焼尻島は平坦な地形で、全島が4段の段丘堆積で、構成されています。島の中央部東側にミズナラを主として、イタヤカエデ、ハリギリ、ヒロハノキハダ等の落葉広葉樹が生育しており、谷筋にはアカエゾマツを主とした針葉樹が発達しています。
これらの上層林の下にイチイが高い密度で生育して第二層を成しており、特異な二段林を形成しています。また、上層林のない「オンコの荘」と呼ばれる地区のイチイは大陸から吹く強い風の影響で樹高が伸びず、枝が左右に生長した特異な景観を呈しています。これらの自然林は「焼尻の自然林」として1983年(昭和58年)国の天然記念物に指定されています。
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島の大半がササ草原となっており、エゾアザミ、エゾカンゾウ、エゾスカシユリ、ヤナギラン、オオバナノエンレイソウ、ハマナス、ノリウツギなどの大小の草木灌木が季節により色とりどりの花を咲かせます。
天売島は、我が国有数の海鳥繁殖地であり、国の天然記念物に指定されているほか、国指定鳥獣保護区になっています。3月から8月にかけて、多数の海鳥が飛来し、大規模なコロニーを形成します。 特に西海岸の海蝕崖地域ではその密度が高く、ウミネコは草の生えた斜面、ウミガラスやウミウは岩棚、ケイマフリは岩礁の岩のすき間、ウトウは崖上部の地面に穴を掘るなど、環境ごとに棲み分けを行っています。
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