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最終更新日:2006年2月21日(火)


平成17年仕事始めのあいさつ



 

平成17年 職員に向けた仕事始めのあいさつ
平成17年1月4日(火)
北海道議会本会議場
 皆さん、明けましておめでとうございます。年末年始、ゆっくりとお休みになられましたでしょうか。これだけたくさんいらっしゃると何処を向いて話せばいいのか分からないですが、色々見ながらお話をさせていただきます。
 もちろん、私も家族と、この年末年始休ませていただきましたが、中には、休み中も仕事をされた方々も多くいらっしゃると思います。例えばスマトラ沖で大地震がありました。こういった中で、道内からの旅行客の方々の対応等々のお仕事もありました。また、昨年は4年連続の交通事故死対前年比減の達成がありました。このことに対し、道警察におかれては本当にご苦労様でございました。

 さて、仕事始めに当たって、私から幾つかお話しをさせていただきたいと思います。
 昨年は本当にいいこと悪いこと、色んなことがあったわけでありますけれども、30年来の私ども道民の願いでありました北海道新幹線の17年度着工という歴史的な出来事で1年を締めくくることができたわけでございます。
 昨年暮れこのニュースが流れました後、新幹線沿線以外の道民の方々からも、「とても良かった」「道全体にとっても励みになる」というお声をお伺いすることができ、とてもうれしく思ったところでございます。
 もちろん、このことは、着工決定ということは、決してゴールではなく、明日の北海道づくりに向けてのこれからのスタートであると、このように私は思っております。
 まずは、函館から札幌までの延伸という次のステージを描きつつ、この新幹線着工を大きな「弾み」として、本道経済の再建などに一層努力していかなければならないと考えております。
 私は、年頭のスタートラインに立って、職員の皆さんとともに、決意を新たにしたいと思います。

 そうした中で、いま私たちの足元を見つめてみますと、低迷の続いてきた北海道の経済は、若干ではありますが、明るさが見えてきたわけであります。しかしながら、中小企業の方々をはじめとして、まだまだご苦労が多いこと、厳しい状況にあると、このように思います。
 こういった、楽観できる状況にはない現状に鑑み、一日も早く確かな回復軌道に乗せていくことが求められていると考えております。
 また、自主財源に乏しく財政構造が弱い北海道及び道内市町村にとっては、三位一体改革など地方財政改革の影響が懸念されるところでございまして、道財政は、赤字再建団体への転落の瀬戸際に立たされているわけであります。
 全職員が真の危機意識を持ち、一人一人が財政立て直しにこれまで以上に徹底して取り組んでいかなければならないと思います。そのことを皆様方にもお願いをいたします。
 こうした厳しい試練を乗り越えていくためのエネルギーは、その先に描かれる将来への希望から生まれてくるものではないかと私は思います。
 幸い昨年は、北海道において、将来への「夢と希望」、そして北海道の自信を呼び起こさせる明るい出来事が幾つか続きました。
 この流れを大切にし、私は、「世界へ、そして未来へ」、これを合い言葉に、職員の皆さんとともに、新しい北海道づくりに励んでまいりたいと考えております。
 そのためにも、私は、特に、次の2つのテーマに力を入れていきたいと考えており、職員の皆さん方には、20年、30年先、こういった先の将来の北海道をイメージし、私が目指す新生北海道づくりに、ともに汗を流していただきたいと考えております。
 一つは、「北海道ブランドの強化」の問題であります。食や観光をはじめ北海道が誇る優れた資源は、高いブランド力と競争力を持っております。
 私自身、首都圏などの物産展で参加をさせていただき、この北海道のブランドの高い潜在力を自ら実感をさせていただいております。
 しかし、その実力はまだまだ十分に出ているとは言えないのではないでしょうか。出し切っていないとも感じています。
 宝石は磨いて初めてその輝きを放つものであります。北海道ブランドに、もっとこだわりをもって、高い「付加価値」を付け、さらに磨きをかけることによって、世界に通じるブランド力をさらに高めていく、実現をしていくことができるものと私は考えております。
 また、北海道ブランドは、個性あふれる地域からなる、この広い北海道の多様性から形作られるものであり、地域と地域が切磋琢磨することによって高められるものであるとも考えております。
 北海道ならではの素晴らしい素材に、地域の独自の付加価値を付ける、私流に言いますと、「地加」、地元で価値を加えると書きます、こういった発想を大切にしながら、食や観光、そして「知」の分野、知恵ですね、すなわちハイテク、先端分野、こういった分野でも、世界に通じる北海道ブランドを創出し、本道経済を力強くリードする産業を育てていきたいと考えています。

 二つ目は、「地域の共生力」の向上であります。すなわち、人と人、人と自然とが共に支え合って生きていく力、これを如何に高めていくかということであります。
 自立した地域主権型の社会では、誰もが社会の一員としての役割を担い、豊かな自然の中で、共に生き生きと暮らしていくことが大切であります。すなわち、住んでいる方々が、お互いを思いやり、子育てや福祉、教育、防犯といった、安全・安心の暮らしを支える仕組みを整え、包容力のある共生社会を築いていくことが重要であります。
 また、そうした地域社会を築いていくことによって、「近き者がよろこべば、遠き者来る」、こういった言葉が孔子の言葉にありますが、このように住む人の喜びが、世界中から、そして日本中から人々を集わせ、にぎわう北海道となると思います。
 こうした北海道を築き上げるためにも、「安全・安心の地域づくり」、あるいは「子どもの未来づくり」といった課題、また域内消費を高め地域の自信と誇りを引き出す「産消協働」の取組、また廃棄物対策や自然環境の保全など「環境重視型社会づくり」など、あるいは、北海道ライフを発信し「移住促進」などに力を注いでいく考えであります。
 これらの取組を強力に推し進めることにより、世界中からヒトや資金を呼び込むことのできる、活力ある新しい北海道、新生北海道を築いていきたいと考えております。


 このような北海道の将来像に向け、今年、重点的に進めようとする3つの課題について、次はお話しをいたします。
 一つ目は、「食の安全・安心」と「観光のくにづくり」への重点化であります。
 「食」と「観光」は、世界を目指す北海道ブランドの大きな柱であり、経済再建のエンジンになるものと考えております。
 全国の食卓に安全で安心な食べ物をお届けし、国民の命を守る「日本の食料庫」北海道、食料自給率190%以上を誇る北海道、この北海道として第1回定例会に「食の安全・安心条例」を提案をいたします。
 そして、17年度には、この条例などに基づき、道産食品の原産地表示や遺伝子組換え作物に関する独自の仕組みづくりといった取組を進めることといたしております。
 さらに、食の安全・安心に関する全庁的な連携のため、「食の安全推進室」を新設し、体制強化を図る所存でございます。
 また、観光については、北海道は美しい風景や豊かな自然に囲まれ、人々に「癒し」と「安らぎ」を提供できる地域であります。
 食や体験、温泉などの資源を最大限に生かし、より効果的な情報発信を行いながら、これからの時代にふさわしい新たな北海道観光づくりを進めていかなければなりません。
 その推進のための庁内体制については、北海道ならではのグリーンツーリズム、あるいはマリーンツーリズムの積極的な展開をはじめ、アウトドアや、あるいはフィルムコミッションの活用、景観や道路網など社会資本整備との連動を進める一体的な組織として、新たに「観光のくにづくり推進室」を設置する考えであります。
 これら二つの新設組織は、それぞれ関連の深い農政部と経済部に置くことにいたしておりますが、いずれも全庁にまたがる課題であり、北海道の生き残りをかけて取り組まなければならない最重要課題であると考えております。
 このため、私や担当副知事が直接指示をしながら、全庁一丸となって関連施策を一体的に進めるという意味も含め、それぞれを担当する「参事監」という、新しい部長級のポストを新設したいと考えております。
 このように、予算、組織という政策資源を、当面の重点課題である「食」と「観光」に集中をし、早期に目に見える成果を上げていきたいと、このように考えております。

 二つ目は、「地域主権」の推進であります。全国知事会をはじめ地方6団体が結束して国に提案をするなど、大きな議論を巻き起こした三位一体改革でありました。去年いろんな議論がありました。
 しかし、そもそもの出発点は、「地方にできることは地方に」ということだったにも関わらず、残念ながら、地方の自主性・自立性の拡大という分権の理念から見ては不十分な内容となってしまったことはとても残念であります。
 もちろん、国に依存した財政構造にも限界がきていることも確かであります。引き続き、地方としての主張をしっかり発信していくと同時に、生き残りをかけた自らの懸命な努力を積み重ねていかなければならないと考えております。
 道州制特区については、国の機関との統合や法令面の地域主権の推進など道としての提案を取りまとめ、経済財政諮問会議などの場で私から発言をしてまいりました。
 去年の暮れ、12月20日には第2回の懇談会が開催されたところでございまして、今後、国において実効ある取組が進められるように、引き続き、北海道でしかできない地域主権の取組について、さらに強く発信していきたいと考えております。
 地域主権の原点は、住民に最も身近な市町村が、自らのことを自ら決定できるようにしていくことにあります。その市町村では、地域の将来を見据えた市町村合併等について、真剣な議論がなされております。
 4月からは合併新法がスタートいたしますが、道としては、市町村の合併についての議論が更に深められるよう、これまで以上に積極的な役割を果たしていかなければならないと考えております。
 各支庁においては、これまでもしっかり取り組んでいただいていると考えておりますが、各地域の実情を踏まえて、きめ細やかに目配りをし、的確な助言、情報提供、協力など、さらなる努力をしていっていただきたいと考えております。


 三つ目は、「道庁改革」であります。道庁は、道民の皆様から託され、お預かりをしている、道民のための組織であります。
だからこそ、財政危機だからといって「守り」や「内向き」になるのではなく、行政コストの徹底した抑制を図りつつ、地域のため、北海道のために、持てる力を最大限に発揮していくことが、私たちに与えられた使命であります。
 このためには、例えば、アウトソーシングできるものは極力外部委託するなど、「経営改革」という視点で道政改革、道庁改革を進めていく必要があります。
 このような観点から、17年度には、事務の集中処理や中間的な経由事務の廃止などによって、内部管理業務の大幅な縮減を図る「総務業務の集中化」に取り組んでいく考えであります。
 私自身も行政官を長くやっておりましたその経験を踏まえますと、役人の性質として、何かをやるには必ず新しい予算、あるいは組織、そういったものが必要と考えがちではありますが、お金がない今だからこそ、人材や組織の総合力が問われるわけであります。
 このため、職員が有する知恵やノウハウ、行動力といったものを最大限に発揮させ活性化事業を進める、いわゆるゼロ予算事業、「赤レンガ職員チャレンジ事業」とネーミングをいたしておりますが、こういったものにも力を入れていきたいと考えております。
 こうした取組を通じて、前例や縦割り意識にとらわれることなく、柔軟な発想を持って地域の創意工夫を応援していただきたいと考えております。

 今お話ししたこととも関連いたしますが、私は職員の皆さんが仕事に臨む際に、大切にしていただきたいこととして、次の三つを申し上げたいと思います。

 一つ目は、「外向きの道政」ということであります。日頃から、「出前行政」「御用聞き行政」ということを申し上げさせております。答えは常に現場にあると私は思います。現実に地域と関わったり、実際にビジネスに携わっていらっしゃる方々の知恵に勝るものはありません。積極的に地域や現場に「営業」に出向くことや、「地域人」として住民の方々とのコミュニケーションを大切にしていただくこと、こういったことを道職員の方々にもお願いをいたします。


 二つ目は、「感度の良い道政」であります。地域では、日々様々な出来事があり、出先にも本庁にもいろいろな情報が寄せられていると思います。こうした中に、道民の方々の切実な思いや、危機の「芽」、といった重要な情報が含まれていると思います。
 職員の皆さんには、それを見極める緊張感と鋭い目を持っていただき、幹部の皆さんには、そうした情報をキャッチし、的確に対応できる環境づくりに力を注いでいただきたいと思います。
 今、企業でも自治体でも「危機管理能力」というものが求められており、危機管理の要諦は情報の把握と伝達であると思います。その意味からも、「感度の良い道政」を目指していただきたいと考えております。

 三つ目は、「自らに厳しい公務員たれ」ということであります。道政は、道民の皆様の信頼と理解があってはじめて進められるものであります。
 職として与えられた立場や権限を自分の力と勘違いをしてはいけません。こういったことなく、自分の行いが道民の皆様方の目にはどう映っているのか、道職員としてふさわしい行為なのかを、常に自らに厳しく問うことを忘れないでいただきたいと思います。このことは私自身も肝に銘じているところであります。

 いま私たちが迎えている時代は、歴史の大きな転換点であります。歴史は、その時代その時代を生きる人々の英知と行動によって、連綿と引き継がれ、絶えることなく新しい価値観や社会システムが築かれてまいりました。
 北海道の今を生きる私たちも、自然と共に暮らしたアイヌの方々の優れた文化や、この北の地に豊かな土地を拓いた先達を敬い、その志や知恵に学びながら、今度は自らの歴史を私達自身の手で作っていかなければなりません。
 今月15日、明治初期の北海道を舞台にした映画「北のゼロ年」が全国一斉に公開される予定だと聞いております。
 この映画は、明治維新で自分たちの藩がなくなり、それまでの生活を根底からくつがえされた人々が、北海道という、この北の大地に自分たちの手で新しい国を作るという希望を抱き、過酷な自然と闘いながら生きていくという、こういうお話だそうであります。
 あの時代、北海道開拓を担った人々の想像を絶するご労苦を思うと、今、我々が乗り越えていかなければならない試練、これに大きな勇気が湧いてくるのは私だけではないと思います。
この映画をご覧になった作詞家の阿久悠さんが作られたという素晴らしい詩の一節を、皆さん方に紹介をいたします。

 夢見る力がある限り 大地はきっと人をいだく
 夢見る力がある限り 大地は人に笑(え)みかける

 こういった詩でございます。私たちも、この豊かな大地の持つ限りない可能性を信じて、私たち自身の手で、北海道の新しい歴史を築いていきたいと思います。皆さん方と共に歩んでいきたいと思います。

 さて、終わりに近づいてまいりました。今年は、私にとって任期4年の折り返しの年であります。
 さまざまな課題を抱え、各部、各支庁、道政の最前線で頑張っていただいている福祉や税務などの出先機関、さらには教育庁、道警察等々、それぞれの職場において、職員の皆さんには今年もご苦労をおかけすると思います。
 厳しい時だからこそ、私たちに対する道民の皆様方の期待にお応えしていかなければなりません。
 北海道の未来、そして子どもたちの未来のためにも、私は、道民の皆様方とともに、新生北海道づくりに全力を尽くす覚悟であります。
 職員の皆様方のご理解とご協力を今年をよろしくお願いをいたします。皆さんとともに今年も頑張っていきましょう。よろしくお願いします。