第2章 障がいの特性と必要な配慮の基本 3 盲ろう 視覚と聴覚の両方に障がいがあることを「盲ろう」といいます。 障がいの特性 見えかたと聞こえかたを大きく分けると4つのタイプに分かれます。 ・全盲ろう  全く見えず、全く聞こえない状態 ・弱視ろう  少し見えて、全く聞こえない状態 ・全盲難聴  全く見えず、少し聞こえる状態 ・弱視難聴  少し見えて、少し聞こえる状態 障がいの発生順によって、4つに類別されます。 ①先天性の盲ろう    先天的に、あるいは乳幼児期に視覚と聴覚の障がいを発症したもの ②盲ベースの盲ろう  視覚障がいがあり、のちに聴覚障がいを発症したもの ③ろうベースの盲ろう  聴覚障がいがあり、のちに視覚障がいを発症したもの ④成人期盲ろう  成人期以後に視覚と聴覚の障がいを発症したもの 意思疎通の手段とポイント しょく手話 相手の手話を触って読み取る方法です。 また、相手が盲ろうのかたの手を取って手話の形を作って伝える方法があります。 手書き文字  盲ろうのかたの手のひらに指で文字を書いて伝える方法です。 盲ろうのかたの指を持って、もう片方の手のひらや机などに書く方法があります。 指文字 シュシの形で五十音やローマ字を表現します。視覚で読み取る場合と、触って読み取る場合とがあります。 指点字 盲ろうのかたの両手の指(人差し指、中指、薬指)6本を点字の6点に対応させ、通訳者が盲ろうのかたの指に打って伝えます。 点字 その場で点字器や点字タイプライターを使って書いた点字を、盲ろうのかたが読み取ります。 また、パソコンに接続した点字ディスプレイを利用するかたもいます。 筆記 視力が残っている場合に、紙とサインペンなどを利用して、見やすい大きさ、太さ、間隔、コントラストで書いて伝えます。 パソコン画面 視力が残っている場合に、筆記の代わりにパソコン画面を利用して伝えます。 文字の大きさや色、コントラスト、明るさなどが調節しやすく、手書きよりも早く書けるのが利点です。 音声 聴力が少し残っている場合に、声の高低、速さ等を考慮して耳元やマイク(集音器)に向かって話す方法です。 配慮のポイント ・コミュニケーション、外出(移動)、情報収集のいずれにも困難さがあります。 ・弱視や難聴の場合、適切な配慮や環境があれば視覚や聴覚も活用できます。 ・情報を得るには、活用可能な感覚に応じて、ショク手話、弱視手話、指文字、指点字、点字など、そのかたに応じた方法で対応します。 ・盲ろうのかたが意思を表す際、音声で話せるかたは音声を活用することが多くあります。それ以外に、手話や指文字などで意思を表すかたもいます。 ・聴力の残っている盲ろうのかたに話しかける場合、向かい側からではなく、聞き取りやすい方の耳に向かって真横から話すようにします。 ・盲ろうのかたは色々なコミュニケーション手段の中から一つ、または複数の方法を組み合わせて会話をします。 当事者からのメッセージ 「私は、触手話も指点字もできないから・・」と遠慮することはありません。 あなたから積極的に話しかける気持ちが大事です。 手のひらで文字を書く「手書き文字」で会話ができるかたも多くいます。 盲ろう者の側に来て、腕や手に触れて話しかけてください。 相談・問合せ先 札幌盲ろう者福祉協会