配偶者やパートナーなど親しい関係の人から加えられる暴力を配偶者暴力(DV:ドメスティック・バイオレンス)といいます。 配偶者からの暴力は、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害であり、男女平等参画社会の実現を妨げになるものです。
様々な暴力の形態
配偶者暴力は、殴る、蹴るといった身体的暴力だけに限りません。相手を自分の思いどおりに支配(コントロール)しようとする態度や行動、これがDVです。
身体的暴力 | 精神的暴力 | 性的暴力 |
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経済的暴力 | 子どもを利用した暴力 | 社会的暴力 |
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配偶者暴力に関するQ&A
【 Q 】DVってケンカと同じじゃないの?
【 A 】DVとケンカは違います。
ケンカは、お互いが対等の立場で意見をぶつけ合う一時的なものですが、DVはどちらかから一方的に継続して振るわれる暴力で、その間には支配と従属の関係があります。DV関係にある場合、暴力を受けている人は自分の意見を言うことができず、何をするにも相手の許可を必要とし自由がありません。
【 Q 】ごく一部の人たちの間で起こることじゃない?
【 A 】国の調査では、女性の33.2%、男性の17.7%が配偶者から暴力を受けたことがあると回答しています。
この中で、何度も暴力を受けたことがある人は女性が10.8%、男性が2.9%となっています。女性の10人に1人が何度も暴力を振るわれているのです。
【 Q 】加害者は誰にでも暴力を振るう人なんじゃない?
【 A 】加害者は職業や学歴、年齢などに関係なく、決まったタイプがありません。
誰に対しても粗暴な態度を取る人もいますが、職場や友人の間では明るく人当たりがいい人もいます。
【 Q 】暴力を振るわれる人にも問題があるんじゃない?
【 A 】暴力を振るわれていい人はひとりもいません。
暴力は人の心を傷つけ、その人の気持ちを混乱させます。信頼している人から暴力を受けた場合はなおさらです。 被害者は、その混乱の中で、恐怖によって相手に支配されてしまうのです。被害者ではなく、加害者に問題があるのです。
【 Q 】別れればいいと思うんだけど・・・?
【 A 】被害者は収入や子どものことなど、別れることによって生じる問題を考え、ずっと悩んでいます。
また、暴力を振るわれ続けることによって無力感を感じていたり、相手も反省していつかは暴力を振るわなくなるんじゃないかと期待することもあったりするので、なかなか決断できません。
DVの影響
被害者への影響
暴力が被害者にへ与える影響ははかり知りません。身体に対する暴力は、骨折やあざ、切り傷など、体を傷付け、場合によっては、被害者が亡くなってしまうという痛ましい結果になることがあります。
また、暴力は被害者の身体だけでなく、心にも大きな影響を及ぼします。 被害者の中には、暴力による精神的衝撃などから、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などにより、心の健康を害してしまう人もいます。
PTSDになると、体験した暴力が繰り返し思い出され、強烈な恐怖心がわき起こってきたり、物音や刺激に過敏に反応し、不眠やイライラが続いたり、反対に無感情になったりするなどして、日常生活にも支障が出ることがあります。
子どもへの影響
子ども自身が直接危害を加えられなくても、暴力の場面を日常的に目撃することは、子どもにとって大きな衝撃であり、心身の発達に有害な影響を及ぼします。
児童虐待防止法では、児童が同居する家庭におけるDVその他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うことは、児童虐待に当たるとされています。
DVのある家庭の子どもは、いつも暴力におびえ、不安感を持ちながら生活せざるを得ません。また、恐怖や不安などの心理的虐待だけでなく、子ども自身が身体的虐待を受けているケースも見られます。
もし、あなたが相談されたら・・・
- 「あなたは悪くないよ」「よく相談してくれたね」という態度で、話を最後までじっくり聞いてください。
- 「どうして殴られたの」「別れればいいのに」などと、被害者を責めるような言い方をしないでください。
- 被害者の暴力体験を興味本位に聞き出したり、他言したりしないでください。
- 相談機関や窓口に連絡するようにアドバイスを行ってください。 →相談窓口はこちら