道内市町村等で運行している地域交通では利用者の減少や担い手不足などによりバス路線の再編や交通モードの転換等を検討するケースも生じます。見直しにあたっては国の支援制度を有効に活用するなどにより、「再編・最適化」、「路線バス廃止への対応」、「実証運行事業」の3つの観点で取り組んでいる事例について紹介しています。事業の詳細につきましては、リンク先(国土交通省公開資料)をご覧ください。
再編・最適化
利便増進事業・実施計画
利便増進事業とは、地域における公共交通ネットワークの再編を行う取組に加え、運賃・ダイヤ等の見直しも含め、利用者の利便の増進に資する取組を対象としている事業です。
また、地域公共交通計画において利便増進事業の概要を定めた上で、その事業を実施しようとする者等の同意を得て利便増進実施計画を作成し、国土交通大臣の認定を受けることで予算・法律上の特例措置(補助要件の緩和)を受けることができます。
単独市町村圏域で作成された利便増進実施計画
| 対象地域 | 人口 | 概要 |
| 千歳市地域公共交通再編実施計画(千歳市) | 9.6万人 | ・公共施設や商業施設が集積するコンパクトな市街地に路線を結節 ・拠点間を結び、通勤・通学客のニーズを取り込んだ持続可能な公共交通ネットワークの形成に向け、再構築。 |
| 岩見沢市地域公共交通再編実施計画(岩見沢市) | 7.2万人 | ・長大路線の分割再編や駅を中心とする循環系統へ路線を統合・整理 ・郊外部への乗合タクシーの導入により、交通空白地帯を解消 |
| 釧路市地域公共交通利便増進実施計画(釧路市) | 15.1万人 | ・都心部の路線集約と乗換拠点で郊外路線と接続するゾーンバス化 ・交通不便地域等へのデマンド型交通の導入 |
| 新十津川町地域公共交通利便増進実施計画(新十津川町) | 0.6万人 | ・町内・町外移動を分けた持続可能な公共交通網の再編 ・乗り継ぎに配慮したダイヤ・運賃設定 |
| 当別町地域公共交通利便増進実施計画(当別町) | 1.4万人 | ・バス路線再編及びデマンド化 ・キャッシュレス決済の導入 |
| 池田町地域公共交通利便増進実施計画(池田町) | 0.5万人 | ・コミュニティバスの再編等による市街地交通の最適化 ・農村部における自家用有償旅客運送の開始 |
| 余市町地域公共交通利便増進実施計画(余市町) | 1.6万人 | ・町内公共交通の幹線との競合解消と運行頻度の適正化 ・予約型の区域運行(デマンド交通)の導入 |
| 奥尻町地域公共交通利便増進実施計画(奥尻町) | 0.2万人 | ・デマンド型の新交通(グリーンスローモビリティ)導入 ・町営バス車両の小型化 |
| 上ノ国町地域公共交通利便増進実施計画(上ノ国町) | 0.3万人 | ・デマンド型の新交通導入 ・キャッシュレス決済の導入 |
| 石狩市地域公共交通利便増進実施計画(石狩市) | 5.6万人 | ・通勤デマンド/本町花川線/厚田花川線の新規運行 ・共通予約システム導入 |
| 中標津町地域公共交通利便増進実施計画(中標津町) | 2.1万人 | ・循環型の長大な1路線を3路線に分割し運行 ・朝夕の通学便を定時定路線、日中時間帯を予約型区域運行へ再編 |
広域(複数市町村)圏域で策定された利便増進実施計画
| 対象地域 | 概要 |
| 上川地域 | ・広域幹線間の競合解消と運行頻度の適正化 ・広域幹線と市町内路線の一体的な最適化 |
| オホーツク地域(遠軽町・湧別町・紋別市) | ・広域幹線間の競合解消と運行頻度の適正化 ・バスロケーションシステムを導入 |
| オホーツク地域(北見市・美幌町・津別町) | ・広域幹線間の競合解消と運行頻度の適正化 ・エリア一括協定運行事業を開始(令和8年4月~) |
| 岩宇地域 | ・予約運行型バス(デマンドバス)の本格運行 ・広域の自家用有償旅客運送と岩内町循環バスで共通利用できる回数券発行 |
路線バス廃止への対応
地域旅客運送サービス継続事業・実施計画
地域旅客運送サービス継続事業とは、乗合バス等の収支が不均衡な状況にある路線等を対象として、地域関係者間の協議において、当該路線等の維持困難性について認識を共有した場合は、地方公共団体が関係者と協議して、サービス継続のための実施方針を策定し、公募により新たなサービス提供事業者を選定することができる事業です。この事業は、交通事業者がこれ以上のサービスの維持が困難だと相談するきっかけの場を用意するとともに、地方公共団体が中心となって、既存の交通事業者を含む関係者と連携し、代替サービスの維持・確保を図っていくためのものです。
また、選定されたサービス提供事業者と連携して「地域旅客運送サービス継続実施計画」を作成し、国土交通大臣の認定を受けることで予算・法律上の特例措置を受けることができます。
| 対象系統 | 人口 | 概要 |
| 東部丘陵線(岩見沢市) | 7.2万人 | ・ワゴンタイプ車両による乗合路線定期運行 |
| 月形当別線(月形町・当別町) | 1.6万人 | ・ワゴンタイプ及び小型バスによる乗合路線定期運行 |
| 岩見沢月形線(岩見沢市・月形町) | 7.4万人 | ・中型及びマイクロバスによる乗合路線定期運行 |
| 雷電線(岩内町・蘭越町・黒松内町・寿都町) | 1.9万人 | ・中型バス(従前どおり)による乗合路線定期運行 |
| さんぽまち・東部線(北広島市) | 5.6万人 | ・中型バス及びタクシー車両による乗合路線定期運行 |
実証運行事業
「交通空白」解消等リ・デザイン全面展開プロジェクト
「『交通空白』解消等リ・デザイン全面展開プロジェクト」は、全国各地の「交通空白」の早期解消に向けた取組の立ち上げ支援や地域の多様な関係者の連携・協働、複数の主体による共同化・協業化を通じた地域旅客運送サービスの提供、地方公共団体におけるモビリティデータを活用できる人材・組織の育成及び組織として効率的な地域交通への見直しを含む企画・立案や地域の関係者との調整を進める体制の整備、さらには、事業者・事業種の連携・協働によりデジタル技術を活用した高度サービスの実装等への支援を行うことで、「交通空白」の解消など地域交通の「リ・デザイン」の全面展開を加速することを目的とした事業です。
令和6年度 共創・ MaaS実証 プロジェクト(ピックアップ事例一覧より掲載)
| 実施主体 | 人口 | 事業名 |
| 士別市 | 1.5万人 | 士別市習い事応援タクシー実証実験 |
| 洞爺湖町 | 0.7万人 | まちポイントの活用による公共交通と地域活性化プロジェクト |
| 網走バス | 3.1万人 | 網走観光MaaS実証事業 |
| 小清水町 | 0.4万人 | 地域資源を活用し住民自ら地域を支える新しい地域交通サービス実証事業 |
| 札幌美しが丘脳神経外科病院 | ー | 地域包括ケアシステムを支える清田区医療オンデマンド送迎実証事業 |
| 石狩市 | 5.6万人 | AIオンデマンド交通実証運行「いつモ」 |
| 上士幌町 | 0.4万人 | 自家用有償旅客運送の枠組みで物流事業者の配送車両を活用した貨客混載実証 |
| 苫小牧市 | 16.3万人 | ナイとまバス運行事業 |
| 東川町 | 0.8万人 | 東川町官民共創による町内モビリティ維持・活性化事業 |
| 十勝バス(株) | ー | モビリティハブと人流・物流サービスの連携・協働モデル構築 |
令和5年度 地域交通共創モデル実証プロジェクト(ピックアップ事例一覧より掲載)
| 実施地域 | 人口 | 事業名 |
| 士別市 | 1.5万人 | 習い事応援タクシー実証実験 |
| 江差町 | 0.6万人 | 収益循環モデルの構築による「江差MaaS」実証事業 |
| 十勝バス(株) | ー | 十勝帯広におけるローカルハブでの共創によるコミュニティ活性化事業 |
| TKタクシー(株) | ー | 「部活MaaS」プロジェクト~子育てのしやすい街づくりへ~ |
