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最終更新日:2013年1月04日(金)

平成25年 職員に向けた仕事始めのあいさつ

平成25年1月4日(金)

北海道議会本会議場

 

  皆さん、明けましておめでとうございます。まずもって、年末年始に職務に就かれた皆さん、本当にご苦労様でした。心から感謝を申し上げたいと思います。さて、思えば、こうやって職員の皆さん方の前で年頭のごあいさつをさせていただくのも、私、10回目になりました。平成25年の仕事始めにあたりまして、いくつかお話をさせていただきたいと思います。
  昨年末、総選挙が実施されまして、民主党政権から自公連立政権へと移行いたしました。歴史的とも言われました、あの政権交代から3年数ヶ月での政権移行であり、新しい政権には、経済対策をはじめ、国内外の重要課題に果断に対応していただくことを心から期待をするものであります。
  一方、世界に目を向けますと、欧州金融危機に伴う先進国経済の減速や新興国の経済成長の鈍化、不安定な中東情勢など、我が国の近隣諸国を含め、国際社会はかつてないほど大きく揺れ動いていると、このように認識をいたしております。まさに、世界も、そして我が国も、ここ数年で明らかに歴史の潮目が変わり、あらゆる局面で、先を見通すことが極めて困難な「大きな変革期」を迎えていることを、改めて強く感じるところであります。
  新しい年を迎え、私たちは、こうした時代のうねりをしっかりと受け止めながら、直面する課題をより大きな視点で捉え、戦略的に考え、行動する姿勢が一層求められていると考えるところであります。そのような観点から、今日は、「3つの視点」と「1つの行動原理」についてお話をさせていただきます。
  まず、「3つの視点」として、「GPS」、この3つの視点ということを申し上げたいと思います。「GPS」と言えば、カーナビや携帯電話で使われる人工衛星を用いた測位計測システムのことであり、これによって、私たちは、今自分がいる場所、立ち位置を知ることができます。
  一方、私がこれからお話ししようとする「GPS」の視点とは、3つの頭文字について、「G」は、globe、すなわち「地球」の視点であります、「P」は、possibility、「発展可能性」の視点であります、そして「S」はsustainability、「持続可能性」の視点、この3つであります。
  まず、一つ目の「G」、すなわち「globe」についてでありますが、いわば、「地球儀の中の北海道」、「世界の中の北海道」と言い換えた方が分かりやすいかもしれませんが、このことを強く意識するということであります。
  皆さんも学生時代に、地球儀を持っておられたんじゃないかなと、そんな風に思います。私の執務室に来られた方はご存知のとおり、私の執務室の机の上にも地球儀が乗っかっています。時々見ております。地球儀は、宇宙から見た地球の姿であり、地球儀を回しながら北海道を見ていると、平面の世界地図で見ていた時とは異なり、丸いからこそ見えてくる、世界の中の北海道の位置に気づくことができます。 例えば、北海道は、日本の中で最も北米大陸やヨーロッパに近く、そして、北方にエネルギー開発が進むロシア極東、周辺には経済成長が著しいアジアを控えた位置にあるなど、極東の要衝の地にあることがはっきりと分かります。また、地球儀の上の方を眺めてみると、近年、大きく関心が高まる「北極海航路」に関し、北海道は、出入口となる「ベーリング海峡」に近いことが分かり、全く新たな可能性が見えてくるのです。
  私たちは、食産業立国の推進や北東アジア・ターミナル構想の展開など、世界を視野に、北海道の未来につながる戦略、そういったことを加速していかなければならないわけでありますが、こうした「globe」、すなわち「地球儀」の視点を強く意識することが大変大切であると考えるところであります。
  二つ目の「P」、すなわち「possibility」の視点は、北海道の大きな「発展可能性」や「潜在力」をいかにカタチにしていくかということであります。
  「北海道は、気候といい、資源といい、実に素晴らしい島である。この地は、開拓されるべき可能性に富む大地である。・・・」。こう述べたのは、開拓の父・ホーレス・ケプロンの言葉であります。その言葉どおり、北海道は他に類を見ない早さで発展をしてまいりました。そして、今も北海道は、「可能性の大地」、「高い潜在力」があると形容されることが多い地域であります。
  一方で、本道では、全国を上回るスピードで人口減少、そして高齢化が進行しているところであり、私たちは、「大きな発展可能性」という心地よい言葉に止まることなく、「潜在力」を「顕在力」にしていくことが、今こそ、求められているのではないでしょうか。
  フード特区、食産業立国の試みをはじめ、バイオやIT分野での科学技術の蓄積など、今、明日に繋がる新たな芽が確実に出始めており、アジアにおける北海道のプレゼンスは高い、私は強くそのことを実感をいたしております。これまで、私が繰り返し申し上げてまいっております、「食」や「環境」、「水」や「エネルギー」などの、北海道ならではの「北海道価値」を具体的なカタチにする取組を一層加速をしていかなければならない、このように考えるところであります。
   さて、三つ目の「S」、すなわち「sustainability」の視点、「将来にわたって、持続可能な社会を次世代に引き継ぐ」というふうに理解をしてみたいと思います。
  20世紀、私たちは、物の豊かさを追い求め、かつてない豊かな暮らしを実現してまいりました。しかし、そのことは、将来の子孫たちの財産でもある、限りある資源の大量消費と大量廃棄をもたらし、その結果、私たちは、地球温暖化や生物多様性の喪失といった危機に今直面をしております。
  私たちに求められることは、「持続可能性」という視点のもと、環境の許容範囲を十二分に認識をし、循環型の社会経済システムを構築をし、次の世代にしっかりと継承していくことであります。
  そのような中、豊かな自然環境や資源、自然を敬い、自然と共生するアイヌの人たちの知恵など、北海道の優位性は、今後ますます大きなものになってくるはずであり、環境と経済が調和をし、好循環する社会モデルを確立すれば、本道は、世界のフロントランナーになることができる、このように確信をするものであります。
  このことを強く意識をし、再生可能エネルギーの導入拡大や資源の循環利用の促進、こういったことを進め、「環境先進地」の実現に向けた取組を、この北海道において、一層積極的に進めていきたいと、このように考えるところであります。
  以上、「3つの視点」を申し上げました。次に重視すべき行動原理として、「バックキャスティング」という考え方を申し上げたいと思います。
  あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、「バックキャスティング」とは、まず最初に、目指すべき将来像を掲げ、振り返って、そこに到達するために、どのような手順で進んでいくのが最短距離なのかを考え、その道筋に沿って具体策を実行していくという手法であります。
  一方、逆の意味である「フォアキャスティング」は、目の前の課題を一つ一つ解決しながら、試行錯誤を繰り返し、目標に近づこうとする手法であります。このフォアキャスティングの手法は、手堅いアプローチではありますが、当面の問題に目を奪われすぎて、中長期的な目標を見失ったり、時間がかかりすぎるといった問題があるのではないでしょうか。特に、今日のような大変革期にあっては、絶えず、目標とする将来像を見据え、その実現を図るための戦略を展開していく、先ほど申し上げたバックキャスティングの考え方を積極的に取り込んでいくことが重要ではないかと考える次第です。
  道政の推進に当たっては、以上申し上げたような「3つの視点」、そして「1つの行動原理」を大切に、的確な現状把握と広い視野をもって政策展開を図っていきたい、そして皆様方にもそのような視点を持っていただきたい、このように思う次第です。
  昨年10月、東日本大震災により被災された宮城県亘理町から、被災農家受け入れ事業で、伊達市、本道の伊達市に移住し、再起をかけて、イチゴ栽培に懸命に取り組んでいる方々にお会いをいたしました。そして、お話をさせていただきました。
  亘理町は、ご案内のとおり、国内屈指のイチゴ産地でありましたが、震災による大津波で、イチゴ農家の9割以上が被災をされたそうであります。再開が見込めないほど、壊滅的な被害を受けられたということでありました。
  そうした中、姉妹提携を結ぶ胆振管内の伊達市が、いち早く、被災したイチゴ農家の受け入れを決定しました。その後、6世帯12人が伊達市に移住をし、イチゴ栽培の再興に向けた果敢な挑戦が始まったわけであります。
  当初は、土地や気象、水質の違いにより、なかなか思うような成果をあげることができなかった、そんなお話がありましたが、「我々には、全国屈指のイチゴ産地を築いてきた誇りがある。その誇りを胸に、必ずや再起を図ってみせる」という強い思いで、仲間たちや地元の方々と力を合わせ、伊達の地に適したイチゴ栽培を実現するため、日々、研究に研究、努力を重ねられたところであります。
  そして、こうしたご苦労が、1年後の昨年の初夏、道内有名洋菓子店でも採用される、立派な赤いイチゴとして実り、故郷の復興につながる大きな自信になったと伺ったところであります。
  移住された方々の弛まぬ努力と、必ずや困難を乗り越え、未来を切り拓くという「高い志」は、ふるさと亘理町にも伝わり、「いまだ震災は終わっていない」という被災地の厳しい現実がある中で、地域の復興を後押しする「希望の星」になっているというお話でありました。
  これまでの経験や常識が通じない、この変革の時代・・・、私たちの前には様々な困難が立ちはだかっているわけでありますが、今お話を申し上げた、被災地から来られたイチゴ農家の皆さんの「高い志」と「強いチームワーク」に学びながら、共に、私たちの故郷、北海道の未来づくりに挑戦をしていこうではありませんか。
  最後にこうしたことを申し上げ、私の仕事始めのご挨拶とさせていただきます。今年も1年、よろしくお願いをいたします。ありがとうございました。 

 

 

 

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