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 一階に下りた二人は、カウンターのところへ行ってみました。カウンターのテーブルは、ちいちゃんが係の人と話すのにちょうどいい高さです。小学生の低学年だって、背伸びをしなくてもだいじょうぶのようです。カウンターのはしのほうに、コンピューターがあって、図書館の情報が引き出せるようになっていました。カウンターの前にも、点字ブロックがありました。
たっくんは、点字ブロックがどこから始まっているのか、目で追ってみました。どうやら、たっくんたちが入ってきた自動ドアのところからのようです。帰るときに、くわしく見ようと思いました。
 「ちいちゃん、こんにちは」
係のお姉さんが声をかけました。
 「こんにちは」
たっくんも元気にあいさつしました。
 「今日はお母さんと一緒じゃないのね。でも、元気なぼくと一緒で、たのもしいわよ」
 「いとこのたっくんです。一緒に二階へ行ってきました。たっくんは、この図書館初めてなんです」
 「たっくん、感想は?」
 「ちいちゃんの本の読み聞かせについて来ただけなんだけど、いろいろなことが分かりました。ぼくが知ってる図書館の感じと、ずいぶんちがって…」
たっくんは、うまく言葉が出てきません。
 「また来たいなって、そう思いました」
やっと、これだけ言えました。
 「ありがとう。そう言ってもらえるとうれしいわ。いつでも遊びに来てね」
係のお姉さんが、親切そうで、やさしそうで、たっくんはすっかり照れてしまいました。
 「たっくん、そろそろ、帰りましょう」
二人は、玄関へ向かいました。
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