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最終更新日:2011年3月25日(金)


平成18年仕事始めのあいさつ



 

平成18年 職員に向けた仕事始めのあいさつ
平成18年1月4日(水)
北海道議会本会議場
 皆さん、明けましておめでとうございます。
 年頭に当たりまして、私から少しお話をさせていただきたいと思います。
 皆さん、年末年始ゆっくりとお休みになりましたでしょうか。お仕事をされた方もおられるかと思います。そういう方は、本当にご苦労様でございました。
 私自身は、年末年始、本当にゆっくりとさせていただきました。久しぶりに、奥さんと、それから母親をゆっくりとやらせていただいた、そんな冬休みでございました。

 そして、仕事始めにあたりまして、いくつかお話しを申し上げたいと思うのですけれども、その冒頭に私から一つ触れたいと思いますのが、皆さん方も報道を通じてご存知だと思うわけでありますけれども、昨年の交通事故死者数が北海道は14年ぶりにワーストワン返上ということになったところでございます。
 このことは、道民の皆様をはじめ、道警察、あるいは道、市町村、あるいは関係機関・団体の皆さん方が連携をいたしまして、交通事故防止に取り組んできた賜物であろうと、このように思う次第でございます。
 この間の、関係職員のご努力に、心から敬意を表し、本当にありがとうございましたと申し上げたいと思います。
 しかしながら、一方で、未だに本当に多くの道民の方々、あるいは中には道外から旅行でこられた方もおられるかと思いますが、痛ましい交通事故の犠牲となっておられるという現実があり、このことを我々はしっかりと胸に刻まなければならないと、このように思う次第でございます。
 今年、昨年のワーストワン返上を一つの契機として、改めて気持ちを引き締めて、これまで以上の取組を推進し、交通事故を1件でも減らすよう、そして痛ましいその犠牲者の方々を一人でも少なくするよう、皆さん方のなお一層のご努力を心からお願いを申し上げたいと思います。

 さて、思えば本当に早いものでございます。私も職員の皆様方のご協力を得まして、知事に就任してから3回目の新春を迎えることができました。
 この間、私は常に「道民の視点」ということを皆さん方に申し上げてまいりました。道民の視点を重視し、北海道の現在、そして将来にとって、何がプラスになるかという観点で、皆さん方と共に、道政を推進をしてきたと、このように考えているところでございます。
 そして、この3年間の取組を経て、私自身、新生北海道に向けての「変化の兆し」が、少しずつではありますが、出てきたのではないかとこのように思っているところでございます。
 とりわけ、昨年1年について見ますと、5月には北海道新幹線の着工ということが現実のものになりました。また、7月には、知床の世界自然遺産登録がありました。8月には駒大苫小牧校が活躍をしてくれました。そして、2年連続で旭山動物園が大躍進を遂げました。
 経済面でも、雇用の改善が一歩一歩でありますが、進んできております。また、観光入込の回復、さらにはIT・バイオなどの新しい産業の芽の集積、食・観光の分野で新たなブランド化や市場開拓を目指す動きなど、明日に向けての「活性化の芽」というものが少しずつではありますが、芽吹いてきた、そんな1年であったのではないかと、このように思っているところでございます。
 厳しい中でも、これまでの取組や、道民の皆様方の頑張りにより、様々な面で「北海道力(ほっかいどうぢから)」、北海道の底力、こういったものが少しずつ開花してきているのではないかと、このように思っているところでございます。

 私の任期も残すところ、1年ちょっととなりました。そうした中で、特に今年は、これまでの積み重ねをさらにステップアップさせて、私の任期の総仕上げを図る重要な1年ではないかと、このように考えているところでございます。
 しかし一方で、足下をよく見ますと、全国的に景気の回復が相当のスピードで進んでいるという感じを持っている中で、北海道経済を取り巻く環境はまだまだ厳しい状況にあるわけであります。
 引き続き、私たちは新生北海道に向けた改革の歩みを一層前進させ、芽吹き始めてきた「活性化の芽」を、さらに「木」に育て、将来につながる大きな大きな「果実」を実らせていかなければならない、このように思っているところであります。
 北海道の将来に向けて、これまで以上に私達の力量が問われているのではないでしょうか。だからこそ、職員一人一人の、そして道庁組織の総合力を発揮して、この北の大地の新たな可能性の扉を開いていきたいと、このように思っているところでございます。
 そのためにも、今年は、北海道の新たな可能性の扉を開く鍵となる、次の「4つのテーマ」を、職員の皆さん方に常に意識していただき、スピード感と、そして改革意識、現状を変えていこうというこの改革の意識、これをもって、任期4年の第4コーナーを私は全力で突き進んでいきたいと、このように思っているところでございます。


 4つの視点の第一は、「経済再建と財政再建の両立」、このことの推進であります。これらは北海道の将来に向け、最も急ぐべき課題であり、これらの実現が、私に託された最大の使命であると、このように考えております。この2つの再建の両立を果たさずして、北海道の未来はないと、このように考えております。
 とりわけ、今後一層、地域間競争が激化していく中で、本道経済の基盤を固めていくためにも、「経済再建」、これを特に急いでいかなければならないと考えます。
 先程申し上げましたとおり、本道の経済活性化の芽が少しずつではありますが、芽吹き始めております。この芽を大切に育てながら、本道経済を本格的な回復軌道に乗せつつ、民間主導の自立型経済、そういった構造に転換を図っていく必要があると考えております。

 そのためにも、北海道の最大の武器である「食」と「観光」、このブランド化に向けた一層の戦略的な取組をはじめ、地域産業力の向上や新産業・新事業の創出、あるいは、事業者の方々への金融支援の強化、企業誘致の取組、雇用創出の促進、ますますのスピードアップなど、経済再建に向けた取組を一層強化をしていきたいと考えております。
 他方、道庁の最大の課題である「財政再建」。この財政再建を加速させるため、現在、今後の行財政改革の方向を示す「新たな行革方針」について策定の最終の準備をしているところであります。
 道庁のスリム化に加えまして、「民間でできることは民間に委ねる」という視点で、BPR、あるいは市場化テスト、指定管理者制度などを通じまして、民間ノウハウの導入を推進し、民間ビジネスのチャンスの拡大にもつなげてまいりたいと考えております。
 北海道の未来、子どもたちの未来のためにも、全職員が気持ちを一つにして、一層の「行財政構造改革」に取り組んでいかなければなりません。
 その意味では、今年は「行財政構造改革」の真のスタートとなり、「行財政構造改革元年」という思いであります。
 この関係では、現在、昨年の10月でありましたが、私にとって苦渋の選択でありましたが、職員の皆さん方に対して、給与の独自縮減措置へのご理解とご協力をお願いをいたしているところでございます。皆さんやご家族の生活を預かる知事として、本当に申し訳なく思う次第であります。
 しかしながら、これからが本当の正念場であります。北海道の未来のためにも、「経済再建と財政再建の両立」、この2つの困難なテーマを何とか両立して実現をしていきたい。引き続き、皆さん方のご理解とご協力を心からお願いを申し上げたいと思います。

 さて、二つ目のテーマは、将来に向けた長期的課題である「環境問題への対応」であります。地球環境問題が大きくクローズアップされている中で、「経済の活性化と環境保全の調和」、これを図っていくことが、いま北海道にとって大変重要となってきていると考えております。
 この優れた自然環境を次の世代に引き継ぐことは我々現役世代の重大な責務であります。道民、事業者、行政すべての主体の連携のもとに積極的な取組が必要となっていると考えます。
 と同時に、これからの地域にとっては、地域経済の活性化を図りつつ、環境負荷の低減と循環型社会への転換を図っていくことが至上命題であろうと、このようにも考えているところであります。
 中でも象徴的なのが、世界自然遺産に登録された「知床」ではないでしょうか。今後、環境保全と、観光面での有効活用など地域経済との両立が大きな課題となっていきます。
 「経済」と「環境」が好循環する「北海道モデル」が確立できれば、本道はこの分野のフロントランナーとなりうる、その可能性は高いと考えております。逆にそれが確立できなければ、知床に今、観光客が増えつつあると、このように理解をいたしておりますが、このことも一時的なものとして終わってしまう危険性もはらんでいると、私はこのように思っているところでございます。
 いずれにいたしましても、「経済と環境との調和」に向けましては、我々の意識の問題、制度の問題、コスト問題などなど、乗り越えるべきハードルがたくさんあるわけでありますが、昨年末、循環税条例の制定を行うことができた今こそ、我々は今後、様々な分野で北海道モデルを積み重ねていかなければならないと、このように考えているところでございます。


 さて、三つ目は、「人口減少への対応」であります。昨年行われた国勢調査の折、北海道は全国の中でも、全国を上回るスピードで人口減少が進んでいるということが分かっております。高齢化が進んできております。こういった北海道も、ここ数年で本格的な人口減少時代に突入してきていると、こういう認識を我々は持っていかなければならないわけであります。
 もちろん、我々は手をこまねいていたわけではありません。全国初の少子化対策の子ども未来づくり条例を制定し、それに基づく様々な事業をやってきております。そして、移住促進など、道外の方々に北海道に来ていただくための様々な取組もしているところでございます。
 他方こういった中ではありますが、北海道のこの人口減少は避けられない時代のすう勢という認識を持って、こういった中で北海道はいかに臨んでいくか、そういった視点が重要になっているわけであります。
 今後、人口減少や少子高齢化が進んでいっても、地域の知恵と責任で、それを乗り越えることができる、自立性の高い社会経済システムの創造が急務となっているわけであります。
 人口が少なくとも、住民一人一人が、地域課題の解決や地域活性化を積極的に考え、様々なチャレンジをする地域には「活気」があると私は確信をいたします。そして、少子高齢化が進んでも、互いを支え合うため、力を合わせて取り組んでいる地域には「安心」があると私は確信をいたします。地域の生き残りをかけて、私たちはそのような社会を築いていかなければなりません。
 そのためにも、引き続き、北海道らしい地域主権の取組をはじめ、暮らしの安全・安心の確保、未来を担う子どもたちの育成、そして産消協働などを通じた域内循環の向上、移住促進などの取組に力を入れてまいりたいと考えております。

 さて、4つ目でありますが、それは「世界の中の北海道」という視点の重視であります。昨年年頭に、「世界へ、そして未来へ」ということを皆様方に申し上げ、このことをキーワードに、世界、未来に視野を広げ、取組を推進しようと申し上げてまいりました。世界を目指す北海道ブランドの充実・強化、こういったことに力を入れてまいりました。そして、そういった中で、皆さん方と共に、一生懸命頑張ってきた甲斐もあって、昨年、「知床の世界自然遺産登録」という、北海道を世界に大きく発信する対外的にもインパクトのある出来事を達成することができました。道内では、世界に向けた自信、気運が高まってきていると私は思っております。
 いま経済のボーダレス化が一層進展しております。世界の経済地図は、ますます塗り変わってきているわけであります。そして、そうした経済を牽引しているのは、国というよりも、むしろ我々が支えている「地域経済」ではないでしょうか。
 「国」という単位よりも、むしろ「地域」それぞれが、それぞれの個性や特徴を発揮して、自らを売り込んでいく時代になってきているのではないでしょうか。地域にとってはこれまで以上にチャンス、そして逆に言えば競争が激しくなった時代と、このように言えるのではないかと思っているところでございます。
 「グローカリズム」という言葉があります。グローバルとローカリズムを併せた言葉であります。グローバルに考えて、ローカルに、我々の特徴を発揮しながら行動する、そういった行動は結果的にパリやニューヨーク、ワシントン、そういった世界の大都市にもつながっていくと、このような意味ではないかと思っております。
 地域間競争に生き残っていくためにも、そうした意識をもって、我々は「北海道ブランド」を世界に向けて発信をしていかなければならないと思っております。
 特に、北海道は世界の主要都市と同緯度に位置をいたします。北米や欧州、北東アジアなどを結ぶ立地にあるなど、地理的優位性も高いのが北海道であります。
 私自身こうした優位性をもとに、今後一層、地域戦略に磨きをかけて、グローバルスタンダード、世界的尺度に立って、本道の様々な強みを発信させる取組を加速をしていきたいと思っております。
 皆様方にも、是非とも、「世界の中の北海道」ということを日頃から強く意識していただき、それぞれの仕事に取り組んでいただきたいと思います。
 以上「4つのテーマ」を重視しながら、新生北海道の実現に向けた様々な取組を進めていきたいと思います。そして、そのためにも何と言っても、我々道庁自らが不断の「自己改革」を遂げていくということが欠かせないのではないかと考えております。


 いま私たちは、未曾有の難局を、危機感をバネに乗り越えられるかどうかの分岐点に立っております。ここ1、2年が、本当に大事な勝負どころだと私は心に決めております。
 道庁改革は誰かがしてくれるというものではありません。私たち一人ひとりが、もちろん私知事が先頭に立ってやりますが、私たち一人ひとりがその役割を担っていかなければならないのでございます。
 そして、これを達成したその向こう側には、道民の皆様方の暮らしや北海道の未来がある、このことを我々は忘れてはいけないのであります。
 言ってみれば、道庁改革の風穴を開けられるかどうかは、とりもなおさず、職員一人ひとりが「意識の壁」を打ち破れるかどうか、今現状から変えていくという意識を持っていられるかどうか、このことにかかっていると言っても過言ではないと私は思っております。

 さて、皆さん、地域再生モデルとして全国の注目を集めている「旭山動物園」。プロジェクトXでもやっていたのをご記憶にある方もおられるかと思います。私も、あの時に勉強をしましたし、またその前に、旭川で園長さんからもお話をお伺いしたこともあるわけでありますが、一時閉園の危機にまで追いつめられた旭山動物園の復活には、まさにあそこの職員の方々、お一人お一人の意識改革が大きな牽引力になったと、このように言われているところであります。
 旭山動物園は開園当初、市民待望の動物園として人気を博したそうですが、時代の変化の中で入園数が激減し、施設の老朽化の進行とともに、やがて旭川市のお荷物とまで言われ、廃止の瀬戸際に立たされたそうであります。
 しかしながら、この逆境が職員の皆さんを奮い立たせたそうであります。もちろん、お金もありません、時間もない、そういった状況の中で決して後ろ向きになることなく、「いま何ができるのか」「お客様を楽しませるためにはどうしたらいいのか」という気持ちで、寝る間も惜しんで日々「知恵」を振り絞ったということでありました。
 その日々の努力が、動物をただ展示するではなく、動物達の気持ち、活き活きとした姿を真に伝える、あの「行動展示」へとつながったと聞いております。
 この「行動展示」はお客様の心を見事に捉え、評判が評判を呼び、ついには、2年連続で夏場に日本一の月間入園者数を達成をいたしたわけであります。その波は全国に広がり、あの上野動物園も「行動展示」を導入するに至るなど、旭山動物園の挑戦は、他の動物園にも大きな刺激を与えた、言わば、一つのビジネスモデルとなったわけであります。
 まさに、ピンチはチャンスであります。職員一人ひとりの「意識改革」と「挑戦する気概」が、逆境を見事に打ち破った好例、こういった好例が同じ北海道の中にあるではありませんか。
 これからの道庁の姿を決めていくのも、まさに私たちの意識と行動だと思っております。
 一人一人が、「道民は何を求めているのか」、そういった中で「職員はどうあるべきか」、こういったことを常に自らに問い、改革の歩みを一層揺るぎないものにしていくことが不可欠であろうと考えております。

 皆さん、「水の波紋」の現象をご存じでしょうか。「水の波紋」というのは、生じた瞬間は小さなものであります。しかし、それがじわじわと静かに拡がっていき、やがて「大きな波紋」となっていくわけであります。
 道庁改革も全く同じではないでしょうか。
 私は、例え、一人ひとりの力は小さくても、「改革を成し遂げようとする思い」で、一人、また一人と行動することによって、その思いは「水の波紋」のように道庁内全体に広がり続け、それがいつしか道庁改革を実現する「大きなうねり」となっていくものと、このように考えているところでございます。
 その道のりは長く険しいものかもしれません。しかし、私たちはこれまでも、幾つもの困難を我々一丸となって乗り越えてきたわけであります。
 私は、そうした皆さんのこれまでの大変なご努力を拝見する中で、その日が必ず来るものと、改革が成功する日が必ず来るものと確信をいたしているところでございます。
 この1年、引き続き、皆さん方とともに、新生北海道づくりに携わることを、本当にうれしく思っております。
 厳しい時ですが、だからこそ、一緒に元気一杯、行動していこうではありませんか。
 「病は気から」、あるいは「景気は気から」と言います。気持ちが重要であります。そして、我々が気持ちを高めていけば、必ず「道」は開かれてくると、私は確信をいたしております。
 そして、皆さん方、これも前から申し上げておりますが、解決策は常に「現場」にあります。部屋で座して待っているようでは何も解決策は見えてきません。「御用聞き行政」と言ったり、色んな言葉で皆さん方に語りかけてまいりましたけれども、常に答えは「現場」にあります。

 このことを私は、今年の年頭に皆さん方に改めて申し上げたいと思います。 
 是非とも、現場を強く意識して、アンテナを高く張りながら、「地域では、いま何が起きているのか」、「地域の人々が何を考え、何を必要としているのか」、地域動き、そして地域の声などを、事あるごとに、敏感に感じて、それをそれぞれの仕事に是非反映をしていただきたいと思う次第であります。
 そして、そういった皆様方のご努力の積み重ねにより、「道庁は前と比べると、ちょっと風通しが良くなったのではないか」「私たち一人ひとりの道民の思いが通じるようになったのではないか」、こんなふうに道民の皆さん方に思っていただければ、こんなに嬉しいことはない、私は思っているところでございます。

 今日から2006年の取組が始まります。また、皆様方とともに、仕事を一生懸命やってまいりたいと思います。
 今の厳しいこの難局を乗り越えて、力を合わせて新しい北海道づくりに、気を引き締めて頑張っていきたいと思います。
 今年も、皆様方お一人お一人のご協力を心からお願いをしたいと思います。今年も皆さん、頑張っていきましょう。ありがとうございました。