推定ファイルの利用方法とよくある質問

事前準備

 当課ホームページ内又は下記に添付しているエクセルファイル「森林1ヘクタールのおおよその二酸化炭素吸収・固定量推定」を利用者のパソコン内の任意の場所に保存し、ファイルを開いて、下記の画像と同様の入力シートを表示してください。

入力シートの画面

 以下、利用手順に沿って情報の選択又は入力をしてください。

推定ファイルの利用手順

1.木(森)のある市町村を選んでください。(五十音順)

 市町村欄の黄色セルを選択するとリストボタンがセル右に表示されますので、リストから市町村を選択してください。(五十音順)

 なお、推定するための樹種別のテーブル(収穫表等)の設定上、平成の合併市町村では旧市町村単位での推定となります。

1.市町村選択画像

 リストから市町村を選択し、ENTERキーを押して選択を確定してください。

 2.樹種欄にお進みください。

2.木(森)の種類を選んでください。(五十音順)

 樹種の黄色セルを選択するとリストボタンがセル右に表示されますので、リストから樹種等を選択してください。(五十音順)

 なお、1つの選択肢に複数の樹種が含まれている場合や天然林は大まかな区分としているので、選択には注意してください。

2.樹種選択画像

 リストから樹種等を選択し、ENTERキーを押して選択を確定してください。

 3.林齢欄にお進みください。

3.その林齢を入力してください。

 林齢欄の黄色セルに林齢を入力してください。

3.林齢入力画像

 林齢を入力し、ENTERキーを押して入力を確定してください。

吸収量と固定量の推定結果

 林齢の入力値が樹種別の推計範囲内であれば、吸収量と固定量別に推定結果が表示されます。

推定結果表示画像

 以上が、森林1ヘクタールのおおよその二酸化炭素の吸収・固定量の推定するためのファイル利用手順となります。

 以下は、上記の森林1ヘクタールのおおよその二酸化炭素の吸収量・固定量を利用して、樹木1本当たりの量として推定するための入力方法を記載します。

1本当たりの吸収量・固定量の推定(参考)

4-1.その森林の面積と本数がわかっている場合

 面積の黄色セル欄に(単位はヘクタールで少数点第2位まで)値を入力してください。また、本数は、面積欄の区域内の全本数を入力してください。

 なお、1本当たりの吸収量・固定量の推定にも市町村、樹種、林齢の情報は必要です。ここでは例として市町村を"苫小牧市”として入力をしています。

4-1.面積、本数入力

 なお、植栽区域の面積はわからないが、苗木を植える間隔(苗間、列間)が決まっている又は、計測してわかっている場合の1本当たりの推定方法は、4-2をご覧ください。

4-2.その森林の苗間、列間がわかっている場合

苗間・列間の説明図

 苗間、列間の両黄色セル欄に計測値等(単位はメートルで少数点第1位まで)を入力してください。

4-2.苗間・列間入力

 なお、苗間と列間からヘクタール当たりの植栽本数は、以下の計算により算出しています。

  1. 計測した苗間が2.0メートル、列間が2.5メートルとすると
  2. (haあたり植栽本数)=(100÷苗間)×(100÷列間)
  3. =(100÷2.0)×(100÷2.5)
  4. =2,000本/ヘクタール となります。

よくある質問(Q&A)

Q1.炭素トン(t-C)と二酸化炭素トン(t-CO2)の違いは何ですか?

A1.国立環境研究所ウェブページによると「二酸化炭素はCO2という化学式で表され、炭素1原子と酸素2原子からなる分子量約44の気体です。温室効果ガスインベントリでは、CO2の重量を炭素と酸素を含めた重量で表現します。一方、地球の炭素循環を研究する自然科学分野では、大気中の二酸化炭素が陸上植物や土壌有機物に変わりながら循環することを表現するため、二酸化炭素の重さでは誤解を招きます。そのため、炭素だけの重量で表現します。」となっております。

 以上を踏まえ、利用手順で例示している愛別町のトドマツ(人工林)林齢60年生の1ヘクタールの吸収量は、1.08t-C/haと推定できましたので、これに、二酸化炭素の分子量44をかけて、炭素の原子量12で割ると、3.96t-CO2(二酸化炭素トン)と変換することができますので、以下の代入計算例を参考にしてください。
 

1.08t-C(炭素トン)×44(二酸化炭素の分子量)÷12(炭素原子量)=3.96t-CO2(二酸化炭素トン)

Q2.他の市町村で樹種がカラマツ、40年生の吸収量(1年あたり)と固定量は推定できますか?

A2.北海道内の市町村であれば、利用手順に沿って1~3の項目の情報を選択・入力の内容を変えることで推定が可能です。例として、音更町のカラマツ、40年生の吸収・固定量について推定をします。

A2.具体例の推計結果

 例とした音更町、カラマツ、40年生の吸収量は、「1.22t-C/ha」、固定量は「88.64t-C/ha」と推定できました。

Q3.樹種別の設定を超える林齢は、なぜ、"Err”なのですか?

A3.ファイル内にも一部表示していますが、主要樹種ではスギは120年、カラマツは80年、トドマツは150年を超える林齢では、推定結果は「Err(エラー)」と表示していますが、吸収量や固定量がゼロだからではありません。

 これは、現在、森林計画で使用している樹種別の収穫表等において、高齢の人工林に対応した収穫表ではない(一般的に標準伐期齢の2倍程度までテーブルがあれば用が足りている)ため、推定に必要となる林齢別の材積や成長量などのテーブルがないことから、算出を行わないで”Err”としています。

A3.スギの林齢範囲外

A3.カラマツの林齢範囲外

Q4.植樹祭(当別町)で、0.1ヘクタールにトドマツ200本を植樹しましたが、30年後の二酸化炭素の固定量はどれくらいになりますか?

A4.1ヘクタールで推定した情報とヘクタール当たりの植栽本数等がわかれば、トドマツ1本分の専有面積から、1本当たりの固定量を下記のとおり計算し推定します。
             

  1. 植栽したトドマツ1本分の専有面積は1本÷2,000本/ヘクタールであるため、0.0005ヘクタールとなります。
  2. 1ヘクタール分の固定量が35.21t-Cであるため、1本分(0.0005ヘクタール分)の30年後の固定量は35.21t-C/ヘクタール×0.0005ヘクタール=0.0176t-Cとなります。
  3. 植栽した本数は200本なので、固定量は0.0176t-C×200本=3.52t-Cとなります。

A4.計算例

Q5.2条植栽の場合の列間はどう計測し入力をすればよいですか?

2条植栽の苗間、列間の計測図

A5.上記のような、2条植栽の場合の列間は、2条のうち同じ列側までの間を計測し、条の数で割って得られる値を入力します。

 列間の計測結果が8.0メートルであった場合は、8.0÷2(条)=4.0メートルとなるので、この値を列間の欄に入力をしてください。なお、3条や4条など条の数が増えても同様に計測し計算します。

 なお、以下は、ヘクタール当たり本数の計算例を参考として示します。

  1. 計測した苗間が1.5メートル列間が8.0メートルとすると、列間の1本当たり平均は8.0メートル÷2条=4.0メートルとなり
  2. (ヘクタール当たり植栽本数)=(100÷苗間)×(100÷平均列間)
  3. =(100÷1.5)×(100÷4.0)
  4. =1,667本/ヘクタール となります。

A5.2条植栽の列間計測と入力

Q6.育樹祭(苫小牧市)でアカエゾマツ15年生を1,000本枝打ちをしました。その1,000本が吸収する二酸化炭素量はどれくらいになりますか?

A6.実施本数に対応した面積を計測する必要があります。現地測量のほか、図面や空中写真などを利用して机上で計測し面積を求めてください。これらにより4-1の面積及び本数を入力すると1本当たりの吸収量が表示されるので、これに実施本数を乗じることで推定できます。

  1. アカエゾマツ15年生の1本当たりの吸収量は、0.0002t-Cと推定。
  2. 枝打ちした1,000本分の吸収量は、0.0002t-C/本×1,000本(実施本数)=0.2t-C となります。

Q7.面積はわかるのですが、本数がわからない場合は、どうしたらよいですか?

A7.ファイル内にも記載していますが、現地調査(全木調査や標準地調査)により本数を数えるか、植栽時の情報を元に推計した値を利用するなどしてください。

免責事項

 このページに掲載している計算方法や情報の正確さには万全を期していますが、吸収量や固定量をおおよそに試算するために示した標準的なものです。このため、利用者が本ページの情報を用いて行う一切の行為について、いかなる責任も負うものではありません。また、道は利用者の皆様が本ページを利用したために被った損害、損失に対して、いかなる場合でも一切の責任を負うものではありません。

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