第1章  情報保障とは 1 障がいのあるかたへの配慮と情報保障のために 情報保障とは、障がいのあるかたも障がいのないかたと実質的に同等の情報が保障されるようにすることです。 この情報保障がきちんと確保されるためには、情報の受け手である障がいのあるかたの特性に応じて配慮することが必要となります。 例えば、見ることに障がいのあるかたといっても、拡大文字資料が必要なかたや点訳した資料が必要なかたなど様々です。 また聞くことに障がいのあるかたには、手話や要約筆記など視覚的な通訳を必要とするかたもいれば、周囲の雑音が少ない環境であれば、説明を聞き取れるかたもいます。 このように、同じ障がい種別であっても、障がいの程度や状態、生活状況、情報の内容などによって、ひとりひとり必要とされる配慮や情報保障の手段が異なります。 この指針には、ケースに応じて細かい事例を記載していますが、実際にこの指針の内容に当てはまらない場合もあります。どのような配慮が必要なのか、本人の意向を十分に確認し、よく話し合って柔軟に対応することが求められています。対応にあたっては、本指針の押しつけにならないよう注意してください。 情報保障の極意は思いやりです。 障がいのあるかたへの対応の基本 1 笑顔で明るく対応します ・不安を感じずに話しやすい雰囲気を感じてもらえるよう、笑顔で対応します。 2 困っているかたには進んで声を掛けます ・まずは、「困っている内容」や「必要とする支援」を理解することが大切です。 ・障がいの種類や内容を問うのではなく、「どのようなお手伝いが必要か」を本人に尋ねます。 3 コミュニケーションを大切にします ・コミュニケーションが難しいと思われる場合でも、敬遠したり、分かったふりをせず、「ゆっくりと」、「丁寧に」、「繰り返して」相手の意図を確認し、信頼感を持てる応対を心掛けます。結論をせかさず、時には「待つ」ことも大切です。 4 柔軟な応対を心掛けます ・相手の話をよく聞き、訪問目的を的確に把握し、たらい回しにしないようにします。 ・応対の方法がよくわからないときは、一人で抱えず、周囲に協力を求めます。 5 不快になる言葉は使いません ・差別的な言葉はもとより、不快に感じられる言葉や子ども扱いした言葉は使いません。 6 プライバシーには立ち入らないようにします ・障がいの原因や内容について、必要がないことは聞いたりせず、仕事上で知り得た情報については、守秘義務を守ります。