風蓮湖(ふうれんこ)
風蓮湖は、周囲58km、面積5,210haの広い湖で、汽水湖としては日本で第5位の大きさです。湖には、大小17河川が流入しており、風蓮川、別当賀川等大きな4河川の河口では三角州が形成されています。
また、湖畔は湿地・湿原部が多く、多様な生物相が見られます。風蓮湖から根室湾への流入口は、広大な砂州となっており、左岸砂州を走古丹、右岸砂州は春国岱と呼ばれています。
冬には、氷結した湖面にオオワシやオジロワシが多数飛来し、ワカザギ釣りの人々でにぎわいます。
2005年(平成17年)には、「風蓮湖・春国岱」の地域がラムサール条約に登録されました。
温根沼(おんねとう)
根室半島の付け根に横たわる、面積4.9km2南北に細長い汽水湖で、海への開口部は国道44号の温根沼大橋がかかるところにあり、湿地が開口部と最奥部にあります。
長節湖(ちょうぼしこ)
温根沼の東1km、太平洋岸に面する小さな海跡湖で、湖の周囲は、一周4kmの歩道が整備され、森林・草原・湿原のハイキングや野鳥観察に利用されています。
また、冬はワカサギ釣りの人々でにぎわいます。
野付半島(のつけはんとう)
道東と千島の国後島とに挟まれた根室海峡に、エビの尻尾のように曲がった細長い崎が飛び出ているのが目を引きますが、これが野付半島です。その付け根から先端までの全長は26kmもあり、日本一の砂嘴です。野付湾側のなだらかな斜面やトドワラ駐車場より先の砂丘列の上は、北海道の海岸景観を特徴づける原生花園が広がり、春から秋まで色とりどりの花が目を楽しませてくれます。また、野付湾内側の海と接するあたりは、満潮時には海水が入り込む砂泥質の塩湿地が広がっており、シバナ、ヒメウオシゲ、アッケシソウ等が生育しています。
2005年(平成17年)には、「野付半島・野付湾」の地域がラムサール条約に登録されました。
トドワラ・ナラワラ
野付半島の曲がり目の所、森林が繁茂した「オンニクル」という所があり、トドマツやミズナラの大木が森林をつくっていますが、地盤の沈下により海水が入り込み、塩湿地と接している所ではすっかり枯れてしまった木々が並んでいます。「ナラワラ」はミズナラの、「トドワラ」はトドマツの枯れた木々の立ち並ぶ所です。
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春国岱(しゅんくにたい)
風蓮湖の砂州のうち、右岸にあたる春国岱は、延長約8km、総面積592ha(1977年(昭和52年)現在)に及ぶ広大な砂州で、野付水道を南下する潮流と風蓮湖に流入する河川水系の相互作用によって形成されたものです。
外洋側から第1~第3の3列の砂丘が並び、その間を低湿地がつないでいます。
植生は、地形により植物群落の明瞭な帯状分布が認められ、砂丘の海岸斜面のハマニンニク群落、砂丘頂部のハマナス群落、低地のヒメウシオスゲ群落となっています。また、春国岱のアカエゾマツ林は、我が国唯一の砂丘系アカエゾマツ林として貴重であり、アカエゾマツ林の成立・推移を知る上でも重要な存在です。
5月頃には、地元漁協の潮干狩りが行われ、大粒のアサリやホッキガイなどが採れてにぎわいを見せます。
2005年(平成17年)には、「風蓮湖・春国岱」の地域がラムサール条約に登録されました。
春国岱原生野鳥公園
根室市では、春国岱を中心とした貴重な自然環境を保全し、自然と親しみながら人と自然の共存について考える場として、1995年(平成7年)にネイチャーセンターをオープンさせました。ここでは専門の職員が常駐し、自然観察指導や各種の調査研究を行っています。
走古丹(はしりこたん)
風蓮湖の左側の砂州である走古丹は、冬はエゾシカの大規模な越冬地となっています。
野付湾(のつけわん)
総面積4,800haの、野付半島との間に挟まれた非常に浅い湾で、底にはアマモが繁茂しており、白い帆をいっぱいに広げ湾内に浮かぶホッカイシマエビ漁の打瀬船は、初夏の風物詩となっています。
2005年(平成17年)には、「野付半島・野付湾」の地域がラムサール条約に登録されました。
ボンニタイ
野付半島に入ってすぐのところで、代表的な湿原植物であるワタスゲの大群落があります。
尾岱沼(おだいとう)
野付湾に面した市街地で、温泉や近くに青少年旅行村があり、野付地区観光の拠点となっています。
白鳥台(はくちょうだい)
12月から3月にかけて、数千羽を越える白鳥が集まるポイントとして知られています。ここにある北方展望塔からは、野付半島やオホーツク海に浮かぶ北方領土・国後島が一望できます。
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