道央(夏)

 

 

道央(夏)


 

自然を楽しむための注意事項   詳しくはこちらへ looktop.gif
<自然を楽しむために>
 動植物を採取してはいけない場所などがある
<危険な動物や刺激毒を持った植物などに気を付けよう>
 野外には危険がいっぱいあることを認識することが重要です
  ・ヒグマに注意
  ・スズメバチに注意
  ・マムシに注意
  ・有毒を持った植物に注意
<動物を観察するために>
  ・エサを与えないで
  ・幼い野生動物は保護しないで
  ・ゴミは捨てないで
  ・エキノコックスに注意
<植物を観察するために>
 植物を観察するためであっても必要以上の採取は慎みましょう
<車の運転をするにあたって>
  ・スピードの出し過ぎに注意
  ・動物との衝突事故に注意
  ・夜間も注意 
注意 当ホームページに掲載されているあらゆる内容の無許可転載・転用を禁止します。
    全ての内容は日本の著作権法及び国際条約によって保護を受けています。

16 ニセコ神仙沼(しんせんぬま)
 【湿原の花】
 所在地  共和町
 問合せ先 共和町 0135-73-2011
      北海道後志支庁(しりべししちょう) 0136-22-1111(2981)
   
  神仙沼は、ニセコ積丹小樽海岸国定公園のチセヌプリの麓にあるダケカンバやアカエゾマツの林に囲まれた高層湿原です。道道岩内洞爺線沿いにレストハウスや園地が整備されています。レストハウスの前から湿原へ向かう木道が整備されており約20分のハイキングコ-スとなっています。池塘(ちとう(湿原内の池))ではネムロコウホネやミツガシワなどが、湿地ではワタスゲやタチギボウシなどが見られます。また、7月ころにはカオジロトンボの姿も見ます。ササ原や湿原ではノゴマやアオジなどの夏鳥を、湿原周辺の林ではニュウナイスズメやベニマシコ、モズなどを見ることができます。神仙沼から東に約1kmのところに位置する大谷地(おおやち)にはフサスギナが生育しており、国内ではここにだけでしか見ることができません。
▲周辺地
  五色温泉では、温泉の流れ出る周辺でイソツツジやシラタマノキなどの高山植物が見られます。
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神仙沼
  小樽市祝津から積丹半島の泊村までの海岸やニセコ山塊が海に落ちる雷電海岸では、豪壮な海蝕崖と奇岩の続く風景が見られ、国定公園に指定されています。積丹町の海岸では民家にツバメが巣を作り、本州と同じような、人々とツバメの共同生活が見られます。6月~7月にかけては蘭越町目名川の名駒橋からサクラマスの遡上が、秋には神恵内村の神恵内橋や岩内町の野束(のづか)川の橋の上からサケの遡上が見られます。
  
 
17 半月湖(はんげつこ)・羊蹄山(ようていざん)
 【森林の垂直分布 森林の鳥 高山植物】
 所在地  倶知安町
 問合せ先 倶知安町 0136-22-1121
 
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  半月湖は、羊蹄山登山道の一つである倶知安(比羅夫)コースの登山口近くの火口湖です。火口の中に丸山と呼ばれる溶岩円頂丘がもり上がったため火口が半月湖と新月湖に分断されたものです。半月湖には一周できる歩道が設けられているほか、駐車場やキャンプ場も整備されています。丸山の北側には新月湖がありますが、土砂の堆積によりその姿を失いつつあります。半月湖周辺はエゾマツやトドマツの針葉樹とイタヤカエデやダケカンバなどの広葉樹が混成する針広混交林となっており、その中には直径が1mを超えるミズナラ等の大木を見ることもあります。周辺の森ではキビタキに代表される夏鳥が多く、キツツキ類やカラ類が見られ、湖面には、渡りの時期にカモ類が飛来し、、森林ではエゾリスやシマリス、モモンガなどが生息しています。羊蹄山は整った円錐形をしており、山頂には大火口があります。この山への登山コースは倶知安コースのほか真狩コース、喜茂別コース、京極コースの4つがあり、利用の多いのは倶知安コース、真狩コースです。登山口周辺にはハルニレやオニグルミなど の広葉樹が見られ、標高が増すとこれらの広葉樹の中に針葉樹のエゾマツやトドマツが徐々に混じり、やがてダケカンバを主体とした広葉樹との針広混交林となります。登山道のそばで太さが1mを超えるエゾマツを見ることもあります。9合目付近からは色とりどりの高山植物が見られます。
 ▲周辺地
  真狩コースの登山口には真狩村の樹木園があり、歩道が整備されております。入り口はカツラの並木となっており、園内の池では羊蹄山からの地下水が湧いているのが見えます。隣接する羊蹄山自然公園には芝生広場も整備されており、小さな森林学習展示館もあるほか、園内の針広混交林の中にも歩道が設けられています。京極コースの登山口近くには、羊蹄山からの地下水が湧き出る「噴き出し公園」があり、日本の名水100選に選ばれています。また、噴き出し公園近くの道路沿いに風穴(ふうけつ)があります。
  
 
18 洞爺湖
 【広葉樹林 森林の鳥 エゾシカ】
 所在地  洞爺村・虻田町・壮督町 
 問合せ先 虻田町 0142-75-4400
  
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 ▲周辺地
  洞爺湖の南岸にある有珠山(うすざん)と昭和新山は今なお噴煙を上げ、有珠山にはロープウェイがあり、山頂からは洞爺湖や昭和新山を俯瞰(ふかん)できます。平成12年3月に噴火した有珠山の西山火口には木道が整備されており、噴火の跡を散策することができます。
  洞爺湖はカルデラ湖で、ほぼ円い形をしており、その中央にやや入り組んだ楕円型の島があり、この島ではエゾシカを見ることができます。ここのシカは昭和32年~40年に人為的に放された3頭が増えたものです。森の中ではシカによる植物の採餌状況がよく分かり、シカが好まないハンゴンソウやフッキソウなどは繁茂し、ハルニレやキハダ、シナノキなどの木は樹皮を食べられ枯れています。ここでは森の鳥も多く、オオルリやニュウナイスズメ、イカル、ヤマゲラ、フクロウなどのほかに、クマゲラの声を聞くこともあります。冬には湖面にマガモやキンクロハジロ、カワアイサなどが見られ、オジロワシが飛来することもあります。
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有珠山・金比羅山・西山の噴煙
  
 
19 地球岬(ちきゅうみさき)沖
 【海鳥 イルカ クジラ】
 所在地  室蘭市
 問合せ先 室蘭市 0143-22-1111  遊覧船運行会社 0143-22-1822  
 室蘭からゴンドウクジラやイシイルカなどを観察する遊覧船が出ています。これらの海獣のほか、ハイイロミズナギドリなどの海鳥を見ることができます。また、海上から地球岬などの断崖景観を楽しむことができます。(位置は20の地図を参照)
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カマイルカ
 
 
20 測量山(そくりょうざん)
 【渡り鳥の中継地 ハヤブサ】
 所在地  室蘭市
 問合せ先 室蘭市 0143-22-1111
   
 太平洋の荒波から室蘭港を守るように突き出た半島の最高部が測量山で、その海岸線がもっとも太平洋に突き出たところが地球岬です。ここはミズナラやイタヤカエデを主体とした林で、その中に歩道が整備されており森林性の鳥を多く見ることができます。海側は断崖が続き、この岩場にハヤブサが営巣し、ドバトなどの獲物が飛んでくるのを待ちかまえている姿をかなり高い確率で見ることができます。
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ハヤブサ
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  また、断崖にはアマツバメやオオセグロカモメも繁殖しています。9月から10月にかけてタカ類やシジュウカラ、ヒヨドリが噴火湾をはさんだ駒ヶ岳方面へ渡っていくのが見られます。冬季の海岸ではクロガモやシノリガモ、ウミアイサ、ウミウ、ヒメウが、室蘭港内では、カモ類やオオハクチョウが見られます。
 ▲周辺地
  伊達市有珠善光寺近くの有珠湾では多数のオオハクチョウが越冬しており、キンクロハジロなどのカモ類も集まります。善光寺裏の森にはミズナラなどの見事な大木があり、古くに植えられたイチイやイチョウなどの樹木も大木となっています。
 
 
21 ポロト湖
 【広葉樹林 森林の鳥 水辺の鳥】
 所在地  白老町
 問合せ先 白老町 0144-82-2121
  
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  ポロト湖は、白老アイヌコタンの近くにあり、両側を山に囲まれ、奥に細長く伸びる形で森が残されています。この森には、直径が1mを超えるミズナラなどが残されており、見事な森となっています。湖周辺および森の中には歩道が整備されており、長短の散策を楽しめ、スミレ類などの野の花もたくさん見られます。湖にはカモ類やオオハクチョウの飛来があり、夏期にはマガモが繁殖するほか、アカショウビンやカワセミの姿もあり、オオルリなどの夏鳥も多く繁殖しています。
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オオミドリシジミ
  
 
22 北海道大学北方生物圏フィールド科学センター 森林圏ステーション苫小牧研究林
                                   (旧北海道大学苫小牧地方演習林)
 【広葉樹林 森林の鳥】  
 所在地  苫小牧市
 問合せ先 事務所 0144-33-2171
 
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  苫小牧市の背後に位置する北海道大学の研究林ですが、一般の人の利用のために園地が整備されており、森の散策も楽しめます。冬期間は餌台が設けられ、アカゲラやコゲラなどのキツツキ類や、ハシブトガラやシジュウカラなどのカラ類、ミヤマホオジロなどが多く集まり、時にはクマゲラが姿を見せることもあります。林内には森林資料館があり充実した展示内容で、事務所で許可を受けると見学することができます。
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カワセミ
 
 
 23 ウトナイ湖
 【ガン・カモ類の渡りの中継地 水辺の鳥 草原の鳥】
 所在地  苫小牧市
 問合せ先 ウトナイ湖ネイチャーセンター    0144-58-2505
        ウトナイ湖野生鳥獣保護センター 0144-58-2231
  
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  ウトナイ湖は、(財)日本野鳥の会が1981年(昭和56年)5月、日本で最初に設置した野鳥のサンクチュアリです。湖岸にはネイチャ-センタ-があり、専任職のレンジャーが常駐し、野鳥についての解説をしてくれます。また、1991年(平成3年)12月ラムサール条約(「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」)に基づく登録湿地になりました。ウトナイ湖は、渡り鳥の重要な中継地となっており、春、秋にはカモ類やガン類、ハクチョウ類が飛来します。冬季には結氷した湖面を割りオオハクチョウを間近に見られるようにしています。早春、氷が解けだすころからカモ類が多くなり、オジロワシやオオワシがよく見られます。3月下旬になると数千羽のマガンやヒシクイの群れが北帰行の途中羽を休めに集まります。日中、近くの水田や沼で餌を採っていたマガンやヒシクイが夕刻に餌場からウトナイ湖へ帰ってくる光景は壮観です。ネイチャーセンターの外にある餌台にはハシブトガラやアカゲラなどの鳥が多数集まり、それをねらってハイタカなども飛来してくることもあります。灌木(かんぼく)が混じった草原ではノビタキやシマアオジなどの夏鳥が見られ、秋になるとミズナラなどの林にカラ類の混群を見ることができます。
  また、ウトナイ湖畔に渡り鳥の生態などを学ぶことができるウトナイ湖野生鳥獣保護センター(環境省設置)があります。
 ▲周辺地
  マガンの渡りのシーズンには、近くの厚真町の雪の残る水田で採餌しているのが見られます。苫小牧東部地域の草原には夏鳥が多く、電柱にはオオジシギの止まるのがよく見られます。苫小牧港では冬季にクロガモなどの海ガモ類をよく見ます。
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オオハクチョウ
 
 
24 鵡川(むかわ)河口
 【シギ・チドリ類 ワシ・タカ類】
 所在地  鵡川町(むかわちょう)
 問合せ先 鵡川町 01454-2-2411
 
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  苫小牧から約20km、鵡川の河口の干潟は渡り鳥の中継地として有名なところです。河口の干潟と河原の牧草地でダイゼン、ムナグロ、メダイチドリ、アオアシシギ、トウネン、ハマシギ、チュウシャクシギなどのシギ・チドリ類やアオサギなどが見られます。隣接する門別町の沙流川(さるがわ)とともに一時期、河口にオオハクチョウの飛来があります。オオタカやチュウヒ、チゴハヤブサなどのタカ類も多く、冬季はノスリやハイイロチュウヒなども見られます。
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キリアイ
 ▲周辺地
 鵡川河川敷では5月に一面に咲くセイヨウタンポポを見ることができます。国道沿いでは馬の放牧風景が見られ、海岸の砂丘の部分ではノスリなどの猛禽類が電柱や木に止まっているのをよく見かけます。平取町営牧野のスズラン群生地は規模が大きく、牧場内には大きなカシワの木が点在しています。市街地にある義経神社の森にはクリ、コナラやミズナラの大木があり、社殿裏山に遊歩道も整備されており森の鳥も多く見られます。
 
 
25 支笏湖
 【広葉樹林・森林の鳥】
 所在地  千歳市
 問合せ先 支笏湖畔ビジターセンター 0123-25-2453
 
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  休暇村の周辺には大木が残されており、カラ類やキツツキ類そして夏にはキビタキなどの鳥を見ることができます。また、湖畔からは樽前山や風不死岳などを見渡せ、山によって覆われる樹木の量が違うことに気づきます。さらに遊覧船も運行しており、湖上からカルデラ壁を眺めることができるほか、湖の中央部付近から恵庭岳、風不死岳、樽前山が一列に並んでいることを確認できます。モーラップから美笛の間の国道上からは、湖畔林越しに湖を眺めることができ、対岸の恵庭岳と相まって雄大な風景を観賞することができます。美笛地区には直径が1m近くもあるハリギリ(センノキ)やハルニレなどが生育するすばらしい森があります。また、湖岸には大きな根株が残されており、独特の風景を作っています。
  支笏湖は約3万年前に誕生したカルデラ湖で、紋別岳、風不死岳(ふっぷしだけ)、多峰古峰山(たっぷこっぷやま)、恵庭岳などに囲まれています。支笏湖畔にビジターセンターがありますので、支笏湖の自然についての情報を受けてから、野外を歩くことをおすすめします。千歳川の流出口には森林鉄道の鉄橋が残されており、これを通ってモーラップとを結ぶ歩道が設けられています。この歩道は、野鳥の森の中を通り、林の間から湖水を眺めながら手軽に散策できます。
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支笏湖(樽前山・風不死山)
  ▲周辺地
  樽前山の山麓に広がる森林ではクマゲラの鳴き声を聞くことがよくあり、針葉樹の植林地では採餌木が見られます。樽前山は気軽に登れる山で、支笏湖や山麓の大樹海を一望できます。火山岩礫地ではイワブクロ(タルマエソウ)やシラタマノキの群落を見ることができます。苔の洞門は溶結凝灰岩が深く浸蝕されたところに多数の苔が生育した函状の回廊です。落石の恐れやヒグマの出没で通行止めになるときもありますので、事前に情報を入手することが必要です。オコタンペ湖は恵庭岳の西山麓にあり、湖水はエメラルドグリーンを呈し神秘的な湖となっています。ミズナラやエゾマツなどが周囲を囲み、湖の一部には湿原が見られます。道道沿いには展望台があります。

 
 26 サケのふるさと館
 【サケの遡上(8~12月)】
 所在地  千歳市
 問合せ先 千歳市(観光水産課) 0123-24-3131 千歳サケのふるさと館 0123-42-3001
 
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シロザケ(川にのぼってから)
  サケのふるさと館(有料)は、千歳川を遡上するサケを水中から見ることができるようにした施設です。また、敷地内の千歳川の左岸(下流に向かって左側)にはかつてアメリカの先住民族が使っていた水車いわゆる「インディアン水車」を使って、採卵用のサケを次々と掬い上げているのを見ることが出来ます。この水車は明治29年から導入しているもので、見学は敷地内にあるサケ観察用の人道橋からとなっており、橋の上からは遡上するサケの姿を見ることができます。このほか、渡り鳥のシーズンにはオオハクチョウやカモ類の姿を見ることもあります。
 ▲周辺地
  千歳市根志越(ねしこし)や都では冬季にコミミズクが見られ、早春の雪解けの頃は、千歳川やそれに流れる農業用水路にマガモやヒドリガモ、オナガガモ、キンクロハジロ、ホオジロガモなどのカモ類が多数見られ、時にホシハジロやカワアイサなども見ることができます。夏にはノビタキやヒバリ、キジバトなどの夏鳥も多く見られます。青葉公園は広葉樹の多い公園でミズナラの大木が多く小鳥も多く見られます。また、千歳川上流の蘭越にある「さけ・ます資源管理センター」(ふ化場)付近では、川岸のハルニレ林が素晴らしく、ヤマセミが魚を捕るためにダイビングしているのを見ることもあります。恵庭市の恵庭公園には、湧水が流れ出している森があります。
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27 野幌森林公園
 【広葉樹林 針広混交林 森林の鳥 水辺の鳥 クマゲラ】
 所在地  江別市・札幌市・北広島市
 問合せ先 野幌森林公園事務所 011-898-0455 
      自然ふれあい交流館 011-386-5832(9:30~16:30)
      (閉館日:月曜・祝日・年末年始。祝日に臨時開館することもあります。)
 
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  野幌森林公園はトドマツやミズナラなどを主体とした平地にある針広混交林の森で、多数の歩道が整備されており、体力に応じたコ-スを選ぶことができます。歩道入りのパンフレットは野幌森林公園事務所やふれあい交流館(江別市西野幌大沢口)などにあります。また、ふれあい交流館では公園内の自然情報を紹介しているほか、休憩所としても利用できますので、森に入る前の情報入手や散策後の休憩所として利用されることをおすすめします。ふれあい交流館前の大沢口には、ハリギリやミズナラなどの直径が1m、樹高が25mを超える大木が多数見られる森があり、北海道の平地林の原風景をしのぶことができます。この森ではクマゲラが生息しており、森林性の鳥も多く見られ、カワセミやオシドリ、マガモなどの水鳥も見られます。動物ではキツネやタヌキ、エゾリス、移入種のアライグマなどが生息しています。 
 登満別(とまんべつ)には石狩森林管理署(旧営林署)が整備した「森林(もり)の家」があり、森林に関する資料が展示されています。野幌森林公園事務所では四季を通して自然観察会などの行事を行っていますので、時間に余裕のある方は参加をおすすめいたします。また、開拓記念館や開拓の村が野幌森林公園の中にあり、北海道の自然や生活、街づくりについて知ることができます。 27e.jpg
大沢口付近の歩道
 
 
 28 西岡水源池
 【広葉樹林 森林の鳥 水辺の鳥 水辺の昆虫】
 所在地  札幌市
 問合せ先 札幌市豊平区土木センター 011-851-1681
   
 西岡水源池の周辺には湿地が広がり、その背後はシラカンバやミズナラなどの森となっており、木道や歩道が整備され、手軽に散策が楽しむことができます。オオルリやキビタキ、センダイムシクイ、アオジなどが多く、ハリオアマツバメが水浴びする姿やカワセミの餌を採るためのダイビングを見ることもあります。まれにクマゲラやアカショウビンなどの珍しい鳥の出現情報も聞かれます。夏にはヘイケボタルが見られるほか、コシボソヤンマをはじめとするトンボが多いことでも知られており、池にはワカサギやウグイ、フナ、エゾホトケ(ドジョウ)が生息しています。また、ここからは背後の丘陵地へ至る自然歩道(西岡~真栄・有明ルート)が伸びており、その入口ともなっています。冬季には「野鳥の会」による餌台が設けられ、キツツキ類やカラ類のほか、年によってはミヤマホオジロなどが見られることもあります。
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西岡水源地
 ▲周辺地
  手軽な散策とバードウオッチングできるところとしては、北大の構内、北大植物園、知事公館、北海道神宮、円山などがあります。神宮の境内では冬季餌台を設けている場所があります。円山は1時間程度で往復できる標高220mの小高い山で通年登ることができます。円山原始林として国の天然記念物に指定され、カツラの大木が見られるほか、野鳥も多く、山頂からは市街地を一望することができます。藻岩山には山頂まで車道が設けられていますが、歩いて自然を楽しむために、4つのコースが設けられています。その一つ慈恵会病院コース(中央区旭ケ丘5丁目)は天然記念物として保護されてきた立派な広葉樹林の中を歩き、森の鳥も多く、途中まででも十分に北国の森の雰囲気を楽しめます。山頂からは石狩平野を始め大雪山連峰、日高山脈を一望することができます。

 
  
29 張碓(はりうす)海岸
 【アオバト 海鳥】
 所在地  小樽市
 問合せ先 小樽市 0134-32-4111 
 小樽市張碓海岸にある恵比須(えびす)島(高さ約30m)の小樽側の平坦な岩礁には、夏の間、アオバトが海水を飲むために多数飛来します。道内各地にアオバトの飛来地は知られていますが、ここは最も有名な場所です。張碓市街から海岸へ向かうと海蝕崖(かいしょくがい)の高台があり、恵比須島が見えます。そこから崖下の岩礁に飛来するアオバトを観察することができます。観察のときには、足もとや崖の下を通る列車に十分注意が必要です。周辺の高い崖の端にアオバトを狙うハヤブサが止まっていることもあり、時にはアオバトを襲う場面を見ることもあります。恵比須島崖では、アマツバメやオオセグロカモメが繁殖しています。
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アオバト
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  冬季、この地域の海岸ではJRの車窓からシノリガモやウミアイサなどの海鳥を見ることができます。
 ▲周辺地
  冬の小樽港ではスズガモやシノリガモ、ウミアイサなどのカモ類やオオセグロカモメ、シロカモメなどのカモメ類、ウミスズメ類、ハジロカイツブリなどが見られます。時化(しけ)の時には港外から鳥が避難して数も多くなります。
 
 
 30 石狩川河口
 【砂丘の植物 シギ・チドリ類 海鳥】
 所在地  石狩市
 問合せ先 石狩市石狩浜海浜植物保護センター 
       4/29~11/3 0133-60-6107    11/4~4/28 0133-72-3240 
    
 石狩浜海浜植物保護センターは「番屋の湯」の近くにあり、石狩浜の自然を楽しむために常設展示と植物見本園を備え、石狩浜の自然情報を提供していますので、石狩浜を訪れる前にここで情報を入手することをおすすめします。また、石狩灯台近くには、はまなすの丘公園ビジターセンターがあり、ここでも植物に関する情報を入手できます。石狩灯台横から石狩川河口に広がる砂丘を周回する歩道(木道)が整備されており、砂丘上に咲くハマナスを始めハマエンドウやハマボウフウなどの海浜植物を楽しむことができます。一部には湿地もあり、ノハナショウブやタチギボウシなどが見られます。ここではヒバリやノビタキなどが多く見られ、石狩川河口に広がる干潟には渡りの時期になると、オオソリハシシギ、ハマシギ、トウネン、シロチドリ、メダイチドリなどのシギ、チドリ類が羽を休めます。アオサギやウミウは夏によく見られ、ときにショウドウツバメも見られます。冬季にはスズガモやクロガモなどのカモ類、オオセグロカモメやシロカモメなどのカモメ類、オジロワシ、オオワシなどが見られ、石狩灯台付近の石狩川の氷上ではゴマフアザラシが寝そべっていることもあります。
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ノハナショウブ
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 ▲周辺地
  国道231号の石狩河口橋の上流に、ミズバショウ群落があります。ミズバショウは4月上旬ころから見られ、中旬頃から5月はじめころまでが見ごろです。また、近くの石狩湾新港の背後地にはカシワの砂丘林が続いていて北海道らしい海岸風景です。砂丘林と砂浜の間にはエゾカワラナデシコやコガネギクなどが生育する海岸草原が広がり、長さ数kmにわたるエゾアカヤマアリの巨大な集団営巣地もあります。
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木道から海浜植物を楽しむ
    
 
31 利根別原生林
 【広葉樹林 森林の鳥】
 所在地  岩見沢市
 問合せ先 利根別原生林ウォ-キングセンタ- 0126-32-2488
  
 利根別原生林(国有林)と隣接する利根別自然公園には、遊歩道が整備されており、目的・時間・体力に合わせて子どもからお年寄りまで気軽に自然を楽しむことができます。入り口付近には「利根別原生林ウォ-キングセンタ-」があり、動植物の情報を提供しており、自然観察・学習会の場として利用することもできます。ハイキングや森林浴、動植物などの自然観察・学習会、冬期のクロスカントリー等、年間を通じて自然とふれあうことができます。市街地近郊にありながら、ミズナラやアサダ、シナノキなどの天然林やキビタキをはじめオオルリ、ヤマガラなど数多くの野鳥を観察することができます。運がよければエゾリスやフクロウに出会えるかもしれません。
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エゾフクロウ
 
031.jpg 利根別自然公園の中心には大正池があり、オシドリやカルガモなどの水鳥の観察をはじめキャンプやレクリエーションの場として多くの人々に親しまれています。
   
 
32 夕張岳
 【高山植物】
 所在地  夕張市
 問合せ先 夕張市 01235-2-3131
   
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ユウパリコザクラ
 夕張岳は、蛇紋岩(じゃもんがん)というマグネシウムや重金属を多く含んだアルカリ塩類を多く含む岩石が露出した特異な地質の山で、そのためユウバリコザクラやユウバリリンドウ、シソバキスミレなど特異な環境に適した固有種が中腹から山頂付近にかけて生育しています。山麓は、エゾマツやトドマツの針葉樹林で、標高が高くなるにつれ、ダケカンバ林に移行しています。森林の野鳥も多、前岳周辺や山頂付近では、ナキウサギが岩場で鳴く声を聞くこともあり、ヒグマやエゾシカも生息しています。 夕張岳は「夕張岳の高山植物群落及び蛇紋岩メランジュ帯」として国の天然記念物に指定されています。
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夕張岳遠景


33 宮島沼
 【マガン・ハクチョウ類の渡りの中継地】
 所在地  美唄市
 問合せ先 美唄市  01266-2-3131
       宮島沼観察センタ-(シーズンのみ)  01266-9-2500
  
 美唄市の西、石狩川近くにあるこの沼は、ラムサール条約登録湿地で、国の天然記念物「マガン」の国内で最大最北の寄留地です。春の北帰行の際には、6万羽以上が集まります。日中は周辺の水田などで採餌しているため、沼では多く見られませんが、夕方になるとあちこちからV字形などの編隊を組んで(「雁行(がんこう)」と言います。)宮島沼へ帰ってきます。特に日没前後の雁行は夕焼けや月との組合わせが美しく、広い沼がたちまち一面マガンでおおわれます。春の飛来は沼の氷が解けだす4月上旬ころからで、中旬~下旬がピークとなり5月はじめころ数日間で一斉的に北へ飛び去ります。この時期マガモやオナガガモ、キンクロハジロなどのカモ類も多く見られ、近くのヤチダモ林の上にオジロワシが飛来していることもあります。
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月を背にとぶマガン
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初夏には周辺のヨシ原や防風林にアオジやコヨシキリ、オオジュリン、ホオアカ、モズなどが多く見られます。秋のマガンの飛来は9月中旬頃からで、数万羽飛来し、約1か月間滞在し、本州へ渡っていきます。
▲周辺地
 宮島沼の周辺の小さな沼や三日月湖、石狩川などでは、渡りのカモ類やオオハクチョウが見られます。このほか、春先には新篠津村の水田でオオハクチョウが泥まみれになりながら採餌しているのを見かけることもあります。
   
 
34 道民の森
 【針広混交林 森林の鳥】
 所在地  当別町・月形町
 問合せ先 道民の森管理事務所 01332-2-3911
     
 当別町から月形町にかけての道有林内に造成された5つの地区からなる森林公園です。森林学習や宿泊施設が整備され、地区ごとにメニューが違いますので、事前に情報を集めてから出かけることをおすすめします。  034.jpg
自然観察会
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 森林は、エゾマツやトドマツ、ミズナラなどの針広混交林となっており、山麓にはミズナラの大木があり、自然が造形する古木と若木が織りなす森が広がっています。山中では日本海側の山地に多いキバナイカリソウが多く見られ、ハクサンイチゲ、カタクリ、シラネアオイなども見られます。山の上部はダケカンバ林になっており、イチイやハイマツもわずかにあります。鳥類では、センダイムシクイやヤブサメ、オオルリ、アオジなどが見られ、山麓の針葉樹林ではクマゲラの採餌痕(楕円形、他のキツツキ類は円形)をよく見かけます。歩道は山麓一帯やピンネシリ山に設けられており、散策や山登りが楽しめます。なお、12月から4月までの冬期間は閉鎖されています。

 
35 雨竜沼湿原
 【湿原の植物 高山植物】
 所在地  雨竜町
 問合せ先 雨竜町  0125-77-2211  北海道空知支庁 0126-23-2231(2981)   
 
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雨竜沼湿原
 雨竜沼湿原は、南暑寒別岳の中腹に位置し、山岳に形成された湿原では尾瀬、南八甲田に次ぐ3番目の大きさとなっています。湿原内には木道が設けられており、登山口の南暑寒荘からは約1時間30分ほどで湿原に至ることができます。春には登山口から湿原までの道沿いにカタクリやシラネアオイ、エゾノリュウキンカ、サンカヨウ、ミヤマスミレなどの花が多く、エゾムシクイやコマドリ、ミソサザイなどが見られます。湿原ではミズバショウが6月下旬ころまで咲いていることもあります。ミズバショウが終わるとショウジョウバカマやカキツバタ、コケモモ、チングルマ、ホロムイソウ、クロバナハンショウヅル、タチギボウシ、イワイチョウ、エゾノヒツジグサなどの花々が次々と咲き、目を楽しませてくれます。湿原の花は8月上旬頃までが見頃で、それ以降は徐々に秋の装いに変わります。また、湿原ではノゴマやオオジシギを見ることができます。秋には、地塘で、アカエリヒレアシシギを見ることもあります。
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雨竜沼湿原のミズバショウと南暑寒別岳
 
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