北の縄文(初田牛20遺跡(根室市)) ■遺跡の概要 ▲全景 根室市初田牛20遺跡は、別当賀川に向って張り出した高位の段丘(標高12m)上にあります。別当賀川はサケ、マス、ウグイ、アメマスやカワシンジュガイなどが生息しており、付近の山野にはエゾシカやエゾユキウサギが多く、昔から生活資源に恵まれていた場所です。 初田牛20遺跡の発掘調査によって、日本列島最東端の縄文時代後期の土偶や集石遺構、墓などが発見されました。 ■特徴的な遺構 ▲土偶 2つの墓と集石遺構がありました。 1号墓は、長軸1.25m、短軸80cmで、底にベンガラがまかれ、頭と足の骨がわずかに残っていました。頭部付近に石鏃、石槍、異形石器、膝の付近から連なった玉が出ました。 2号墓は、長軸1.5m、短軸90cmで、底面近くには、南西部を向いた頭骨にベンガラが厚くおおわれていました。副葬品として、頭部から漆塗りの櫛が、左耳からヒスイの玉が、顔の右側から石斧が、右肩付近から石鏃、石斧、腰付近から異形石器、漆製品の破片、足の方から環状土製品が出土しました。 ■主な遺物 本遺跡を特徴づけるのは、墓の周辺から18個に割れて出土した土偶です。首をすくめ、左右の手を少し両側にそらしたかのようなポーズをとっています。体につけた衣服は刻線と縄文で、手足の指は刻線で表されています。ベンガラがまっ赤に付いた板状の土偶で全長が18.2cmもあります。ヒスイの飾玉や朱漆塗りの櫛などからは豊かな縄文時代の暮しがしのばれます。 ▲1号墓出土遺物 ▲2号墓出土遺物 ←他の遺跡を見る Copyright(C)2003 Hokkaido Government. All Rights Reserved.