第2章 障がいの特性と必要な配慮の基本 6 内部障がい 内部障がいとは、肢体不自由以外の体の内部の障がいで、心臓機能、腎臓機能、呼吸器機能、膀こう、 直腸機能、小腸機能、肝臓機能、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能のいずれかの障がいにより 日常生活や社会生活に支障が生じている状態をいいます。 障がいの特性 心臓機能障がい 動機、息切れなどの症状があり、脈拍を正常に調整するためにペースメーカーを入れているかたもいます。 腎臓機能障がい  体内にたまった老廃物を排せつするため、定期的に通院し人工透析治療を受ける必要があります。 膀こう・直腸機能障がい 尿やべんを貯めたり、排せつする機能が低下又は喪失した状態です。 人工肛門・人口膀胱をつけているかた(オストメイト)は、排せつ物を貯めるための専用の装具をお腹につけています。 小腸機能障がい 消化吸収能力が不十分なため、食事制限があったり、まったく食べられなかったりします。 呼吸機能障がい 呼吸困難、息切れなどの症状があります。酸素ボンベを携帯しているかたもいます。 肝臓機能障がい 肝炎ウィルスなどにより、倦怠感、疲労感、おう吐、けいれん、かん性脳症の症状が現れます。 ヒト免疫不全ウィルスによる免疫機能障がい このウィルス(HIVウィルス)がヒトに感染し発病すると、免疫機能が低下して様々な感染症にかかりやすくなります。 意思疎通の手段とポイント ・内部障がいのあるかたは、疲労感がたまりやすく、集中力や根気にかけるなど、外見からはわかりにくい不便さを抱えていることを理解し、できるだけ負担を掛けない応対を心掛けます。 配慮のポイント ・外見から分かりにくい障がいがあることを理解してください。 ・オストメイトは装具の交換にトイレ内で20分から30分程度必要になります。 ・体力が低下しやすいため、長時間立ち続けたりすると多大な負担になることがあります。 ・携帯電話などの電波によってペースメーカーの誤作動が起こる場合があります。 当事者からのメッセージ 外見ではわかりにくい障がいであるために、様々な場所で誤解を受けることがあります。 外見からはわからなくても、配慮が必要な場合があることを知ってください。 職場や会議、講習会など、様々な場面で、そのかたにあった配慮をしていただければと思います。 相談・問合せ先 一般社団法人 北海道身体障害者福祉協会