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                                平成14年3月29日
                                北海道条例第3号
北海道水産業・漁村振興条例

 目次
  前文
  第1章 総則(第1条-第6条)
  第2章 水産業及び漁村の振興に関する基本的施策(第7条-第21条)
  第3章 北海道水産業・漁村振興審議会(第22条-第29条)
  附則

 北海道は、四方を海に囲まれ、豊富な水産資源、緑豊かな森林、多くの流域などを有し、この恵みの下に、沿岸地域では、漁業や水産加工業を中心として産業が発展し、漁村が形成され、人々は海と深くかかわりながら暮らしを営み、個性ある北の文化をはぐくんできた。
 北海道の水産業は安全かつ良質な水産物を道内のみならず広く全国に供給し、漁村は漁業生産の場のみならず余暇活動の場となるなどして、私たちの健康で豊かな生活の実現に大きく貢献するとともに、北海道の発展に重要な役割を果たしてきた。
 しかしながら、近時の新たな国際海洋秩序の定着や水産物の輸入の増加など水産業を取り巻く情勢が大きく変化する中で、漁場を外に向けて拡大してきた北海道の水産業は後退を余儀なくされ、漁業生産や担い手が減少するなど、このままでは水産業や漁村の安定的な発展が危ぶまれている。
 一方、今日、世界の水産物の需給動向を背景とした将来の我が国の水産物の安定確保の問題や人々のライフスタイルの変化などにより、水産物の安定供給という水産業の機能や漁村の多様な役割への期待が高まっている。
 こうした状況の中で、北海道の水産業が我が国の水産物の供給において重要な役割を果たすとともに、漁村が多様な役割を担っていくためには、本道周辺水域を活用した水産資源の管理や増大を図り、創意と工夫に富む経営の実践や付加価値の高い製品づくりを進めるとともに、住む人のみならず訪れる人にとっても快適で潤いのある地域づくりなどに努めなければならない。
 このような考え方に立って、希望と活力にあふれた水産業や漁村を構築し、次代に引き継いでいくため、道民の総意としてこの条例を制定する。
 
   第1章 総則
 (目的)
第1条 この条例は、水産業及び漁村の振興に関し、基本理念を定め、並びに道の責務並びに水産業者及び水産業の関係団体(以下「水産業者等」という。)並びに道民等の役 割を明らかにするとともに、道の施策の基本となる事項を定めることにより、水産業及 び漁村の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって水産業の健全な発展及 び豊かで活力のある漁村の構築に寄与することを目的とする。
 
 (基本理念)
第2条 水産業の振興は、本道が国内の水産物の供給の拠点として、将来にわたって、安全かつ良質な水産物を安定的に供給できるよう、水域環境の保全を図りながら、水産資源の持続的な利用及び増大を旨として推進されなければならない。
2 水産業の振興は、水産業が地域の経済社会を支え、その活性化に貢献する活力のある産業として発展するよう、収益性の高い健全な経営の確立及び組織の育成を旨として推進されなければならない。
3 漁村の振興は、漁村が水産業の健全な発展の基盤としての役割を果たすとともに、自然とのふれあいの場となる等多様な機能を発揮する地域として発展するよう推進されなければならない。
 (道の責務)
第3条 道は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、水産業及び漁村の振興に関する総合的かつ計画的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。
2 道は、水産業及び漁村の振興に関する施策を推進するに当たっては、国及び市町村と緊密な連携を図らなければならない。
 (水産業者等の役割)
第4条 水産業者等は、基本理念にのっとり、相互の協力の下に、その事業活動を行うよう努めるものとする。
2 水産業者等は、その事業活動を行うに当たっては、道が実施する水産業及び漁村の振興に関する施策に協力するよう努めるものとする。
 (道民等の役割)
第5条 道民は、基本理念に対する理解を深め、水域環境の保全及び道産の水産物の消費に関し積極的な役割を果たすよう努めるものとする。
2 水域において遊漁その他の余暇活動を行う者は、その活動を行う場合には、基本理念にのっとり、漁業生産活動及び水域環境の保全に影響を与えないよう努めるとともに、地域の住民生活に配慮するものとする。
 (年次報告)
第6条 知事は、毎年、議会に、水産業及び漁村の動向並びに水産業及び漁村の振興に関して講じた施策に関する報告を提出しなければならない。
 
   第2章 水産業及び漁村の振興に関する基本的施策
 (振興推進計画)
第7条 知事は、水産業及び漁村の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、水産業及び漁村の振興の推進に関する計画(以下「振興推進計画」という。)を定めなければならない。
2 振興推進計画は、水産業及び漁村の振興に関する施策の基本的事項について定めるものとする。
3 振興推進計画は、北海道における漁業生産の目標その他の水産業及び漁村の振興に関する適切な目標について定めるものとする。
4 知事は、振興推進計画を定めるに当たっては、あらかじめ、道民の意見を反映することができるよう必要な措置を講じなければならない。
 
5 知事は、振興推進計画を定めるに当たっては、あらかじめ、北海道水産業・漁村振興審議会の意見を聴かなければならない。
6 知事は、振興推進計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
7 前3項の規定は、振興推進計画の変更について準用する。
 (水産資源の適切な管理等)
第8条 道は、水産資源の適切な管理を図るため、水産資源の評価に基づく計画的な漁獲量及び漁獲努力量の管理の推進、水産資源を共有する諸外国との交流の促進その他の必 要な措置を講ずるものとする。
2 道は、水産資源の秩序ある利用を図るため、漁場に見合った操業体制の構築、遊漁に係る秩序の形成その他の必要な措置を講ずるものとする。
 (栽培漁業の推進)
第9条 道は、栽培漁業の推進を図るため、増殖場及び養殖場の整備及び開発、種苗の生産及び放流の促進、放流した水産資源の保護及び利用者の負担等利用に係る体制の確立 その他の必要な措置を講ずるものとする。
 (担い手の育成及び確保等)
第10条 道は、水産業の担い手の育成及び確保を図るため、水産業者の漁業又は加工の技術及び経営管理能力の向上、新たに漁業に就業しようとする者の受入体制の整備その他 の必要な措置を講ずるものとする。
2 道は、女性及び高齢者の水産業への従事及び水産業に関連する活動の促進を図るため、労働環境の整備その他の必要な措置を講ずるものとする。
 (安定的な水産業経営の育成)
第11条 道は、安定的な水産業経営の育成を図るため、資本装備の高度化、事業の共同化及び拡大の促進、地域の水産物の活用に関する漁業及び水産加工業の連携の促進その他の必要な措置を講ずるものとする。
 (協同組合組織の経営の安定)
第12条 道は、水産業の協同組合組織の経営の安定を図るため、組織及び事業の充実強化、合併等再編の促進その他の必要な措置を講ずるものとする。
 (安全かつ良質な水産物の安定的な供給)
第13条 道は、安全かつ良質な水産物の安定的な供給を図るため、品質管理及び衛生管理の高度化の促進、漁港及び流通加工施設の整備その他の必要な措置を講ずるものとする。
 (水産物の競争力の強化)
第14条 道は、輸入される水産物等に対する道産の水産物の競争力の強化を図るため、付加価値の高い製品の開発及び販売の促進、普及宣伝の強化、流通の効率化の促進その他の必要な措置を講ずるものとする。
 (水産資源の生育環境の保全及び創造)
第15条 道は、水産資源の生育環境の保全及び創造を図るため、道民、水産業者等、行政機関等との協議の下に、水域環境の調査及び改善の推進、森林の整備その他の必要な措置を講ずるものとする。
 (環境と調和した水産業の展開)
第16条 道は、環境と調和した水産業の展開を図るため、事業活動に伴う廃棄物の循環的利用の促進、漁業と野生動物との共生に関する取組の促進その他の必要な措置を講ずるものとする。
 (快適で住みよい漁村の構築)
第17条 道は、快適で住みよい漁村の構築を図るため、景観の保全に配慮した水産業の基盤の整備、生活環境の整備、災害の防止その他の必要な措置を講ずるものとする。
 (活力のある漁村の構築)
第18条 道は、活力のある漁村の構築を図るため、水産業者の自発的な地域活動の促進、都市と漁村との交流の促進、余暇活動に係る水域及び漁港施設等の利用の秩序の形成そ の他の必要な措置を講ずるものとする。
 (道民の理解の促進)
第19条 道は、水産業及び漁村に対する道民の理解を促進するため、情報の提供、学習の機会の充実その他の必要な措置を講ずるものとする。
 (水産業の振興に関する技術の向上)
第20条 道は、水産業の振興に関する技術の向上を図るため、道、大学、民間その他試験研究機関の連携の強化、研究開発の推進及びその成果の普及その他の必要な措置を講ずるものとする。
 (財政上の措置)
第21条 道は、水産業及び漁村の振興に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
 
   第3章 北海道水産業・漁村振興審議会
 (設置)
第22条 北海道における水産業及び漁村の振興を図るため、知事の附属機関として、北海道水産業・漁村振興審議会(以下「審議会」という。)を置く。 
 (所掌事項)
第23条 審議会の所掌事項は、次のとおりとする。
 一 知事の諮問に応じ、水産業及び漁村の振興に関する重要事項を調査審議すること。
 二 前号に掲げるもののほか、この条例の規定によりその権限に属させられた事務
2 審議会は、水産業及び漁村の振興に関し必要と認める事項を知事に建議することができる。
 (組織)
第24条 審議会は、委員15人以内で組織する。        
2 審議会に、特別の事項を調査審議させるため必要があるときは、特別委員を置くことができる。
 (委員及び特別委員)
第25条 委員及び特別委員は、次に掲げる者のうちから、知事が任命する。
 一 学識経験を有する者
 二 水産業の関係団体の役職員
 三 関係行政機関の職員
2 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
3 委員は、再任されることができる。
4 特別委員は、当該特別の事項に関する調査審議が終了したときは、解任されるものとする。
 (会長及び副会長)
第26条 審議会に会長及び副会長を置く。
2 会長及び副会長は、委員が互選する。
3 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。
4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代理する。
 (会議)
第27条 審議会の会議は、会長が招集する。
2 審議会は、委員の2分の1以上が出席しなければ、会議を開くことができない。
3 会議の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
 (部会)                           
第28条 審議会は、必要に応じ、部会を置くことができる。
2 部会は、審議会から付託された事項について調査審議するものとする。
3 部会に部会長を置き、会長が指名する委員がこれに当たる。
4 部会に属すべき委員及び特別委員は、会長が指名する。
 (会長への委任)
第29条 この章に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定める。
 
   附 則
1 この条例は、公布の日から施行する。
2 次に掲げる条例は、廃止する。
 一 北海道水産業振興審議会条例(昭和56年北海道条例第3号)
 二 北海道漁業及び水産加工業経営安定条例(昭和61年北海道条例第31号)
 
 

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