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 公園を出て、お店に向かうとちゅうの二人は、公園の話でもちきりでした。こんな遊びができたらいいなとか、こんな遊具があると楽しいねとか、話に夢中だったのです。やがて、道の向こうに高校生らしいグループの、ゴミ袋をもってゴミ拾いをしているすがたが見えてきました。ボランティアをしている顔なじみの高校生のお兄ちゃんたちです。
 「こんにちは。今日は、ボランティア活動ですか?」
ちいちゃんが、元気に声をかけました。
t15.jpg「やぁ、ちいちゃん、久しぶり、元気そうだね。今日は、まちをきれいにしようと思って、高校で声をかけたら、ボランティアのグループだけじゃなくて、ぼくも私もって、こんなにたくさんの仲間が集まっちゃったんだ。このゴミの半分は高校生が散らかしているって言われているし、罪ほろぼしの気持ちもないわけじゃないのだけど、でもよく人もゴミも集まったね。ほら」
 差し出されたゴミ袋の中は、いろいろなものでいっぱいです。ちいちゃんは、ゴミをかんたんに捨てる人を許せない気持ちになってしまいました。特に、タバコのすいがらを道ばたに平気で捨てる大人には、いつも腹立たしさを感じていたのです。だから、自分は、道などにゴミを捨てない人になろうと、心に決めていたのです。
 「おーい、移動するぞー」
リーダーの大きな声がして、高校生の一団は道路を横切っていきます。
 「それじゃね。ぼく、ちいちゃんをしっかりたのんだよ」
 “ぼく”と言われたのは、これで三回目です。たっくんは、にこっと笑って、ちいちゃんのことはまかせておけとばかり、高校生のお兄さんやお姉さんに、さよならの手を力強くふりました。
 「ちいちゃんは、いろんな人と顔見知りなんだね」
 「わたしも、ボランティアしてるでしょ。だから、いろんなところで友だちができるのよ。まちにたくさん知っている人がいるって、とっても楽しいことだわ」


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