北の縄文(忍路環状列石(小樽市)) ■遺跡の概要 小樽市忍路環状列石は、小樽市の中心から西に約15kmほどの所にある三笠山の麓、標高約20mの緩い斜面にあります。長径33m、短径22mの楕円形に大小の石が配置されています。明治時代中頃から広く知られるようになり、何度か人の手が加わって、造られた当時とは異なったところもありますが、縄文人の世界観を今に伝える遺跡として、1961年に国の指定史跡になりました。本遺跡のすぐ北側に隣接する忍路土場遺跡は、1985~1987年にかけて発掘され、大量の土器・石器や建物の建材、木製品、漆製品、木の実や動物の骨などが見つかり、この地域の縄文人の豊かさを証明しました。 ▲忍路村土場 大正11年 ▲全景 ■特徴的な遺構 高さ1m前後の石を南北33m、東西22mの楕円形に配し、その中央部に柱状の割石を立てています。明治10年代に札幌農学校の1期生、田内捨六が内部を33m2ばかり掘った記録によると、黒土層(3cm)下の赤土を1m掘ったところ、1ヶ所に直径3~13cmぐらいの玉石が層をなしているのを発見したとあります。また1956年には、畠山三郎太がカギ形にトレンチを入れています。 ▲隣接する忍路土場遺跡出土状況 ▲忍路土場遺跡出土の糸玉 ←他の遺跡を見る Copyright(C)2003 Hokkaido Government. All Rights Reserved.