広島県に緊急事態宣言が出ました。ですから、こういうことを考えると、いわゆる従来株の中では、その感染の拡大の波が、大阪府もそうですし、うちもそうなのですが、急激に伸びています。ですからこういった急激に伸びているときというのは、国としてはまん延防止等措置をやって、緊急事態宣言をやってという、この段階を踏んでいくということを基本的に想定しているのですけれども、そこがなかなか難しい事態が今起きているということだと思っています。ですので、われわれは、まん延防止等重点措置で緊急事態と同等のことをやるということで、国と話はしたのですけれども、やはり札幌市については、例えば条件、今回エリア指定ができるということも、急転直下で認めていただいた形になりますけれども、例えばそういうことも認められることを前もって言っていただいていたら。これを示してくださいと知事会でも言っていたのです。ただ、それは分からないということでしたから、それが分かっていたら、もしかしたら重点的に緊急事態宣言と同等の措置ということでやるのであれば、それだったら札幌市に緊急事態宣言を出すということもあり得たということですよね。ですからそこは、できれば事前に教えていただけていたら、ありがたかったなとは思っています。

(十勝毎日新聞)
 特定措置区域と措置区域の考え方について教えていただきたいのですけれども、今回ですね、2週間ぐらいのですね、緊急事態ということで感染者の8割は特定措置区域に集中しているということで、今の段階ではそのエリアでいいということなのだと思うのですけれども、一方で、全道各地でですね、感染者が急増している地域もあるかと思うのですけれども、これは仮に政府が緊急事態を延期するような事態が出てきたときも考えてですね、特定措置区域を広げたりするということはあり得るのでしょうか。

(知事)
 今こういった感染状況の背景で、また感染状況というだけではなくて、例えば小樽市も石狩管内もそうですけれども、どうしても都市構造上、札幌市というのは非常に人の往来だとか、感染拡大の数も今までも見ていても、やはり非常に多いですよね。ですから、そことの通勤ですとか通学ですとか、いろいろな形で人の動きがあるところというのは、どうしてもそういったリスクが他の地域と比べると高いという構造上の話もあります。
 また、中核的都市である旭川市は、(北海道)第2の都市ですけれども、継続的に(新規感染者が)出ていますので、こういったことを考えると、この地域でしっかり抑え込みができると、結果として他の地域に伝播していくというか、感染していくリスクも結果として減っていくということがあります。ただ、今の変異株の状況などを考えますと、急激に広がっていくという可能性も、これは全くないのかということは、それは否定できないところもあると思いますから、毎日の感染状況をモニタリングしながら、そこはしっかり見極めていく必要があるのだろうとは思います。

(十勝毎日新聞)
 状況次第では、そういう拡大することもあるということを考えていていいのでしょうか。

(知事)
 基本的には5月31日まで、こういった対策の枠組みの中でやらせていただきたいとは考えています。

(TVh)
 今回の措置なのですけれども、札幌市の平日という観点だけで見てみると、すでに強い措置を取られていたということもあって、酒類を提供する店なんかはもうすでに休業状態の店も多いかと思うのですけれども、いわゆる一般市民の生活というところから見ると大きな違いというのはあまり見えないのかなと見えるのですけれども、その意図としては経済活動との兼ね合いで仕方ないということなのか、それともこれまでの措置で十分効果が期待できるということなのか、そのあたりの考えをお聞かせください。

(知事)
 緊急事態宣言も何かルールも全くなく、全てのお店を休業できるとかそういうことではなくて、国の対処方針というルールがあって、その中で基本的には協議しながら対策を講じますので、そこが基本になってきます。先ほど申し上げたような酒類(を提供する施設)、カラオケ設備のところは休業に今回なっていくというところがあります。これは、自主的に休業されているというのは確かにあるのだと思いますけれども、特措法に基づいて休業要請という形になっていきます。それと先ほど申し上げたような大規模な集客施設においても、土日に休業して非常に大きな制限になっていきます。多くの方が利用している、そういうところになりますから、対策はより強化されていく形になります。ですので、全国の緊急事態宣言の対策を講じる中でも、そういった意味ではかなり強い対策になっていくと思っています。

(TVh)
 受け取る市民側からしてみると、明日は日曜日だからあれですけれども、明後日から何かこう大きく変わるという部分、札幌市という部分で区切ってみるといかがですか。

(知事)
 それはまさに今の感染状況、また医療が非常事態と言える状況の中で、今までは、例えば外出自粛(を求められている)けれどもこの外出を予定通りやろうかなと(いったことを今後は控えていただく)とか、そういうお一人お一人の全ての日程をこちらで完全にコントロールできるということではないのですね、今、日本は。ですからそういった中で、お一人お一人の意識を今の感染状況などを踏まえてあらためて変えていただいて、この部分は、やはり日常生活を維持する上で必要な外出ではないので、例えばこれは感染が落ち着くまで予定を延期しようとか、そういったことをお一人お一人が積み重ねていただかないと、なかなかこれは全て、例えばお店を全部ずっと営業しないでくださいとか、そういったことができるものでは今、ないのですね。ですから、そういった中で、例えばテレワークについても緊急事態宣言が出ました。ですから企業のそれぞれ経営者の方ですとか、事業主の方、おそらくそういった従業員の方のためにも、テレワークの環境があれば、そういったものに移行していくということを進めていただけると思っていますし、そういった意味で、それぞれお一人お一人、行動を実践していただく、これがすごく大事なことだと思っています。

(HTB)
 本日、医療非常事態(宣言)、全道的に発出されましたけれども、医療が危機的な状況というのは、すでに何日も前から陥っているわけでして、今回この非常事態宣言を出されたことによって、今、医療の現場に対して何ができるのかというのを具体的に教えてください。

(知事)
 医師会や関係団体の皆さまからは、まさにこの戦いの中で、医療が極めて厳しい状況にあるということについては、特に札幌市の医療非常事態宣言を出す前の意見交換をはじめ、各団体と話をする中で、そういう危機意識がなかなか皆さんに伝わっていないのではないかということで、札幌市医療非常事態宣言という明確なものを出そうということで出しました。しかしながら、今は地方の基幹病院とか、例えばそういうところに今までは札幌市の患者を受け入れていただいたりということもできたのですけれども、そういった基幹病院の病床(利用)率も上がってきまして、これはもう全道で医療の非常事態になってきています。ですから、札幌市の医療非常事態宣言というのは出しましたけれども、今、北海道全体でそういう状況になっているのだということを皆さんに知っていただく。感染者数は結構、日々マスコミの皆さんに発信していただいて、すごく増えたなということで関心を持っていただいていると思うのですが、医療が今、本当に非常事態なのだということを医師会の皆さん、市長会、町村会、皆で道民の皆さんに訴えるということで発出させていただきました。どうか、札幌市が一番、今厳しいですけれども、それ以外の基幹病院をはじめとして、コロナ(患者)を受け入れていただいている病院も相当厳しい状況になっているものですから、そういったことについて、どうかお一人お一人にご理解いただけたらありがたいと思っております。

(HTB)
 道民の皆さまに危機意識をあらためて持ってほしいという意味合いでの宣言ということかと思うのですけれど、であればもっと早く出すべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

(知事)
 (北海道医療)非常事態宣言につきましては、医師会の皆さんや、市長会、町村会、そしてわれわれ道の連名で、それぞれの地域において情報共有させていただいた中で、緊急事態宣言というものが今回発出されることになりましたけれども、このタイミングで皆で共有しようということになったものですから、緊急事態宣言とともに出そうということとさせていただきました。

(HTB)
 取り組みとして、今病床の確保に懸命に取り組まれていると思うのですけれども、そのほか、その医療の現場に対して道から何かできるようなこととか、今後取り組みで考えていらっしゃることはありますでしょうか。

(知事)
 今、医療機関、特にコロナ(患者)を受け入れていただいている方、病院だけではなくて一般医療、要はそういった地域の基幹病院がコロナの病床を空けていただいていることによって、例えば一部、一般診療がそういった基幹的な病院で、救急とかもそうですけれども、なかなか十分に受けられないことによって、それ以外の病院に対して負荷が掛かっていたりとか。新型コロナウイルス感染症だけでないですから、いろいろけがだとか病気だとか日々ございますので、そういった意味で、役割分担ですとか、軽症者であれば協力するよと言ってくださっている、新たなところなども出てきていますので、そういったところをちゃんと整理していくことによって、今、受けていただいている医療機関の負担を少しでも軽減していったり、受け入れをそもそも増やさなければいけないのですが、そういうこともやりながらなんとか今懸命に頑張っていただいている、目の前にコロナの患者がいる皆さんの負担を減らしていくと。今、アパホテルが宿泊療養施設でありますけれども、あそこは臨時医療施設になっていますので、そういう中で例えば酸素が必要な方に一時的にそういったことをやっていくとか、医師の応援派遣の枠組みを今、作っていこうということで考えているのですけれども、そういったこともやりながら医療機関への負担を減らしつつ、医療が必要な方、ケアが必要な方を適切につないでいけるようにしていきたいと考えています。

(HTB)
 ちょっとこれまでの経緯の振り返りになるのですけれども、やはり今日も道民の方にいろいろお話を聞きますと、緊急事態という形になりましたが、やはり対策のスピード感ですとか知事の判断も含めて、やっぱり後手に回っているという声もいまだに多く聞かれまして、知事ご自身で連休前からが主だと思うのですけれども、このまん延防止措置であったりとか、今回緊急事態になりましたけれども、これまでの対策を打つスピード感について、ご自身としてどのように評価されていますか。

(知事)
 まん延防止等重点措置、そして緊急事態宣言による緊急事態措置、この二点については特措法に基づく対策になってきます。例えば、まん延防止等重点措置は分かりやすいかもしれませんが、そういったものを要請しても、国会のスケジュールだとか、いろいろなことがあって、例えば適用対象にならなかったり、また今回の場合は一気に緊急事態(宣言)になったりとか、いろいろありますけれども、基本的には知事権限で与えられている独自対策を必要なときに打っていくということが、まず私の権限でできる対策として重要だと思っています。そういった対策は皆さんに大変なご迷惑をお掛けしながらも、講じてきたのですけれども、結果としてこの急激な感染拡大ということになっていますので、その点についてのさまざまな声というのは、やはり私はしっかり受け止めていかなければならないと思っていますし、ただ、皆さまにご協力をお願いしたいのは、どうしてもこのお一人お一人の皆さんにご協力いただかないと、この感染を下方に転じて減少させていくということがどうしても難しいものですから、さまざまなご批判もしっかり受け止めながら、先頭に立ってこれからも対策を講じていきたいと思いますので、どうか皆さんには、大切なご家族やご友人や、ご自身の命や、またその暮らしや、そういったものを守るために、どうかご協力いただけたら大変ありがたいなと思っています。

(HTB)
 ご自身の裁量の範囲内では、もう最速のスピードでここまできているというご認識でしょうか。

(知事)
 そこはしっかり対策を講じた中で、この今の山をしっかり下方に転じて、その中である意味では第三者の方といいますか、有識者やいろいろな方々に対策を協議していますけれども、そういった検証というか、どういった対策が必要(であったのか)、このタイミングであったのかとか、そういったことについてもご指摘いただきながら、対策をこれからも講じていきたいと思っています。

(HTB)
 外部の評価ではなくて、ご自身の評価として、打たれてきた対策が的確にタイムリーに打てているのかどうかというのをお聞きしております。

(知事)
 私はこの感染の予想は、どうしても的確に予想できるという人がなかなかいないという状況があると思っていまして、その中で札幌市の感染が非常に多かったですから、札幌市ともしっかり協議させていただいた中で、対策を講じてきているということについては、さまざまなご批判をしっかり受け止めながらではありますけれども、ご理解いただけたら大変ありがたいなとは思っています。

(朝日新聞)
 主に確認的なものを短くまずお伺いしていきます。今回極めて巨額のお金が必要になります。道議会補正予算等も必要だと思います。今日、広島県では休日議会も開かれて可決されたと聞いています。まず補正予算などのため、もしくは説明のために道議会臨時会を再び開くお考えがあるかどうか、まずこれを短くお願いします。

(知事)
 (5月13日に開催された)臨時会の中で、その機動的対応分も含めてさまざま議論させていただきました。そういった中で、今回、緊急事態宣言になりましたので、それに必要な予算などについて、精査させていただいていますので、そういった中で議会の議論などを踏まえて、しっかり対応していきたいと思います。

(朝日新聞)
 つまり今の現時点では開くお考えはないということですか。

(知事)
 そこは議会としっかりお話をしていく必要があると思っています。

(朝日新聞)
 次の点なのですけれども、先ほど見回りを強化していくお考えを示されました。対処方針等で出ているために、見回りはせざるを得ないのですが、一方で今、保健所からの連絡も数日つかないというような状況もあり、人を割くリソースとして見回りよりも重視する点があるのではないかと思うのですが、その点はどうお考えでしょうか。

(知事)
 見回りにつきましては、まん延防止等重点措置のときもそうなのですけれども、緊急事態宣言になりますと、頻回な見回りということで、これは非常に厳しい特措法に基づく要請、そして必要があれば命令や罰則という形になりますことから、実際に要請に応じていただいている状況などを、やはり確認をして実効性を上げていかなければいけないということを求められていますので、その点については、やはりしっかり見回りもやっていかなければならないと考えています。

(朝日新聞)
 もう一つですけれど、休校に関してなのですが、まず変異株が非常に強いということは何度も繰り返されています。昨年はいろんな一斉休校等ありました。その反省に立って、その後さまざまな改良がされてはきましたが、今のクラスターの出方等を見ていると保育所や学校等、去年とは全然違う風景があると思います。休校等についてのお考え、現段階での基本、学校を続けるとか、あとは例外を設けて部活動を認めるとか、現在の方針で良いとお考えでしょうか。

(知事)
 現時点で、緊急事態宣言対象地域で一斉休校の対応を取っているというところはないと認識しています。できるだけ学習機会を確保しながら、オンラインなども使いながら、子供たちの学ぶ機会を確保していくという方針で、今、道教委、また札幌市で言えば市教委になりますけれども、取り組んでいるというところであります。

(朝日新聞)
 あと最後に一つ短くなのですが、先ほどアパ(ホテル)の臨時医療施設の指定、前回の緊急事態宣言のときに設置されてですね、今も残っている状態だと理解しています。医師会の先生、医師会とともにですね、今回、北海道の(医療)非常事態宣言ですか、出されたわけですが、現実問題としては医師会に加盟していないお医者さんたちもたくさんいますし、公立のそういった施設がやはり必要な段階にきているのではないかと思うのですが、札幌圏内もしくは他の地域に新たな臨時のそういった医療施設を、同様のものを設けるお考えがあるかどうか、最後にお伺いします。

(知事)
 宿泊療養施設については、まず札幌市での感染が非常に多いですから、今4棟目に向けて準備を行っています。それと、これは皆さんご承知のとおりですけれども、入院や宿泊療養、こういった部分で困難な部分も出てきて、自宅で療養するという方が、札幌市は特に新規感染者数が多いですから、増加しているというところがございますが、これは今、食品ですとか日用品、こういったものを自宅にお届けしています。そして健康観察ということで、これは連絡を取って必要な治療につなげるといった対応をしていますけれども、先ほど少し酸素のお話をさせていただきましたけれども、札幌圏の話になってしまうのですけれども、急増していますので、医師会の皆さんともご相談して、道内の災害拠点病院のご協力をいただきまして、COVID-19JMATを編成して、支援体制を整備していこうということで、具体的に何日ということは申し上げられないのですけれども、そういった支援いただける方々の体制を築いていきたいと思っています。
 札幌市が非常に増加しているので、まずは札幌市のそういう状況をフォローしていくと考えていますけれども、今、秋元市長も札幌市の救急搬送がなかなか適切にすぐ入院にならないときに、その患者に一時待機していただく場所も、例えば箱があっても医師がいなかったら、看護師がいなかったら機能しませんので。ですから、そういったところに人材を確保していくということも含めて、そういった取り組み。結果として一時的にそういった簡単なケアができますので、臨時医療施設という大きな箱ではないですけれども、そういう場所を作っていくということを検討しています。

(朝日新聞)
 その点確認なのですが、今のお話ですとその大型の箱の臨時医療施設ではなくて、小さなものをたくさん、場所、物理的な場所を作っていく構想があると、そういう理解でよろしいでしょうか。

(知事)
 アパホテルみたいに巨大な、そういった施設は想定していませんけれども、今、患者が急激に増えていますので、そういった対応が札幌市のみならず、他の地域の必要性ということも感じていますので。ただ、やはり場所があっても、酸素とかそういったハード面とかいろいろなものがあっても、結局最後は人材なのですね。ですからさっき言ったような枠組みも、体制として作っていけないかということを医師会の皆さんにもご相談しながら取り組んでいます。

(NHK)
 先ほどの話に戻って、まん延防止等重点措置適用申請時のタイミング、その判断についてお伺いします。先ほど、緊急事態宣言に今回、急になったということについて、専門家から強いメッセージを出す必要があるのではないかという、そういう意見があった。それは知事についても同意だということで話していたと思いますが、それについて関連して言うと、まん延防止等重点措置の段階でも、知事が手を挙げるそのこと自体で、その対策に対するメッセージというのが変わるということが、実はあったのではないかと思うのです。強い対策を講じているという中でも、急激に増えたということなので、その点についてあらためてお考えをお伺いできればと思います。

(知事)
 緊急事態宣言は、基本的には対策本部長である総理が、分科会などの意見を踏まえて決めるという形になっているのです。ところが、これも事実上、いろんな知事が要請していますが、本来であれば、その感染状況を把握して、要請を受けてやるものではない立て付けになっているのですね。まん延防止等重点措置というのは要請があります。まん延防止等重点措置というのは、知事が要請して発動するということがあるのですけれども、緊急事態宣言というのは、基本的には要請ということが手続き上あるわけではないのですね。本来であれば、そういった要請とかではなくて、専門家が客観的、冷静に分析して、対策本部長である総理が、ご意見なども踏まえて、ここに緊急事態宣言を出そうということを判断されるということなのだと思うわけですが、今回、(全国)知事会でも申し上げていましたけれども、そういった対策の柔軟性ですね、強弱の。そういったものが見えていたならば、札幌市に対して緊急事態宣言ということを、こちらからより早い段階で求めるということも、必要性があったのかもしれないと考えています。

(NHK)
 すみません、ちょっとその前の段階の話で、まん延防止等重点措置適用時の話で、早い段階で手を挙げる、そのことによってメッセージを伝えるということもあったのではないかということでお伺いしたかったと思います。

(知事)
 まん延防止等重点措置については申請できますので、秋元札幌市長からも、一定のこの(人口10万人当たり)25人という数字になったら、まん延防止等重点措置の議論をしようということで、北海道全体としては15人ということで、そこからスタートしました。これは手を挙げることによる抑止効果というか、手を挙げているけれども認められないという中でも抑止効果があるかもしれない。そういったことはもしかしたらあったのかもしれないと思います。

(NHK)
 最後それを受け止めてということなのですが、こういったやはり感染が急拡大するようなこの状況、目まぐるしく変わるような状況では、やはり日々反省点などを見つけ出しながら、どう対応に生かしていくかということが何より重要なのかなと思っております。その中で道民も、やはり先手先手という知事の対応を期待しているところと、今回の対応では不安を感じている部分もあると思うのですが、最後にそういった反省点を生かしながら、この次の状況に向けてどう対応していくのか、あらためてその決意の部分をお願いします。

(知事)
 これまでも独自対策も踏まえまして、さまざま、本当に道民の皆さま、事業者の皆さまをはじめ皆さんにご協力いただいて、対策を講じてきました。まだまだ分からないこと、正しい知見が得られていないことなど、変異株についても、まだ分からないことも多いと思いますけれども、いずれにしても基本的には当たり前のことでありますが、道民の皆さまの命と暮らしを守るという観点から、これまでの対策の検証などを受けて、これからもしっかり対策を講じていきたいと考えていますし、これからもさまざま、皆さんにもご意見などを伺いながら、今後の対策にしっかり生かしていきたいと考えています。

(読売新聞)
 特定措置区域の考え方についてなのですけれども、先日の道議会で元々この地域というのは、まん延防止等重点措置の範囲拡大として時短要請の考えの地域だと思うのですけれども、国が緊急事態宣言の発令を決めたこともあって、今回この地域において飲食店での休業を要請する形となりました。ここの考え方はもちろん緊急事態宣言の発令が理由だと思うのですけれども、この考え方、より強い措置に全体として踏み切った理由と、札幌市以外の地域というのはこれまで特に要請もなかった中で、急に一番強い措置での休業要請だと思うのですけれども、事業者の理解を得るのは難しいと思うのですけれども、この点知事はどのようにお考えでしょうか。

(知事)
 札幌市と行き来がある、また北海道第2の都市である旭川市の中で、極めて厳しい札幌市と同じ措置を講じることになったわけであります。それぞれ首長の皆さまにも対策の方向性や内容についても協議させていただいて、今の感染状況を考えれば、これはやはり一体となって強い対策を講じていこうということで決めました。各首長にあっては、この措置を待たずに公的施設などの休止なども決めていただいているところでありますが、そういった地域の状況を一番ご理解されている各首長の皆さんと協議した中で、こういった対策を講じております。また、その必要性についても専門家、有識者の方にご説明申し上げて、一定の妥当性があるということで対策を講じているところであります。

(TVh)
 昨日、総理のほうもおっしゃっていたのですけれども、こういう感染対策を徹底することも大事なのですけれども、ワクチン接種のほうのお話で、知事のほうが国に対して大規模接種会場の設置なんかも求められていたと思うのですよね。このあたりどのように進捗しているか伺えれば。

(知事)
 この大規模接種の件については、東京都、大阪府で始まるという話が出た後に、かなり全国の多くの地域から、東京都と大阪府もいいけれども、われわれのところも人口が多いのでやってほしいという声が全国から今出てきている状況になっています。一番必要なところは国直営の大規模会場の設置ということで、今要望させていただいているのですが、場所があっても結局、人なのですね。今、市町村も総理が7月中に接種ということで139の市町村、78パーセントが7月中に頑張りますということで回答した前提条件は、接種に伴う医療従事者の不足の解消でしたり、ワクチンの配送スケジュールが明確になるといった課題が解消されたならば7月中ということなのですね。この大規模接種についても、例えばその場所はあるけれども、人は道内でやってくれということになれば、市町村で足りないところはこっちに来てくださいとか、そういう話になってきますので、やはりこれは大阪府や東京都などでは国が人も含めて対応していただいているということがあるのであれば、それはやっていただきたい。今この北海道、特に札幌市は人口当たりで言うと日本で一番厳しい状況になっています。ですから、そういったことも国においてご理解いただいた中で、どうかこの設置に向けて具体的な話を求めていきたいと思っています。

(TVh)
 今回新たに示された休業要請ですとかありますけれども、担保するために例えば道職員の方たちが見回りされていると思うのですが、例えば北海道警察のほうにも協力をお願いしたりとかというようなこともあるのでしょうか。

(知事)
 今日、対策本部の中で北海道警察本部長のほうから発言がありましたけれども、結局8時以降お店が閉まったり、PR看板が消えたりとかしますと、どうしても暗くなりまして、これはないようにしなければいけませんが犯罪行為に結果として結びつくような、他県などで物を破壊したりとか、そういったことが一部あったりしたのですね。ですから、そのあたりも含めて繁華街における見回りなどの強化ということで、警察においても徒歩またはパトカーに乗って回ると。こういうことをやるということであります。また、まず職員や委託の事業者の方と回らせていただきたいと考えていますのは、警察の方と以前一緒に回ったこともあるのですけれども、事業者の方が警察の方と一緒に来ると非常に何か圧力を感じるというようなご意見などもございまして、そこはまずわれわれが丁寧に、ご協力を呼び掛けていくということを、まずはやらせていただければありがたいと思っています。

(TVh)
 最後に、まん延防止等重点措置あるいは緊急事態宣言の要請、要望について、こちら以前の会見なんかでも知事がおっしゃっていたのが、強い対策を取っているので、それでとりあえず状況を判断したいと。一方で、ただ受け付けてもらえないような状況なのに、要請するということは無責任だというようなお話もされていましたし、昨日の例えば緊急事態宣言が実際に発令されるってことになったときにも、想定外だったというお話をされていたのですけれども、アラートの意味も含めて、やっぱり北海道のリーダーが要請なり要望ということを速やかに、現状認識、いわゆるトレンドが出ている段階で知事はこれまでずっと判断されてきたと思うので、そのあたり、今後どのような形で、数字がある程度一定水準を超えた段階ですぐにそういうふうに踏み切るのか、それともまた前回のように少し時間をかけて状況分析されてから要望されるのか、今後も当然解除された後も波がまたやってくるので、そのあたりどういうふうに考えていらっしゃるかを教えていただきたいのですけれど。

(知事)
 感染状況を日々モニタリングしながら、適切に先手先手で対策を講じていくべきだということは、皆さんから、これは一貫して求められていることでありますので、法律上の話だとかいろいろなことがありますけれども、しっかりそこはいろいろなご意見を真摯に受け止めて、対策をこれからも講じていきたいと思っています。

(共同通信)
 一点だけお伺いしたいのですけれども、先ほど聖火リレーの公道のお話があったと思うのですけれど、仮に緊急事態宣言が延長した場合は、公道でのリレーはやらないというようなお考えということで間違いないでしょうか。

(知事)
 まずは5月31日まで、しっかり対策を講じていく必要があると思っていますけれども、一般論として、緊急事態宣言が発令されているところで公道での聖火リレーをやったところはないのですね。みんな中止になっていますから。そういったことも考えながら、自治体だとか、組織委員会だとかとも、そういったことを協議していかなければいけないとは考えています。

(日本農業新聞)
 農林水産省はですね、今月12日にみどりの戦略を正式決定しました。2050年をですね目標年次に、化学肥料や化学農薬の使用量30パーセント、50パーセント低減させたりですね、有機農業の耕作面積を25パーセント拡大するなどの数値目標が設定されております。これを踏まえてですね、道で実現するために何が課題で、今後どういった対策を進めていくかお考えをお聞かせいただければと思います。

(知事)
 今回出された国の戦略の詳細が、まだなかなか出てきていないので、その点については情報収集を今行っているところなのですが、北海道は全国に先駆けて、平成3年度から化学農薬ですとか化学肥料の使用を必要最小限にとどめるクリーン農業ということで、全国に先駆けて取り組んできました。(化学農薬、化学肥料を)基本的に使用しない有機農業について計画を策定し、栽培技術の開発普及、生産拡大、販路確保、さまざま課題に取り組んできました。環境と調和した農業生産ということで進めてきました。今回、国のこの戦略の詳細をしっかり情報収集してではありますけれども、今後のこの技術革新の進展も踏まえながら、家畜ふん尿など再生可能エネルギーの活用ですとか、またクリーン農業、有機農業の推進、先ほどご質問の中であった化学肥料、化学農薬、こういったものを一層低減させていく。こういったことに努めていきたいと考えています。

(日本農業新聞)
 現在の課題としてはどのように認識されていらっしゃいますでしょうか。

(知事)
 北海道は実は有機(有機JAS)の認証農家戸数、そして面積ともに全国一位です。また、この農薬やその主要の肥料におけるクリーン農業の状況についても、取り組みを開始した平成3年度比で農薬については39.1パーセント減、主要肥料についても平成3年比ですけれど、42.3パーセント減ということで、ある意味で先駆けて取り組んできたというところがありますから、そこをさらに磨き上げていくということが大事だと思っています。

(日本農業新聞)
 なかなかその数値目標を出されると、北海道もかなり先進的な農業ですけれども、知事として賛成というか前向きなご意見なのでしょうか。どのようにお考えでしょうかね。

(知事)
 ゼロカーボン北海道ということで取り組みも進めておりますので、この計画、戦略の詳細についてまず把握させていただきたいと思いますけれども、そういった中で今まで進めてきた取り組みと、しっかり連携させながら進めていく必要があるのではないかと考えています。

 

この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)

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