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最終更新日:2011年6月01日(水)


知事訓辞230601


知事訓辞
平成23年6月1日(水)
知事会議室

  皆さん、おはようございます。
 本日6月1日から新しい体制が発足いたします。新たなスタートに当たりまして、少しお時間を頂戴して、私の思いなどをお話しさせていただきたいと思います。

 既に2か月前の4月1日、それから15日付けで未曾有の東日本大震災に即応して、緊急の体制整備を行ったところでございますが、本日付におきましては、エゾシカ対策や、縄文の世界遺産登録といった重要課題に対応するための組織機構改正も実施をいたしまして、知事部局全体で、約2,650件の人事異動を行わせていただいたところでございます。

 時代が大きく転換する中で重大な岐路に立たさている北海道は、今、さらに東日本大震災という未曾有の事態に遭遇をいたしたところでありまして、その対応が急がれる課題は山積しているところであります。
 こういった中にありまして、私が三期目就任挨拶の時に、申し上げました「3つの基本姿勢」、「地域にこだわる」「攻めの道政」そして「世界の中の北海道を意識する」この三つでありますが、こういった姿勢というものを皆さん方としっかり共有しながら、新たな体制のもと、北海道の新しい国づくりに全力でチャレンジしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

  さて、東日本大震災の発生からまもなく3ヶ月になろうといたしております。

 この間、危機対応や道内被災地の復旧、道外被災地の支援に当たられた皆さん方のご労苦に、心からお礼を申し上げる次第であります。

 とりわけ、余震やまぬ道外被災地の最前線で支援に当たられた職員の皆さんの奮闘ぶりには、「本当に頼りになった」、「是非また来てほしい」など、現地の知事をはじめ多くの方々から感謝と労いの言葉をいただいているところでありまして、大変喜ばしく、何よりも誇りに思っているところでございます。
 改めて皆様方に感謝を申し上げたいと思います。

 私自身も、今回の選挙を終えた直後、直ちに被災県に訪問させていただいたところでありますが、本当に、歴史上例を見ない未曾有の大震災、こういったことを実感をしたところであります。
 そしてこの大震災は、まさに我が国の経済社会そのものを大きく揺るがす戦後最大の危機と言っても、私は過言でないと思っております。

 尊い命、幸せな日常生活が一瞬のうちに奪われただけではなく、今なお本当に多くの方々が厳しい避難生活を余儀なくされているところであり、また、福島の原発事故も依然として予断を許さない状況が続いているところであります。

 震災で直接、社会基盤や生産拠点に大きな打撃を受けたばかりではなく、二次的にも、本道を含めた日本産品の風評被害や海外からの渡航自粛など、様々な影響が北海道の、そして日本の社会経済全体に大きな影を落としているところであります。

 さらには、諸般のリスク回避の流れの中で、「産業立地分散」や「エネルギー政策全般の大幅な見直し」、こういった動きも生じているところでございます。

 また、国民の間には、「安全、安心の確保がいかに大変なものであるのか」ということが再認識されつつあると、私は思っているところであり、「効率性」や「大量消費」によって、ひたすら成長・拡大ということのみを追求してきた私たち日本社会のあり方そのものが問い直されているのではないかと、このように考えているところでございます。

 まさに、今回のこの大震災を機に、「震災後」の価値観へとパラダイム転換の時を迎えようとしていることを私たちは、強く実感をしなければならない、このように考えているところであります。

 この未曾有の危機をバネにして、「震災後」の新しい基軸の中で、私たち北海道の新たな飛躍を成し遂げていくことができるかどうか、これまで以上に、我々道庁の真価が問われ、期待が寄せられ、そして力量が試されていると考えております。
 私たちは、こうした時代認識をしっかりと共有をしながら、新しい道政を進めていかなければならないと考えます。

 19世紀からの日本の歴史を繙(ひもと)けば、日本経済の復興やエネルギー、食料の増産など、日本の新たなフロンティアとして、その時々の我が国の課題解決に貢献をし、僅か百数十年の間に、今日の北海道の礎も築き上げられてきたことは、我々の記憶の中にしっかりとあります。

 この度の事態に際しましても、時代の潮流を冷静に見極め、北海道が誇る優位性や特性を十分に活かしつつ、東北の被災地復興や我が国全体の危機克服に積極的に貢献し役割を果たしていくことこそが、必ずや私たちの北海道にとって新たなステージに繋がっていく、これが開かれていく道、このように私は確信をしているところであります。

 強い絆と縁(えにし)で結ばれた北海道だからこそ、東北の皆様方の私たちに対する期待も大変大きいものと考えます。
 皆さんには、引き続き、ご苦労をお掛けすると思いますが、お一人ひとりが、気概を持って、今申し上げた様々な課題に、全力で取り組んでいただきたいと考えております。

  一方、あまりに大きな大震災の影に目を奪われがちではありますが、人口減少や社会の高齢化の急速な進行、円高やデフレの影響や国の公共事業予算の大幅削減により北海道は一層厳しさを増しております。

 こうした道内経済の状況、さらには、先送りされて少し、我々にはゆとりができたかなとは思っておりますが、依然不安を拭(ぬぐ)えないTPP問題への対処、また、道民生活の根幹に関わる雇用、医師・看護師の不足など、「待ったなし」の課題が山積している状況にあります。

 中でも、被災地復興への国費の重点配分や国内の産業立地の再編といった新しい動きが見込まれる中、我々道庁がそして道民が手を拱(こまね)いていれば、置き去りにされかねない危険さえあるという強い意識を私たちは持っていかなければならないと考えております。

 震災復興と並行して、これらの課題解決にも全力を傾け、その先にある確かな未来への道筋を付けていかなければならない今日、常に情報を素早くキャッチし、前例にとらわれない発想と行動力、そして、先手、先手のスピード感ある対応がこれまで以上に我々に求められていると考えているところであります。

 「チーム道庁」としての総合力を結集し、道民の皆様の生活を守り、暮らしの安心を高めていくという使命感を共有をし、道民の皆様方に応えることが強く求められております。

 現在は、何が起こってもおかしくない、これまでの経験則が通じない時代だと私は思っております。
 そして、この大震災を経て、「想定外」という行政の言い訳が許されない状況となっていること、このことを我々は肝に命じていかなければなりません。

 想定のレベルを引き上げるだけではなく、「不測の事態」というものを織り込みつつ、その対処方法を常に予め、頭の中で定めておく必要があると私は思います。

 また、それぞれの組織、職員一人ひとりが、それぞれの持ち味を活かし、タテ割りの壁を乗り越え、お互いを補い合いながら、道庁の総合力を最大限に発揮していくことが何より重要であります。

 私自身も、気持ちを新たに皆さん方の先頭に立って、変革に取り組んでまいる覚悟であります。
 幹部職員の皆さんにも、今一度、自らの職責の重さというものを見つめ直していただき、私とともに、「攻めの道政」の最前線で職務に邁進していただきたいと改めてお願いを申し上げる次第であります。
 よろしくお願いをいたします。ありがとうございました。