農業振興地域制度とは
農業振興地域制度は、農地の宅地化や工業用地化など農業以外への利用が進む中で、今後とも長期にわたって農業を振興する地域を明らかにし、農業と農業以外への土地利用の調整を図るとともに、その地域の整備を計画的、集中的に行うことにより、農業の健全な発展を図ることを目的としています。 |
本制度は、昭和44年の「農業振興地域の整備に関する法律」の制定に伴い創設され、主な仕組みは次のとおりです。 |
・ | 国は、農用地等の確保に関する国の基本的な考えを示した「農用地等の確保等に関する基本指針」を定めることとされ、平成12年3月(平成22年6月変更)に農林水産大臣より公表されています。なお、この規定は、平成11年の法改正により設けられたものです。 | |
・ | 都道府県は、制度運営上の基本的な方針となる「農業振興地域整備基本方針」を定めるとともに、今後とも長期にわたって農業を振興する地域である「農業振興地域」を指定します。(現在、北海道では175地域(市町村)を指定。) | |
・ | 農業振興地域の指定を受けた市町村は、農業振興地域内の振興を図るために必要な事項を定めた「農業振興地域整備計画」(以下、「整備計画」という。)を定めるとともに、同地域内に今後とも長期間にわたり農業上の利用を図るべき地域として「農用地区域」を設定します。 農用地区域内の土地では、農業以外への利用が制限される一方で、その有効利用を図るため、資金の融通(融資事業)や農業生産の基盤を整備する事業(用排水路、区画整理ほか)が、原則として同区域を対象とするなど、各種支援措置が講じられます。 なお、市町村が整備計画を策定又は変更する際には、北海道に協議することとなっており、道が同意するか否かの判断基準は、次のとおりです。 <市町村農業振興地域整備計画の策定及び変更に係る道の同意基準> |
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・ | 上記のほか、農用地区域内における開発行為への都道府県知事の許可制度、農業経営の規模拡大及び農用地の集団化を進めることができる交換分合制度など、市町村が策定した農業振興地域整備計画の達成に向けた各種措置が設けられています。 |
昭和43年に制定された「都市計画法」により創設された都市計画制度は、農林漁業との調和を図りつつ、運用されることとなっており、同制度の市街化区域及び市街化調整区域と農業振興地域との関係は、次のとおりです。 |
・ | 市街化区域は、「すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」とされていることから、農業振興地域と市街化区域は重複しません。 | |
・ | 市街化調整区域は、「市街化を抑制すべき区域」とされていることから、農業振興地域として積極的に指定することとしています。 |
<農業振興地域のイメージ図>
※ | 農業振興地域は、市街化区域やもっぱら森林として活用することとしている区域とは重複しません。 |
※ | 農用地区域は、農業振興地域内に設定されます。(設定主体は市町村) |
リンク 農林水産省「農業振興地域制度」
農用地区域内での農家レストランの設置について
これまで国家戦略特区のみで許可されていた農用地区域内での「農家レストラン」の設置については、令和2年3月31日から全国展開されました。
要件を満たした「農家レストラン」は、農用地区域から除外することなく整備することができます。詳しくは市町村にお問い合わせください。
なお、現況農地である土地に設置を行う場合は、これまで同様農地転用許可を受けることが必要ですので、市町村農業委員会にご確認ください。