視覚障がい者向け広報「ほっかいどう」平成30年10月号

視覚障がい者向け広報「ほっかいどう」10月号

【もくじ】
1 特集:科学技術で描く、未来の北海道
2 こんにちは!赤れんが
3 おすすめ!地域から
4 みんなの防災ガイド
5 こちら道議会

1 特集:科学技術で描く、未来の北海道
未来の北海道のためにできること。科学技術を仕事や暮らしに生かす新たな取り組みを進めます。
(1)北海道の豊かな未来を実現するために
 豊かな自然環境や良質な食、観光・エネルギー資源などに恵まれている北海道。その一方で、全国を上回るスピードで進む人口減少・高齢化の波は、私たちの生活にさまざまな影響を与え始めています。北海道の優れた資源を生かしながら多様化する課題を解決し、未来の北海道をつくっていくために、どんなことができるでしょうか。将来にわたって豊かな暮らしや確かな成長を実現する鍵の一つは、AI※1、IoT※2、ロボットなどの科学技術イノベーション※3です。こうした中、道では、ことし3月に新しい「北海道科学技術振興計画」を策定しました。この計画では、科学技術の振興を通じて目指す北海道の姿として、3つの基本目標を掲げています。
※1 AI/人工知能。コンピューターを使って、人間の知能の働きを人工的に実現したもの。 ※2 IoT/「モノのインターネット」と呼ばれ、身の周りのものがインターネットにつながる仕組みのこと。
※3 イノベーション/科学的な発見や発明などによる知的・文化的・社会的価値の創造に結び付ける革新のこと。
(2)3つの基本目標に向かって科学技術を推進
【基本目標1 持続的な経済成長の実現】
豊かな資源や「ものづくり」の技術など、北海道の強みや可能性を生かし、持続して成長する経済を実現
【基本目標2 安全・安心な生活基盤の創造】
健康で心豊かな生活に必要な基盤を整備し、誰もがこの先も住み続けたくなる社会を実現
【基本目標3 環境と調和した持続可能な社会の実現】
循環的な資源利用や温室効果ガスの排出削減などを進め、環境と調和した社会を実現

 これらの実現に向け、道では、産業界、大学、研究機関や金融機関などの関係者と協力し、科学技術を生かしたさまざまな施策を進めています。
道内産業の生産性向上や省力化に役立つ、先端技術を生かした新たな取り組みを紹介します。
(3)AIやIoTなどに関する研究開発
 道内の大学では、AIやIoTなどの先端技術を活用した研究開発が行われています。このため道では、こうした研究開発の実用化に向けた取り組みを支援し、農林水産業や製造業などさまざまな分野において、生産性の向上や人手不足への対応といった地域課題の解決につながることを目指しています。その一つとして、11月8日(木)、9日(金)にアクセスサッポロで開催される「ビジネスEXPO」において、「道内のAI・IoT」コーナーを設置し、AIを活用した融雪システムや衛星・ドローン画像による農地分析などを紹介し、道内企業などで先端技術を活用した新たな取り組みの創出を促進していきます。
(4)海の中を「見える化」するICT漁業で人と地域に貢献したい。
公立はこだて未来大学 教授 和田 雅昭さん
 従来の漁業は自然相手の不安定さがあり、重労働が伴うことから、現場はまさに命がけ。漁師さんの働く環境に役立つ仕事がしたいと、私が15年ほど取り組んでいるのが「ICT漁業」です。例えば、水温を計測して漁業者にリアルタイムで提供することで養殖業に役立てたり、漁船の動きや毎日の水揚げのデータの「見える化」をすることで、ナマコの分布状況の把握や魚群予測に生かしたりなどができるようになりました。近年では、漁の現場も様変わりし、高齢の漁師さんがスマホやタブレットを駆使して計画的な出漁の準備や資源管理に役立てています。「獲る」「売る」「資源を守る」ためにICT漁業の質を高めて経営戦略に生かし、地域の発展に貢献できたらと考えています。
(5)ものづくり産業の技術力を強化
 北海道立総合研究機構(道総研)工業試験場では、道内企業の新製品・新技術の開発や高付加価値化、生産工程の改善といった取り組みを行うとともに、その成果を活用して、技術相談や技術指導などの支援を行っています。また、道内各地の産業支援機関と連携した技術支援なども行っています。こうした取り組みの一環として、11月には食料品製造業の生産性向上につながる「ロボラボ」を新設します。また、来年3月には寒冷地対応のIoT製品の開発支援拠点として、低温試験室などを備えた「寒冷地ものづくりラボ」を新設する予定です。
(6)食品業界のロボット導入を支援する道内初の施設が誕生します。
地方独立行政法人 北海道立総合研究機構産業技術研究本部
ものづくり支援センター長 飯田 憲一さん
 11月20日、道総研の工業試験場内に開所予定の「ロボラボ」は、食品加工現場へのロボット導入を促進する道内初の施設です。道内の主力である食料品製造業は近年、深刻な人手不足に直面しており、ロボット導入による省力化が課題となっています。そこでこの施設に各種ロボットやセンサーを整備し、実践的な研修を行い、道内食品メーカーにおけるロボット導入の担い手を育成していきます。また、施設では多品種少量生産や不定形物など、食品加工現場特有の課題に対応したロボットの作業シミュレーションができることから、食品加工現場の技術課題の解決や新たなロボット活用技術の研究開発なども行い、ロボット導入に関する総合的な支援に取り組んでいきます。
(7)人工衛星データを活用したビジネスの創出
 近年、人工衛星からのデータは、質・量とも大幅に向上しており、AIやIoTなどの新しい技術と結びつくことによって、今後はさらに利用拡大が見込まれています。特に、広大な北海道では、広範囲を把握することのできる衛星データの特徴を生かすことで、農林水産業をはじめ幅広い分野で作業の効率化や農産物などの品質向上につなげることが期待されています。このため道では、衛星データを利用した新たなビジネスの創出を図るため、企業、専門家、研究機関、関係団体などとともに「北海道衛星データ利用ビジネス創出協議会」をことし4月に設立しました。この協議会では、衛星データ利用に関する情報提供や会員からの相談への対応、事業化に向けた検討などを進めていきます。
(8)超小型衛星を活用した国際協力で、アジアを取り巻く共通課題に取り組みます。
北海道大学 教授(北海道衛星データ利用ビジネス創出協議会アドバイザー)髙橋 幸弘さん
 これまで、宇宙開発は主に大国の宇宙機関によって行われてきましたが、近年は技術革新や開発コストの低下により、大学の研究室や民間ベンチャー企業なども参入できるほど身近になりました。私が約20年前から取り組んでいる超小型衛星の開発もその一つ。地上や雲などを世界最高解像度で撮影できるカメラを開発し、波長の短いものから長いものまで約600種類の光を撮影することによって、病気にかかった農作物の場所を特定したり、森林火災の起きやすい場所を見分けたりすることができます。
 現在は、アジアで深刻化するこうした課題に対応するため、北大からアジアの新興国8カ国に参加を呼びかけ、国際協力で衛星の運用を共有化する新たな仕組みづくりを進めています。
(9)ICTなどを活用した働き方改革
意欲や能力のある人がいきいきと働ける環境づくりや、企業の人手不足の解消を図るため、道では「多様な人材の活躍」「就業環境の改善」「生産性の向上」を柱として、働き方改革の取り組みを進めています。その一環として、道の「ほっかいどう働き方改革支援センター」では、電話や来所による企業の相談に無料で応じるなど、企業が進める働き方改革の取り組みをワンストップで支援しています。また、近年では、ICTなどを活用した働き方改革に取り組む道内企業も増えており、事例の共有化を進めています。
▲道庁働き方改革推進室 電話(011)204-5354
▲ほっかいどう働き方改革支援センター 0120-495-595(相談専用電話)
(10)ICT施工をいち早く導入し、現場の生産性向上に役立てています。
株式会社 砂子組 企画営業部長・ICT施工推進室長 真坂 紀至さん
 土木・建築工事を柱とする当社の経営の基本は「人材育成」。少子高齢化に対応するため、建設現場での生産性向上を図ろうと、約10年前から取り組んでいるのが、施工全般でのICT活用(ICT施工)です。例えば、建築工事の受注から検査・納品までを一元管理するシステムを導入したことで、書類作成の労力が大幅に軽減され、若手社員の活躍の場も増えました。また、土木工事現場でも、複雑な工事情報を三次元データによって「見える化」し、工期短縮や省力化などに役立てています。こうしたノウハウを次世代に継承するため、当社は、協定先の岩見沢農業高校で連携授業を担当しており、ICT施工を農業・土木に生かす指導も行っています。
▲特集に関するお問い合わせ
道庁科学技術振興室 電話(011)204-5126

2 こんにちは!赤れんが
(1)40歳になったら特定健康診査の受診を
 肥満症、高血圧症、糖尿病などの生活習慣病の多くは自覚症状のないままに進行します。重症化すると、命にかかわる病気を引き起こす危険性もあります。適切な運動、野菜をしっかり取る食生活、禁煙を心掛けるとともに、40~74歳までが受診できる特定健診で、生活習慣病を予防しましょう。
▲道庁国保医療課 電話(011)206-6494
(2)赤れんが庁舎改修事業への寄附を募集しています
 国の重要文化財でもある北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)は近年、劣化が著しく進行しています。そのため、道では赤れんが庁舎の歴史的価値を保存し、次の世代へ引き継ぐための大規模改修工事を2019年度より実施することとし、ふるさと納税などによる、改修事業への寄附を募集しています。詳しくはホームページをご覧になるか、電話でお問い合わせください。
▲道庁総務部総務課 電話(011)204-5055
(3)ブロック塀の安全点検のお願い
 ブロック塀を所有・管理している方は、防災対策として、次のチェックポイントをもとに、安全点検を行ってください。1~5をチェックし、一つでも不適合がある場合は危険なので、付近通行者への注意表示と、塀の補修や撤去を行いましょう。塀の内部については専門家に相談してください。
〈チェックポイント〉
1 塀の高さは地盤から2.2m以下か
2 塀の厚さは1cm以上か ※塀の高さが2m超2.2m以下の場合は15cm以上
3 塀の長さ3.4m以下ごとに、塀の高さの1/5以上突出した控え壁があるか ※塀の高さが1.2m超の場合
4 コンクリートの基礎があるか
5 塀に傾き、ひび割れはないか
〈専門家に相談しましょう〉
●塀の中に直径mm以上の鉄筋が縦横とも80cm間隔以下で配筋されており、縦筋は壁頂部および基礎の横筋に、横筋は縦筋にそれぞれかぎ掛けされているか
●基礎の根入れの深さは30cm以上か ※塀の高さが1.2m超の場合
 ブロック塀に関する相談は、お住まいの市町村の建設担当課または各総合振興局・振興局の建設指導課にお問い合わせください。
▲道庁建築指導課 電話(011)204-5097

3 おすすめ!地域から
総合振興局・振興局の話題をお届けします。
(1)留萌振興局
深川・留萌自動車道全線開通へ
 2019年度の深川・留萌自動車道全線開通に向け、留萌エリアを盛り上げようと、「深川・留萌自動車道全線開通地域活性化協議会」が設立されました。その活動の一環として、11月30日(金)まで「日本海オロロン街道 よくばりスタンプラリー」を実施しています。留萌管内8市町村のイベント、飲食店、道の駅などが対象で、豪華景品が当たるチャンスも。
▲地域政策課 電話(0164)42-8421

4 みんなの防災ガイド
地震は津波のチャイムです!津波から命を守る五つの約束。
命を守る大切さを語りつなぐ 代表 三浦 浩さん(北海道防災教育アドバイザー)
 1993年7月に発生した北海道南西沖地震から、ことしで25年目を迎えました。私自身の被災経験から、津波の恐れのある地域では、「揺れたらすぐ高いところに逃げる」ことが何より大切と実感しています。命を守るため、右記のことに気を付けるほか、いざというときの避難ルートや場所について、あらかじめ家族で話し合っておきましょう。
五つの約束
●(家に)戻るな! ●(迎えに)寄るな! ●(帰りを)待つな! ●(荷物を)持つな! ●(家族を)捜すな!
▲道庁危機対策課 電話(011)204-5008
防災・災害情報は「北海道 危機対策」を検索

5 こちら!道議会
定例会の概要などをお伝えします。「平成30年第2回定例会(6/19~7/6)」
(1)定例会の概要
知事から予算案2件(総額41億7,000万円)と条例案4件、その他の案件3件が提案され議決されました。また、議員及び委員会から提出された決議案1件、意見案8件が原案可決されました。本会議(一般質問)や予算特別委員会の主な質問は次のとおりです。
●JR北海道の路線見直しに関し、収支改善が見込めない場合の路線廃止を含めたJR北海道の検討方針に対する今後の対応について
●統合型リゾート事業に関し、地域経済や雇用、ギャンブル依存症対策など、今後の考え方や誘致の判断について
●稲、麦、大豆の種子生産を都道府県に義務づけた主要農作物種子法の廃止に関し、種子生産の取り扱いについて
●林業大学校の設立に関し、学校の運営体制の構築など、具体的取り組みについて
予算特別委員会からは、審査経過を踏まえ、JR北海道の路線見直し、統合型リゾート施設、インバウンド観光の振興、企業の人手不足、公文書管理のあり方などについて意見が付されました。
(2)主な議決の状況
◎知事提出案件
●予算案 2件 「平成30年度北海道一般会計補正予算(第1号)」など
●条例案 4件 / その他案件 3件 「北海道病院及び診療所の人員及び施設等に関する基準を定める条例の一部を改正する条例案」など
◎議員・委員会提出案件
●決議案 1件 「受動喫煙ゼロの実現を目指す決議」
●意見案 8件 「地方自治体における消費者行政の充実・強化を求める意見書」など
(3)カルチャーナイト2018(7月20日開催)
 カルチャーナイトでは、多くの見学者が道議会を訪れました。当日は、旧議事堂などのパネルを展示し、職員の説明による議場見学を行いました。
(4)ホームページをご覧ください
道議会ホームページでは、議会中継・録画、議会の日程、会議録、傍聴・見学のご案内などをご覧いただけます。「北海道議会」を検索
(5)議会の詳細について
道議会では、定例会ごとに質問などの詳細を記載した冊子「北海道議会時報」を作成しています。ホームページに掲載されるほか、市町村役場等に配布しています。また、希望者への配布も行っておりますので、下記議会事務局までご連絡ください。
▲議会事務局政策調査課 電話(011)204-5691

広報(誌)「ほっかいどう」、次号は平成30年12月下旬の発行予定です。点字版広報誌の送付を希望される場合は、発行元までご連絡ください。
発行/北海道総合政策部知事室広報広聴課
〒060‐8588 札幌市中央区北3条西6丁目
(電話)(011)204‐5110/FAX(011)232‐3796

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