円卓会議概要16
北海道PCB廃棄物処理事業監視円卓会議(第16回) ◆◇◆ 開催結果概要 ◆◇◆
1 日 時 平成21年8月25日(火)14:00~16:00 2 場 所 PCB処理情報センター(室蘭市御崎町1丁目9番地) 3 出席者 監視円卓会議委員、日本環境安全事業㈱、登別市、道、室蘭市 報道:室蘭民報社 傍聴:15名
4 内容 (1)第15回監視円卓会議議事録について (2)北海道事業の進捗状況等について (3)その他
5 議事概要 (1)第15回監視円卓会議議事録について 監視円卓会議として承認。
(2)北海道事業の進捗状況等について【①~④:JESCO、⑤、⑥:道】
①国内の処理状況について報告。(資料2) ・ 北九州事業では、7月17日から第2期施設のプラズマ溶融分解設備の操業を開始したが、8月8日に活性炭吸着塔の内部で火災が発生したことから、現在は設備を停止して原因究明中。 ・ 北海道増設事業については、事業の再構築について、関係機関と引き続き協議中。 ②北海道事業の進捗状況、稼働状況について報告。(資料3-1、2) ・ 8月6日に見学者が4,000人を突破。 ・ 処理台数は徐々に増加しており、4月から7月までのPCBの液処理量は約55トン(平成20年度は約65トン)。 ③トラブル事象等、浄化槽処理水の水質改善の取組について報告。(資料4-1、2) ・ 前回の会議以降、7月31日までに区分Ⅳのトラブルが1件発生。 ・ 浄化槽については、凝集剤の投入などの対策を実施した結果、8月に入ってから水質が改善されてきたが、一部の水質項目が排出管理目標値を超過していることから、放流停止を継続。冬期間に備えた対策として、保温工事を行う予定。 ④運転開始後6ヶ月後内部技術評価結果について報告。(資料5) ・ 2月に実施した初めての内部技術評価において、確認項目115項目のうち、指摘事項は5項目であった。 ⑤平成20年度の環境モニタリング測定結果について報告。(資料6-1、2) ・ すべて項目において環境基準値、排出管理目標値等を下回っており、昨年5月の操業開始の前後で特に大きな変化はなかった。 ⑥北海道事業所に対する立入検査実施状況について報告。(資料7)
質問(委員) トラブル事象の発生原因は、圧力計に設計より大きい圧力がかかったということか。元弁の取り付けにより、瞬間的な圧力変動を阻止できるのか。 また、区分ⅢとⅣの違いに「特段の影響がない」とあるが、その定義はなにか。 回答(JESCO) 設計時において、圧力計の仕様は問題がなかった。繰り返し圧力がかかることが原因と考えている。元弁を取り付けることにより、日常的な圧力変動に耐えられる。 また、「特段の影響がない」とは、長期的な設備の停止がないということ。
質問(委員) 設計時の圧力の大きさに問題がなければ、圧力がかかる頻度が設計より多かったのではないのか。 元弁の取り付けが、水平展開の対策といえるのかどうか。 回答(JESCO) 圧力計の使用頻度が多かったことによる疲労破壊は考えられるが、今回は通常時の使用頻度より少なかった。現在調査中であるが、元々の製品に欠陥があったのではないかと考えている。 水平展開としては、すべての圧力計に元弁をつけて、通常運転時に元弁を閉めることにより、変動する圧力がかからないようにした。 質問(委員長) 圧力計にかかる圧力を止めるのは最終的な対策とはならない。圧力計そのものの仕様を変えて、変えたものに入れ替えることが水平展開ではないか。 質問(委員) 発生原因が確定していない段階で、水平展開を完了済みとするのはどうか。 回答(JESCO) 今回の圧力計はユニットものであり、メーカー出荷時に欠陥があったと考えている。対策として、すべての圧力計を一度に取り換えることはできない。 意見(委員長) ユニットものであれば、その中の部品に欠陥があることも考えられる。以前も類似のトラブルがあったし、今後も同様のことが起こり得るので、JESCOとして、水平展開する際、過去の経験を十分に生かすことに注意をしていくことが必要である。
質問(委員) 浄化槽の保守点検を2ヶ月に1回から毎月1回以上に変更したとのことだが、この対策で大丈夫と言えるのか。 回答(JESCO) 浄化槽法上では、保守点検は3ヶ月に1回以上とされている。また、毎日水質を確認している。
質問(委員) 浄化槽の保温工事はまだ行っていないのか。対応が遅いのではないか。 回答(JESCO) 浄化槽は地下に埋設されており、計画時に保温は必要ないと考えていた。冬期間の対策として、保温工事を寒くなる前に実施することとしている。
質問(委員) 内部技術評価の重点評価項目に運転会社の業務委託範囲の明確化を挙げているが、当然のことではないのか。 また、指摘事項で「文書管理規定がない」との指摘があるが、ISOの重要項目でもあると思うし、当然あるものではないか。 回答(JESCO) 運転会社とのかかわりについては、発注仕様書において責任は明確であるが、運用面から確認を行った。 文書管理要領は作成されていたが、文書管理責任者が決められていなかったことから、これを定めたほか、文書の保管場所とあわせ、社内に周知徹底した。 ISOの取得については、7月に体制を強化し、11月から準備を始める予定。 意見(委員) 不明確な答弁が多い。指摘事項についても、文書管理責任者が設定されていなかったこと、指摘の後、新たに総務課長を責任者に設定したと明記すべきである。
質問(委員長) JESCOやMEPSの職員が気付いたことをすぐに管理部門などに伝える公益通報のような規定はあるか。 回答(JESCO) MEPSには改善提案制度があり、職員が気付いたことを提出し、JESCOで回覧されるほか、JESCOとMEPSの幹部会議などで報告される。 意見(委員長) 気付いたことをすぐに管理部門に言い、対応できるような制度が必要。他社でもそういう制度を持っていると思う。
(3)その他 ①前回の会議における意見等への対応について説明(資料9) ・ JESCOが定めた「緊急事態発生時における連絡・公表区分」のうち、区分Ⅱに該当する「排出管理目標値超過のおそれ」の明確化について、道、室蘭市及びJESCOの三者で協議した考え方を説明。【JESCO】 ・ 北九州事業所の生物調査の概要及び生物モニタリングの考え方を説明。【JESCO、道】 ・ 水質中のダイオキシン類のコプラナーPCB比率について説明。【JESCO】
②委員による北九州事業所の視察を11月以降に予定していることを説明。【道】
意見(委員) 教育訓練などはよくやっているが、その評価が大事。受講者の理解度などを評価できるようにすべきである。
意見(委員) 処理情報センターの見学者が4,000人を突破したと言うが、単純に1日当たりにすれば5人程度にすぎない。市民も活用できるようにしてほしい。 また、事業報告において、進捗状況は処理した台数だけでなく、全体で処理すべき台数などと合わせてグラフで表すなど、目に見える形で記載していただきたい。
意見(委員) モニタリングにおいて、排出されるダイオキシン類などは微量で、基準を下回っているから問題ないと言うが、総量が分からない。どれだけ蓄積されるかが問題であり、データとして総量的な数字を示すことを検討してほしい。 また、実際に働いている人たちが、気付いたことをどこに持って行くべきかわからないなどの問題があると思うので、現場の実態を把握するためにも、委員に立入検査などの権限をもう少し持たせてほしい。
意見(委員長) JESCOでは昨年の開業以来、膨大な量のPCBを処理している。それだけ環境に貢献しており、その成果についてJESCOも市民も誇ってよいと思う。 処理情報センターでは、そういった情報の提供も工夫していく必要がある。 |
会議次第 |
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資料1 | 北海道PCB廃棄物処理事業監視円卓会議(第15回)議事録 |
資料2 | 日本環境安全事業(株)におけるPCB廃棄物処理事業の現況 |
資料3-1 | 北海道事業の進捗状況 |
資料3-2 | 稼働状況 |
資料4-1 | トラブル事象等について |
資料4-2 | 浄化槽処理水の水質改善の取り組みについて(経過報告) |
資料5 | 北海道PCB廃棄物処理施設 運転開始後6ヶ月後内部技術評価結果について |
資料6-1 | 平成20年度北海道PCB廃棄物処理事業に係る環境モニタリング測定結果 |
資料6-2 | 平成20年度北海道PCB廃棄物処理事業に係る環境モニタリング結果報告 |
資料7 | 平成21年度北海道PCB廃棄物処理事業に係る環境モニタリング測定結果 |
資料8 | 日本環境安全事業㈱北海道事業所に対する立入検査実施状況 |
資料9 | 前回の監視円卓会議で意見のあった事項について |
資料10 | 北九州第2期事業について |
・参考資料 北九州PCB廃棄物処理施設のご案内(JESCOのHPへリンク)